知事定例記者会見
・日時/平成17年10月28日(金) 14:02~16:30
・場所/ 記者会見室
・記者数/28名(その他テレビカメラ等2台)
会見項目
知事からの話題
1 新たな給与の独自縮減措置について
2 新千歳空港国際線旅客ターミナルの整備について
3 ロシアとの経済交流促進に向けた提案活動について
4 原油価格高騰に関する道の取り組みについて
記者からの質問
1 職員数の削減について
2 給与の独自縮減措置について
3 道警察における公金着服事件について
4 プーチン大統領の訪日について
5 介護保険施設等運営指導マニュアルについて
6 在日米軍再編に係る嘉手納基地F15戦闘機飛行訓練の本土分散・移転について
7 集荷円滑化対策への取り組みについて
知事からの話題
新たな給与の独自縮減措置について
一つ目は、新たな給与の独自縮減措置についてです。先日10月25日、私は道財政運営の健全化のための給与措置といたしまして、私自身も含めた新たな独自縮減措置について、庁内放送により職員に対し、協力と理解をお願いしたところです。中身につきましては、総務部長から記者レクチャーをさせていただきましたので重複は避けますが、私の思いといたしましては、この度の措置につきまして、道職員、そしてその家族の皆さん方に大変な負担を強いることになりますことから、職員、あるいはご家族の皆さんの生活を守る立場にある知事として、大変心苦しく辛い判断であったということです。しかしながら、同時に私は道民の方々の生活を守っていく立場にもあります。そして、道民の方々には一定のご負担、痛みをお願いをしなければならないということである以上、今回の独自縮減の提示はやむを得ないものと、このように考えているところですので、職員の皆さんのご理解をいただきたいということであります。そして、私としては2年間、職員の皆さんにも負担を強いるわけでありますので、こういったことを実行することによって、何としても赤字再建団体への転落を回避しなければならない、大げさに言えば、北海道の地方自治を守っていくという強い決意で望んでいかなければならないと思っておりますので、今後、職員団体と協議を重ねて、出来るだけ早期に成案を得てまいりたいと考えております。また、昨日、夕方でありましたが、私はずっと出張に行っておりましたので、出張から帰ってきた後に直接部長に集まってもらって、臨時部長会をやったわけであります。その時にもそれぞれの部長から、各部における職員の様々な不安なり意見について、照会がある中で大きなものが一つありました。「2年間何とかやれば、その先はめどが立つんだな」ということについてです。確かに、今こういう時代ですので、特に国からの地方交付税、そもそも我々自身の道税収入など、もちろん見通せないものがあることは事実であります。しかしながら、そういったことが悪い方向になったとしても、私どもとしては、これから年末にかけて策定を最大限急いでおります道の組織機構の見直し、あるいは職員適正化計画の見直しなど、道庁の行財政構造改革の中身を何とか軌道に乗せることにより、こういったことの効果を上げることによって、何とか乗り切っていけるのではないか、あるいは乗り切っていかなければならないと、このような意味で、今回の2年間に限った給与の独自縮減措置の提案をさせていただいたということです。
新千歳空港国際線旅客ターミナルの整備について
二つ目は、一部報道に出ておりましたが、新千歳空港国際線旅客ターミナルの整備についてです。ご案内のとおり、直近、平成16年度のデータでは60万人を超えるなど新千歳空港の国際線の利用者の数は、どんどん増えてきております。私どもは100万人以上というのが、これは目標であると同時に実現可能な数字であると、実現しなければならない数字であると思っております。そういったことになりますと、当然、新しい国際線ターミナルがいるであろうということで、国土交通省ともいろいろな議論をさせていただいた中で、国交省から2案の提示がありました。一つは、今の国際線ターミナルをベースとしてそこを拡充する案、この方がコストがとても安くあがるわけですけれども、やはり需要規模において、将来の予測の100万人に対応しうるかという問題点がありました。一方で、西側の方への新設案というこの2案でございましたが、私どもとしては、いろいろ考慮した結果、コスト的には高くつくわけですが、将来の北海道の観光立国、特に東アジアをはじめとして外国からのお客様をより多く呼んでこようという我々の政策意図からしても、西側への新設案が必要であるとの結論を出すに至ったところです。これから国との間で、あるいは関係の皆さん方との間で様々な議論、調整をしていくということになるかと思うわけであります。CIQのスペースも広くなるわけでして、今の国際線ターミナルでは、ターンテーブルが一つしかなく、便が重なる曜日には、本当に海外からの多くのお客様に、ご不便をかけていたところですが、そういったことも一定の効果が期待をされるところです。もちろんCIQそのものの権限面についての国と地方との関係のあり方については、別途、道州制特区の中で提案をしているところであります。
ロシアとの経済交流促進に向けた提案活動について
三つ目ですが、ロシアとの経済交流促進に向けた提案活動ということです。11月20日からプーチン大統領が訪日する予定と理解をしております。これを一つの契機といたしまして、ロシア極東地域と経済交流を進めている北海道として、交流をさらに促進をするという観点から、日本国政府に対して、交流促進のための提案を行うこととしたところです。外務省、財務省、経済産業省の各大臣宛に、近々、私自身が上京して持っていきたいと思っております。中身として、関税率の見直しと通関手続きの簡素化、また、輸出認証制度の改善、さらには、査証制度の改善、それから日露貿易投資促進機構の機能充実等々ということです。詳しくは、経済部商業経済交流課にお問い合わせいただければと思います。
原油価格高騰に関する道の取り組みについて
四つ目は、原油価格高騰に関する道の取り組みについてです。このことにつきましては、10月7日に全体的なパッケージについて、ご説明を申し上げましたが、その際に中小企業資金融資制度の中で、融資対象の拡大をするための要件緩和をするということを申し上げたところです。これを10月20日付けで拡大をしたということのご報告です。従来の当該融資制度、すなわち「景気変動対策特別貸付」の中におきましては、「直近の売り上げ高の減少」、あるいは「直近決算の利益の減少」ということを要件にしていたところですが、今回、原油高という中で、例えば売上高に変化はないのだけれども経費の方が増加しているというようなケースも想定されますので、この拡大要件の中にそういった趣旨も入れさせていただいたということです。また、同じく10月7日の原油対策のパッケージの中で、国への要請ということも申し上げたところです。このことにつきましても、来週早々にも東京に参りまして、経済産業省に対して要請活動を行ってくると、このように考えております。
記者からの質問
(uhb)
最初の給与の縮減にも関連あるかと思いますが、職員の数を10年間で3割減らすですとか、あるいは07年度の事務職の採用をされないだとかといった報道がなされていますが、まずこういったことについて方針だとかがあるのかどうかお聞かせください。
(知事)
なぜそのような報道が出たのかについて、私は、詳細は一切承知しておりませんが、先程、冒頭申しましたとおり、様々な行財政構造改革メニューとして、職員適正化の問題、あるいはそれの具体的な中身としての採用について、どういう方針にするかということについても、今、検討いたしているところです。いましばらくお時間をちょうだいしたいと思います。
(uhb)
仮定の話で恐縮ですが、もし新規の事務職を採用しないことになると、削減ということも大事かと思いますが、職員の年代のバランスですとかが崩れて、道政への影響が出るんじゃないかと懸念されますが、その辺についてはどのようにお考えですか。
(知事)
そういった点も含めて、ベネフィット、コスト、いろいろ総合的に考えていくことになると思います。
(uhb)
現段階では、まだ、決まっていないということですね。
(知事)
はい。決まっていません。
給与の独自縮減については、提案しています。
(NHK)
先程、給与の独自縮減については、知事も苦渋の選択だったと思いますが、一番最後におっしゃいました、仮に交付税収入、税収が悪い方向に向かったとしても、組織機構などの見直しによって軌道に乗せることができるので、乗り切りっていかなければならないという決意は、2年後、確かに不透明な部分はありますが、独自縮減については、今回限りということだというスタンスをお持ちだということですか。
(知事)
はい、その通りです。
(HBC)
道警の裏金問題についてお伺いしたいのですが、倶知安警察署で2002年に警察職員が公金を横領した疑いがあるという報道がなされていますが、2002年というのは追加監査の結果、不正な経理はなかったとされる時期だと思いますが、結果的に、追加監査の信頼性がゆらぐという事態に、この問題が事実だとすれば、なると思いますが、それについて、ご対応だとかありますでしょうか。
(知事)
まだ、捜査中ですので、いろいろな報道が出ているのは私も承知していますが、事実関係が不透明な今の段階では、ちょっとそのことにはお答えできないと思います。捜査をできる限り早くやると道警本部長も言っておられるようですので、その結果を見た上の判断になるかと思います。そのときまたご質問いただければと思います。
(HBC)
今回、不正な経理操作で旅費の横領も行われたという報道もなされていますが、その辺りが事実だとしたら、監査をやり直すことも考えるということですか。
(知事)
ですから、同じ答えで恐縮ですが、捜査結果が出てからの判断じゃないかと思います。
(朝日新聞)
2点お願いします。
まず、第1点は、プーチン大統領の訪日に当たって、先程、知事は上京なさって貿易障壁について、改善を各省庁に要請するということですが、それ以外で、北方領土を抱える北海道として、何か中央に対して要請するつもりとか、あるいは、プーチン大統領に会わせてくれとか、そういったことを要請するつもりがあるかということが1点。
2点目は、道南の医療法人を舞台とした汚職事件で、介護保険の制度運用の面で、知事はファジーな点があるとおっしゃって、近く制度を改善するとおっしゃっていましたが、そのマニュアルなどがまとまっていれば、その点について教えていただけないでしょうか。以上2点についてお願いします。
(知事)
プーチン大統領の来日が11月20日です。日程が合えば、政府に対して私から改めて北方領土問題についての強力なる外交交渉を要請したいという思いは強く持っています。しかしながら、11月2日にも予想される内閣改造の前というのは、たぶん何も動かないと思いますので、その意味ではあまり時間的にないかなと思います。私の方も、決算特別委員会もありますし、いろいろスケジュールが11月も詰まりつつありますので、スケジュールが上手く調整できれば、もちろん要請をやりたいという思いは、強く持っています。
それから、介護保険マニュアルの話ですが、道議逮捕等の動きの中で、私から、現場の職員の裁量の余地が多いからこそ、ああいった問題になる背景になったということで、マニュアル化を保健福祉部長に指示したということを申し上げました。保健福祉部の方で、いろいろ検討してくれまして、案はもう出来ております。今、聞いているところによると、11月1日付けで施行を予定しているということです。中身の詳細は保健福祉部にお聞きいただければと思いますが、マニュアルの主なものについて、二つくらいご報告をしたいと思います。
一つは、検査、あるいは監査の対象事業者の選定、ここに裁量の余地があり得るということでしたので、監査をすべき事案かどうかの判断等の裁量の余地を少しでも少なくする方がいいということで、新たに庁内職員による介護保険指導審査会、要するに一人の職員が判断するということではなくて、複数の職員で審査をして、確実性を高めていこうというこの審査会を、各支庁ごとに設置することといたしました。この中での審査を経て決定することによりまして、公平性、客観中立性を確保していきたいと、これが一つ目の特徴ではないかと思います。
もう一つは、過誤請求かあるいは、不正請求か、この判断基準というのがなかなか難しいわけです。そこについて、過去の事例から検証し、明確にしたという点も特徴の一つかと思っております。あとは、保健福祉部の方にご確認いただければと思うんですが、いずれにいたしましても、こういったマニュアルをできるだけ早く各現場の保健所に理解をしてもらい、透明性のある形での介護福祉政策の実行に我々として万全を期してまいりたいと思っております。
(TVh)
在日米軍の再編問題に絡んで、航空自衛隊千歳基地にF15訓練の一部が移転される候補にあがっているということなんですが、これについての知事のお考えをお聞かせください。
(知事)
昨日夕方6時過ぎくらいでしたか、吉澤副知事のところに札幌防衛施設局長が説明に来られたという報告を副知事から受けております。その際の中身の話は聞いておられるとおりでありまして、沖縄の負担軽減のために、3カ所の米軍基地以外での訓練の充実ということの説明があったようです。そういった中で、千歳基地が移転先の候補の一つとして、考えられているということです。しかしながら、中間報告では具体的な名称は出ない等々の説明があり、防衛施設局から千歳市と苫小牧市にも説明を行ったと報告を受けているところです。その際に、吉澤副知事がコメントしたことと、私の思いは基本的には変わらないわけですが、私どもは地方として、沖縄が多くの基地問題で負担をしておられる。その沖縄県の負担軽減について、私ども同じ地方として、あるいは国民として一定の理解をしているということは、まず、冒頭に申し上げなければならないと思っています。そういった中で、北海道では、既に矢臼別におきまして、訓練の一部の負担軽減を担っているという事実があります。また、今回の訓練の分散について、具体的な中身が全くないわけでして、詳細な中身のご提示はご説明を受けなければならない。それを受けた上で、地元、千歳、苫小牧には行かれたようですが、それ以外、どういう訓練かの中身によって、騒音の地元の範囲も変わってきますので、そういった地元の方々のご意見も十分に聞かなければならないなど、いろいろな点があるわけです。いずれにいたしまても、今後、十分に国からのご説明をお伺いした上で、地元と考え方の調整をしていくということですが、先程、申しましたとおり、矢臼別で一定の負担を担っているという私どもの立場からすると、なかなか難しい問題ではないかなと、このように現時点では思っております。
(TVh)
容認できるかどうかは、白紙ということでしょうか。
(知事)
はい。詳細な中身が明らかではございませんので。
(NHK)
本日、農水省の方から、米の作柄が発表になる予定です。北海道というのは、間違いなく10年ぶりくらいの豊作になるだろうということなんですが、その際、初めて、流通制限といいますか、過剰米対策の措置がとられることにおそらくなります。このことについて、お伺いしたいんですが、措置がとられることについてどうお考えになるか、あるいは、北海道への影響、さらに措置がとられた場合に北海道としてどのような対応を考えていらっしゃるか、その3点をお伺いします。
(知事)
実は、昼休みにだったと思いますが、岩永農林水産大臣からお電話をいただきました。お電話の趣旨は、まさに今のご質問と関連があると思うんですが、北海道の作況指数が9月15日現在で「109」となったと。北海道以外の全国が「102」なので、大豊作はいいことではあるけれど、全国に米がたくさん出てくると値崩れ等の問題が起こるので、道独自のいろいろな対策を考えてほしいということのお話でした。具体的に、大臣が言っておられたのは、まずは食率を高めていただけないかということでして、それに対して、私は「まさに、大臣のおっしゃるとおりで、私どもも、私が先頭に立って、北海道米は美味しくて、お手頃値段なのでということで食率向上を、他の主要米作県並の8割は最低目指したいということで頑張っております」ということを申し上げたところです。加えて、集荷円滑化対策、すなわち食用とそれ以外に分けて、区分出荷するというようなことも始めることにしたところです。このことが、道内への食用としてのお米の供給、あるいは道外への食用とするお米の供給の量を一定に制限することによって、全体としての値崩れ、さらには北海道米自身の値崩れを上手くコントロールできればということになってくるわけです。このことは、しっかりやっていかなければならないと思っております。その上で、先程の繰り返しですが、道内における食率向上ということを、さらに我々気を引き締めてやっていかなければならないのではないかと、このような思いを持っているところです。
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