定例記者会見(平成17年12月22日)

知事定例記者会見

・日時/平成17年12月22日(木) 17:17~17:42
・場所/ 記者会見室
・記者数/28名(その他テレビカメラ等2台)

会見項目

 

知事からの話題

1 「知事記者会見用の木製机・椅子」の設置について
2 平成18年度国費予算案について
3 平成18年度組織機構改正の概要について

記者からの質問

1 平成18年度の地方交付税について
2 道州制と北海道開発局の統合について
3 野呂前道議の判決に関連して
4 平成18年度組織機構改正について

知事からの話題

 

「知事記者会見用の木製机・椅子」の設置について

   まず、冒頭に、異例に遅い時間の会見になりまして、誠に申しわけありません。出張先の東京で風邪をひいてしまいまして、今日中に戻れるかどうかということがあったのですが、何としても道州制の会議だけは出たいと思いまして、戻ってきてそれからということで、記者会見が遅くなり申しわけありません。
  私からの話題の一つは、この机です。会見用の机を新しく作ってもらいました。これは道産木材の良さ、それから林産試験場、今、道立の試験研究機関は独法化に向けての様々な議論はやっておりますが、それはそれとして、北海道のためになる研究をやっていってもらうということからも、その研究成果等のピーアールという意味で、林産試験場がこの机、椅子を製作したところです。製品には、各所に道内企業の先進的な技術、あるいは林産試験場の木材加工技術が使われております。お手元に一枚紙がいっているかと思いますが、一つはここに本物の紅葉がはめ込んであります。ここがパネルなどを立てることができるのですが、これは私の会見に限らないと思いますが、そういう時にこれも使わせていただこうと思います。椅子も工夫があるんですが、こういったものを作らせていただきました。

平成18年度国費予算案について

  それから、二つ目ですが、一昨日20日に18年度の国費予算の財務省原案が提示されたわけです。復活折衝の流れが今始まっておりまして、24日のクリスマスイブの日に政府案として閣議決定される予定ということです。北海道開発事業費は、皆様ご承知のとおりの形で数字が出たわけですが、これは復活折衝案件以外ということで確定をしているところです。北海道開発事業費自体は対17年度当初予算に比べて、7.3%の減ということになりました。一方、概算要求時から皆様方にご説明を申し上げておりましたが、道の一般財源での歳出がより少なくて、より多くの事業費が確保でき、さらには、補修事業等に十分に使える予算として、地元企業の方々への仕事の確保にもつながるという地方道路整備臨時交付金が、道の大幅増額要求に満額確保、正確に言うと、概算要求時が302億を要求しておりましたので、最終的には306億ですから、相当この部分については、国交省からもご配慮いただいたと認識いたしております。そして、この地方道路整備臨時交付金は、全国トータルで見れば17年度対比で0.2%ぐらいの減と、ほぼ横ばいとなっている中で、北海道分は約44%増ということになりました。加えまして、北海道新幹線予算、これも開発予算の外ですが、道分事業費が60億円という話をちょうだいしております。あと、民営化されました東日本高速道路株式会社が行う高速道路の整備の道分が明らかになるのはこれからですが、様々なところで高速道路の着工も出来ておりますので、こういった部分も公共事業予算としては、私どもとして期待できるかと思います。そういったことで、開発予算及び開発予算の枠外の予算も含めて、北海道内の必要最小限なインフラ整備、社会資本整備のための必要な事業量を確保していきたいと考えているところです。
  また、社会資本整備予算以外では、知床の世界自然遺産センターなどの知床関係予算も環境省の復活折衝で、昨日、決まったところです。こういった形で北海道に特化した国の予算というのは、開発予算の厳しい削減の中で、開発予算以外の様々な社会資本整備予算の確保にさらに努力するということを、今申し上げました。それ以外のいわゆる非公共の北海道向けに特化した予算についても、頑張っていくのは当然です。加えて国の予算というのは、私が以前おりました経産省含めて文科省もそうですが、様々な全国枠が決まり、その中に地域枠というのがあるのではなくて、これから地域同士の様々な案件の提案の中で、地域あるいは案件ごとに競い合って予算をとっていく、いわゆる競走的予算というんでしょうか、競争的資金として計上されている予算というものが国の各省庁あまたあります。私どもは、北海道の道政上の重要方針として掲げております来年度の重点政策を今までも何度か申し上げており、1月下旬の道の査定を踏まえた上でご説明いたしますが、そういった重点政策を実施するために必要な予算というのは、これから国の予算の中の競争的資金の中から、国のご協力を得ながら確保していくということを、やっていかなければならないと思っています。

平成18年度組織機構改正の概要について

  三つ目は、これも配付資料が1枚渡っているかと思いますが、平成18年度の組織機構改正について、道案の素案がまとまりましたので、ご配付を申し上げているところです。今までも一部報道に出ていたかもしれませんが、簡素で効率的な執行体制を確立するという観点から、改めて執行体制の見直しをしたところです。第一原則は、当然のことながら聖域のない組織機構のスリム化に向けて徹底を図っていくという視点。第二の視点としては、そうは言っても地域主権型社会、これは道州制の提案等々で北海道が全国の先陣をきってやっている自負を持っておりますので、こういったことの実現に向けた体制を整備する。そして、道民の暮らしを守るセーフティネットの構築。以上三つくらいの基本的な考え方に基づいて体制整備を行おうとしているところです。1枚紙にありますとおり、本庁においては、課の数において13%の減を、今、考えているところです。また、支庁組織につきましては、4部体制を2部体制にすることによって、課の数ベースでは17%のカットということを考えているところです。それから、前後して恐縮ですが、本庁の組織のスリム化の一環といたしまして、今の数字上の整理に加えまして、意思決定の迅速化、あるいは責任の明確化を図るために局制を導入するということです。今も局はありますが、局長というポストがあって、その局長の下に課がないというスタッフ的な形になっているのが道庁の局組織ですので、これについて責任を明確化していくということでして、今しばらく成案を得るまでお時間をちょうだいできればと思います。さらには、内部管理業務の全庁的なコスト縮減を図るための総務業務センター、あるいはファシリティマネジメント推進体制の整備、これは前から申し上げているところですが、そういったことでございます。それから、出先機関につきましては、道議会でも答弁させていただきましたが、自治政策研修センターの廃止、あるいは東京事務所、大阪事務所、名古屋事務所と国内に3カ所あります事務所体制の見直しをやっているところです。まだまだ海外事務所をどうするかとか、私自身の気持ちの中にはいろんな思いはあるわけですが、時期をみていろいろとさらにやっていきたいと思っております。
  それから、二つ目の基本的な考え方として申し上げた地域主権型社会の実現に向けた体制整備ということにつきましては、今日も道州制の議論をしてまいりましたが、企画振興部に地域主権局というものを設置をしようと思っております。また、これからの支庁再編、あるいは市町村合併、いろんな道内における地域主権の推進ということについての様々な市町村との調整も多くなることが想定される中、市町村などとの調整を担当する参事職を支庁に配置をしたいと、地域における総合調整機能、これは短期的な措置と考えておりますが、こういったことも考えているところです。それから三つ目の柱として申しました、道民の暮らしを守るセーフティネットの構築につきましては、環境生活部の生活部門を再編いたしまして、くらし安全課と道民活動振興課を設置をいたします。また、介護保険事業者等に対する運営指導強化のために、社会福祉法人と介護保険事業者の指導監査部門を介護保険課に集約するなどの指導体制の強化を考えているところです。以上の素案につきましては、今日にも組合の皆様方にもお知らせはしたいということを考えております。中身につきましては、これからいろんな最終的調整をした上で、来月末をめどに最終道案として取りまとめる予定です。

記者からの質問

(NHK)
  来年度の地方交付税についてですが、全国的に地方税の増税が見込まれる中、総務省、財務省の方で5.9%というかなりの削減方針が示されておりますが、既存の財立てプランの見立てとしては、地方交付税3%減を前提として組まれているかと思われますが、この決定について、財立てプランの見直しの是非、見直さなければならないとか、その辺の現況をどのように考えておられますか。

(知事)
  全国の景気回復の伸びに比べて道内は遅れておりますので、当然、厳しいことにはなるだろうと思っておりましたが、おっしゃるとおり、総枠、マクロの数字で見る限り、極めて厳しいという実感を持っております。しかしながら、中身をよく見てみますと、一般財源総額は、一応、前年度並みを確保できているかなというようにも思っておりますので、これから総枠を各地方にどういう形でブレイクダウンというか配分していくかという具体的な議論に入っていく段階で、道の実情を踏まえていただくよう、総務省に対していろいろと働きかけを今まで以上にやっていかなければならない。そういうことを通じて、地方交付税の本来の役割である地方の財源保障機能、財源調整機能というものが発揮されるように、強く要請していかなければならないという思いを強く持っているところです。
  若干、楽観的に言うとすれば、多分、不交付団体が今は東京都だけですけれども、出てくるかもしれない。全国的に税収が上がっているということの総括的なことを踏まえれば、今年については、今申し上げたこと以上に何も申し上げられないのですが、道の状況を理解していただくということを、国へ強く働きかけていくという一言に尽きると思います。やや先走って申し上げれば、私がもっと気にしているのは、再来年、19年度です。これは、相当に厳しいことになってくるのではないかということを、いろいろ情報収集をすればするほど思っているところです。

(朝日新聞)
  道州制と開発局統合の件についてお尋ねします。知事は、近い将来、国の出先との機能等の統合を目指しているところですが、最近、開発局の統廃合問題が急にクローズアップされまして、その中では開発局を存続という趣旨のご発言をなさっていると思いますが、将来的に国の出先と統合するのであれば、開発局の統廃合問題というのは、ある意味チャンスだと思うのですが、そこのところの整合性が取れていないというようにも考えられるのですけれども、その件についてのお考えをお願いします。

 (知事)
  私どもの道州制特区の提案の中で、5年後までに国の道内における出先機関のうち、道と似通っている業務を行っているところを、徹底的なスリム化をした上で、まず一段階統合してくださいと。その上で、10年後をめどに、統合体となった国の出先機関と私ども道庁との統合をやっていきましょうという提案をさせていただいているところです。その考え方は、一切変わっておりません。ただ、今、国の方で議論されていると言われている中身は、地方分権とか地方のあり方をどうするかという議論とは全然隔絶された中で、国の行政改革というものを、スリム化と言ってもいいのですが、それをどう実現するかという流れの中で、「まぁ、北海道は道州制特区といって押しつけてしまえ」と、乱暴に言えばそういう議論ですよね。これは、ちょっと違うのではないかと、私は今までも申し上げているところです。もちろん私ども道も、今ある知事部局だけで10年間15%の職員適正化計画を、抜本的に、大幅に上積みの見直しをしなければならないという決意の下で議論をやっておりますので、私ども自身も組織のスリム化・効率化というのは、不可欠であると思っておりますので、こういった努力は、是非、国におかれてもやられればと思うわけです。ただ、私ども北海道の立場からすると、高速道路の整備、高速道路というのは正確に言うと民営化した会社がやるだけではなくて、新直轄の部分も含めてでありますが、道内の分散立地している五つの重要都市の間ですら結ばれていない。これは、他の県でいえば県庁所在地に当たるような都市すら高速道路で結ばれていないというようなことを、一つのシンボリックな例とする道内の社会資本整備の遅れている現状を考えた場合に、まだまだ北海道開発、あるいは北海道開発という言葉がちょっと古いとすれば、北海道における国が責任を持って社会資本整備をするという枠組みというものは、当面やはりやっていただく必要はあるだろうと。ここは絶対にそのように思っておりますので、そういったことの中で、国が開発局、北海道局を含めて、徹底的なスリム化をされるかどうかというのは、国のご判断だと思います。ただ、そういった中で、道に押しつけてしまえということで、こちらの方に人員と権限を共にということになるのであれば、もちろん私どもは10年後の組織統合の第一歩としての権限移譲、これは財源も含めての提案はしていますので、それに合うような形で権限それから財源がパッケージになるのであれば、それに必要最小限の国家公務員の方々がいらっしゃるのは、それは排除するものではございません。ただ、道でも建設部を中心として同じような業務をやっている人たちがたくさんおりますし、国の方で「これだけいらなくなるからどうぞ」と言われても、それはそのままお受けすると言うことにはならないのではないかと。いつも申し上げているとおりで恐縮ですが、私としてはそのように考えているところです。

(北海道新聞)
  野呂前議員が、今日、有罪判決を受けまして、その中の判決文の中に、道の福祉行政の公正性に対する道民の信頼をも失墜させる悪質かつ重大な犯行というような判決があったのですが、こういう判決が出たことについて知事はどのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。

(知事)
  その判決文は、私は移動中で、その後すぐに会合に出ましたので、そのものはまだ拝見しておりませんが、厳しい判決、執行猶予付きではありますが、そういったものが出たということは聞いております。そういった判決の中で、道の幹部職員が、そういった事案に関わっていたという判断が裁判所で下されたということは、誠に遺憾なことであり、重く受け止めているところです。私自身もこれから判決文を精査しなければと思いますが、担当部局の方で中身をさらに精査させていただいた上で、私どもとして年内をめどに、年内をめどということは来週ということになりますが、関係職員の、単数になるのか複数になるのか、処分を発表してまいりたいと考えております。いろいろな形で、今年は、道警職員の不正の問題もありましたし、そういった中で、私どもの介護福祉分野というこれからまさに高齢化社会の中で、私ども道庁が力を入れてきめ細やかにやっていかなければならない重要政策分野の中で、こういった問題が起こったということは、先程の繰り返しになりますが、とても遺憾に思っているところでして、道民の方々の道政に対する信頼回復ということについて、私たちは、できることをやっていかなければならないと思っているところです。具体的な処分については、来週までお待ちいただきたいと思います。
 
(毎日新聞)
  この組織機構改正の件ですが、組織が減るのは分かるのですが、職員はどの程度減るのか教えていただけますか。

(知事)
  まだ精査できておりません。というのは、課が減っても、先程申しましたとおり、メリハリを付けて各支庁に参事職を置くとか、そういうこともありますので、具体的にはこれから職員の削減、適正化にどのように結びつけていくかということを精査していかなければならないと思っております。一つ言えることは、17年度実績で三百何十人かの職員の削減を行っておりますが、それを超えるスリム化ということは、是非、今回の組織機構の見直しの中で実現していかなければならないと思っております。もうしばらく、数字についてはお待ちいただければと思います。

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなど整理し、作成しています。

このページに関するお問い合わせ
総合政策部知事室広報広聴課報道グループ
〒060-8588 北海道札幌市中央区北3条西6丁目
 電話番号:011-204-5109
 FAX番号:011-232-3796
メールアドレス:sogo.koho2@pref.hokkaido.lg.jp

カテゴリー

知事室広報広聴課のカテゴリ

cc-by

page top