知事定例記者会見
・日時/平成18年1月19日(木) 14:02~14:33
・場所/記者会見室
・記者数/30名(その他テレビカメラ等2台)
会見項目
知事からの話題
1 北海道男女平等参画チャレンジ賞の受賞者について
2 「まちかど対話」の実施について
記者からの質問
1 道警元職員着服事件に関する監査請求について(1)
2 道警元職員着服事件に関する監査請求について(2)
3 道警元職員着服事件に関する監査請求について(3)
4 職員給与の独自削減について
5 若者の間での性感染症等の増加について
6 道州制特区の推進に係る要請について(1)
7 道州制特区の推進に係る要請について(2)
知事からの話題
北海道男女平等参画チャレンジ賞の受賞者について
まず、お手元に資料があるかと思いますが、「北海道男女平等参画チャレンジ賞」の受賞者についてのご報告です。この賞は、昨年度から実施しておりまして、今年が2回目ということで、道内の職場や地域や家庭などいろいろな場で、男女それぞれ個性を生かして活躍されておられることに着目して、男女平等参画社会実現への機運を高めることを目的にしている制度です。
17年度は、北見市の田澤由利さん、それから白老町のNPO法人お助けネット、静内町の西川マザーウッズという一個人二団体が受賞者として決定したところです。田澤さんはIT関連会社の社長でして、主婦でいらっしゃる一方、ホームオフィスという形で様々な活動をやっておられる方です。NPO法人のお助けネットは、育児支援でして、代表は女性の方です。それから静内町の西川マザーウッズは林業グループでして、農家の主婦の方が10名くらいで様々な活動をしておられる。こういった方々です。
「まちかど対話」の実施について
それから、二つ目は「まちかど対話」です。今年初めてになるかと思いますが、明日、小樽市に行きます。一カ所は田中酒造、もう一カ所は銭函にある道立の小児総合保健センターを訪問させていただきます。田中酒造は、観光客もよくご存じだと思いますが、小樽市内に四つある酒造メーカーの一つで、歴史もあるわけでして、昨年は日本酒として初の道産食品独自認証を取得されたところです。蔵を拝見させていただこうと思っております。道立の小児総合保健センターは、道内唯一の高度小児専門医療の病院で、職員の人たちも24時間体制で道内の子どもの医療のために頑張っておられるところを訪問して、いろいろなお話しをお伺いしてきたいと思っているところです。
私からは以上です。
記者からの質問
(NHK)
道警の元会計担当者による公金横領、詐欺の事件について、知事は既に監査請求を行ったとのことですが、この監査請求に寄せる知事の期待、あるいは監査請求そのものに対する感想をお伺いしたいと思います。また、これに関連して、元職員は既に起訴されていて週明けには公判も予定されているようですが、起訴段階でのこの監査請求は十分な監査が行えるのか危惧される向きもあるかと思うのですが、この辺の知事のお考えを伺いしたいと思います。
(知事)
この道警の職員による事件については、倶知安署と函館中央署と2件が明らかになったわけでして、倶知安署につきましては、昨年暮れに道警からの正式な報告を受けて、既に監査請求をしたところです。今回、函館中央署についても同様に正式な報告がありましたので、そういったものを精査した上で、この件についても監査請求させていただいたというのが現状です。昨年、この事件が発覚した際に申し上げたとおりですが、道財政も厳しい中で、何よりも公金の扱いの中でこういった事案が発生したということは、とても遺憾でありまして、その意味では真相をできる限り早く解明していかなければならないと思っているところです。そういった中で、今回、監査請求ということをいたしたわけで、これは去年のご説明の繰り返しになるかと思いますが、倶知安署のときと同じように、特別監査でお願いした4費目にかかわらず全費目について、関係している職員がどのようなことをやったのかということについて、きちんと監査をやっていただくということによって真実を明らかにし、賠償責任の有無あるいは賠償額を決定していくという流れに、今後なってくると思っているところです。
公判中で十分に監査できるかどうかについては、ここは私というよりもむしろ監査委員にご質問いただければと思う案件ですが、監査委員の方にお考えがおありになるのではないかと、その位にとどめさせていただきたいと思います。
(北海道新聞)
今の点に関連して、2点お願いしたいのですが、前回の2004年の特別監査のときは道警の内部調査と(道の)特別監査を同時並行で、向こうの調査が終わってから入るということではなくて、向こうの調査をやっているときに既に特別監査に入られています。今回、道警の報告を待って、それに対して報告が合っているかどうかの監査請求という形になった理由を教えてください。
(知事)
前回の場合の特別監査とは基本的に違うものと思っております。前回の場合には、全道すべての部署において、いわゆる裏金、公金の不適正な使用があったのではないかという漠然としたというか、全体としての疑義に対してどのように真実を解明していくかということで、これは道政史上、当然初めてでありまして、全国的にも大規模だということも申し上げたので、そういった中で道警の調査と監査委員による監査ということで、スタートは調査の方が先だと思いますが、並行して行われた。今回は、職員も特定されておりますし、部署も特定されていますので、そういった中で、道警にまずは内部的な調査をしてもらって、我々がそれを受け取って、我々としていろいろ検討したことを踏まえて、その上で監査を要求したという流れだと思います。比べること自身が、どうかなと思いますが。
(北海道新聞)
2点目ですが、今回のことは前回の調査で、道の特別監査でも発覚しなかったことが今回出てきたということで、前回の監査のときはどうしてたんだとか、そういった指摘もあるわけですが、今回、知事として特別監査に対しての、前回見抜けなかったことを今回道警が調査したものを再調査するわけですから、前回よりもさらに厳しい目で監査をすることが望まれると思うのですが、その辺に対しての知事の思いを聞かせてもらえればと思います。
(知事)
まさに今おしゃったことに尽きると思います。道警の方からは、今回の倶知安署あるいは函館中央署の案件というのは、いずれも個人の会計担当者が意図を持って、悪意を持って、周りの人たちに分かられないような形でやったというような説明もあったようですが、そうだとしても、何で前回の特別監査の中で明らかなにならなかったのかは、私自身も関心がありますし、是非、今回の監査の中で明らかにして欲しいと思っております。
(北海道新聞)
今、労使交渉が進んでいる給与の独自縮減のことについて、改めてお尋ねしたいと思うのですが、削減率がかなり大きいということで交渉もかなり難航しているようですが、現時点で道の方で何らかの激変緩和措置というか、そういったものを検討されるお考えがないかどうかをお尋ねしたいと思います。
(知事)
激変緩和措置。
(北海道新聞)
知事がこれまでお話しされているように、やはり職員を含めて影響が大きいということをおっしゃられているので、その影響を少しでも緩和するように何らかの激変緩和措置、例えば、削減率の圧縮とか、そういったことは考えてらっしゃらないのか。
(知事)
考えておりません。私どもとして必要な最小限のものを提案させていただいているという意識を持っておりますので、何とか職員組合をはじめ職員全般、皆様方のご理解を得ていかなければならないと考えているところです。ただ、周辺のところで、いろいろな配慮というものはあり得ると思っております。
(北海道新聞)
周辺の配慮というのは。
(知事)
いろいろ今検討中なので、申し上げられるような中身として熟してはおりませんが、いろいろと担当部署で職員の立場に立って議論をしているところです。
(朝日新聞)
青少年の性問題についてお尋ねしたいと思います。高校生をはじめとして、性感染症が道内にも広がっておりまして、望まない妊娠等で人工中絶する例も多いと聞いています。道内は全国水準に比べても、性感染症の罹患率とか、中絶件数等も多く、全国でも有数の深刻さということです。以上の件について、2点ほどお伺いしたいと思います。感染症や中絶で、心身ともに痛手を受けるのは、女性だと思うんですが、同じ女性として知事は、先程のような道内の現状をどう受け止めるかというのが、まず一つ。第2点は、道内のお医者さんとか助産師さんの間では、罹患率とか、中絶数の高さというのは、若者への性教育の遅れがあるのではいかというような指摘もされているのですが、そういった方々からは、オール北海道での取り組みが必要という指摘もあります。こういった教育の先頭に立つお考えはありますかという、以上2点についてお願いします。
(知事)
以前から申し上げておりますとおり、北海道の出生率は極めて低く、特に札幌で低いという状況です。他方、青少年、特に高校生くらいの若い世代を中心に、今おっしゃられたとおり、妊娠中絶について、全国の比率より高い。また、性感染症の感染率についても、全国よりも高いというのは、本当に残念な状況だと思っているところです。女性として、知事として、こういういろんなこと、中絶にしろ、性感染症にしろ、結局やはり、母胎への影響、そしてその母胎に影響が出れば、生まれた後の新生児への影響など、命というものに大きく影響が出てくることなんですよね。そういったことの北海道の現状について、本当に憂慮しておりますし、何とか、この状況を改善していかなければならない。何と言っても、やはり命は何よりも重要だということ、そして、若い女性の方々、高校生等の10代の女の子達に申し上げたいのは、自分自身をまず大切にしてほしい。自分自身の誇りというか、大切に思うという気持ちを持てば、そういうことにならならいのではないかなという思いがあります。ただ一方で、二つ目の質問にも関わってきますが、教育の問題がありまして、いろんなことを知らないが故に、このような不幸な状況に至っているということは十分にあり得るわけですので、私どもは、教育現場とも連携しながら、若い時から性教育について、タブー視しないで、様々なきめ細やかな教育をやっていかなければならない。そのために、私も先頭に立ってやっていこうという強い気持ちは、もちろん同じ女性としても強く持っているところです。
(NHK)
昨日、内閣府の櫻田副大臣との会談は、事務方抜きの差しで行われたと聞いているのですが、道州制特区の導入に向けまして、知事は何を要望され、副大臣の反応はどうだったのか、その辺のやりとりを差し支えない範囲で伺わせていただきたいと思います。
(知事)
事務方を全部排除して、こちらも一人、副大臣も一人でした。これは、お会いする前日ですから、一昨日、電話であらかじめ櫻田さんとお話をして、そうしましょうと私から申し上げたところ、先方もそれは望むところだとおっ知事定例記者会見しゃったので、そういう形で昨日、差しで話をさせていただいたところです。やはり、話をしていて思いましたのは、霞ヶ関のお役人の方々が、一見、一生懸命やるとおっしゃりながらも、相当、それぞれのバックにいる省庁の意も受けながら抵抗しておられるという姿が、副大臣の言葉からも出ておりまして、その意味では、本当に差しでやって良かったと思っているところです。
私から申し上げた要望は、推進法案として、私ども北海道が念頭に置いているものということで、ご説明をしたわけですが、ポイントとして三つに絞っているところです。一つ目は、交付金の創設ということを申し上げました。過去の経緯から、副大臣にご説明したのですが、一昨年の4月と8月でしたか、2回にわたって、権限移譲なり、組織統合なり、それから全国一律基準の排除なり、全て中身は提案済みでありますと。あとは、政府において、これをやっていただくかどうかそこにかかっているのでありますと。それが進まないがゆえに、順序が後先だったかもしれないけれども、例えば、構造改革特区では、そのベースとなる法律があるというようなことも参考にしながら、道州制特区の推進法というものの制定が必要だということを、我々として要請をしてきたという経緯があるということの中で、そこでポイントの一つ目は交付金であるということを申し上げたわけです。今や、北海道が道の行財政構造改革で日本一の改革を仕掛けているということは、全国どこへ行っても皆さんご承知でありますので、そういった中で、道として、この道州制はもちろん積極的に進めていきたいわけですが、その際に、権限移譲など、この一昨年に提案をしたことの実現の中で、やはり財政措置というのは不可欠であるということである。この使途を制約しない交付金というのは、これは三位一体改革の中で、様々な国の補助金、負担金の削減、そして交付金化、交付税、一般財源化と、一般財源化という言葉で失礼しますが、ということは、我々地方サイドの議論、提案をしたそのままであって、そのことを今、この道州制特区の中でも私は提案をしているということを申しました。これが1点目のポイントです。
それから2点目は、法令から条例へということでして、全国一律基準ということが、今や地域地域の特性が違っている中で、行政サービスの提供においてナンセンスになっている。これは無駄にも、非効率にもなっているし、地域地域のサービスニーズにも合ってきていないと、いろんな意味で無駄になってきているという中で、本来であれば、全国一律基準を全廃すべきであるけれども、それを先行的に北海道で、まず、モデル的に国民に分かっていただくためにやってはどうかということ。これも推進法の中で、まずはそういう根拠となる規定を入れていただくと同時に、個別具体的な法律上の手当てをすれば、その中身を当該法律の別のチャプターの中に書いていっていただきたい、というようなことを申し上げたところです。
それから三つ目ですが、道州制というのは、別に道州の権限を増やすということが究極の目的ではないと。憲法でも議論がされている地方分権の究極の姿というのは、市町村が主役であると。それを先行的にやるために、道内でも道から市町村への権限移譲を鋭意進めているところである。そういったことを進めようとする場合に、法令の中に、この仕事は知事がやるということが書いてあって、それが障害になる場合が多々あるので、この道内分権の権限移譲の円滑化のための法令上の規定の整備をするということを、この推進法の中に入れていただきたい。以上、三つを、一応、柱という形で推進法案として道の求めるものをお持ちさせていただいたところです。この交付金といいますか、財源措置の関係で、北海道特例ということは、私ども道は地理的に広い北海道なるが故に、そして発展の歴史も浅いが故に、インフラ整備を国の責任においてやっていただくという中で生まれたものであって、この北海道特例の当面の重要性というのは変わっていないので、そこはご高配を賜りたいということも申し上げたところです。メモはとっていなかったので、そのようなところだったかなと思います。知事定例記者会見
副大臣の方も、ざっくばらんにいろんなことをおっしゃったわけでありますが、やはり率直に言って、政府提案とするということになると、関係省庁、特に金目では財務省、権限面では各省庁、それから、地方自治の関係から総務省と、とにかくどの省庁もみんな渋いことを言ってきていると。これは多難な道であるというようなことを総論的におっしゃっておられたところです。そういった中で、財政措置のところは、総じて、政治家でいらっしゃるので理解はしておられたかなと、北海道の財政の状況が厳しいというのは十分に櫻田さんもご存じですので、そういうふうに私としては理解をいたしました。ただ、副大臣だけ理解しても、政府提案の中身が本当にそのまま残るかということは、今後の話です。それから、2番目の法令から条例については、具体的な事例を、是非、もっともっと知りたいということで、私は医師数の配置基準の話、あるいはエゾシカをいろいろ今私どもやっている中での、狩猟法上の問題点などを例に挙げて申し上げたわけですが、関心は示しておられました。それから、三つ目の、道から市町村への権限移譲の円滑化との関係では、これは一部報道に出ておりましたが、政令指定都市の規模を北海道だけちょっと下げたらどうかということは、私案という形で言っておられたところです。これは、櫻田副大臣も道内において、必ずしも、市町村合併が進んでいないという状況もよくご存じのようでありまして、合併は自主的なものだというのは理解しておられるわけですが、それを推進する一つのきっかけに、これがなってくるのではないかということ。さらに言えば、北海道が道州制の先行実施の地域ということで、今、名乗りを上げ、かつそれを政府としても応援しようとしている中で、その北海道における自立、この究極の姿はまさに補完性の原理、主役は市町村でありますので、その市町村の自立の意識を高めていくという意味でも、このことは自分は意味があるのではないかということを言っておられたところです。あとは、私どもから組織統合について2段階統合の提案を既に2年前にしておりまして、5年後をめどに、徹底的なスリム化をしていただいた上で、国の出先を一元化すると、その後に、10年後をめどに、道庁との統合という提案をさせていただいているところですが、副大臣は、もっと前倒しできないかということを言っておられました。私から申し上げたのは、道庁は、今、本当に職員数適正化計画など、組織の見直しをまさにこれから性根を入れてやろうとしているところであります。そういった中で、今のまま、国の出先機関規模のまま道庁と統合というのは、あり得ない話であります。最低限、我々、道庁がスリム化するのと同じだけ、身を切っていただくというのが、国から前倒し提案があるとしても、最低条件でありますということは申し上げたところです。そのようなところですか。ざっくばらんにいろんな話を1時間ちょっとくらいさせていただいたところです。なかなか、この推進法の実現は難しい部分は多々あるかと思っておりますが、私どもが理想としている姿を最後まで提案し、今、交渉というんですか、法律を作る権限は向こうにありますので、要請をしてまいりたいと思っているところです。
(毎日新聞)
今の点に関連して2点ばかり確認をしたかったんですが、地方支分局との統合についてなんですが、一部報道で、昨日、副大臣が5年ぐらいというような、統合の時期を5年ぐらいに前倒しするというような発言もあったということだったんですが、知事として、特にめどなど考えていらっしゃるのかどうか、また、2段階統合の、変更の提案であるとか、新たにそういうことを検討されているのかどうかという点を1点お聞きしたいのと、2点目が、先程、出ておりました政令市の関係なんですが、副大臣から具体的数字でどれくらいの人口規模か、というご提案というのがあったのかどうかの確認をさせてください。
(知事)
地方支分部局について、確か、5年というのは、こういう話の流れだったと思います。私ども道庁は、10年間で30%という適正化の案を今提示しておりますと。その中で、前半5年間で22%の適正化をやろうと思っておりますということを私から申し上げたら、では10年ではなくて5年と、いうようなお話だったと記憶しております。ただし、私どもサイドとしては、提案を変更するつもりはございません。我々なりに考えて、また、道内の道州制に関心のある有識者の皆様方といろいろ議論を重ねた上での提案ですので、今私どもから変えるつもりはございません。
それから、二つ目の人口規模につきましては、政令市は確か、30万と言っておられましたね。ですから、私は、ぎりぎり函館がクリアするかなと思った記憶があります。それから、中核市については、10万ということを言っておられました。ただ、副大臣の私案ということでおっしゃったので、必ずしも、総務省等々と議論したことではないと思っております。
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