知事定例記者会見
・日時/平成18年4月14日(金) 12:11~12:42
・場所/渡島支庁会議室
・記者数/27名(その他テレビカメラ等3台)
会見項目
知事からの話題
1 まちかど対話の感想について
2 炭鉱技術移転5カ年計画の事業継続について
3 ホッカイドウ競馬について
記者からの質問
1 道州制について
2 来年の知事選について(1)(2)
3 新幹線について
4 大間原発について
知事からの話題
まちかど対話の感想について
一つ目は、昨日、今日と渡島管内で初めての「まちかど対話」の感想についてお話しさせていただきます。本年度初めて、そして渡島管内は初めてと初めてづくしの「まちかど」でありました。昨日と今日2日間で5町、長万部町から入って八雲町、森町、七飯町、鹿部町と回らせていただきました。そして、今回の印象を一言で言うと、北海道の魅力を再認識するということかなと思っています。長万部町では理科大学の学生さん、ほとんど道外の方々なんですね。いろいろ話をしました。鹿部町では道外から移住している方々、また、Uターンをされてきた方々と話をしました。昨日は長万部町で移住促進をされているグループの方々とタウンミーティングでもお話ししました。いろんな意味で外から見た北海道の意外な魅力ということについて、改めて認識した「まちかど」かなと思っています。
時系列で追っていきますと、昨日は長万部町で東京理科大学1年生の基礎工学部300人強の学生さんに北海道の魅力を思いっきりPRさせていただきました。いろいろお話をした中で、会場から「へー」と声が上がったのが、北海道の食糧自給率が200%ということ。それから北海道の食材が全国の食卓を支えているということをお話ししたら「ホー」と、北海道はすごいんだなという感じを受けていただいたようでした。
八雲町では酪農家のお母さん方、ボランティアの方々の指導の元でチーズ作りをやらせていただきました。ハンドメイドのチーズ作りを地域で取り組まれている方々と昼食を食べながら酪農を巡る問題やチーズ作りで彼女たちが八雲町のまちおこしをしたいという熱い思いも伺いました。それぞれご出身のことを伺ったら、道外から嫁いで来られた方も多くてびっくりした次第であります。感激いたしました。今、牛乳の消費が少し落ち込んでいるという背景の中で、生乳の廃棄というとっても残念な状況になっている訳でありまして、私も消費拡大をPRしていますが、生産者のチーズなど加工品への努力、こういった一つ一つの積み重ねが本道酪農にも大きなプラスになるのではないかという思いもしたところであります。
それから八雲町で、もうじきオープンするパノラマパークの現地を見せていただいた後、森町ではニチロの工場で道産の秋鮭を原料としたフレークの製造工程を拝見いたしました。衛生管理がしっかりされていまして、そういったクリーンな環境の中で努力されている姿、道産品の付加価値を高める、私がまさに産消協働や地産地消で申し上げていることを実践されている。さらに雇用機会を地元にもたらしているという状況を改めて実感いたしました。
それから昨日の夜は5町の首長さん方、それから道議会の方々と懇談させていただきました。
今日は、鹿部町で本州から移住してきた方々と、鹿部町は移住促進を一生懸命やっている自治体でして、本州から移住してきた2組のご夫婦の方と足湯で懇談させていただきました。食べ物はおいしいし、四季のメリハリがある、人々も優しいなど良いことづくしだとおっしゃっていました。何かご不満はありませんかとお聞きしたところ、これだけ素晴らしい自然景観の中で、旗が多いとおっしゃっていました。交通安全の旗とか、あれは本当に必要なのかというお話があって、私たち日々道内で暮らしていると気にもしていなかったことを道外からいらした方は新鮮な目で見ておられるなと参考にしたいと思った次第であります。鹿部町以外でも道内各地で移住促進ということを一生懸命やっていて、道もそういった関係の自治体をオーガナイズというか、アレンジする動きを一緒にやっていますので、これからもしっかりやっていきたいという思いを新たにいたしました。 最後に七飯町で養護老人ホームを訪問いたしました。おじいちゃん、おばあちゃん方と幼稚園生の子供たちとのふれあいの場で、私も短時間でしたが参加させていただいて、肩を叩いてもらって気分も良くなりました。とても楽しい一時を過ごすことが出来ました。 それから昨日の森町でのタウンミーティングでありますが、5町からまちおこしに様々な立場で加わっている方々と懇談をいたしました。
七飯町は花が有名ですが、花作りを一生懸命やっている方から、後継者の方々や、若い人たちが花作りに大変感心を持たれているという話を伺い大変うれしく思いました。
また、鹿部では浜のかあさんが、海を守るために植樹をやったりゴミ拾いをやったり、衛生管理に努力するなど、いろんなことをやっているけど経営の安定に大変苦労されているというお話を伺いました。
それから森町では観光ボランティアをやっておられる女性の方、八雲町では合併とパノラマパークを活かしたまちづくりを頑張りたいという方、長万部町では、先程も少し触れましたが移住者と無農薬によるまちおこしをされている方々とお話をさせていただきました。皆さん方それぞれのご主張とご努力を伺い、私からは全道いろいろ巡って地域の知識もありますので、そんなお話をし、意見交換させていただきました。こうしたそれぞれの地域ごとの工夫が渡島全体の活性化につながる、そしてそういう元気が全道に広がれば北海道も良くなるだろうと確信しておりますので、支庁、道庁を挙げて、是非、一緒に頑張っていきたいと思っているところでございます。
炭鉱技術移転5カ年計画の事業継続について
それから二つ目は、ここ函館で釧路のことで恐縮ですが、炭鉱技術移転5カ年計画の事業継続ということについて、経済産業省の大臣から話がありましたので、そのことのご報告です。
4月12日に東京の衆議院で伊東釧路市長と私から二階経済産業省大臣に釧路コールマイン(株)で現在行われている炭鉱の技術移転、研修事業を19年度以降の継続について要請をしましたところ、二階大臣から責任を持ってこの事業を進めていくというお話をいただいたところでございます。このことは、釧路市、地元経済界とともに粘り強く要望してきたことでございまして、今回の決定をとてもうれしく思う次第であります。研修事業の実施により、事実上、釧路コールマイン(株)における炭鉱の生産活動を維持できますので、地域の雇用、地域の活性化にもつながってくるのではないかと期待しています。これからも地元釧路市と連携を密にしながら引き続き頑張っていきたいとこのように思っております。
ホッカイドウ競馬について
三つ目はですね、日高の門別の話で恐縮なんですけれども、ホッカイドウ競馬です。
今年の開催は来週の4月19日、門別開催を皮切りに始まります。ホッカイドウ競馬につきましては、赤字がたまってきているという、皆さんご承知のとおりでございます。私は今年度から、そうとう厳しいハードルを設けて、道庁、関係者一丸となって頑張っていこうということを言っているところでございまして、今年のオープニングに先立って、私自身、門別の会場まで駆けつけて、関係の皆さん方とともに開幕を迎えたいと思っているところでございます。地方競馬、大変厳しい状況にはございますが、本年度もファンの皆さんやご家族で楽しめる楽しいイベント、魅力あるレースを提供していきたいと思っているところでございまして、こちらにもご関心のある方、ご協力をいただければと思います。私からは以上でございます。
記者からの質問
(日本経済新聞)
各社から質問がありますので集約しまして、3点ほど代表して、質問させていただきます。
まず、道州制の関係なんですが、東京で要綱が出て、法案化への道筋も見えてきたと思うのですが、現時点で、どのように受け止めてらっしゃるのかということと、これが本当に分権化になっているのかどうか、8項目についてどのようにお考えなのか。東京での囲みの中でも、第2弾の提案ということを、触れられていましたが、知事ご自身はどういった点を、提案の核としていきたいとお考えになっているのかという点について、お伺いしたいと思います。
また、来年の知事選の問題なんですが、再選を決めているのかどうかではなくて、どのような気持ちで望みたいか。
函館ですので、新幹線のことについて、何点か、建設期間10年と言われていますが、その短縮に向けてどのようなアクションを起こしていくか。それから、札幌への延伸にむけて、どのようなアクションを具体的に起こしていくか、新函館駅の駅名について、いろいろ議論が出ているが、それについてどのようにお考えになっているのか。
(知事)
まず、道州制ですね。要綱についてどのように認識しているかということです。評価する部分と今後の課題とに分けて説明した方がよろしいかと思います。まだ、素案の段階ですので、これから具体的に法制局等との議論、あるいは各省折衝との議論で、具体的な条文案がどういう形になるか、見極めていく必要があると思いますが、現時点の素案について、評価することも結構あります。第一に法律の目的に分権ということが明記されたこと、一時期は、国の行革の押しつけではないかという議論もございました。
しかしながら、道州制というのは、分権のために、地方にもっともっと仕事をやってもらうために、やるものであるということが条文上明記されました。また、道州制の動きというのが、国・地方の行政改革に資するということは明らかでありますので、主目的にこれを位置付けることではないんですが、これが明記されているのは大きいと思っています。
それから、道の要請でどういう中身を推進法案に求めていたかと言えば、とにかく、16年に提案したのに、なしのつぶてだったのが、遅まきながらこの時点において、ようやく、道からの提案を政府が真摯に受け止めて実施をするということですが、こうしたスキームや、枠組みを作ってほしいというのが、第一でありましたので、それが明確になったということは、私は意義があると思っています。
素案をよく見ていただければわかるのですが、道からの要請を受けて、それを、総理大臣が検討する推進本部で受けた上で、総合調整を行い、必要な法令改正等を行う。まさに、道州制特区を機動的、総合的、効果的に実施するための推進本部ができるわけであります。そこで、決定をした後に、アクションプラン、実行する部分が出てくるわけです。例えば、公共事業でも、この仕事は道にやらせよう、それを具体的にどうやるかが次の部分になってくるわけでありますが、具体的な実施については、国は助言のみであります。
地方の裁量のもとにやるべしというのが、法律上の規程にありますので、こういったことを含めて考えますと、私どもが求めていた提案を真摯に受けて、それを意思決定し、実施をする仕組作りができた。それをさらに事業として進める際の地方の裁量性を、十分担保する形となっている。
その地方の裁量性について、もう一つ申し上げなければならないのが、財政措置が全額交付金化されたという点も、地方の裁量にということに十分につながる部分であると思っているところでございます。そういった地方分権との関係において、私どもの意図が十分反映されたということが、評価できると思っております。
また、北海道が道州制特区を先兵として進めることで、出てきた問題で、いわゆる北海道特例の問題につきましては、名指しとしての見直し規定は削除されたということで、一般的な他の法令の規定ぶりと同じような法律の全体の見直しという形となり、かつ、そこに留保を条件として、道の財政状況等を十分に勘案するところも、私どもの主張が反映されたものとなっているところではないかと思っているところでございます。
先程実は、地方分権に詳しい東京のある学者さんと電話でお話したんですが、地方分権を道州制のもとに進める法律案としての第一歩であると、私はこれは確実に言えるんではないかと思っております。
しかしながら、これからが、まさに勝負でありまして、私ども地方が、これは北海道に限らず、各知事さんと連携をとってやっていきたいと思っております。こういった機会を使って、いかなる形で具体的な提案をさらにやっていくのか、まさにここのやり方次第で、我々がいかに知恵をだしてやっていくのか、そしてそれを具体的に政府が真摯に受け止めてやってくれるのかを、これから、世論の力もお借りしながら、来年の4月の施行に向けて、さらに気持ちも引きしめながら取り組んで行くことによって、分権への第1歩というのが、第2歩、第3歩につながっていくと、このように思っております。
それから、8項目で十分かということですが、我々自身も、もっと多くの提案をいたしております。究極の姿として、道庁と開発局を含めて道と似通った業務をやっている国の出先機関との組織統合、機能統合といった言葉を使っている場合もありますが、そういう提案もいたしておりますので、我々の提案の全体像等との比較においては、これはもう、明らかに不十分であると申し上げざるを得ない。
しかしながら、こうやって、提案のスキームができましたので、私どもとしては来年の4月以降1年間かけて、道民の方々と十分議論を尽くした上で、第2弾、第3弾の提案をしてきます。今は、8項目ですが、道路、河川、それから治山、砂防、そういったものについて、項目がどんどん増えていくわけですよね。そうすると見直し規定の方がどんどん先延ばしになっていくというのが当然ですね。話が混乱して恐縮ですが、今から8年後の見直しという規定になっているものが、来年の4月以降さらなる具体的な施行を提案して、その施行準備の動き、そこから先どんどん見直しが伸びて行くわけですれども、見直しの時期を延ばすために提案しているわけではありませんが、私どもとしては、今回のスキームを前提に、来年度以降、第2弾、第3弾の提案をしっかりとやっていきたい。法律自身は恒久法でありますので、そういったことを考えているということでございます。 これから道民の方々と議論になっていくと思っておりますが、これは、東京でのぶら下がりでも申しましたが、私にとって課せられた大きな課題である、経済の再建も、今、ようやく、ちょっと芽が出てまいりました。雇用指標もよくなってきておりますし、2年間で5万人の雇用創出も果たしました。さらに挑戦的な3年間で8万人という雇用計画を頑張っておりますが、加えて経済の方も、景気にも少し明るい兆しが出てきているという現状認識であります。これをさらに本物にするために、道州制のスキーム、様々な権限移譲、あるいは規制緩和がどういうふうに使えるか、こういったことを是非、盛り込むようなことを、来年度以降も提案していきたいと、このように思っているところでございます。
来年の知事選の関係ですか。まだ、今年度始まったばかりであります。渡島支庁長の成田も同席しておりますが、4月1日で代わったばかりでございます。副知事も3人のうち、2人代わりました。道庁も新しい体制で、仕事を始めたばかりでありますので、日々、私自身がやっていかなければならないことも、山ほどあります。そのことを道庁一丸となってやっていくということにつきるんではないかと考えております。まだ、この先のことについて、考えがおよぶ段階ではないと申し上げたいと思います。
新幹線でありますが、着工を受けてから1年ですね。去年の5月に旧大野町の、新函館駅予定地で鍬入れをしてから、1年が経ったわけであります。札幌延伸に向けてのアクションということでありますが、先般も小里貞利前衆議院議員、北海道新幹線着工に結びつけていただいた一人で感謝申しあげる一人であります。倶知安町に来られて、地元に檄をとばしておりました「もっと頑張らないと北陸に負けるぞ」と言う話がありました。私は、札幌延伸に向けての様々な動きというのが、陳情をやるばかりが能ではないと思っております。これから、新函館から札幌までの間、各自治体の方々が新幹線を町に誘致して、新幹線自身の活用、あるいは新幹線によって人の交流が深まるわけでありますが、そういったことを活用しながら、どういった地域づくりをそれぞれ見通していくか、新幹線が来ることを前提に、地域をどう羽ばたかせていくか、活性化していくかというお気持ちを強く持っていただいて、地域のビジョンををつくっていただく中で、地域住民の方々、関係自治体の方々の気持ちを高めて行くことが大切であり、そういうことなしで、道が旗振りだけして東京に陳情ばかりしても、本末転倒な話だと思っております。そういう意味では、私は上京の機会もありますので、今週も、津島雄二自民党の新幹線調査会長のところに行って参りましたけれども、地元におけるそれぞれの自治体の主体的な取り組み、ビジョンづくりを道もお手伝いしながらやっていきたいと、思っております。工事の方は、新函館に向けて具体的にトンネルの掘削工事も始まりましたし、うまくいけば10年かからずに、新幹線が道南の地に私は来ると信じております。そのことを踏まえて、道南の地域づくり、それも大急ぎで、是非、やっていっていただきたいと思っております。我々道庁、札幌、渡島支庁それぞれ活用検討会議を設置いたしているところでございます。こういった形で私ども道庁も、主体的に地元のお手伝いをする形で頑張っていきたいと思います。
駅名ですね。これは、JR北海道さんが、関係自治体の意見を聞きながら決定すると伺っております。まずは、関係自治体でいろいろご相談いただくということではないでしょうか。道知事が頭からなんだかんだと言う問題ではないと思います。
(STV)
知事選に関連して、その先のことまでお考えになっていらっしゃらないというお答えでしたけれども、各地域で後援会が次々とできあがっています。これは2期目に向けての布石ではないかとも感じられるんですけども、その辺はいかがでしょうか。
(知事)
私の周りの方々が、高橋が少しでも円滑に仕事が出来るようにということで、広い北海道の各地で応援団をつくっていただいている動きが、今おっしゃった後援会になっていると思います。そのことはとてもうれしく思いますし、そうやって後援会をつくっていただいている地域には出来る限り私自身赴いて、行政報告というんですか、こんなことを考えて、こんなことに苦労してますとか、それから地元の方々にもこういう協力を得ながら地域づくり、北海道づくりをやっていきたいというようなお話をさせていただいております。そういう意味では、とっても私自身勉強にもなりますし、うれしく思っているところでございます。そのこととまた来年以降というのは、直接私自身の気持ちの中で結びつけているものではない。このように申し上げたいと思います。
(北海道新聞)
大間原発について、2点お聞きしたいと思います。
今年の4月に本体の着工ということで今準備が進んでいて、大間の方では安全性に対する不安とか漁業への風評被害等の問題があると思うのですが、北海道としては原発の安全性についてどのようにお考えになっているのかお聞きしたいというのが1点。
もう1点、フル稼働した場合には、事業主体の電源開発と国との間で安全協定が結ばれることになるかと思うのですが、北海道として安全協定を結ぶことへの意見があれば教えてください。
(知事)
原発の安全性については、北海道でも前知事のご英断により、泊で3号機の工事が着々と進んでおります。これからの電力需要や油の値段がどんど上がってきていること、あるいは温暖化をはじめとする地球環境の問題が重要になってきている中で、原発というのは地元の理解を得ながら一定の割合で進めるということ、これは国民的にも認められながら、現に道内でも進んでおりますので、そういうことではないかと思っています。
「大間」の問題につきましては、北海道全体というよりも、まさに道南の近隣の地域で不安に思っておられる住民の方々が多々いらっしゃるということは、渡島支庁からも聞いておりますので、地元の事情を踏まえながらやれることはどういうことか、道としてそういった中でやれることがあれば、ご相談を受けながらやっていきたいということで、今段階で何か明確に方向性を出すということは考えておりません。
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