知事定例記者会見
・日時/平成18年6月8日(木) 14:00~14:30
・場所/本庁舎2階 記者会見室
・記者数/31名(その他テレビカメラ等3台)
会見項目
知事からの話題
1 中国の黒竜江省との友好提携20周年記念行事への参加について
2 サマータイム導入実験への参加について
3 知床世界自然遺産に係る啓発用DVDについて
4 公文書の検索・閲覧サービスの開始について
記者からの質問
1 シンドラー社のエレベーター事故について(1)(2)
2 出生率の低下について(1)(2)
3 貝殻島のコンブ漁について
4 地方六団体から内閣への意見書の提出について
知事からの話題
中国の黒竜江省との友好提携20周年記念行事への参加について
私からは4点ばかりお話しさせていただきます。
一つ目は中国の黒竜江省との友好提携20周年記念行事への参加ということについてであります。
昨日、韓国の南にあります慶尚南道と交流趣意書の調印をいたしまして、それについてもご取材ありがとうございました。
それとは別に、北海道は中国の東北の省と仲良くさせていただいております。とりわけ黒竜江省とは、1986年に友好提携を締結して以来、様々な分野で交流を展開してきたわけでありまして、今年はその友好提携が20周年という節目の年に当たります。
これを一つの契機として、より一層交流を深めようということで、20周年記念事業を行うこととしております。
具体的には、7月24日から27日まで、私をはじめとする北海道の代表団が中国を訪問させていただきまして、発展著しいと聞いておりますハルビン市を私自身も自分の目で確認させていただきたいと思っております。
そのハルビン市におきまして、北海道の紹介展、物産展、日本語弁論大会の各種記念行事を実施することと合わせまして、黒竜江省の張左己(チョウ・サキ)省長、私のカウンターパートナーに当たる方でありますが、その方と友好提携20周年の覚書を取り交わすことを考えております。
この私どもの訪問に合わせて、20周年記念事業実行委員会が呼びかけて、旅行会社数社から企画旅行の声かけをしているので、道民の方々にも多く参加していただきたいと考えています。
黒竜江省とは、今後、これからの時代を担う若い人たち、交流を担っていく若い人たちの人材育成、経済交流、環境分野における交流などを広くやっていきたいと考えています。
サマータイム導入実験への参加について
それから二つ目でございますが、サマータイム導入実験への参加についての追加的なご報告でございます。
先般、札幌商工会議所のサマータイム導入実験に、今年度も道庁として参加するということは、お話をさせていただいたところでございますが、道としての参加人数などがまとまりましてので、ご報告させていただきます。
これも配付資料があるかと思いますが、本庁で2,100人ぐらい、14支庁全体で、2,600人ぐらい、その他の部局で1,100人ぐらい、合わせて5,800人程度の職員が参加する予定であります。
昨年度の倍までは行きませんが、昨年度は3,200人ぐらいの参加でしたので、今年度は約2,600名の増と見込んでいるところでございます。
昨年度と同様、道民の方々への影響が大きい病院などは対象外とするなど、十分配慮した上で、実施していきたいと思います。
同様に、学校での実施ということも考えたのですが、交通機関の便の問題など、いろいろありまして、今回も見合わせをしたところであります。
道といたしましては、ホッカイドウ競馬の旭川ナイター等、夕方に開催されるイベントと連携した取り組みも検討して、少しでも経済効果が上がるように努力してまいりたいと考えております。
サマータイムの導入実験で多くの職員に明るい時間の有効活用ということを実感していただきまして、家族とのふれあい、あるいはアウトドア活動、自己啓発など、様々に活用していただければと思っているところでございます。
7月10日からのスタートでありますが、私もどこかのタイミングで職員とともにサマータイムを実感したいと考えております。
今年は、市町村も去年の倍ぐらいの参加ということについて、新聞報道にもありましたが、逆サマータイムというのもありますね。利尻島のほうですか。面白いタイトルでありますが、明るい時間を利用するという、緯度の高い北海道らしい取り組みという意味では相通じるものがあるわけで、道民の幅広い層の方々に、大いにこのサマータイムを体験していただき、道民議論が一層喚起されることを期待するところであります。
知床世界自然遺産に係る啓発用DVDについて
それから、三つ目でありますが、知床世界自然遺産に係る啓発用DVDについてであります。知床の啓発用DVDを作成いたしました。
これは、知床半島の形成の過程、あるいはアイヌ文化との関わり、それから自然遺産に登録された評価基準となっています生物の多様性、あるいは生態系を映像で分かりやすく解説しているものであります。
少しでも多くの道民、道外の方々にご理解いただきたいということで、JR北海道、エア・ドゥ、新千歳空港など、来訪者の目に付く場所で放映していただいているところでございます。
また、図書館や博物館などにも配付をさせていただいております。
このDVDを見ていただくことによって、将来にわたって、知床の原生的な素晴らしい自然を保持していかなければならないものだと、その大切さというものを少しでも多くの方々にご認識していただく契機になればと思っています。言い方が良いかどうか分かりませんが、単に観光客に来てねという観光プロモーションのDVDということではなく、ひとあじ付加価値の高いものを目指して作らせていただきました。いろんな評価は、また皆様から辛口のものも含めてお伺いしたいと思っております。
公文書の検索・閲覧サービスの開始について
それから四つ目でございますが、公文書の検索・閲覧サービスの開始についてであります。
情報公開、道政の透明性を高めるとういうことは今の時代に極めて重要なことでありまして、私自身の知事公約の中でも情報公開をさらに促進するというようなことも申し上げてきたところでございます。そういった意味合いから、色んな情報を開示請求していただくにしても、どんな文書があるんだということについて、やはり私どもサイドとして、きめ細やかな情報提供が必要ではないかということで、道が作っております様々な文書、決定書あるいは報告書などの情報を検索、閲覧するサービスを開始いたしました。
サービスの開始日は5月29日からで、今年の4月に決定・報告した公文書の情報を登載しておりまして、今後1月単位で前月分のデータを追加していくということを考えております。
公開内容は、ホームページでチエックしていただければと思いますが、公文書の標題、決定・報告年月日、保存期間、主務課などが公開されます。標題は、個人情報保護等に配慮して表示させていただいております。
ホームページ利用者の方は、標題、主務課及び決定・報告年月日により、また関心のあるキーワードでも検索が可能であるということでございまして、平成16年度、17年度の分についても、この秋以降に公開する予定でございます。大いにご利用いただければと思っております。
記者からの質問
(uhb)
東京でありましたシンドラー社のエレベーターの事故なんですけれども、国交省の方からも、緊急点検の指示があったかと思います。道としての取り組みを教えてください。
(知事)
比較的情報を把握しやすいシステムになっておりまして、もう既に私どもは、道有施設の実態を把握し、これは、もう、皆さんにも情報を提供させていただいているところでございます。エレベーターを有する施設265、台数はトータルで399あるうち、シンドラー社製が13あるのはご承知のとおりでございます。私どもとしましては、道有施設については分かっておりますので、道民の皆様方の不安払拭のために、それから道民の方々に安心して使っていただくためにも、直ちに調査したところでございます。
現在のところ札医大の一部に不具合があったわけですけれども、さらに詳細について、点検の指示をいたしております。
道有施設以外のものは、市町村・民間施設含めてあるわけで、それについては、今月末をめどにとりまとめたいと思っているところでございます。
これは耐震偽装の時にも連携をとらせていただきました、特定行政庁との連携を視野に入れながらやってまいります。私どもが着手した後、国交省の方から、昨晩、緊急点検の要請を受けたところですので、これにも誠実に対応してまいりたい。もう既に着手済みであるということでございます。
(北海道新聞)
出生率の低下についてお尋ねします。知事は公約で子育て支援をあげて、条例をつくってすきやき隊などで、取り組まれてきたと思いますが、先日発表になりました出生率では、過去最低というのを記録したわけですが、それを知事としてどう受け止めていらっしゃるかをまず、お尋ねいたします。
(知事)
昨日、公明党の道議団の方々から、不妊治療関連のご要請を受けた際に、何社かご取材があったようでございます。その時に、申し上げましたけれども、本当に正直言ってショックを受けております。今までも下から4番目と厳しい状況だなと、これだけ住環境のいい中で、自然環境が素晴らしい中でという思いをずっと持っておりましたので、なんとかその状況で食い止めたいという思いで、全国でも初となる子育て支援条例、子ども未来づくり条例を知事になって直ちにつくり、それに基づく具体的なアクションプランの政策メニューをはじめたばかりでの直近17年の数字も、さらに悪化しているという本当にショックでありました。
だからと言って、ショックばかり受けていてもしょうがないので、私どもとしては、色んな原因分析というものをやっております。そういったものの詳細を見極めるという努力を続けながらも、今まで、私どもがやろうとしている政策をさらに深めていくという努力をしていかなければならない、という思いを強くしたところであります。北海道では、なぜ出生率が低いかというということについて、いくつか特徴的な事実がございまして、まず、女性の生涯未婚率というのが、全国と比較すると高いのです。それから核家族化が進んでいるのは、前から申し上げておりますが、3世代同居割合とか、平均世帯人員数をみても、全国との比較において、北海道の核家族化が進んでいるということは、明確に統計上で出てきています。それから世論調査、道民の意識調査というものをしますと、これも同じ女性としてショックなんですが、結婚したら子どもを持つべきとは思わないという方の割合が、本道は全国平均を相当超えて高いというのがございますし、結婚したら行動の自由が制約されると考えておられる方々も、道民の意識調査によれば全国よりも高い。そういった北海道の特徴があるわけであります。
私ども行政がやらなければならないのは、子どもを産む産まないというのは極めて個人に属する部分がございますので、行政が強制してうんぬんというのは、はなから想定はいたしておりません。
しかしながら、今の世の中、出生率が低い北海道の中で、子どもを持ちたいが、いろいろな制約の中で、なかなかそれが実現できない方々も、たくさんいるだろうと。考えられるのは経済的な理由もあるでしょうし、昨日のご要請との関係でいえば、現代化の食生活なり社会生活の中で不妊ということに悩んでいるご夫婦もおられるでしょうし、いろいろな理由があるかと思うんです。子どもを持ちたいと思われるご家庭が、子どもを持ちやすい環境にしていくことに最大限努力をするというのが、役割だと思っておりますので、そんな観点から、これまでも経済的な面では、医療費の助成であるとか、それから不妊についても、国と連動してやらせていただいております。核家族化が進行している関係では、地域ぐるみの子育て支援ということも、やらせていただいておりますし、こういった多方面の政策というのはしっかりと続けていくと、そして国に要請することもしていくというのは当然であります。加えてさらなる要因分析が必要だと申しあげましたが、教育面では若者の方への働きかけ、また、企業に対する働きかけを私個人としては、さらにやっていかなければならないと思っております。
若者向けという意味は、先程、ちょっと申しましたが、道民意識の部分がございます。私自身、仕事しながら子ども二人育てて大変苦労もいたしましたけれども、この50何年の人生で一番うれしかったことは何かと言われたら、やはり子どもが産まれたこと。これは、私自身のホームページにも書かせていただいてますけれども、こういった子どもを持つという喜び、子どもを育てるという喜びを道民の方々にも、少しでも共有していただければというような意識面の問題もあるかと思っております。
それから、企業に対する働きかけ、これは環境整備の中で働く場、雇用の場を提供されている企業の役割も重要だと思いますので、景気もそんなに本格化していない中で厳しいというご意見も出てくるでしょうが、やはりこういった出生率対策というか、子育支援というのは社会をあげてやっていかなければならないと思っておりますので、企業に対する働きかけということを進めていく手立てというのも、さらに考えていかなければならないと思っております。
(北海道新聞)
四月に行われた猪口大臣とのブロック会合で、知事もご出席なされてましたけれども、他の町長からですね、一番問題なのは経済的負担だと声が上がってました。道庁の意識調査でも、子どもをこれ以上持てない理由に真っ先に教育費がかかるということで、費用面の心配をなさっていることが大変大きいと思います。また、完全失業率も24歳から35歳までの失業率は全国に比べ大変高くなっておりまして、こちらの方の支援も必要なのではないかと思ったのですが。
(知事)
今、申し上げたことに尽きるんですが、未就学の児童の医療費の助成については、全国でもトップレベルだと自負いたしております。それ以上の部分につきましては、なかなか、一自治体だけでは対応できない部分が多いかと思いますので、私どもとしましては、様々な子育てについて、経済的負担の軽減というのを市町村と連携しながら、国に対して、さらに申し入れをしていなければならないと考えております。
(北海道新聞)
貝殻島のコンブ漁のことで伺います。6月から解禁になっているんですが、ロシアとの交渉がまだスタートしていない状況です。道の方も国に早期交渉を開始すように要請はされているようですけれども、地元にとっては、一日遅れるごとに、収入が大幅に下がっていくわけで、漁業者の方への支援なども必要ではないかと思うんですが、そのあたりご検討されていることはないのでしょうか。
(知事)
この問題は、交渉自身が、まだスタートしていない。例年になく厳しい状況だと認識をいたしております。それも理由が明らかではないと私自身報告を受けておりまして、困った状況にあると思っております。
そういった中で道といたしましては、今週の月曜日には、根室市長及び関係漁協とともに中央要請を行っております。国においては、先週末から大臣レベルによる強力な要請をロシアサイドに対して行っておりますし、私ども地元サイドとしては、総領事への申し入れも行っているところでございます。
現段階では交渉の早期開始ということ、そして、その先に位置づけられる操業が少しでも早くできるように全力を投入する段階だと思っております。そういう意味では、漁業者に対する支援は、まだ、そこまで考えは及んでいません。とにかく交渉を少しでも早くスタートさせるよう、このことに最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
(北海道新聞)
先日、全国知事会など地方六団体が地方自治法に基づく、内閣への意見書を12年ぶりに提出しました。知事も知事会の一人として、竹中大臣の方は地方の強い決意が込められていると受け止めたようなんですけれども、知事自身の言葉で竹中大臣にどうして欲しいということがございましたらお聞かせください。
(知事)
このことは前回の知事会議でも議論になっております。12年ぶりに地方団体として強い決意を示すという意味もあって、内閣などへ地方自治法に基づく意見書を提出をいたしたところでございます。ベースとなっていますのは、例の神野委員会ですね。検討委員会で私ども地方サイドの様々な現状、地方自治、地方財政を取り巻く、また国の財政を取り巻く様々な環境、状況を分析した上で提言をいくつかまとめております。それを具体的に、私ども地方サイドの意見として取りまとめて内閣などに提出したということであります。
竹中大臣の私的な懇談会の動きというのもあるわけでございますが、我々地方サイドも重大な決意をした。このまま放っておくと国に一方的な、国の財政削減という負担を押しつけられるという危機感がございます。こういった申し入れをしたわけでございますので、国においてもその重みというものをちゃんと受け止めて、しっかりとこの骨太方針の中にも反映するように努力していただきたいと、このように思っているところでございます。
(NHK)
エレベーターの関係で、ちょっと1点追加で伺いたいんですけれど、エレベーター業界とかを取材してみますと、20年の寿命のうち一度くらいは不具合が起こるようなケースもあるやに聞いているんですが、道が今回行おうとしている調査というのはあくまでシンドラー社に限定したものなのか、あるいは、道民のそうしたエレベーターに関する不安解消のためにより幅広い範囲で調査を行われようとしているのか、その辺を伺いたいと思います。
(知事)
二段階になるかなと思っております。まずはやはりシンドラー社製のエレベーターで首都圏の方でとても不幸な事故が起こりまして、シンドラー社製のエレベーターに対する国民の不安というものが高まっているという現状認識の下、緊急に道内のそれに当たる部分について、まずは調査、精査をするということだと思います。
まだ、国の方でもシンドラー社製のエレベーターそのものの構造に問題があるのかどうかということについては、慎重に調査をしておられるようであります。その意味では今後の展開次第によっては、我々自身の道内での結果、シンドラー社製のエレベーターの調査結果等を踏まえて、もし必要であれば、ご指摘のように幅広いエレベーター全体に対する何がしかのアクションを起こすかどうかということも視野に入れて行かなければならないという段階も来るかもしれません。まず私どもとしてやらなければならないと思っておりますのは、今、一番皆さん方が不安に思っておられるシンドラー社製のエレベーター、そのものについての緊急チエックではないかと、思っております。
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