知事定例記者会見
・日時/平成18年9月1日(金) 14:01~14:18
・場所/本庁舎2階 記者会見室
・記者数/25名(テレビカメラ4台)
会見項目
知事からの話題
1 空知産炭地域総合発展基金からの長期借入金の是正方針について
記者からの質問
1 二風谷ダムの使用権の買い取り問題について
2 ヤミ起債について
3 道内市町村の実質公債比率について
知事からの話題
空知産炭地域総合発展基金からの長期借入金の是正方針について
私から、皆様方に一点ご報告申し上げます。
空知の産炭地域総合発展基金からの長期借入金の是正方針について、中間的なご報告でございます。
この発展基金の運用に係ります長期借入金の是正の問題につきましては、関係の市や町の自助努力の内容などいろいろ協議を重ね、私どもも助言をさせていただきまして、一定の是正方針案を取りまとめ、8月30日、道議会の産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会にご報告し、ご議論をいただいた上で、昨日、8月31日に総務省に北海道としてのご報告をさせていただいたところであります。
中身的には一部報道にも出ておりますが、芦別市、三笠市、赤平市の3市については、9月中に一括償還を行うこととし、その償還に要する予算措置について、それぞれの市議会で9月中の議決を予定していることでございます。
総務省からは、以上の一括償還の方向性の報告に対しまして、それを前提に、基本的に起債について道の考えを尊重する話がございました。
他方、残ります歌志内市、上砂川町についても、出来る限り早く是正方針をまとめて欲しいという話があり、道からも助言をしてほしいと総務省から話をもらったところでございます。
また、発展基金の所管でございます経済産業省に対しましては、是正後における新基金、2段階になっているうちの新産業創造等事業に係る基金、45億分を指すわけでありますが、この対象事業の拡大等について要請をはじめた段階にあるところでございます。
経産省に対しましても、関係市、それから私ども道自身の、いわば自助努力と申しましょうか、地元で出来る限りのことをやるという努力の状況を今もその中身をさらに精査をしているわけでありまして、そういった状況を説明しつつ、加えて新基金についての対象事業の拡大などの要請ということで、説明をさらに申し上げていきたいと思っているところでございます。
記者からの質問
(北海道新聞)
二風谷ダムのですね、道が国に対して利水権を売却する方向で調整をしているということについて、お伺いしたいのですが、現在の進捗状況ですね。あと、実際当初負担したお金よりも安い金額での売却となりそうだという話もありますけれども、その辺についてどう考えているのかお伺いします。
(知事)
二風谷ダムの使用権の買い取りの問題ですが、複数年にわたる懸案だったわけでありまして、経緯はご承知のとおりでありますので省略させていただきますが、私どもとしましては、工業用水事業が思いのほか需要がないという中で、現に二風谷ダムの建設負担金は200億円強納めているわけでありまして、その部分を何とかできる限り返済していただきたい。ただ、国からは、そういったルールはないんだと言われておりまして、ずっと、ここまで来たわけであります。
私どもから、2年くらい前でありますでしょうか、実際の建設負担金から減価償却費を除いた金額、178億円の返済をお願いしたいと申し上げていたところでございます。しかしながら、先程の説明と重複して恐縮ですが、そういったことに対してお金を返済するルールは、国のサイドにはないんだということがございまして、ずっとこのにらみ合いが続いている。そういった中で、日高に大台風がございまして、大被害がございました。
私も状況把握に現地に入りましたけれども、そういう状況の中で沙流川水系の治水対策をしっかりと進めていく観点から、使用権買取問題についても、道民の安全・安心を守る観点から、早急に解決しなければならないいろんな要請の中でここまできたところでございます。
進捗状況としては、開発局側から買い取り額の提示はあったわけでありますが、まだ、現在協議中でございますので、国との合意を得られた段階で皆様方にも明らかにしたいと思います。
その意味では、今段階で明確なことを申し上げることは出来ないわけであります。
しかしながら、私ども、今どういうことに考慮しているか、ということについて申し上げると、一つは、やっぱり、大台風の経験も踏まえて、沙流川水系の治水対策を道民の安全・安心を守るためにも、やはり早急に進めていくことを、まず、重要視しなければならない。それが第1点ですね。
第2点は、今、まさに道新さんからもご質問がございましたが、そうは言っても、道財政の厳しい中で178億円という大きな金額を返還要求している中でどうなのだという財政上の問題。大きく分けて問題が二つあると思います。道の財政負担との関係でいえば、いろんな要素がごさいまして、一つは工業用水事業を行う際に、その所管である経済産業省から、補助金を70億円くらいちょうだいしておりまして、これを原則全部返せとのことですが、ことと次第よっては若干まけてもいいよというお話もちょうだいいたしておりまして、そういった経産省からの補助金の返済額をどこまで圧縮していただけるかということもあるでしょうし、それから、もちろん、私ども自身での自助努力という財源の捻出もあります。それからもう一つ大きな要素としましては総務省からのこういった事態に対する支援制度がございます。詳細をお知りになりたかったら担当がおりますので聞いていただければと思いますが、そういう制度が今年度一杯でなくなってしまうんですね。これがなくなるとどうなるかは、コスト計算するとそれなりに出てくるのでありますが、相当やっぱり大きなものになることから、いろんなことを総合的に、また、いろんな計算をしながら、国から提示があった金額をベースにどうするか、できるだけ早急に判断をし、早期に国との合意を目指して取り組んでいくのが現在の状況です。
(北海道新聞)
ヤミ起債の問題ですけれども、上砂川町と歌志内市につきましては、自分たちの自助努力でもなかなか財源確保に苦労している様子ですが、道としては具体的にどのような助言ですとか支援をしていくつもりでしょうか。
(知事)
今段階で、先程、ご報告しましたとおり、3市と並びで早期是正の方向性を総務省に報告出来なかったのは、とても残念な状況でございます。
歌志内市、上砂川町それぞれと私ども担当とでいろんな詰めの作業を行っているわけですが、やはり、まずは自助努力の部分で事業費の見直しとか、今、お預け状態となっています起債対象事業について、本当に、緊急にやるものなのかどうか、そういった見直しに伴って、その一般財源として負担する意味での事務・事業の見直し経費の加算にもなってくるわけでありまして、そういったことの精査、もちろん管理費、人件費など含めたものもございましょう。そういった精査であるとか、あるいは、先程申しました発展基金の今の規約上認められる新規事業として、計上出来るようなものがどれぐらいあるのかどうか、という精査もしております。また、加えて、私ども道がこういった市、町にお貸し申し上げているお金の一部の償還猶予といったようなことが、道議会あるいは道民のご理解が得られるかなど、いろいろ総合的に道内で出来ることの精査をまずさせていただいているところでございます。
そういったことの考え方をまとめることと同時並行で、基金所管の経産省への要請、総務省とのさらなる調整をやっていかなければならないと思っております。
やはり、歌志内市と上砂川町では財政規模なども違いますので、個別、具体的な対応をきめ細やかにして、それぞれの状況にあった形での助言を私どもからしておりますし、これからもしていかなければならないと思っております。
(NHK)
先頃、道内の市町村の実質公債費比率が発表になりましたが、今、お話にありました歌志内市が40.6%になっとたのはじめ、道内自治体の厳しい財政状況が浮き彫りになりました。それを踏まえて、知事のご感想と、道財政の方ももちろん厳しいのですが、道として今後どう対応されるか、その2点伺いたいと思います。
(知事)
全体像が明らかになったわけでありますけれども、実質公債費比率が18%以上の団体、すなわちなにがしかの制約を受ける団体が道内は68市町村、割合にして38%、これは全国平均の22%を大きく上回っている状況にございます。
原因を見ますと、過去の景気対策にお付き合いをして、そういったものに伴う公債費の残高が多いこと、あるいは産炭地域での閉山対策などのため、さらには今の歌志内市をはじめとして、先程申しました5市1町については、発展基金の運用による償還額も公債費として参入せざるを得ない状況でございますので、こういったことでグンと跳ね上がったと思っております。
ただ、ご案内のとおり、今回の起債制限に向けては、暫定経過措置というのがあります。例えば、実質公債費比率が25%以上の市町村でも、今は状況が悪くても、17年度の地方債許可方針、前の公債費をチエックする比率としていわれておりました起債制限比率が20%未満であった団体については、ちょっと経過措置を置くということで何とか救われている道内自治体もあるわけでありまして、いずれにしろ相当厳しい状況です。地方債の制限を受ける団体は、歌志内市と夕張市と三笠市の3団体に止まったわけでございますが、今、申しました暫定措置で、経過措置により救われた市町村も多いわけでありまして、そういった意味では厳しい市町村の財政状況を改めて再認識させていただきました。そういった中で、道自身も全国都道府県の中でも極めて厳しいグループの一角に位置付けられておりますので、我々自身の財政健全化を粛々と進めると同時に、こういった厳しい財政状況にある市町村に対しましても、私どもから適切な助言をしながら、財政健全化に市町村と我々が勉強しながら取り組んで行かなければならないと思っております。
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