知事定例記者会見(平成18年9月12日)

知事定例記者会見

・日時/平成18年9月12日(火) 11:30~11:50
・場所/議会知事室前
・記者数/27名(テレビカメラ2台)

会見項目

  

知事からの話題

1 第3回定例会の開会にあたって
2 北海道日本ハムファイターズ新庄剛志選手からの寄付金受領セレモニーについて

記者からの質問

1 市町村振興基金について
2 空知産炭地域総合発展基金の運用について
3 総裁選の関係について
4 全道庁「組合員アンケート」について
5 公務員の飲酒運転について
6 夕張市の財政再建について

知事からの話題

 

3回定例会の開会にあたって

 今日、第3回定例会が開会いたしました。
 議員の皆さんとの本格的な討論は、来週からでありますけれども、今、代表の質問項目を拝見しますと、やはり経済雇用対策あるいは行財政改革、これは道自身のものもございますし、また、夕張、産炭地を含めて道内自治体の厳しい状況の中での行政改革の議論もございます。
 また、市町村合併、道州制特区、こういった地域主権の確立の問題、こういったことが大きな論点になってくるかなと思っています。
 それから、医療制度改革への対応、地域医療の問題、それから安全操業の確保、北方領土問題、こういった様々なテーマでの議論が出てくることが予想されるところでございます。
 先週でありますけれども、天皇皇后両陛下が北海道に4泊5日で行幸啓され、地方事情をご視察いただいたところでございます。皇孫殿下と言うのでしょうか、親王殿下のご誕生という慶事もございまして、私からもお祝いを申し上げましたところ、本当にうれしそうに「ありがとう」とおっしゃっていらっしゃいました。
 また、それぞれのご視察先でも大変温かいお言葉をおかけいただいておりましたし、ご説明も熱心に聞いていただきました。そういった両陛下の温かいお心に触れ、私自身も北海道の将来に向けて、道民の皆様方と力を合わせて、全力を尽くさなければならないとの思いを新たにしたところでございます。
 今回の議会は1カ月弱と長いのですが、議員の皆様方と真摯に議論を積み重ねていきたいと思っております。

北海道日本ハムファイターズ新庄剛志選手からの寄付金受領セレモニーについて

 もう一つは、北海道日本ハムファイターズの新庄選手からの寄付金受領のセレモニーについてのご報告であります。
 日本ハムファイターズは、先日10日のオリックス戦で2年ぶりのプレーオフ進出が決まりました。めでたいわけでありまして、出来れば、2位以上につけていただければなと、札幌ドームで試合を見たいなと思っているわけであります。
 そういった中で、新庄選手はオリックス戦の時も大変活躍をされたわけでありますけれど、その新庄選手から、日本での通算本塁打200本を記念して、記念バットを発売し、その収益金を青少年のスポーツ振興のために寄付したいとのお話を6月にちょうだいいたしたところでございます。
 それをいつ頂くかという日程調整をしていましたが、なかなか新庄選手も忙しい、私も忙しいということで、日程調整が出来てなかったのですが、今週の金曜日、15日に札幌ドームで行われますロッテ戦の試合開始前に寄付金を贈呈いただくことになりました。
 寄付金つきましては、青少年のスポーツ振興に役立てて欲しいというのが新庄選手のご意向でございますので、今後、私どもの方で、具体的な使用方法について準備を進めていきたいと思っております。金曜日のご取材方、よろしくお願いいたします。

記者からの質問

(NHK)
 今日の道議会で北海道市町村振興基金の改正について、ご提案がありましたけれども、こうした基金から一時借入金の貸し付けをする制度があるというのは東京都くらいで、しかも貸し付けした例はない、極めて異例な措置だと聞いております。
 それだけ道内自治体の厳しい財政状況が浮き彫りになっているのかなと思うのですが、この条例改正に込めた知事の狙いについて伺いたいと思います。

(知事)
 この条例を改正してまで、一時借入金に対する貸付制度を設けたのは、夕張市の財政再建を道としても支援をしていくと、前から申し上げている一つの形であります。
 今、おっしゃられたとおり、ほとんど前例はないのでありますが、福岡県赤池町が財政再建団体になって再建をしていた時に、福岡県が同じような短期資金の貸し付けを行った経緯があると聞いております。東京都も同じような制度があるのはおっしゃられたとおりです。
 そういったことを踏まえて、一般的な制度としてどうかというのはありますが、夕張市が財政再建団体になると宣言されてから、いろんな調査、我々も主体的に関与する形で、いろいろやってまいりまして、今回最終報告もまとまったところでございます。
 それに先立つ9月の始めでしたでしょうか、夕張市自身が今後の財政再建に向けての基本的な考え方を発表されて、そういった中でこれまでの財政のやり方について、深い反省を市自らがされると同時に、不退転の決意で財政再建を進めて行きたいと市長がおっしゃておりましたので、やはり道として助言、人の派遣もするのですが、加えて今回のような短期資金の貸し付け制度を創設し、夕張市も本気でやると言っておられる財政再建を、我々としても支援をしていくということの表れであるとご理解をいただきたいと思います。
 背景としては金融機関の方が、基本的にはサポートをするというご発言がある中で、追加的な資金の融通は、株主等との関係があり難しいというご発言が相次いだ中で、まさに、ここを乗り切れないと夕張市が財政再建計画を実施する前提のところが崩れてしまいますので、そういった中での道としての支援であるとご理解をいただきたいと思います。
 ただし、これは短期資金、暫定措置でありますので、抜本的な再建事業の実施に向けては、こういった部分も含めて、さらに議論をしていかなければならないのは、当然であります。

(NHK)
 ちょっと関連でですね、さらにもう一つ長期貸し付けの返済猶予についても、知事が必要があると認めた場合、そういう措置をとるとありますが、具体的にどのようなケースが想定されるのか。
 歌志内市のように、財政が極めて硬直したようなケースも含まれるのかどうか、現時点のお考えを伺いたいと思います。

(知事)
 可能性としては、いろいろなことを想定して、償還猶予の部分の手当にしようと思っているのですが、今おっしゃられた夕張市以外の産炭地域で例の基金の償還と、即時出来る限り早期に今の状況を是正することとの関係では、自助努力部分のさらなる積み重ねなり、基金の多くのお金を出している経済産業省との調整なり、全体の中での議論になってくると思いますので、今段階で、明確にそういった場合も想定してというように申し上げる段階ではないかなと思います。
 ただ、いずれにしましても、夕張市以外の産炭地域の早期是正の問題についても、スピード感を持って対処していかなければならないのは当然でありますので、この議会、長丁場でありますので、後半ぐらいになると、私からの考えの表明も出てくるかもしれません。今しばらくお待ちいただきたい。

(NHK
 総裁選の関係でお伺いしたいのですが、今月20日に新しい自民党の総裁が決まることになりますが、北海道として新しい総裁に期待することどんなことがあるか。
 本州に比べて景気の回復が遅れているですとか、北方領土を抱えているとか、独特の北海道的な仮題があると思うのですが。

(知事)
 そのことに関連して申し上げれば、3候補が北海道に来られた際に、飛び入り参加のように私も参加させていただいて、言いたい放題言わせていただきました。
 その時に、三つくらい申し上げました。一つは、やはり北海道という極めて広大な土地、想像を絶する広さです。全国の約22%、ほぼ4分の1を占めている、こういった中で、医療問題、福祉問題について、特に、過疎地に住む道民の方々から、高齢化が進む中で不安の声が聞こえてきている。
 そういった中で、自治体や道が頑張る訳だけれども、ここは国にいろいろ考えていただく、政策的に関与していただくことも多いであろうというのは、第1番に北海道の特殊事情であるといえると思います。2番目に広い岩手県の5倍あるわけですから。これが第1点です。
 第2点は、今お話にございました北方領土問題。これは北方領土を抱える北海道の問題であると同時に、その問題の解決なくして日本とロシアという隣接する2国間の平和条約もあり得ないという、国の外交の大きな基本的な問題となっている訳でありますので、このことについては、しっかりと取り組んでいただける総理のリーダーシップもありますし、極めて重要だと痛感しましたので、そのようなことを期待したいと思います。
 道連大会の時も申し上げたのは、新幹線ですけども、3人ともやると言われましたが、やっぱり心配しています。
 いろいろな地域課題がありますが、広大な北海道であるが故の地域の苦しみ、そういった中での医療、福祉、弱い方々へ暖かみのある政策展開。それとやはり北方領土問題、これがプライオリティとしては高いと思います。

(北海道新聞)
 最近の全道庁労組のアンケート調査で、知事を支持すると答えた方が6.5%だったんですけれども、どのように受け止められているでしょうか。

(知事)
 行幸啓の途中だったかな。札幌にいない時にこのニュースが出たんですけれども、正直言ってショックでした。私自身は道民の方々に分かりやすい道政ということで、こういう形で週に1回の記者会見、あるいは随時それ以外にご要請があれば、皆様方を通じてその後ろにいる560万の道民の方々がいらっしゃるということで、情報発信しているつもりです。また、政策展開でも北海道の優位性を生かしながら、より伸ばす、そして、北海道の弱い部分について、いかにカバーしていくか、そういうめりはりのある形で、政策展開をしてきたし、これからもしていくつもりであります。そういった私自身の思いが、一般の職員の方々に必ずしも十分伝わっていなかったんだろうなということで、私自身とても反省をいたしているところでございます。
 その意味では、幹部職員の方々とは、いろんな機会に議論は、フリーな形で、何か形式張った何とか本部とか以外で、気がついた政策課題があれば、私の方からお声をかけて、いろんな方々と議論をしております。なかなか2万人弱いる一般職の方々と、直接触れ合う機会を設けるのは難しいのですが、そうは言っても問題解決はしませんので、本庁の一般職員の方々、あるいは支庁に出向いた時には、支庁の職員の方々とも、これから対話の機会を設けたいなと、このように思っております。

(北海道新聞)
 公務員の飲酒運転の事故がいろいろと問題になっておりますが、道として職員に対して飲酒運転についての対応はしていらっしゃいますか。

(知事)
 今回の福岡県の職員の件については、本当に遺憾であると思いますし、亡くなられた方のご冥福を心からお祈りしたいと思います。
 飲酒運転は、公務員に限らないわけでありますけれども、特に、公務員というのは、一般の国民、道民に対して範たる立場の人間でございますので、飲酒運転は、あってはならないこと、絶対に許されないこと、このように思うところであります。
 道は平成13年に、相当厳しい対処に改めておりますので、平成13年に道交法の改正、刑法に危険運転致死傷罪を創設された時を踏まえて、それまで減給を基本としていた処分を、停職以上を基本とするといたしております。
 今回の福岡県の事故のような、さらに、当て逃げとか死亡事故が過重された場合には、当然免職処分ということを含めて、厳しい処分を既に移行済みと私どもとしては理解をいたしております。
 ただ、一部報道で拝見させていただいたのですが、より厳しい措置、例えば少しでも飲酒運転した場合には、それで免職にするのを導入しておられる自治体、県もあるようでございます。そういったところまでやるべきかどうかについては、そういった県の運用状況について議論があるようでありますので、そのことを見極めた上で、我々としても検討していかなければならないと思っております。
 そして、何としても、道庁職員、あるいは地方公務員、我々自身が道民の方々に、交通事故防止を訴えている立場でありますので、職員の飲酒運転根絶について、研修、指導などいろんな形で徹底してまいりたいと思っております。

(NHK)
 夕張市が赤字を見えにくくするという名目で、長年にわたって不適正な財務処理を行ってきたということが道の調査で明らかになりましたが、そういった不適正な処理で市民に大きな損失を与えたことに対する行政、夕張市当局の責任について、知事はどのようにお考えですか。

(知事)
 我々の報告書は、昨日ご報告申し上げたところでありますし、また、それに先立って、これからの再建に向けての基本的な考え方というものを市自身がまとめられた中でも、これまでのやり方について深く反省をし、不退転の決意で財政再建をやるということを言っておられますので、市自身がこれまで不適切なやり方をやってきたことについて、反省してられることは、私はそのように受け止めております。
 そして、そういったことを今までやってきたいろんな事情があるんでしょうが、やはり、夕張市自身の責任も極めて重いと、率直に私は言わざるを得ないと思います。
 そういった中で、後藤市長は苦渋の選択でいろんな方向性を今出しておられますので、我々も積極的に、夕張市のこれからの再建に向けて、助言をし、短期支援の貸し付けを含めて、出来る限りのサポートをしっかりとやっていきたいと思っています。

 

 


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