知事定例記者会見(平成18年9月20日)

知事定例記者会見

・日時/平成18年9月20日(水) 17:15~17:34
・場所/議会知事室前
・記者数/24名(テレビカメラ3台)

会見項目

  

知事からの話題

1 第3回定例会の代表質問を終えて
2 産炭地域活性化基金の取り崩しなどの要請について

記者からの質問

1 新総裁に期待すること
2 サハリン2に事業停止について
3 「バナー広告の開始に当たってのファシリティマネジメントしての考え方」について
4 厚生年金会館の存続問題について(1)(2)
5 産炭地域活性化基金の取り崩しなどの要請について
6 宿泊施設の格付けについて

知事からの話題

 

第3回定例会の代表質問を終えて

 今日で代表質問の2日間が終わりました。
 夕張市あるいは産炭地域の問題をはじめとする行財政改革の問題、それから市町村合併や道州制の問題をはじめとした地方分権の問題、少子化対策、医療確保など様々な議論が行われたところでございます。
 私自身大変勉強になったところでございまして、様々なご指摘、ご質問、こういったことを踏まえて、今後の道政展開の参考にしていきたいと思っています。
 明日は議会がお休みで、明後日から一般質問です。さらに真摯な議論が展開されることを心から期待をしています。

産炭地域活性化基金の取り崩しなどの要請について

 それから2点目は、明日の議会休会日を利用しまして、私自身、上京いたしまして、5市1町の市長さん、町長さんとともに、国、具体的には経産省、それから自民、公明両党の幹事長さんにお時間をいただけましたので、改めて、産炭地域活性化基金の取り崩しなどについて、要請活動に行くことを決めたところです。
 今朝でしたか、もう決まったやの一部報道もありまして、私自身もああいう風になればいいなあと思いながらも、それほど私自身の認識は甘くはございません。もちろん、政治的ないろんな調整も電話等でさせていただいております。また、水面下で、事務的な調整も資源エネルギー庁等とさせていただいておりますが、財務省を含めてなかなか厳しい意見がございまして、明日、さらに直接、首長さん方と私とで要請させていただきたいと思っております。

記者からの質問

(北海道新聞)
 本日ですね、自民党の総裁選挙が行われまして、安倍官房長官が新総裁に選出されました。知事として何を期待し、何を注文するかお聞かせください。

(知事)
 安倍新総裁は、前から小泉総理がやっておられた構造改革を引き継いでいくことを明言しております。小泉政権がやられました改革は、改革をすれば世の中がいい方向に行くことを国民に知らしめた意味では、評価をするところでありますが、一方でよく言われていますとおり、中国、韓国近隣諸国との関係については、必ずしもうまくいっていないことや、国内的には、雇用あるいは収入の面で格差がおこっている課題も出てきているのは一般的な認識であり、私自身もそのように思っております。
 そういった中で政権を引き継がれる安倍新総裁におかれては、こういった全国的な問題への対処も重要になってくるので、外交も含めてそういったことを期待するところです。
 また、北海道との関係でいいますと、全国の問題とも共通する部分もある訳ですが、雇用の面、あるいは収入の面や、経済の回復については「緩やかな」という修飾が常に付く状況にございます。
 こういったことへの対処は、もちろん我々地元も頑張っていかなければならないのですが、国においてもこういった厳しい地域に配慮していただけるような、そういった政策展開についても期待するところです。
 また、北海道特有の政策としては、道州制の問題、それから北方領土の問題。別に北海道特有という問題ではありませんが、特に、北海道に関係する課題として、こういった問題への積極的な取り組みを期待すると同時に、道連大会に乱入したときにも申し上げたのですが、全国の問題であると同時に、広い北海道の道民が、特に求めております、広大な土地における我々国民、あるいは道民が将来安心して老後を暮らしていける安定的な社会保障制度の構築、こういったことにも、是非、新政権には、地域の声にも耳を傾けながら、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

(HTB)
 サハリンでですね、サハリン2に関しまして、ロシア政府が油田の開発をストップするという話が伝わってきておりますが、北海道に対してもかなり大きな影響があるかと思います。その辺知事どう思われますか。、

(知事)
 二つの面がありまして、一つは、サハリンプロジェクトが天然ガス、原油ということでして、天然ガスは極めて近いところで開発が行われるので、北海道でも需要がないかという働きかけがいろいろあったわけであります。
 これに対しては、北海道は全国で最も埋蔵量が多いところの一つといわれております勇払がございまして、電力なりガス関係の企業をはじめとして、それほど需要面の声は出てきてなかったのが一つです。
 もう一つは、稚内をはじめとして、隣接地域なるが故に、このサハリンプロジェクトで経済が盛り上がっているサハリンに対する様々な後方支援として、経済面の需要を期待している部分がありまして、こういったところにとっては、懸念が出る可能性があることです。
 現に、稚内からのフェリーを通じて、道内企業の資機材供給など、企業の参入も進んできたところでありまして、こういったことにつきましては、向こうに事務所もございますので、いろんな所を通じて、情報収集に努めてまいりたいと思っております。

(STV
 道庁のホームページでは、今日からバナー広告の募集をしていますが、劇的な収入増は見込めないでしょうが、知事はファシリティマネジメントに対してどのようなことを期待していますか。

(知事)
 ファシリティマネジメント、すなわち、道有財産をできる限り有効に活用して我々の進めております行財政改革に資する形に持って行くことの一貫として、ホームページも道の財産でありますので、これにバナー広告の募集を今日開始したのは、ご指摘のとおりであります。
 ファシリティマネジメントにつきましては、行財政構造改革に資する実質的な面もあるわけでありますが、それと同時に私ども道庁職員の意識改革の面でも、効果を期待するのと同時に、バナー広告に限ってみますと企業の方々もPRできるというメリットも期待されるところでありますので、是非、本日応募開始ということを、御社を含めて皆様方もPRしていただいて、多くの企業から応募があるよう私どもとして期待をいたしているところでございます。

(毎日新聞)
 厚生年金会館の件ですが、雑誌とかを見ていると、札商さんと札幌市さんでもめているいろいろ出てきているのですが、道庁さんは関わっている団体として今後、どういう対応で、どう決着をさせていくのか、ご意見を。

(知事)
 札幌市さんと札商さんと道で三者会合を発足させて、いろんな専門家の方々に依頼をして、方策についての検討をしていただいており、そのレポートが、もうじきまとまるというのが、今の状況でございます。
 ただ、先週、高向会頭が、私のところに来られまして公館でお会いをしたのですが、その時に、会頭が、この厚生年金会館は、札幌市、北海道にとって重要な施設であるので、できれば不特定のデベロッパーではなくて、なんとか地元の札幌市に取得をして欲しい、その運営については、民間が行っていく、というような基本的なコンセプトで市にも申し入れをしたい、というようなことを言っておられたところでございます。
 私どもとしては、地元札幌で、そういった方向で札幌市さんと札商さんの方で方向性が出てくれば、私どもとしてもそれをサポートすると同時に、整理機構とのいろんな調整、連絡を、以前からすると申し上げておりますので、会頭もそのようなことを私に期待しておられたところでありますが、その役割をきっちりと果たしていきたい、なんとしても、この厚生年金会館について、方向性を出していきたいと、このように思っております。
 また加えて、大通りのあの地域について、厚生年金会館をどれぐらい残していくかがあるわけで、その将来像、あの地域の展望というか地域づくりというか、これも札商さんと札幌市さんが中心になって検討されることになると思いますが、そういったこともやはり、三者協議会の中でも議論していかなければならないと、会頭ともちょっと話を申し上げていたところでございます。

(毎日新聞)
 道のサポートというのは、整理機構への橋渡しの部分で、お金の部分はどうお考えですか。

(知事)
 お金の部分については、先程、冒頭申しました、明日5市1町の首長さん方と一緒に東京に行くわけでありますが、様々な施策等を考えた場合に、札幌市にあるこの施設に道費を導入することについて、道民の一般の方々、特に、地方の方々のご理解が得られるかについては、慎重に見極めをしていく必要があると、考えております。

(NHK)
 明日の上京なんですけれども、知事が5市1町の首長を連れて要望活動をする政治的な意味合いは非常に大きいかと思いますが、やはり基金の取り崩しに向けて、産炭地の厳しい状況などを改めて説明して、理解を求める形になるのでしょうか。

(知事)
 先週、私一人で行ったときも申し上げたのですが、今回の不適切な基金運用、長期の借入金、こういった事態になったことについて国に対して陳謝しなければならない、これは私と5市1町の皆さん方でしなければならないと思っております。 
  その上で、この状況を早期に解決する必要がある。
 これは、今年度の起債をどうするかという総務省との関係があるのですが、その解決に向けて地元で自助努力をしてきた経緯の説明を申し上げて、そういった自助努力の上に立っても、なお、歌志内市と上砂川町について、償還財源が足りない状況を説明した上で、改めて、基金の取り崩しについてご理解、ご支援をいただきたいとの要請になるかと思います。

(北海道新聞)
 道内の宿泊施設の格付けについて、業界団体の意見がまとまらなくて、先送りになったということが昨日あったんですけれど、それについての受け止め方と、今後、道として別の形で、評価するなり、何なりするという可能性があるのかお聞かせください。

(知事)
 今日、ずっと議会でしたので、昨日の状況がどうだったかについて、担当部局から、まだ、直接私は報告を受けておりません。その意味では、報道の範囲内での感想になるわけですが、とても残念ですね。
 北海道は観光立国ということで、道外の日本人の方、あるいは海外にも、これからさらにアピールをしていきたいという思いの中で、これらからは団体旅行よりも、むしろ個人客が中心になってくる。そういったお客様に対して、正確な情報を客観、中立的に提供する観点から、こういった格付けを民間主導でやっていただくことは極めて重要な、意味のあることではないかなと、ずっと思っておりました。今回そういった中で、小規模であるなどやはり力の弱い宿泊施設の方々には不利になるということで、今回は当面、どういう表現でしたっけ、今後の検討課題にしようでしたかね、とされたのは残念であります。
 しかしながら、そういった厳しい状況のご主張をされた道内の業者の方がおられるのも事実でありますので、さらに私としては、この問題について議論を深めていただいて、ゆくゆくは必ずこういったことは必要になってくる。そういったことがなければ北海道の競争力は他の地域との比較において、見劣りすることになる時期が多分来るのではないかと想定をいたしますので、引き続き業界における民間主導の形での議論が続いていくことを期待いたします。
 そして、官主導での格付け、これは、私は念頭にはございません。

(北海道新聞)
 夕張の問題で1点伺いたいんですけれど、人件費の削減で分限免職という方向があるとい思いますが、先の代表質問で回答がありましたけれど、病院の部分だけではなくて、一般会計の部分の一般職員の部分でも、そういうことをやるべきだというふうに知事はお考えでしょうか。

(知事)
 昨日の自民党からの代表質問でお答えした私の趣旨は、地方公務員法には、そういった法の規定があると申し上げたものであります。
 しかしながら、このことの規定を適用するかどうかは、一義的には市のご判断事項であります。市自らが9月の初めに示された「基本的考え方」に沿って、総人件費の徹底した抑制など、行政改革をやっていかなければならないことを言っておられます。そのことを実現していただくことを我々としては見守って、また、助言、協力していきますので、分限免職の規定について、地方公務員法上での規定を適用されるかどうか、これは一義的には、市ご当局のご判断ではないかと思います。

 

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなど整理し、作成しています。

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