知事臨時記者会見(平成18年9月22日)

知事臨時記者会見

・日時/平成18年9月22日(金) 17:00~17:17
・場所/議会知事室前
・記者数/18名(テレビカメラ3台)

会見項目

  

記者からの質問

(NHK)
 代表で2、3伺わせていただきます。
 ヤミ起債の是正の関係で、基金の取り崩しが決まりましたけれども、それを受けてのご感想と、道としての今後の対応についてお聞かせください。

(知事)
 今日、午前11時半ぐらいですか、二階大臣が東京での記者会見の際に、この産炭地域活性化基金、いわゆる旧基金の50億円の部分について、取り崩しを認める方向性が示されたことでございます。
 私も昼休みに大臣にお電話をし、お礼を申し上げたところでございます。
 この問題については、先週、そして昨日と東京に行って参りまして、特に、昨日5市1町の首長の方々と一緒に二階大臣、武部自民党幹事長、それから冬柴公明党幹事長にお会いをして、今回の基金の運用に係るこれまでの事態は、大変遺憾であると陳謝をした上で、基金の取り崩しのお願いをしてきた経緯があったわけであります。
 そういった中での今回の取り崩しを認めるという方向性、これは財政当局との厳しい調整も含めて、ご努力を二階大臣にやっていただいたことは、心からうれしく思う次第でございます。心から感謝を申し上げたいと思っているところでございます。
 しかしながら、ここで一安心というわけには、私はまいらないと思っておりまして、今回の取り崩しの基金、いろんな財政当局等との政府内調整の中で、基金の本来目的に合う形で取り崩しをして、事業のお金を使うべしとなっています。そういった中で、どういう形で、この1市1町の償還財源に当てていくかというスキームを早急に詰めなければならないこともございます。また、ここで財政的になんとかしのげたとしても、関係の市、町が自ら自主、自立、これからは自助努力でやっていくんだという意識をもって、毅然とした態度で地域づくりを進めていただくことがない限りは、また、同じような状況に至るという懸念があるわけであります。その意味では、ここを一つの通過点として、私は5市1町、特に、歌志内、上砂川、夕張の方々とは、十分に連絡をとりながら、産炭地域の振興をしっかりと、総仕上げという言葉を昨日も大臣等の前で使わせていただきましたが、努力をしていかなければならないと思ったところでございます。

(NHK)
 今のお話の中にもありましたけれども、今後、追加的な財政支援は求めないというような条件が付されました。つまり、今後どんなに泣きつこうとも国は一切面倒を見ないという強い国側の意志の表れと思いますが、その辺は改めていかがですか。

(知事)
 このことは、国からのリクエストであったと同時に、私ども地方サイドとしても、昨日も一日、5市1町の方々とご一緒でしたので、いろんな場面で、待ち時間とか利用していろんな話をしてきたのですが、これまでの長い産炭地域振興対策の流れの中で、今回の法律の終了が、一つの節目と関係者一同思っておりましたので、これを一つのきっかけとして、卒業して新しいステージに行くことは、昨日5市1町の皆さん方も、皆さん方自身の言葉で大臣や両幹事長の前で言っておられましたので、そういう意味では、産炭地域振興対策として新たな追加的財政支援は求めないというのは、国からの要請であると同時に、私ども自身もそういったことで、考えを新たにして、地域づくりを考えていく契機にしたいと思っております。

(毎日新聞)
 今日、経産省のペーパーで、北海道からは謝罪と再発防止について、いろいろとお話しがあったというくだりが載っているんですけれども、この問題では、昨日、二階大臣がおっしゃってますケジメということで、謝罪と再発防止をすればその問題は済むのか、それともやはりヤミ起債という事態に至った経緯、関係者の処分とか、そういった事も含めて何かケジメと言っているのかどういうふうに。

(知事)
 昨日、大臣がケジメという言葉を使われて、そして昨日、私自身もこちらに戻って参りましてから電話等を通じて、いろんな形で政府側と調整をしている中で、ケジメの具体的な形として三つぐらい出てきたと認識しています。
 一つは、やはり何でこんな事態に至ったのか、今、おっしゃられた経緯についての謝罪ですね。このことにつきましては、遺憾の意とともに謝罪を私と5市1町の皆様方から、昨日、口頭で国なり与党の関係者に申しあげましたので、そのことが一つと思っております。
 二つ目が、冒頭に申し上げましたことに関わってくるんですけども、今、ここを上手く通過できたとしても、やはり地域が自助努力、あるいは自主自立を本当に進めていくことが担保されない限りは、国としては、ここでずるずると認めるわけにはいかんと。一部報道に出ておりました1市1町については、やはり財政再建をしっかりとした形でどのような形でやっていくのか、ここは道がやはり指導をしっかりとして、対処していって欲しいというのが二つ目の中身と思っております。
 三つ目はですね、今回の基金取り崩しは、赤字の付け替えという言い方は良くないんですが、単に借金返しのため、そのまま金を使えることではないんだ。あくまでも国民の税金、道民の税金そういった公費が入っている基金であるので、その基金の設立の趣旨に合った事業に沿って支出される。そしてそのことが、結果として償還財源に足りない両市のお金として回っていくことを、きっちりと知事が責任をもって事業をみてくれという三つくらいのケジメかなと思っておりまして、それぞれ私どもとして考え方を経産省に対してお示しをしてきていることでございます。

(北海道新聞)
 ヤミ起債の問題では、議会でも知事は道にも責任があると答弁をされていましたけれども、今回の基金取り崩しを認められたので、ある程度責任を果たしたと考えるかというのが1点と。
 今後、財政計画を立てるように指示したりとか、道の責任というか、道の役割が大きくなってきていると思うんですけれども、それをどのように受け止めているのか。最後が、道としては旧産炭地というのを、過去のエネルギー政策とかを踏まえた上で特別扱いをこれからもしていくのか。この3点を伺いたいと思います。

(知事)
 一つ目の、ヤミ起債の問題について、道の責任を果たしたかどうかという問題についてですか。難しい質問ですが、取り崩しを認めていただくことによって、さっきのいろんなスキームを経由して省略するとすれば、何とかそのことを踏まえて1市1町を含めて5市1町が一括償還という方向になるように、まず、最大限努力する。まだ、我々として努力しなければならないこともあると思いますので、そういったことをまずやって行かなければならないと思っております。そのことができた段階で、道としては、一定の役割を果たしたとの思いがあるわけであります。
 しかしながら、二つ目のご質問とも関わってくると思うんですが、旧産炭地域は道内の空知地方にある市町村でありますので、道がこういった地域の財政状況がうまい具合に健全化するような形で、立場は対等ではありますが、助言なり支援なり協力をしていくのは、当然の役割だと思っておりますので、そのことをこれからも粛々と進めていきたいと考えております。
 それと道内で旧産炭地を特別扱いするか、というのは質問の趣旨がよく分かりませんが、北海道の中に180の市町村ありまして、それぞれ地域の特徴、課題いろんな状況があるわけであります。道の役割は、それぞれの市町村の抱えている、持っている良い特徴、悪い特徴いろんなことを踏まえて、そうした市町村がそれぞれ自らの地域づくりに最大限努力しておられるのを、どうやってサポートして行くことができるのかに尽きると思います。その意味では、旧産炭地域だけを特別扱いするつもりはございません。それぞれの地域の特性に合わせた、道の支援を考えていきたいと考えております。

(NHK)
 歌志内、上砂川の財政健全化計画というか、遺憾の意を表明した書面を提出する動きはあるのでしょうか。

(知事)
 一部報道に紙まで出ているんですけれども、あれはちょとよく分かりませんが、そういうことをしなければならない意識は持っております。ただ、形式として私だけの名前なのか、5市1町の首長の方々と連名なのか、中身についてそれ以外どういう形式にするのか、それからあて先をどうするのかを含めて、まだ、固まっていないところでございますので、固まって物になればそれは皆様方にも当然、ご提示申し上げたいと思っております。

(NHK)
 報道に出ていたようなものはまだ。

(知事)
 いろんな思いをもって経産省と議論しているのは事実でございます。

(NHK)
 具体的に中身はまだ言えない。

(知事)
 はい、すみません。

(NHK)
 特に、上砂川町と歌志内市については、厳しい財政状況を鑑みますと、財政健全化計画、財政再建団体になる夕張市に準じたような、そういう厳しい計画の策定を、道は指導する形となるのですか。

(知事)
 まず、質的には違うと思いますよね。夕張市の場合は、法に基づく再建でありますが、歌志内、上砂川については、もちろん今の事態をうまく回避できればという条件が付くわけでありますが、あくまでも自主的に再建を目指す計画を策定することですので、その意味では、質的にまず位置付けは違うだろうと、このように思います。中身的なものは市なり町、ご自身がどこまで踏み込んだことを書かれるか。まずは、一義的なご判断が先方にあるかと思いますけれども、私の思いとしてはそれぞれの置かれた状況を考えますと、総人件費の抑制をいかに図っていくか、あるいは事務事業の徹底的な見直しなど、検討しなければならない項目については、やっぱり夕張市さんに準ずるところがある。ただ、法律に基づく夕張市の計画とはやっぱり質的に違うだろうと、中身的にはやはりいかに健全財政を目指し、持続可能な財政を目指していくかの基に、今後、中身を詰めていくことになると思います。
 その中で一つだけ言うとすれば、先週、冬柴幹事長にお会いしたときに言っておられて、昨日、5市1町の皆さんとお会いした時も言っておられたんですが、例えば市から町になるとか、そうするといろんな歳出項目で、負担というか責務が軽減される部分が出てくるのはそうなんですね。一般常識的には、町から市になることを求める自治体が多いのですが、逆はあまりというか、皆無だと思います。これは総務省の方ともお話をしたところ、当該自治体なり地方が、その気になれば申請を受けて、状況を判断していくことになるだろうということでありましたので、冬柴幹事長は2度にわたっておっしゃって、私は関係の首長さんと昨日一緒でしたので、そういったことも含めて、当該市においてご検討されることもあり得るかなと思います。

 

 


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