知事定例記者会見
・日時/平成18年9月27日(水) 18:01~18:17
・場所/議会知事室前
・記者数/19名(テレビカメラ2台)
会見項目
知事からの話題
1 第3回定例会の一般質問を終えて
2 障がい者の就労支援について
3 循環税の導入について
4 市場公募地方債の発行再開について
5 飲酒運転の防止対策等について
記者からの質問
1 産炭地域問題のけじめについて
2 夕張の財政再建問題について
3 札幌市内でおきた児童虐待について
知事からの話題
第3回定例会の一般質問を終えて
それでは、私から5点ばかりご説明をいたします。
最初は、今日で一般質問が終わりました。これからは予算特別委員会の審議に明後日から移るわけでありまして、今後、さらなる議論が展開されるということであります。
障がい者の就労支援について
2点目は障がい者の就労支援についてであります。
道議会でもいろいろ議論が出ていましたが、10月から障害者自立支援法が本格施行になっております。そういった中で、障がいのある方々の就労支援については、北海道労働局をはじめとする関係機関とも連携しながらやっていきたい。本年度中に私ども道も、障がい者福祉計画を策定し、それに基づく形で国の機関とも連携していくということでございます。
いつでしたか、このような場で説明させていただいた民間企業とのタイアップ事業の一環として、セイコーマートで授産製品を取り扱っていただくことにもなっておりまして、こういったことの具体的な計画も始まっておりますし、また、札幌チャレンジドというNPO法人が字幕製作を通じた障害者の方の就労促進に向け、映像選択などの検討を進めているところであります。
そして、新たな取り組みとして、道庁自ら、障害者雇用を発信していくことの一環として、10月以降、職場実習生として、知的障がいの方、それから精神障がいの方を受け入れていくことを決めたところでございます。
身体障がい者の方については、率先して、職員として雇用することに努めているところでございますが、道議会議論もございました知的障がいの方、あるいは精神障がいの方々についても、まずは職場実習生としての引き受けをスタートしていきたいと思っております。
また、民間への就労につきましては、障がいのある方々を積極的に雇用しておられる企業経営者の方々と懇談をいたしまして、障害者雇用の意義や雇用にあたっての工夫などについて、意見交換させていただくことを予定しております。
こういった企業の取り組みを積極的に私どもからもPRさせていただいて、他の企業に波及していくこと、参考にしていただくことを期待をしているところでございます。
循環税の導入について
それから三つ目は、10月1日から循環税の導入がスタートすることでございます。去年からのお約束で、この循環税の導入からさかのぼること半年前倒しで、補助対象事業を進めているところでございます。
さらに加えて、インターネットを活用いたしまして、リサイクルを効率的に進めるために、企業と企業の取引のサポートを行う「情報ネットワーク」について、皆さんから応募をいただき、愛称を「じゅんかん夢ネット」と決めました。これも10月1日から運用を開始する予定であります
循環税は前から言っておりますとおり、道での初めての法定外目的税であります。前知事の堀さんが現役時代大変苦労して、導入がなかなか難しかったのを引き継ぎという形で、去年成立したところでありまして、その意味では、道初めての法定外目的税を十分に活用しながら、本道の優れた自然環境を守って、北海道らしい循環型社会を構築していきたいと考えているところであります。
市場公募地方債の発行再開について
四つ目でありますが、市場公募地方債の発行再開についてであります。
9月債を休債したことは、前に申し上げたとおりであります。
8月中旬に総務省からの要請によりまして、これまでの合同条件交渉から個別条件交渉に移行するよう検討依頼があったことを踏まえて、9月は休債したわけでありますが、引受金融機関との協議が整ったことから、10月債から個別条件交渉方式に移行し、発行を再開することといたしたところでございます。10月は、10年債で200億円の発行を予定いたしております。
飲酒運転の防止対策等について
五つ目でありますが、飲酒運転の防止対策についてです。
今日の一般質問、柿木道議からのご質問に答える形で、聞いておられた方もいると思いますが、先般の記者会見でもお話ししましたが、道は既に、法改正の際に全国の中でも相当厳しい基準を設けており、その運用に万全を期してまいりたいと申し上げたのですが、その後も、後を絶たない公務員をはじめとする飲酒運転の状況、それから、他県の状況等も踏まえまして、道として飲酒運転に対する処分方針をさらに強化、厳格化、明確化することとしました。
資料がお手元にあると思いますが、いくつか申しますと、一つは、職員の飲酒運転に関連して、運転することを知りながら飲酒を勧めた職員自身も停職以上にすることです。
それから、全所属における職場研修の実施もこれから徹底してやってまいりまして、宣言書を自ら作成をしてもらうことも考えております。
10月1日からの実施を考えております。
記者からの質問
(HTB)
産炭地の、いわゆるヤミ起債問題で、先日、与党政府の陳情の際にもけじめを求められたかと思うのですが、その後、議会答弁でもしかるべき方法をお考えになるということで、具体的には減給を含めどんな方法をお考えになられているのか。
(知事)
私自身はいろんな思いをもって、各5市1町との調整等をやっているところですが、具体的に減給について、公の場で申し上げたことはございません。
やはり、なにがしかの形でのけじめというものをやっていかなければならないと思っています。ただ、その前に基金の取り崩しは認められましたが、これをしっかり事業目的に合致する形で運営をするように、国との間でお約束したので、そういった中でいかに取り崩し基金を使って、1市1町の償還財源に充てるかというスキームづくり、ここをしっかり詰めていかなければならない。それは今日の道議会の議論でもありました。
そういったことのめどが着いた段階で、5市1町の方々と合意が出来た内容により、けじめということをしてまいりたい。
(北海道新聞)
夕張の財政再建問題について伺います。
財政再建団体の指定を申し出る議案が、夕張市議会で29日にも可決される見通しとなっております。
いよいよ再建計画を実際に策定する段階に入っていくことだと思います。
道として、これまでに増してどういったところに留意して計画の策定を支援していくのか、お考えを伺いたいと思います。
(知事)
9月の始めに、基本的な考え方を市自らお出しになって、そのざっくりとした大きな方向に沿って、具体論を積み重ねて、再建計画の中身をしっかりと詰めていく段階に入っております。
その意味では、いろんなスケジュールを考えた場合には、やはり策定作業のスピードを上げていかなければならないのは当然と思っております。
我々から職員3名を派遣し、彼らも市の職員として一生懸命頑張っております。
再建計画の中身について、市の考え方、道の考え方、そして国との調整、こういったことを一体としてやっていくお手伝いを、道もしていかなければならないと思っております。
そして、年度内の導入に向けてのスケジュールを守っていく必要があるのですが、加えて、なにがしか制度的な要請を国に対して行っていかなければならないことがあり得るわけで、そういったことを念頭に置いた場合は、もう9月の末でありますので、骨格の部分については、もう1カ月もないくらいのスピード感を持ってやっていかなければならないと思っております。
そういった観点から、中身や国との協議調整等について、積極的に助言、協力をしてまいりたいと考えております。
(北海道新聞)
札幌市内で二人のお子様が虐待でお亡くなりになりましたけれども、それについての知事としての受け止め方と、道としての対応についてお伺いしたいのですが。
(知事)
私自身も母親としての立場からすると、非常に痛ましい事件が起こりまして、大変残念であり、そして、腹立ちを覚えているところでございます。
実際、最近の児童虐待について、児童相談所への相談案件の中身を見ますと、17年度で約8割が、これは札幌市を含めてですが、小学生までの子どもたちに関するものなんですね。自ら危険回避ができない幼い子どもたちが児童虐待の対象になるケースが大きな割合を占めているということ、本当に残念、怒りを感じます。
この問題については、早期発見がまずは重要です。もちろん、その前に親として自覚を持ってもらうといった、そういう事態が起こらないことに向けての啓発も大切でありますが、平行して現に命を守っていくためには、早期発見をすることが重要だと思いますので、やはり地域住民の方々の理解と協力、このことも重要だと思っております。
16年に改正された児童虐待防止法におきまして、通報の対象が、虐待を受けたと思われる場合まで拡大をいたしておりますので、地域住民の方々、一般道民の方々で、何かおかしいなと思われた場合には、是非、ご協力をいただければと、このように思っております。
そして、もう一つのご質問は、道としてどういうことをやっていくんだということですが、三つくらいのことを申し上げたいと思います。
当然のこととして道立の8児童相談所に虐待相談を専門に対応している児童福祉司を2名配置しております。これは当然のことであります。
加えて一つめに申し上げたいのは、各市町村において、情報の協力、あるいは関係機関と円滑な連携を図っていく目的で、各市町村ごとに「要保護児童対策地域協議会」の設置を働きかけているところでありまして、今年の4月現在で86の市町村で既に設置をされております。これをさらに働きかけを強めてまいりたいと思います。
それから、二つ目でありますが、市町村で乳幼児の健診をやっております。そういう場でお母さんと話をして、健診をする過程で、例えばどこかにあざがないかとか、それから、お母さんが子育ての不安とか、いろんなことを知りうる機会があるわけで、こういった場を活用しながら、(道立の保健所では市町村と連携し)早期発見の体制を整えていきたいと思います。
そして、三つ目は警察との連携であります。なかなか児童相談所だけの場合には、保護者がその介入を拒否する場合に、難しい場合もあるわけでありますが、警察署と連携して、なにがしか問題のありそうな家庭に立入調査を行う。その発動については、微妙に配慮しなければならないのは当然でありますが、こういったことも、密接な連携を図りながら、早期発見に努めていくことを道として、これからより充実をしてやっていきたいと思っております。
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