知事臨時記者会見(平成18年10月3日)

知事臨時記者会見

・日時/平成18年10月3日(火) 15:17~15:25
・場所/本庁舎3階 知事室前
・記者数/19名(テレビカメラ6台)

会見項目

  

記者からの質問

(NHK)
 本日、坂下登船長が解放されました。知事の今の思いについて聞かせてください。
 さらにこうした事案の再発防止に向けて、道として今後どう取り組まれるか、その2点を伺いたいと思います。

(知事)
 本日9時25分、坂下船長が国後島で解放されました。そして、午後2時ぐらいに根室に帰られたとの報告も受けているところでございます。
 これで船長を含めて、3人のロシア側に拘束されていた方々が全員解放されたことになりました。今回の事案の過程で、銃撃により盛田さんが死亡されたことは大変残念でありますが、船長を含めて3人が戻られたことは、正直ほっとしております。
 しかしながら、坂下船長も、肉体的にも精神的にも相当疲労しておられる状況でございまして、まずは体調を回復されることを心から願っています。
 16時から会見をされると聞いておりますが、その後出来る限り早く、ご自身も釧路の病院に入院されるとお伺いしておりますので、まずは体調の回復をお願い申し上げたいと思います。
 そして、これから日本国としての、こちらサイドとしての真相解明が本格的に始まるわけでありまして、そのことに必要な調査をやっていかなければならないと思っているわけであります。
 そして、その大前提は、没収されている船体の解放でございまして、既に国交大臣などを含めて、ご発言をしておられるようでありますが、国と連携をしながら、このことを強くロシア側に申し入れていくことが重要だと思っております。
 それから、もう一つが再発防止でございますが、まず、先に行われました洋上会談の席上、私どもからロシアの国境警備隊に対しまして、二度とこういう無防備な漁船に対して発砲することがないように、強く申し入れをしているところでございます。
 また、加えて、海上保安部と連携をしながら、洋上におきます漁船の指導体制の強化を図っているところでございます。
 しかしながら、今回の事件の背景にありますのは、前から申し上げておりますとおり、北方領土問題が、まだ、未解決であることがベースにあるということは、皆様方ご承知のとおりですので、このことが一歩でも、そして早い解決に向けまして、国に強く外交努力というものをさらに要請していかなければならないと思っております。

(北海道新聞)
 北海道海面漁業調整規則というのがあると思うのですが、これは安全操業のための漁船の進入の洋上のラインですとか、それを犯した場合の罰則などが定められていると思うのですが、それを道として今回の事件を受けて、何らか改訂するようなお考えというのは。

(知事)
 今回の事件とは関係なく、前から漁組、漁業関係者からの申し入れもありまして、そういったことをロシア側とも、様々な場を通じて議論を深めてきたところです。
  しかしながら、逆に今回の事件が一つのきっかけとなりまして、調整規則の改正に向けては、国の認可が必要になってくる事案でございまして、今回の事件によって、国は安全性の確保の観点からも相当慎重になっていることもありまして、むしろ、今回の事件によって、見直し作業が若干停滞するのではないかと懸念をしているところです。
 しかしながら、そのことの問題の所在、漁業関係者の強いご意向があることは、認識をしておりますので、引き続き様々な形で可能な限りの作業は続けていかなければならないと思っております。

(北海道新聞)
 今回の事件を受けて一部地元からビザなし交流の今年度の中止を求める声もあるようですが、それについてはどのように。

(知事)
 当初、この事件が起こった直後のビザなし交流について見直しをというのは、当時の藤原市長からもありました。いろんな経緯の中で、国とも議論をし、藤原さんとも直接お話をしまして、ビザなし交流そのものの中止には至らないという判断をしたわけであります。ビザなし交流そのものの見直しというものも、今回の事案というよりは、むしろこれまで、相互の理解増進のために積み重ねてきたビザなし交流があるけれども、内容についてもっともっと両国間の意識の高まり、あるいは北方領土問題の解決に資するような中身にするべきではないかというものです。長く時間が経ったが故に、そういう議論があるのは事実でございまして、その中で、私どもとしては、私も去年参加をいたしましたけれども、北方領土内における島民の方々との交流事業を含めて、なにがしかの見直しはやっていかなければならないと考えており、このことは道議会でも同じような議論があったと承知をしております。具体的な中身については、これからでありますが、やはり旧島民の方々の高齢化が進んでいる中でもありますので、次の世代、若い世代の方々に領土問題に対する理解、意識を強く持っていただくといったことについて、これから議論を深めていかなければならないと思っています。 

 

 


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