知事定例記者会見(平成18年10月6日)

知事定例記者会見

・日時/平成18年10月6日(金) 15:21~15:44
・場所/議会記者室
・記者数/20名(テレビカメラ2台)

会見項目

  

知事からの話題

1 第3回定例会の閉会にあたって
2 「北海道すきやき隊(子育て応援団)」結成と「大学との連携による次の時代の親づくり教育」の実施について

記者からの質問

1 産炭地域と市町村合併について(1)(2)
2 北海道米「おぼろづき」「八十九」について
3 北海道劇場について
4 滝川市での小学生の自殺について

知事からの話題

 

第3回定例会の閉会にあたって

 それでは、私から2点ばかり。
 今日で、今年度の第3回定例会が終了いたしました。
 9月12日からですから長めの議会だったと思います。いろんな議論ございましたけれど、夕張あるいは空知産炭地域を巡る問題、これは道議会中に私自身も東京との往復などもさせていただきました。そういった中での展開、それに対する質疑がございました。加えて地域主権の確立、経済、雇用、教育、障がい者福祉の問題など、様々な議論が展開されたと思います。
 また、質疑を通じて、道職員の飲酒運転の防止対策等、ご指摘を踏まえての制度の充実もやらせていただいた議会でございました。
 今日も10月に入って6日目になるわけでありますが、今年度もあっという間に折り返しを迎えました。
 若干うれしいことでございましたが、先日発表になりました日銀の短観、道内版、それを踏まえての日銀の道内経済概況では、一歩前に進めるようなご判断をされたわけであります。今まで数カ月、経産局、財務局、日銀の判断で少しずれていた部分が、3機関とも持ち直し、緩やか回復、そういった表現で統一されたこと、そういう認識になったことは、私なりにはうれしいことでございます。まだまだ、希望の「さざ波」みたいなものに止まっているわけでありますが、これをなんとか大きな「うねり」へ結びつけていく、今年度の後半にそういったことで、さらに頑張っていきたいと思っております。
 そういったこれからの道政展開にとって、今議会も極め有意義であったと思っております。

「北海道すきやき隊(子育て応援団)」結成と「大学との連携による次の時代の親づくり教育」の実施について

 それから二つ目は、少子化対策、子育て支援の二つであります。
 一つは「北海道すきやき隊」、「子育て応援団」を10月22日、日曜日に結成をします。これは、各地域ごとに「すきやき隊」の設立を順次お願いをしてやってきたわけでありますが、それも地域のご理解、協力を得つつある中で、道内の経済界あるいは保健、医療、福祉、教育など様々な分野の方々にそろっていただいて、私が隊長となって「北海道すきやき隊」を結成し、私自身が先頭になって取り組んでいくことを考えているところです。
 この「北海道すきやき隊」では、隊員となっていただく企業などを広く公募をいたしまして、育児休業制度の充実など、子育てと仕事の両立支援といった職場環境整備を少しでも増やしていきたい、それから地域における子育て支援活動を応援したり、また、大学などとの連携による、次の時代の親づくりのための教育の実施などに、取り組んでいこうと思っているわけです。
  そして、最後に申しました大学などとの連携で、道内の七つの大学のご協力をいただきながら、それぞれの大学の学生さんなどを対象とした「次の時代の親づくり教育」を10月から実施しようと思っております。
 これは、いわゆる「赤レンガ・チャレンジ事業」すなわちゼロ予算事業でございますので、それぞれの大学のご協力を得て、その場に私ども道職員が出向いて、お話をさせていただきます。学生さんですから、結婚年齢も高まっている中で、学生さんに話をすることがどういう意味があるんだというお声もあるかもしれませんが、やはり、学生の方々に子育ての喜び、素晴らしさ、そういったことに行政がどういう支援をしようとしているかを知っていただくことによって、若い時からそういったことに関心を持って、人生の選択肢を広げていただければいいなと、そういったことを通じて、次の時代の親づくりの先行投資になると思います。
 まだ、日程調整は出来ておりませんが、出来れば私もどこかで一コマお話出来ればと思っています。

 

記者からの質問

(NHK)
 今回の議会で市町村振興基金の条例改正が行われまして、夕張を含めた旧産炭地への財政支援の枠組みが整った形になりましたが、今後は夕張市だけでなく、歌志内市や上砂川町の財政健全化につきましても、道の果たすべき役割というのは、今回の議決で、なお一層増した印象を受けたのですが、道として今後どう対応されていくのか、改めて伺いたいと思います。

(知事)
 議会において、道として夕張市など産炭地域に対する支援の枠組みに係る条例の採択をしていただいたところであります。
 そういった中で、夕張市につきましては、財政再建団体入りを夕張市議会でも議決を得ておられますので、今後、国との調整を踏まえて、スケジュールを守りながら、再建計画の中身を詰めていかなければならない。
 さらには、再建計画の中身を詰める過程で、制度要請を国にやっていかなければならないとすれば、早めにやっていくことが必要になってくるかと思っております。
 市が始められた住民説明会の状況も聞いておりますが、やはり住民の方々は、日々の生活の中でのご不安も多々あろうかと思います。私どもも冬場の夕張市の厳しさは存じておりますので、市と道がスピード感を持ってこの再建計画を具体的に詰めて、市民の方のご理解を得る努力もやはり必要であると思います。
  また、もう一つのご質問でございます歌志内市と上砂川町の今後についてですが、まず、重要なのは、旧基金の取り崩しまでは決まっておりまして、そして決まった基金の使い方については、事業目的に沿った厳正なる運営を国からもきつく言われているところでして、そういった中で、どういったスキームを持って、究極的な目標である1市1町の償還財源の確保につなげていくか、スキームの最終的な詰めをやっていかなければならないと思っております。
 1市1町それぞれご事情はおありになると思いますが、やはり起債を今年度もやりたいとのご意向もおありになるようですので、このこともスピード感を持ってやっていかなければならないと思っております。
 そして、それと平行して1市1町の財政再建計画、項目的には、夕張市でやっておられるようなありとあらゆる分野、様々な事務費の検討になると思いますので、それをしっかり作っていただくことを、私どもから、助言、協力しながらやっていかなければならないと思っております。
 今議会で、合併をこの地域で特に強く進めるべき、というご議論をいただいたところでございます。
  私自身の道内の合併に対するスタンスは、それぞれの市町村が自主的に判断されることを、一義的に重視するという基本スタンスは変わっておりません。
 ただ、あれだけ財政が厳しい当該地域の状況、そして、夕張市等の状況を踏まえて、全道でも合併に向けた議論が起こってきていると認識しておりますので、この地域における合併の推進については、いくつかの構想(組合せ)もございますし、そういった方々の議論のためにも、必要な情報提供等を、積極的にやっていきたいと思っております。

(STV)
 今日、北海道の新しいタイプのお米「おぼろづき」、「八十九」というのが発売されましたけれども、これに対してどのように感じていらっしゃいますかというのが1点。
  それと同じお米でありながら、名前が「八十九」そして「おぼろづき」というふうに名前が分かれていますが、このことに対してはどのようにお考えですか。
 知事は、今、何のお米を召し上がっていらっしゃいますか。

(知事)
 今日発売でしたね。17年から試験栽培米を一部販売して、18年度から本格的に作ってということで、まさに新顔ですけれども、従来の北海道米にはないおいしさ、それからやわらかさで、食味もあがってきたと聞いておりました。私自身は残念ながら、まだいただいていないのですけれども、とっても期待するお米だなと思っております。
 そういった中で、「おぼろづき」と「八十九」の名前が並列していることで、混同するのではないかとのお話ですが、(ホクレンは)八十九という名前で売り出そうとしておられると思います。まだまだ量が少ないので、混乱があるかもしれませんけれども、これから消費者に受け入れられていくことになれば、どんどん広がっていくと思いますので、そういった形でホクレンさんなり生産者の方々が、八十九でいくんだ。これは八十八手間かけるのをさらに一手間をかけた思い入れの名前のようでありますので、徐々に混乱はなくなっていくのかなと、この八十九には、私自身心から期待をしたいと思っております。
 それから、私が何を食べているか。ほしのゆめですね。道南のふっくりんこもおいしいと言われているので、なかなかこっちの方で入手しづらいのですが、道南の方からちょっと送っていただいたのを食べたりしていますけれども、基本的にはほしのゆめです。
 今日、JAの青年部の方々が来られて、今年の新米を含めて、おいしい野菜、それからその野菜を使ったトマトジュースとか、いろいろご賞味くださいということでいただきましたけれども、今年、心配した天候不順も途中でいい方向にいきまして、お米も指数105ですか。本当に良かったなと思っておりますので、願わくば値も高く、道内外の消費者の方々にも喜んでいただけるような農産物が多くなればいいなと、このように思っております。

(札幌タイムス
 北海道劇場のことでお伺いしたいのですが、札幌市が札幌駅南口の横に道の要請を受けて、昨年までに80億円分の土地を買っているのですが、今、市議会の方でも取り上げられまして、道が今厳しい財政なわけですが、引き続き建設を働きかけていきたいというふうに市の方が言ってらっしゃるものですから、それに対する今の道の考え方といいますか、ちょっとお聞きしたいのですが。

(知事)
 本当に長い経緯の中のことでございまして、平成8年度に、当時の桂市長から道に対してご要望をいただき、その後、定例でやっております札幌市と北海道の行政懇談会の場でも、そのことについてやりとりがあって、平成12年、当時の堀知事が立地場所を表明されたという流れで今にきているわけであります。
 その意味では、私ども道として北海道劇場構想を断念することは一切考えておりません。しかしながら、ご案内のとおりの財政状況でありまして、直ちに早期の建設着工は、困難であると思っておりますので、今後の経済情勢、あるいは道の財政状況の推移を見ながら考えていきたいと思っております。

(NHK)
 旧産炭地の自治体の関係ですが、基金の取り崩しのスキームの検討の中に、例えば、市や町が所有する施設を購入する第三セクターや民間などに対して、基金を取り崩して補助金としてあげてしまうとか、そういうことも検討材料の一つとして検討されているのでしょうか。

(知事)
 一部報道でポンチ絵までついたのがありました。いろいろ報道されているわけでありますけれども、今段階で私どもから申し上げられるのは、近く経産省の方から、どういうスケジュールでやるかなど、一定の情報提供があるようです。そういったことも踏まえて、先程申しました起債との関係もありますので、事業の目的にあった厳正なる運営という中で、今おっしゃられたようなことも含めて、どういうスキームがいいのかを議論していくのが現状でございます。

(HTB)
 道内の滝川市の小学校で女子児童が自殺した件で、その市教委の対応につきまして、知事としてどのように受け止めていらっしゃるのか、お伺いしたいのですが。

(知事)
 この話は、昨日でしたか、おとといでしたか、教育長とも電話で話をいたしました。道教委として、滝川市から事情を聞いているとお伺いしております。私も関心を持って、状況を道教委からお伺いしたいと思っております。
 この問題は二つあるわけですよね。
 一つは、いじめを原因に小学校6年生、まさに北海道の宝、女の子が亡くなられたこと自身、とても痛ましい悲しい事件でありまして、いじめによる自殺の再発防止に万全を期していかなければならないという観点。
 それから、第2に、今のご質問の主旨はむしろこっちの方がメインだと思いますが、この事件、女の子が自殺をしたのが去年の9月と聞いております。実際に亡くなられたのが、今年の1月。そういった経過の中で市の教育委員会、あるいは学校の先生方が遺書とか、手紙とかいろいろ言われておりますが、このお子さんが残された文書について何か隠したのではないか。原因がどういうことなのかについて、あいまいなことを言ってこられたのではないか、ということについての対応の問題があるかと思うんです。
 前者は、これは本当に教育関係者、学校の先生方、それぞれの教育委員会の方が、きっちり情報を見極めた上で、再発防止に向けて取り組んでいくのは当然でありますが、後者の話で、そういった悲しい事案の真実が、どこにあったのか。今、市の教育委員会が、やはりいじめが原因だったと認めておられますので、そういったことだと思うのですけれども、自殺が去年の9月、ほぼ1年前。そして、実際亡くなられたのが今年の1月。
 今まで何で、何も明らかにならなかったのか。ここがやはり、周りの先生方、あるいは市教育委員会の対応に疑義がなかったのかどうか。ここをきっちりと見極めていかなければならない。そうでないと、この女の子の無念の思いがこれからのことに生かされていかなくなると、そんなふうに私自身思っております。道教委におかれて、まずは、きっちり対応していただきたいと、このように思っております。

 

 


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