知事定例記者会見(平成18年10月26日)

知事定例記者会見

・日時/平成18年10月26日(木) 15:26~15:48
・場所/記者会見室
・記者数/23名(テレビカメラ2台)

会見項目

  

知事からの話題

 1  エゾシカの有効活用について     
 2 ウォームビズの推進(北海道ウォームビズ・プロジェクト2006)について 
 3  不法投棄等通報協定の締結式について

 

記者からの質問

1  経済財政諮問会議の議論について
 2  高校の履修漏れ問題について
 3  北海道犯罪被害者等支援基本計画(仮称)について  
 4  E型肝炎感染について

知事からの話題

 

エゾシカの有効活用について

私から三つお話をいたします。
 まずは、エゾシカの有効活用についてであります。
 昨日の25日に、エゾシカの狩猟が道東、道央で解禁となりました。今後、順次、道内各地で解禁になってまいります。
 エゾシカは数が少し増えてしまった一方、その肉はとてもヘルシーでおいしいこともあり、その有効利用に向けて、様々な取り組みを私ども行政と民間の方々が連携をしながら進めてきているところでございますが、この度、「エゾシカ有効活用のガイドライン」と「エゾシカ衛生処理マニュアル」を作成いたしまして、配付をさせていただくことにしたところでございます。
 エゾシカは、先程申し上げましたとおり有効活用は始まっているのですが、いわゆると畜場法の適用除外になっていることから、有効活用の対象として、消費者の方々に安心して食していただくためには、こういったガイドライン、マニュアルを通じて対処していくことが不可欠と思っております。
 この衛生処理マニュアルは、野生動物の衛生的な解体処理の手順を定めたものとしては、極めて先進的なものであり、他県でもほとんど例がないと伺っております。普及、啓発に努め、私どもが既に進めておりますエゾシカの有効活用をさらに進めてまいりたいと考えております。

ウォームビズの推進(北海道ウォームビズ・プロジェクト2006)について 

二つ目はウォームビズの推進についてでございます。
 夏はクールビズ、冬はウォームビズということで、去年に引き続き、今年も「北海道ウォームビズ・プロジェクト2006」を展開することで、関係諸機関とも連携して対処しようと思っています。
 今年は、新しいところで二つぐらいご紹介しますと、国がウォームビズに関連して、地域と連携する取り組みとして、北海道と初めてやるというのがございまして「チームマイナス6%」、何が6%マイナスかと申しますと、二酸化炭素などの排出量をダウンしようというキャッチフレーズです。この連携により、衣・食・住・遊といった幅広い視点から取り組んでいく「あったまろうキャンペーン」を展開する予定であります。
 もう一つ、今年度のプロジェクトの新機軸は、子供たちが遊びながら環境保全について学び体験するエコ広場、体が暖まる省エネ料理を親子で実習するウォームビズ・クッキング教室、それから環境の保全と次世代への継承をテーマとするシンポジウムなど大人と子供が一緒に参画できる「ウォームビズ・セッション」を1月の冬休み期間中に開催しようと思っております。

不法投棄等通報協定の締結式について

三つ目は、本日の4時から、道庁内会議室で北海道電力さんと北海道との間で、不法投棄等の通報に関する協定の締結式を開催させていただきます。
 不法投棄が道内でも問題になっているのはご承知のとおりですが、この早期発見、早期対応で民間事業者として北海道電力さんと通報協定を結びます。
 なぜ、北海道電力さんかというと、不法投棄の場所として想定されるような所を含めて、様々な所で様々な工事をやっておられる会社ですので、こういった通報協定を締結することにより、不法投棄など違法行為の早期発見、早期対応を迅速に図ってまいりたいと考えております。

記者からの質問

(北海道新聞)
 政府の経済財政諮問会議が一昨日ですか、実質的な議論が始まって、最初のテーマで地方分権改革を選んだということでしたけれども、新分権一括法案を3年以内に国会へ提出、あるいは地方交付税の配分に関して新型交付税を3年以内に5兆円規模に拡大する。
 また、再建法制を2年以内に整備する。こういったことで合意したほかに、税源移譲について5兆円を3年以内に行うということを引き続き検討課題とされたようですけれども、安倍内閣が発足して、地方分権とか地方財政に対する基本姿勢が少しずつ見えてきた感じもしますが、知事としてどのようなご感想をお持ちかということと、今後の論議に知事からの注文があればお聞かせください。

(知事)
 今回の安倍内閣を見ていますと、地方分権の分野については、小泉内閣において進めてこられた部分の反省点を踏まえながら、継続する意図が見えるような人事配置になっているかと思っておりました。
  例えば、総務大臣には、竹中大臣の時に副大臣として支えておられた当時の菅前副大臣が大臣になって、当時進めようとした地方分権問題における改革を引き続き進めようと宣言しております。
 また、当時竹中大臣の意向を受けて地方分権21世紀ビジョン懇談会を座長として率いておられた大田教授が、今回、経済財政諮問会議担当の大臣になられているところからも、分権改革について、小泉政権の下、竹中大臣が始めようとしていた様々なことをさらに続けようとする意図であるかなと思っております。そういった中で、今回の経済財政諮問会議で最初の大きな議論として地方分権を取り上げ、そして質問にあったポイントが出てきたのは、そういうことかなと改めて思ったところです。
 報道以上のことはよく知らないのですが、各委員の提言や議論は、大田座長のもとで進められた地方分権21世紀ビジョン懇談会の報告書に沿ったものが多いのかなと見ておりまして、今後どのように展開するかは、地方としても注目しているところです。
 注文については、まず、3年以内に新分権一括法を制定とのことですが、中身的には項目立てくらいは出てきておりますが、それを具体的にどう肉付けするかはこれからの議論、当然3年間かけて議論していくことであると思いますので、是非、そういったことの議論の中に、地方側の意見を十分に組み込むような制度設計をしていただきたいというのが、強い注文であります。
 それから、二つ目の新型交付税も、地方分権21世紀ビジョン懇談会の時も注視しておりましたが、面積と人口という客観的な基準をベースとする、国民から見て透明性の高い基準によって、地方交付税を組み立てていくという議論自身は重要だと思います。
 しかしながら、地方自治体の運営を預かる立場からしますと、地方分権21世紀ビジョン懇談会での議論がいかに理想の姿であったとしても、そこに行く過程で各自治体が確保している今の地方交付税の額が激変するような、特に、減るような方向に議論が行くとすれば、それはやはり地方としては絶対に阻止しなければならないと思っております。その意味では透明性確保という大義名分の下で、地方交付税が一方的に削減されることが懸念されるような事態になれば、直ちに地方が結束をして声を上げていかなければならないと思っております。
 自治体再建法制については、道内で夕張市が出てきている中で、検討が加速することは私どもとしてもそういうことかなと思うのですが、宮脇委員会(総務省の「新しい地方財政再生制度研究会」)で自治体の抱える債務をどうやって整理・調整していくかについて、いろいろな議論があったわけですが、それは決着済みで、それはやらない方向かなと思いましたが、座長の宮脇先生をはじめ、まだまだ必要であるという議論もあるようですので、そういったことの議論をさらに深めていく必要もあるでしょう。また、今回の夕張市の事案でも明らかになったように、厳しい状況になる前の段階で一定の基準を設けてウォッチをしていく仕組みが必要であるとも思っております。
 その意味でも自治体再建法制の問題についても地方として声を上げてまいりますので、是非、それを取り上げて行くという形で進めていただきませんと、目標とするテーマ設定自身は良くても、国民のためにはならない姿になってしまうのではないかなと思っておりますので、地方としての声をしっかりと上げていく必要があると考えております。

(NHK)
 道内の公立高校でも複数の学校で必修科目を履修していなかったことが、徐々に明らかになってきていますが、受験を目前に控えました生徒さんの間にも動揺が広がっているようです。道として今後どのように取り組まれるか伺いたいと思います。

(知事)
 道内の高校というのは330校あります。道立校が237校、市町村立校が39校、私立学校が54校あります。
 それで、道立校については、道教委から本日中に実態調査の結果の集約を行うように、今、準備中と報告を受けております。
 市町村立校(札幌市を除く)、他の公立校については、教育庁の方で明日までに集約することにしております。私立学校については、これは、学事課の方から本日中に集約をするべく作業を行っているということであります。
 そういった中で、函館の公立校での話は、一部報道で私も拝見をいたしましたけれども、できる限り早く実態の状況を把握する必要があるだろうと思っているところであります。総務部長から聞いているところによりますと、私立学校の方でも一部学習指導要領との関係では、不適切な事例もありそうだという報告を受けているところでありまして、結果が出次第いずれにしても全体について道民の皆様方にも、状況をご報告していかなければならないと思っております。
 その上で、今後の対処でありますが、卒業できないというわけにはまいりませんので、これから対処していくことになるわけでありますが、まさにこれから受験本番という時期に、言い方は不適切かもしれませんがそれぞれの子どもたちにとって直接受験に関係のない科目に補習として時間を割かなければならないのは、受験生、高校生の立場からすると、本当に切ない状況になるわけであります。学校のプロの方々のご意見をもちろんお伺いしなくてはならないのですが、できる限り子どもたちの負担にならないような形でというのが、どういう形があるかどうか、またそこら辺りについても、議論が必要になってくるかなと思っております。

(北海道新聞
 昨日、北海道犯罪被害者等支援計画の素案がまとまりまして、その中で犯罪被害者の実名、匿名発表の判断を、警察、道警にゆだねるという内容が盛り込まれました。これは、国の基礎をつくる際ですとか、先に計画をつくりました他県などでも、見解が分かれたと思いますが、この点についての知事の見解を伺いたいと思います。

(知事)
 結論を先に言えば、まだ素案の段階ですし、これから道民の方々に対するパブリックコメントを行い、いろいろと議論しながら、計画そのものを今年度中にまとめていく。その作業を検討協議会の場でやっていただきますので、まだ、結論は出ていないということだと思います。
 一方で国の計画では、ご案内のとおり、警察で判断をすることになっているようでありまして、これは国の計画策定の検討協議会の場では、私の理解が正しければ、マスコミ代表の委員の方々も含めてご出席者の全会一致であったと理解をいたしております。
 この問題の国の基本計画協議会の議事録というものが、オープンになっており私も拝見いたしました。いろんな議論が出ておりました。事実を明らかにするところからまず始まるんだというような議論もございました。また、一方で被害者の代表の方々からは、被害者というのは、犯罪被害で本当に大きなダメージを受けている中で、全員報道の方の前で言うのは気が引けるのですが、報道によるアプローチというのは第2次被害である。犯罪による心のダメージがある中で、さらに取材を受けるというのは辛いものがあるというご意見もありました。いろんなご意見がある中で、国は検討協議会の結論として警察判断とされたようであります。
 先行している秋田県においても、検討協議会の経緯までは承知していないのですが、結果的には、計画の中では、警察の判断ということで国の考え方を踏襲しておられるようであります。
 いずれにいたしましても、前例として秋田県の状況なども勉強しながら、さらに重要なのは道民の方々のご意見も踏まえて、検討協議会の場でさらなる議論をされて本年度中に成案を得られることになってくるのではないかと、このように思っております。
 たぶん、北海道は、秋田県に次ぐ2番目の県レベルの計画策定の主体になるようでありますので、慎重にやっていく必要があるかなと思っております。

(北海道新聞)
 E型肝炎のことについてなんですが、網走で同じ焼肉店で3人の方がE型肝炎で感染いたしまして、そのうち一人が劇症肝炎になられたということがあったんですが、ここ3年をみても、E型肝炎の感染者が増えているという現状がありまして、道としてどのように再発防止策をしていくかというところを聞かせていただきたいのですが。

(知事)
 E型肝炎の問題について、概要だけは報告を受けておりますが、まだ、詳細については聞いておりませんので十分なお答えをする準備はないのですが、やはり、反復継続的にそういった問題が出ているという実態に鑑み、さらなる原因究明、そして、それを予防していくためにはどういう手だてがあるか、地元の保健所、関係の皆様方と十分議論をしながら、今後詰めていくことが必要だと思います。さらに詳細の部分で何か追加することがあれば、保健福祉部の人はどなたか来ていますか。

(保健福祉部担当参事)
 豚の由来食品や野生動物の肉の関係につきましては、十分な加熱調理するということが一番大事なことでございまして、これらについて、文書によりまして、保健所から消費者や医師会等に注意喚起のお願いを申し上げているところでありますが、これも引き続き行っていきたいと思っております。

(知事)
 また、私の口から発表させていただくことがあれば、発表させていただきます。

 

 


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