知事定例記者会見
・日時/平成18年11月10日(金) 14:31~15:00
・場所/記者会見室
・記者数/21名 (テレビカメラ2台)
会見項目
知事からの話題
1 11月7日からの低気圧による被害・対策状況について
2 衆議院内閣委員会地方公聴会について
3 ゆり新品種「きたきらり」について
4 「北海道暮らし・フェア」の開催について
5 交通死亡事故防止について
記者からの質問
1 北海道競馬の開催結果について
2 佐呂間竜巻被害について
3 二風谷ダム使用権の買い取りについて
知事からの話題
11月7日からの低気圧による被害・対策状況について
それでは、私から5点ばかりお話しいたします。
一つ目は、改めてではありますが、11月7日からの低気圧により竜巻が発生したことによる被害・対策状況のご報告であります。
7日に佐呂間町で竜巻が発生し、大きな被害が発生したことでございまして、当時、私は、北海道・東北知事会議の議長をやってたわけでありますが、議長役を増田知事が「おれ、やるよ」と言ってくれましたので、お願いをいたしまして、直ちに現地入りして調査をいたしました。
私の7日、8日の動きにつきましては、もう既に情報提供があったかと思いますが、竜巻があった7日は、夜9時を回っていたかと思いますが、若佐地区の住家被害、工事用事務所兼宿泊施設のあった場所を調査させていただきました。
それから、その日の夜に町民センターに参りまして、9体のご遺体が安置されておりました。そこでお参りをさせていただきました。
翌8日に入りまして、午前中、溝手防災担当大臣とともに各省から20人以上の方々が来ておられました。ご一緒に現地回りをいたしまして、まず、佐呂間町役場で佐呂間町の災害対策本部会議、それから若佐地区で住家被害、前日の夜は暗く雨も降っておりましたので日中改めて拝見をいたしました。それから、若佐コミュニティセンターで溝手大臣、それから追っかけてこられた渡辺国土交通副大臣とともに共同記者会見をさせていただきました。その後、溝手大臣ご一行をお送りした後、ヘリコプターに乗りまして若佐地区の被災状況を上空から確認をいたしました。
その後、遠軽に参りまして、遠軽町内の二つの病院に分かれて入院しておられる被災患者の方々のお見舞いをさせていただきました。
その後、冬柴国土交通大臣とともに若佐地区にもう一度入りました。前夜に比べてがれきの山が少し整理され、献花台が設けられておりました。大臣とともに、私も被災者の方々に献花をさせていただきました。そして、その場で警察、消防の方々に激励もさせていただきました。
それから、佐呂間コミュニティセンターに移りまして、町長とともに冬柴国土交通大臣に災害状況のご説明をいたしました。
それから、老人福祉センターにおられた被災者、避難をしている方々の慰問をさせていただき、最後に新佐呂間トンネルの工事現場を改めて確認させていただきました。
今回の竜巻災害では、死者9名、重軽傷者26名という人的被害をはじめといたしまして、現時点で37棟に及ぶ住家被害があるなど、佐呂間町に甚大な被害が発生したところでございます。
お亡くなりになられた方々に対しまして、改めて、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げたいと思います。
両大臣にも申し上げましたが、北海道での竜巻の発生は過去にも例はあるわけですが、犠牲者が発生したことは、観測史上初めてのことであります。全国的に見ても、直近の宮崎県で3名の方が亡くなられた竜巻被害があったようでありますが、9名もの方が一時期に竜巻で亡くなられたというケースはないようでありまして、過去最悪の災害と聞いております。
特に、網走管内の佐呂間地区は災害の少ないところでございまして、過去20件以上の竜巻が北海道を襲っていますが、網走管内は1件も今までございません。その意味では、当該地域の住民の方々誰もが予測をしなかった最悪の自然災害だったと認識をいたします。こういった状況の中で防災担当大臣をはじめとして、政府関係の大臣がいち早く対応していただいたことを心から感謝いたしております。
道自身は、7日に災害対策本部員会議を立ち上げ、8日に私は現地視察中でありましたが、こちらで災害対策本部員会議を開きまして、各部で取り組むべき支援の協議を行うとともに、災害救助法、これは厚労省と連携をしながらでありますが、そして被災者生活再建支援法、この法律はご案内のとおり阪神・淡路大震災の経験を踏まえてできたもので、2、3年前に拡充強化もされたものでありますが、この適用を決定したところでございます。
また、北海道としての災害弔慰金などの支給も行うことといたしております。
さらに、本日から危機対策局職員の佐呂間町への派遣を行うなど、さらに地元の状況に対して、円滑に対応できる体制を取っているところでございます。
現地での会見でも申し上げたのですが、これから本格的な冬を迎える北海道でございます。まずは家を失われた方々の住む場所の提供が喫緊の課題になるわけでありまして、ここは町とも連携しながらやっていくわけでありますが、町長さんのお話によりますと、佐呂間町の町営住宅あるいは教員住宅で25戸確保できるということでございました。 私から道営住宅の優先的な入居ということを申し入れさせていただいたのですが、残念ながら佐呂間町には道営住宅が全くございません、近隣の紋別、北見、美幌で15戸分、いつでもお入りいただけるように準備を整えて、町にもその点を申し入れさせていただいているところです。
それから、住宅をなくされた方々への住宅再建支援ということで、先程申し上げました被災者生活再建支援制度の適用をするわけですが、そのさらなる制度の拡充あるいは住宅金融公庫の災害復興住宅融資資金の適用などについて、一昨日も大臣に直接申し上げた点もあるわけでありますが、昨日は副知事と手分けをいたしまして、東京で要請活動をさせていただいたところでございます。
住宅金融公庫の災害復興住宅融資資金につきましては、一昨日、国土交通大臣に私から口頭で要請申し上げた時にも、大臣は前向きに検討すると明言をされたわけでありますが、本日、その指定が決定されたところでございます。
加えて、老人福祉センターで避難している方々にお会いをしまして、やはりこの方々の健康の管理、心のケアも重要だと再認識いたしましたので、直ちに保健福祉部に指示をいたしまして、現在、健康相談というかたちで4名の保健師を派遣いたしております。また、心のケアということで精神科医と保健師を、現地に行ってもらっているところでございます。
また、災害義援金の関係では、日赤の北海道支部が9日から募集を始めているところでございますので、皆様方におかれましても周知にご協力をいただきたいと思います。
それから、現地で一昨日、冬柴大臣も言っておられたのですが、今までのいろんな気象予測の中では、予測が困難だと言われているこの竜巻について、なんとか予測の可能性を高めることができないのか、というお話をしておられたところでございます。こういった中でドップラーレーダー、これは竜巻予測に有効なのだそうでありますが、風の3次元的な挙動を知ることができるそうなのであります。こういったものを冬柴大臣は、今後随時整備していくことを記者会見で発言をされたところであります。北海道には、新千歳空港にドップラーレーダーが設置されているところでありますが、それ以外に函館、札幌(小樽市毛無山)、釧路の3カ所に気象レーダーが設置されているところでございます。こういったところにも更新の際に導入できないかも含めて、明日、冬柴大臣が予定どおりであれば再度札幌に入られると聞いておりますので、その際にも要請をさせていただければというところでございます。
衆議院内閣委員会地方公聴会について
それから2番目でありますが、衆議院内閣委員会の地方公聴会についてであります。
道州制特区推進法案につきましては、前の国会で内閣委員会における提案理由説明を終えたところで、継続審議になったわけでありますが、この臨時国会で11月に入り本格的な審議が始まったと認識をしております。
この審議の一環として、本日は東京の内閣委員会で参考人からの意見聴取が行われており、知事会代表で多分岡山県の石井知事のほか何人かの参考人の聴取が行われているはずですが、加えて地方公聴会をやろうということになっておりまして、来週月曜日の午後、札幌で開催が予定されております。
私もお話をさせていただきたいと思っております。
この関係では、昨日、知事会の道州制問題の特別委員会があったわけでありまして、そこでも議論いたしましたが、知事会としても道州制特区推進法案の早期成立を決議し、国に要請をしているところであり、私自身も道州制特区推進法案の早期成立を月曜日の公聴会の場でも要請をいたしたいと思っております。
ゆり新品種「きたきらり」について
それから、三つ目でありますが、ここにございますユリの新品種「きたきらり」でございます。
北海道立花・野菜技術センターと中央農業試験場で育成をいたしましたので、ご紹介をいたします。
小輪でコンパクトな草姿と収量性の高さが特徴でありまして、生け花あるいはフラワーアレンジメントなどの利用に好評を得ているところでございます。
北海道生まれの新しいユリとして、今後とも多くの方に楽しんでいただきたいと思っております。
「北海道暮らし・フェア」の開催について
四つ目でありますが、資料が配られていると思いますが「北海道暮らし・フェア」の開催でございます。
団塊の世代の方々を対象に北の大地への移住促進事業を一生懸命やっているわけですが、こういったことをさらに加速させるために本道への移住交流を促進するため、全国で初めての試みでございますが、北海道の暮らしそのものを身近に感じてもらうイベントとして、この「北海道暮らし・フェア」を11月19日、23日、それぞれ大阪、東京で開催をすることにしております。
このパンフレットを後からご覧いただければと思います。
交通死亡事故防止について
最後ですが、交通死亡事故の防止についてのお願いでございます。
昨年は道民の皆様方のご協力、道民運動の形で展開させていただいたことがうまくいきまして、14年振りに交通事故死ワーストワン返上を達成いたしたところでございます。
それでも多くの方々が、道内で交通事故で亡くなられたことは誠に残念でありますが、そういった中で、今年に入りましての交通死亡事故の状況を見ますと11月9日現在で道内で231人もの方が亡くなっております。
この数字というのは、昨年同期に比べまして20人減っているところです。ワーストワンは、現状では愛知県でございますが、北海道はワーストツーになっておりまして、その差43人という状況にあるわけであります。
この交通事故死の数字は歴年でありますので、11月、12月と後2カ月を残すところになっているわけでありますが、11月というのはやはり日暮れが早くなることもあって、事故が多くなる時期でもございます。
私どもとしては、交通事故死がゼロになることが究極の目標でありますが、お一人でも交通事故で亡くなられる方が少なくなるよう、これから道民の皆様方のご協力を得て、この運動をさらに重点的に展開をしていかなければならないと思っております。
11月17日から冬の交通安全運動が展開されます。
そして、11月16日には、赤れんが庁舎前において、冬の交通安全運動4大キャンペーン出動式を行うこととしておりまして、私自身こうした交通事故防止の取り組みの先頭に立ってまいりたいと思っております。
12月末までの残された期間はわずかではありますが、何としても2年連続全国ワーストワン返上、そして、6年連続の交通事故死者数減少を是非とも達成したいと思っておりますので、報道の皆様方におかれても、道民の皆様方に強く呼びかけをお願いしたいと思っております。
記者からの質問
(北海道新聞)
昨日、終了しました道営競馬のことでお伺いしたいんですけれども、今年度の全日程終了したということなんですけれども、売り上げが計画比の96.5%ということで、目標達成にはならなかったわけですけれども、本年度はその3カ年にわたる経営再建元年に当たると思いますが、率直なご感想をお伺いしたいんですけれども。
(知事)
目標達成できなかったのは残念であります。
しかしながら、ご案内のとおり前年比という意味では、今段階で4%上回った状況でございまして、これから場外とか若干の売り上げの上積みもあり得るので、もうしばらく様子を見ていきたいと思います。
それと来年に向けましては、今年の8月から始めましたインターネットを通じての発売
が、来年度は通年化するので売り上げ上昇効果も期待できるところはあろうかと思っております。
ただ一方で、これだけ道財政の厳しいところで、私どもが3年間で立てた目標を達成することが何よりも重要でありますので、先程も農政部長に対して、コスト削減努力の徹底をできないか指示したところでございます。
それはどういうことかと言えば、確かに売り上げは減少しているのですが、それでも100億円を上回る売り上げ高がある、これだけの大きな事業を道内に持っているわけですので、その範囲内でコストがうまくカバーできていくような、そういった観点から、徹底的なコスト削減努力も両にらみでやっていく必要があるのではないか。民間委託もあるでしょうし、一つ一つの費目のチェックを担当部に指示をしたところです。
私としては、本年度、今しばらく売り上げの上積みの部分を見守っていくと同時に、来年度以降、さらに売り上げ増を目指すと同時に、それと両にらみでコスト削減もしっかりやって、何とか展望を開いていきたいと思っております。
(NHK)
佐呂間の被災地ですけれども、現在、がれきの撤去作業が急ピッチで進められていますが、一部では農地にガラス片が広まってしまっているとか、今後の作業に差し障りが出るような動きがあるようですけれども、今後、集まったがれきというかゴミの後処理というのが、一つ大きな課題になるかと思うのですが、道として何らかの支援をお考えでしょうか。
(知事)
がれきというか、廃棄物の処理についても既存の支援制度がございますので、そういったものの活用もやっていかなければならないかと思っております。
今おっしゃられた、農地への飛散、物が飛んでいる状況が見られます。
それから、漁業現場もちょっと聞いたりしておりますので、まずはそういった物を取り除くということで、農業あるいは漁業の現場に悪影響がないようにすることも重要でございますし、また、今ご質問のございましたがれきの撤去、回収等についての支援についても考えていかなければならないと思っております。
一昨日の本部員会議で議論をしていた経緯がございます。
制度名については、後からご説明させます。
(朝日新聞)
二風谷ダム問題が決着したようですが、それについての判断の根拠なり経緯についてお聞かせください。
(知事)
二風谷ダムの件は、まず、冒頭に申し上げなければならないのは、苫東における工業用水の需要の見通しの甘さがあったというのは、率直に私は認めなければならないと思います。
200億円もの巨額の道費が、当時、投入されたわけでありまして、そういったことをきちんと反省をしていかないといけない。当時は国からの支援もあるだろう、何とかなるだろうという見方もあったと思うのですが、今日的にみますと財政の厳しい中でいろんな事業を展開する際に、、もちろん攻めの行政も必要でありますがきっちりとした見通しを立ててやっていかなければならないということを、過去の反省の上に立って私どもはしっかりと認識しなければならない。これは、まず、冒頭申し上げたいと思います。
その上で、今回の二風谷の後処理について、どのように考えたかということでございます。この問題は、道財政が極めて厳しい中で、どういう形が一番道財政への負担が少ないか担当部と何回も打ち合わせをいたしました。当初、撤退後の流れの中で国からの返還金、あるいは国からの買い取り価格ということで178億円ということを私どもとして見積もり、そういった話を国にもしてきた経緯があります。その段階での一般会計から企業会計への補助、これは要するに一般会計の追加的な負担という意味でありますが、これが当時の当初計画で141億円と試算をしていたころでございます。
今回、国交省・開発局から提示があった買い取り価格は53億円で178億円見込んでいたところが53億円となりますと125億円も低く、損をすることになるわけでありますが、結論的には、53億円の提示というのを受け入れる判断をしたところであります。それはどうしてかというと、このことによって53億円の買い取りを前提としても、一般会計の負担は169億円になるわけであります。これは当初計画が141億円を想定していたこととの比較において28億円の増、この段階でもまだマイナスですね、損はあるわけでありますが、ただ一方で以下申し上げるような事情もございます。私もさんざん議論したのですが、この交渉を来年以降まで引き延ばし、国と徹底的に議論して、この53億円というのをさらに積み増すということにかけてみないかという議論もいたしたわけでありますが、なかなかその見通しが立たないという現状認識があったのと、加えて来年以降になりますと国の支援制度が廃止されまして、これに伴って約38億円、今年決着するよりもマイナスが多くなってしまう。また、ダム管理費の負担金の増とかなどなどを考えますと私どもとしては141億円から169億円になる28億円の差額が出ることを念頭においたとしても、今年この段階で決着をする方が、道財政の負担は少ないという判断をいたしまして、今回の開発局からの提示額を受け入れるという判断をさせていただいたところでございます。
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