知事定例記者会見
・日時/平成18年12月28日(木) 15:01~15:24
・場所/記者会見室
・記者数/26名(テレビカメラ2台)
会見項目
知事からの話題
1 夕張市の再生に向けた民間からの支援について
2 交通死亡事故の状況について
3 今年を振り返って
記者からの質問
1 夕張市の希望の杜について
2 道州制担当大臣の辞任について
3 知事の年末年始の予定について
知事からの話題
夕張市の再生に向けた民間からの支援について
それでは、本年最後の記者会見でありますが、私から三つ、話題提供させていただきたいと思います。
一つは、夕張市の再建に向けての民間の皆様方からのご支援の提案についてでございます。
一つ目は、夕張の希望の杜についてでございます。昨日、一昨日の報道各社の皆様方との個別の対面の中で、ご質問があった方にはお話申し上げたので、あるいは重複してしまうかもしれませんが、全体としてご説明申し上げたいと思います。
夕張市の希望の杜の保存につきましては、今年の9月に吉永小百合さんから、私あてにお手紙がございまして「なんとかならないのか、そして、そのために自分としてもいろいろと力をお貸ししたい」というお話がございました。一昨日、改めて電話でお話しさせていただきましたことについてのご報告であります。
9月にお手紙をいただきましてから、再建計画等の状況もまだ見えない部分がございましたので、私どもからJR北海道の坂本会長、それから札幌大学の堀理事長、私の前任の知事さんでありますが、映画の北の零年を応援していただいた方々にご相談したところ、
ご快諾をいただいて応援団を設立しようという流れになっているところでございます。
北の零年のロケセットを移設した希望の杜は、その名のとおり夕張再生への希望のシンボルとなりうるのではないかと思っております。その維持運営に必要な資金を幅広く道内外の皆様方のご協力をいただいて確保しようとする応援団の準備を、先程申し上げました坂本さん、堀さん、あるいは東映の関係者の方などが中心となって進めていただいたところでございます。この分野につきましては、道としては黒子として、私自身も協力をしていきたいと思っております。
もう一つはですね、ニトリさんからの提案ということでございます。
株式会社ニトリさんは、北海道発の企業として積極的な事業展開をしておられる成長企業の一つでございますが、たしか先週でしたか、予算の関係で東京に参りました際にもいろいろとお話が出ていたところでございます。同社の持っておられる北海道応援基金を活用して、道内外の企業などの協力によりまして、夕張市に大規模な桜の植樹を行って、日本有数の桜の名所にしたいという壮大な提案でございます。
地質の問題等もございますので、どういった桜が良いのかなどこれから詰めることは多いと思いますが、民間主導で夕張地域の活性化を図ろうという様々な動きに対して、私ども道としても願ってもないお話でございますので、ニトリさんの取り組みに対しても、市長ともご相談しながら、プロジェクトチームを早急に発足させて、具体的なサポートをしていきたいと思っております。
希望の杜関連の応援団、それからニトリさんのプロジェクト、いずれも具体論については、それぞれ年明けの発表になると思いますが、夕張の財政再建計画の策定で地域の自治体としての再建を目指すと同時に、町の賑わいを盛り上げるための方策として、ぜひ頑張って我々もサポートしていきたいと思います。
交通死亡事故の状況について
次は、交通死亡事故の状況についてでございます。
今年もあと残すところ3日となりましたが、昨日現在の状況で、交通事故で道内でお亡くなりになった方は273人、尊い人命が失われているわけでありますが、全国のワーストワンという状況ではないということでございまして、昨年同期と比べて28人と大幅な減少が今のところ記録として達成されています。その意味では、交通事故死全国ワーストワンの返上を2年続けて達成出来る見通しとなっているところでございます。
一つ皆様方にご報告させていただきたいのは、今段階でこのまま3日間推移いたしますと、北海道内において交通事故でお亡くなりになった方の数が300人を下回ることは、実に53年ぶり、昭和28年以来だそうであります。先程も道警本部長ともお話しする機会がありましたが、このことは、ぜひ達成したいと思っております。
しかしながら、こうした中でも言葉を換えれば、300人にも近い多くの方々が痛ましい事故の犠牲になっているという事実は、私は誠に残念なことだと思っております。交通事故の犠牲になられる方を一人でも少なくするように、まずはこの年末3日間、気持ちを込めて頑張っていきたいと思いますし、またそのことについて、道民の皆様方のなお一層のご協力をいただきたいと思います。
先程の庁議でも幹部職員にも申し上げたのですが、飲酒運転は絶対しない、これは最低限のことでございますが、ぜひお願いを申し上げたいと思います。
今年を振り返って
それから三つ目でありますが、今日最終の記者会見ということでございますので、若干今年を振り返ってという話をさせていただきたいと思います。
記者クラブの皆様方には、お世話になって大変ありがとうございました。
振り返りますと、8月に北方領土の海域におきまして銃撃拿捕事件がございました。私自身大変に悲しく、傷ましく、怒りに燃えた事件でありました。亡くなられた盛田さんのご葬儀の前でございましたが、ご遺体が戻った直後、私自身も弔問させていただきました。また、11月には佐呂間町におきまして全国最悪の竜巻被害がございました。9名の尊い命が失われたところでございます。こういった悲しいことも多かった今年の北海道でありますが、一方で道民球団で3年目を迎えた北海道日本ハムファイターズが日本一を飾りました。また、駒大苫小牧高校が3連覇に挑みすばらしい成績を収めたという熱戦。それから、世界少年野球というのも王貞治さんからの提案もあって実現した。野球に勇気をもらった1年であったような気がするところでございます。
また、先程、札幌駅内コンコースでございました、がんばろう餅つき大会に日本ハムファイターズの江尻選手と一緒に、ドーレくんもいましたけれども、選手はみんな向こうに行って、天皇杯頑張っております。明日勝つと、優勝決定戦に臨むわけでありまして、コンサドーレの天皇杯での快進撃。とてもうれしいことであります。「最後まであきらめない」これが今年の道民の合い言葉になったような気がした次第でございます。
今年の世相を表す漢字というのは「命」でございます。うれしい方で言えば、両陛下が北海道にご滞在中に悠仁様がご誕生になられました。私からも直接両陛下に「おめでとうございます」と申し上げたことは、とても印象深く気持ちの中で残っているわけでありますが、そういったこともございましてお印でございます高野槇を道庁前提に植樹をさせていただきました。また、命に関わる悲しい事故としては、先程の繰り返しになりますが、佐呂間の竜巻、北方領土海域での銃撃、いじめ、あるいは虐待、子どもたちが犠牲になるいろんなこともあったわけでありまして、道民の皆様の命をあずかる知事の職責の重さというものを、改めて命ということを通じて再認識させていただいた1年でもあったかなと思うわけであります。
こういった中で、竜巻の予知も可能と言われておりますドップラーレーダーの道内への重点的な配備など、いろんなことを国とも連携しながら、私としても全身全霊をあげて取り組んできたところでありまして、来年もこういったことに力を注いでまいりたいと思っているところでございます。
昨年末の記者会見で申し上げましたが、2006年というのは知事としての1期目、起承転結の結の年だと申し上げました。1期目の総仕上げの結びに向けての1年間、公約に掲げて取り組んでおりました経済の再建、あるいは行財政改革の加速、あるいは地域主権の確立、道州制特区法を成立していただきました。それから、自動車や創薬などものづくり産業の集積、それから、北海道米の評価が道内外で高まってまいりました。先程、ホクレン、それから厚生連の会長さんも来られてそれぞれにありがとうと言っていただいたところですが、ある程度一定の結果が残せたのかなとこのように思っております。加えて、インフラ整備、北海道はまだまだ遅れていると前から言っておりますが、北海道新幹線の予算につきましては、来年度100億円の確保が可能になりました。また、高速道路の供用延長も、18年度60kmの延長予定ということで、まだまだ全国の高規格幹線道路の整備率との間では差はございます。いつも40%に満たないと言ってきましたが、40%に乗る状況になりつつあるということでございます。
航空関係では国際エアラインの充実、また昨日おとといかな新千歳空港と羽田との旅客が1,000万人を達成した、さらには新たな物流航空便の就航が決定するなど、北海道の将来を支える社会基盤づくりも少しずつ進んできたのかなと思っているところでございます。
この1年も公約に掲げました、週1回の記者会見を欠かさずやってまいりました。これを継続することは、私自身の努力では無理でありまして、まさに今日お集まりのクラブの皆様方のご協力を得てここまでやれたと思っているところでありまして、この1年を振り返って、とても暖かいご質問、また厳しいご質問、いずれも本当にありがとうございましたと心から申し上げたいと思う次第であります。
来年も頑張ってまいりたいと思っておりますので、記者の皆様方にはよろしくお願いいたします。
記者からの質問
(北海道新聞)
希望の杜の関係で、うち聞いていなかったものですから、吉永小百合さんの話なんですけれども、ちょっとお話なさったということなので、いつ頃どういうかたちで、どうお話しなさったのかという詳細を教えてもらえますか。
(知事)
一昨日の午前にお話をさせていただきました。私の方からかけたものであります。
趣旨は、9月にお手紙をちょうだいして、その後、私なりに水面下で民間の方々にいろいろお声をかけて、いろいろやっている状況で、まだ結論が出ている段階ではないのですが、年越しをするよりも、年内に一度今の状況をご報告して、改めてご協力要請をした方がいいかなということでお電話を差し上げたところ、先方とうまく電話がつながったのでお話が出来ました。
私の方からは、今の状況のご報告と来年に向けてのご協力をお願いしたところでありますが、吉永さん自身は「改めて夕張はなかなか厳しい状況にあるとお伺いしておりますけれども、知事の力であるいは民間の方々と連携をしながら、夕張の市民の方々に希望が持てるような明るいプロジェクトになれば、私もぜひ協力をさせていただきたい」というようなお話をちょうだいをしたところであります。
ちょっと、メモを取っていないのでそれ以上はお許しいただけますか。
(日本経済新聞)
佐田元大臣、昨日辞任ということがございました。
道州制特区を推進という観点から見てどういう影響があるかとか、今の知事のご見解を教えていただければ。
それと、もう一点、後任として渡辺さんですが、何か印象とかお持ちになっていれば教えてください。
(知事)
特区推進への影響ですよね。法案審議段階でこういう担当大臣のお話が出てまいりましたら、法案成立そのものへの様々な影響もあったかと思いますが、法律が出来た後でございましたので、その意味では粛々と政省令なり、それから、私どもサイドでは計画の中身について、道民の方々のご意見をお伺いする手続きに入っておりますので、私としては影響ないものと考えております。
総理が言っておられたという道州制ビジョン策定のための勉強会みたいものを始められるような話は聞いておりまして、佐田大臣と先週お会いした時も、そんなこともやりますみたいなことを言っておられたので、そっちの方のスタートはちょっと遅れるかも知れませんけれども、これから1年2年という期間で考えていった場合には、この特区推進について、そういったビジョン策定についても、そんなに大きな影響は出てこないのかなと思っております。
いずれにいたしましても、衆参両院、長時間に及ぶ審議で誠実にご対応をしておられました佐田大臣。特に佐田大臣は北海道で大学時代、青春時代を過ごされたということで、ことのほか北海道に思い入れを持って、この法案審議に望んでいただいたことを考えますと、いろんなご事情があったのでしょうが、今回辞任に至られたのは、個人としてはとても残念だと思っております。
それから、渡辺新大臣でありますが、美智雄大先生のご子息でいらっしゃるし、政治的な勘のおありになる立派な政治家でいらっしゃると思いますし、年明けどこかのタイミングでごあいさつに参りたいなと思っております。
いずれにしましても、年明けの第2週目くらいに、本来佐田さんで日程調整していたのですが、代わりに林副大臣が北海道に来られて、いろいろな意見交換をしようとしておりますので、道民の方々に対する道州制特区推進に向けてのご理解を深めてもらう機会にできればと思っております。
(北海道新聞)
恒例の質問なんですけれども、知事の年末年始、冬休みの過ごし方を教えていただけますか。
(知事)
冬とお盆は常に家族一緒に過ごすことにしておりますので、札幌でのんびりとお雑煮を食べたりしようかなと思っております。
初詣ぐらいは参ります。
(北海道新聞)
もうご主人もお子さんもいらっしゃているんですか。
(知事)
主人はおります。
子どもは、働いているので、もうちょっと後ですかね。
次男は今日来るとか言ってましたけれど、まだ顔は見ておりません。
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