知事定例記者会見(平成19年1月19日)

知事定例記者会見

・日時/平成19年1月19日(金) 14:30 ~14:57
・場所/記者会見室
・記者数/34名(テレビカメラ2台)

会見項目

  

知事からの話題

1 少子化対策の取り組みについて
2 夕張市長との総務大臣への面会について

記者からの質問

1 農業土木住民訴訟について
2 イージス艦の石狩湾新港の寄港の問題について
3 夕張市の財政再建について(1)(2)(3)
4 ホクレンの種子販売について
5 プリンスホテルのスキー場について
6 不二家の一連の不祥事について
7  北海道米について

知事からの話題

 

少子化対策の取り組みについて

私から二つお話しさせていただきます。
 一つ目は、少子化対策の取り組みについてでございます。
 今日は1月19日ですが、毎月19日というのは道民育児の日と決めております。昨年の10月に結成されました、いわゆる北海道すきやき隊、これは私が隊長になると申し上げたわけでありますが、その活動の一つとして子育てしやすい環境作りの取り組みを北海道全体に広げていくために毎月19日を育児の日と定めて、子育て中の方が定時に退社して子どもと触れ合うことが出来るような取り組みを進めていきたいと思っている日でございます。ぜひPRをしていただければと思います。
 併せて、少し前の話になりますが、年末の26日に北海道子どもの未来づくり審議会の子ども部会に私も出席させていただきました。その時のことを少しご紹介いたしますが、この子ども部会は、17年度は道内から中学生の方に集まっていただいて部会を開きました。今年度は高校生の方に全道から集まっていただきました。
 三つテーマを掲げまして「若い人たちが働くために」「結婚し子育てしながら働き続けるために」「親になるために」という三つのテーマについてそれぞれ高校生の皆さん方に議論していただいて、私への提言をしていただきました。
 子育て費用がどのくらいかかるかとか、親としての責任などについても高校生が関心を持って議論をしていただきました。それを私も皆さん方からお伺いして、私自身とても興味深くかつ頼もしく感じたところであります。今後とも行政として少子化対策をいろんな形で進めていかなければならないという思いを強くいたしたところでございます。

夕張市長との総務大臣への面会について

それからもう一つは来週の月曜日22日に夕張市長さんと共に総務大臣に面会する予定であります。これは来週の日程でも出すわけでありますが、総務大臣には去年の年末に夕張市に来ていただいて直接現状を視察され、市民の声を聞いていただいたことに「ありがとう」と申し上げた上で、後藤市長からは再建に向けての基本的枠組みをさらにバージョンアップというか、修正を加える形で策定が今進んでおります財政再建計画の素案の検討状況を説明していただく予定であります。
 道の立場からは、夕張市の財政再建に向けた取り組みに対する道としての支援の検討の方向、そういったことを踏まえての国への支援要請、こういった事を私から発言させていただきたいと思っております。総務大臣がどうおっしゃるかは行ってみないと分からないという状況でございます。

記者からの質問

(北海道新聞)
 先程、上川支庁の農業土木談合の判決がありましたけれども、この判決に対する感想というかコメントをいただきたいのと、道はこの裁判で落札額が予定価格内であれば、道に損害がないので談合しても良いとも受け取れる主張をしておられましたけれども、知事もそのようなお考えかどうかお聞かせください。

(知事)
 私も先程、速報ということで聞きました。まだ、詳細については承知しておりませんが、被告業者2社に対して賠償責任が認められた。
 賠償額は省略いたしますが、その他被告、これは堀前知事を含めて5名に対する請求が棄却されたという概要であると承知しております。
 今回の農業土木に関する事案というのは、平成11年10月に行われた公正取引委員会の立ち入り調査が契機となったものでございまして、この立ち入り調査を受け、その反省の上に立って、我々道として様々な入札についての改革というものをやってきたわけであります。さらに加えて直近の状況につきましては、全国各地、道内でも一部首長の逮捕にまで至るといういわゆる官製談合の疑惑が広まっていることも踏まえ、またそういった中で、全国知事会の入札制度の改革に向けての方針も示された中にあって、私どもとしてもさらなる入札制度の改善に向けて今取り組んでいることは、前から申し上げているところであります。
 そういった中で出ました今回の判決を厳粛に受け止めまして、私どもとしての入札制度のさらなる改善について、スピード感を高めて検討を進めてまいりたいと思っております。
 今、半分以上答えてしまったんですが、一部報道でございました、私がいわゆる官製談合を正当化しているような指摘というのは全く事実がないわけでありまして、その意味では誠に残念でございます。
 私の意向はこの道政記者クラブに属しておられる方には何回も申し上げておりますので、ご承知のとおりでありまして、この入札制度というのは透明で、道民の方々から十分にご理解を得る形でやられることが不可欠だという認識を持っているところでございます。
 最近の道内外におけるいろんな不祥事に伴う逮捕も踏まえて、我々道としての入札制度のさらなる改善に向けて、今、鋭意努力しているところであると申し上げたいとお思います。

(北海道新聞)
 イージス艦の石狩湾新港の寄港の問題についてお伺いします。受け入れの回避の判断というのは管理組合がございまして、最終判断というのは組合の方になるかと思いますけれども、管理者が知事となっておりますので、管理者の立場としてのご見解で結構なんですけれども、この経緯、打診についてと受け入れについての判断なんですけれども、今、知事はどのようにお考えになっているかお聞かせください。

(知事)
 米艦船のステザムの寄港について、1月9日に小樽の海上保安部長を通じて、海上保安庁から石狩湾新港管理組合に対し、寄港したいのだがという要請があったところであります。
 現状については、核搭載の有無について確認しなければなりませんので、管理組合から外務省に対しまして、1月16日付け文書で照会をいたしているところでございます。
  まずは、この結果を待たないとダメなわけでありますが、核搭載の有無、それから港湾施設の管理と港湾業務への影響、それから船舶の入出港の安全、こういったことを十分に検討しながら、管理組合ですから道と石狩市と小樽市でありますので、十分に関係市と連携を取りながら検討して、回答期限、1月25日と承知しておりますが、それまでに回答してまいりたいと思っております。

(NHK)
 夕張市についてですけれども、道が現在検討中の支援策のうち、額的にも大きく占めるであろう金融支援策について、これまでの検討状況や、22日の要請でもその部分触れられると思いますが、どのような要請をされるか伺いたいと思います。

(知事)
 この金融支援につきまして、一部報道が出たことは承知いたしております。
  私どもは、今こういったことも含めて、様々な詳細な中身を詰めているというのが現状でございますので、来週大臣の所にも参りますし、また、これと並行して総務省事務方等とも今調整を鋭意やっておりますので、25日の予算の知事査定辺りまでには、方向性を決断してまいりたいと考えております。来週中には皆様方にきちっとした形でのご報告を申し上げることができるかなと思っております。
 その意味では、現状では金融支援についての在り方も含めて、様々な検討をしている状況にあるとご理解をいただきたいと思います。

(日本経済新聞)
 2点お伺いしたいのですが、まずホクレンの問題なのですが昨年末に傘下の農協に対して、一部農産物の種子の販売を拒否して他の業者にも売らないようにして文書を送付したという事実があった。それに関して農家の方は、公正取引委員会に改善指導を求めております。ホクレンの方は道などでつくる北海道指定野菜需給調整協議会で作付け面積を割り当ててそれ以上は売らないという主張をしているんですけれども、こういうホクレンの協議というのは、農産物の販売をすることに対して圧力をかけているようにも取れるのですが、知事としてのお考えを伺いたいと思います。
 もう1点、プリンスホテルの件ですが、今年に入ってまだ売却先が見つかっていない深川スキー場と津別スキー場を抱える2市町に対して無償譲渡を軸に話し合いを進めることになっていますけれども、知事としては、かねがね営業の継続と雇用確保ということをおっしゃっていて、このまま無償譲渡になると地元自治体に大きな負担になるのではないかという恐れがあります。その件についてどうお考えかお願いいたします。

(知事)
 ホクレンのタマネギ種子の販売についての対応でのご質問でございますが、ご案内のとおり農業生産というのは、普通のものづくりとか工場生産物と違いまして、天候がいいとか悪いとか、いろんなことに影響を受けて、かつ収穫の時期というのも限られているということもあって、独占禁止法上も計画的な生産出荷に向けた取り組みということ自体、需給を見通した計画的な生産ということは、独占禁止法の適用除外として認められているところでございます。
 ですから、今回の文書は適用除外の範囲を超えているのか超えていないのかという点にあるかと思います。その意味では、独立して業務を行っておられる公正取引委員会の判断によるところでありますので、知事の立場で軽易にものを申すのは控えた方が良いと思いますが、道としては状況把握に努めているというのが実態ということをご報告申し上げたいと思います。
 あえて言えば、この文書を見ましたけれども、1,2,3,に経緯、取り決め、それから取り進め内容、依頼事項とありまして、この依頼事項のあたりで誤解を受ける点もあったのかなと思うわけでもありますが、冒頭申しましたとおり、今回のホクレンの対応が独占禁止法に抵触するのかどうかについては公正取引委員会のご判断と、このように思っているところでございます。
 それから、もう一つがプリンスホテルですね。道内の主要施設についての方向性が出ている中で、深川と津別のスキー場についてはそれぞれ単独の物でありまして、なかなか売却先を見つけることについて、プリンスさん自身も苦労しているのは、私自身も聞いているところでございます。
 ただ、昨年の12月に道内6施設の売却が決定した際もプリンスさんは、残った施設についても引き続き責任を持って売却先を探したいと言っておられますので、引き続き私どもとしてはそういったことを要請をしてまいるという基本方針は変わっておりません。しかしながら、一方で3月中には売却先を決定するということも方針として出しておりますので、その意味ではあまり時間がないですね。ですから、そういった期限が迫る中における万が一の場合を想定しての地元自治体への無償譲渡を視野に入れた上での調整ということではないかなと思いますけれども、私ども道としましては、津別町長、あるいは深川市は今市長選真っ最中なので、どなたともまだご相談できておりませんが、新市長が誕生されたあかつきには、市長さんともご議論させていただきながら、地元自治体に少しでも負担が少なくなるように、道としてもできる限りの交渉をプリンスとやっていかなければならないと思っております。

(HTB)
 私から1点。不二家ですけれども、現在、食の安全をおびやかす管理体制の甘さ、日々浮き彫りになってきていますけれども、知事としてのお考えをお伺いできますでしょうか。

(知事)
 もう、何年前でしょうか。北海道が誇る優良企業でありました雪印が、もちろん事案の中身は全く違うわけでありますが、同じように消費者の重大な信頼を裏切るような、そういうことがございました。今回の不二家さんというのは本当に老舗ですよね。私も小さい時から不二家のケーキというと、親が買ってきてくれる、あるいはお客様がお土産で持ってきてくれるとすごくうれしくて、わくわくして食べた記憶があります。今でも好きであります。
 そういった老舗の不二家さんが、こういった消費者の信頼を裏切るようなことをなされたというのは大変残念であります。そういった中で、北海道内の工場については、札幌市の立入があって、疑義無しとはしないということだと聞いております。私ども道の立場としては、札幌工場については札幌市から情報収集をしっかりとやっていくことが第一でありますが、北海道民の皆様方の安全を守っていくという責務もございますので、道内の各保健所を通じて、指導あるいは立ち入りそういったことを必要であればやっていきたいと思っております。

(NHK)
 先程の夕張について、若干関連ですが、やはり20年間大きな負担を強いられる夕張市民をはじめ、市当局にとってもこの間の予測できない金利の変動というのは、計画の円滑な遂行にあたって大きな支障が出るのではないかという懸念の声は強いかと思います。そうした声に重ねてですけれども、道としてどのような答えを考えているか伺いたいと思います。

(知事)
 まさにおっしゃるとおり、これから財政再建に船出をされる夕張市の立場を考えた場合に安定的に資金を調達し、市民にも道民にも、あるいは国民にも見える形でしっかりと毎年毎年債務返済というものを計画的に行っていくためには、やはり金利があまり変動して増えていくことが想定されるというのは、これはなかなか厳しい状況であろうと思います。後は、先程の答えと同じになってしまいますが、やはり一定の金利軽減として、今1.5%ということで、一応債務返済のトータルの額を夕張市としてご検討しておられるわけでありますが、それを少しでも軽減できるのかどうか。それからもう一つは、今お聞きになられた安定的な金利にしてあげることができるのか。こういった視点から、夕張市民の方々、夕張市の立場に立って我々道としても汗をかいていかなければならないと考えております。

(HBC)
 去年12月に知事が夕張に行かれた時に、各市長さんからなんで夕張ばかりがという声がある。公平性に配慮しながら支援をしていくとご発言をされたのですが、今後の素案作りの中でそういった観点は変わらず支援策をまとめていかれるのか、改めてご見解を伺いたいと思います。

(知事)
 我々道の夕張に対する支援も含めて、様々な政策を展開する際には、道民の方々からお預かりをしています血税を使って仕事をしているわけでございますので、その意味では、道民の方々からご支持をいただける内容かどうか、という視点を常に持ちながら政策展開をしていかなければならないと私自身も思っているところでございます。そういった中で夕張市に対する道としての支援も同様に位置付けていかなければならないという私の思いは一切変わっておりません。
 しかしながら、夕張市をどのように再生させていくかということにつきまして、道内の他の自治体もやはり多かれ少なかれ厳しい状況にあるわけで関心が高まっております。また、全国的にも、昨日、知事会で大阪府知事からダイハツがどうしても夕張市に車を譲渡したいというお話がありました。全国でも夕張市の再生をどう果たしていくのか、そのために市、道、国がどう連携していくのか、ということを国民が注目をしている状況になっておりますので、その意味では、私は夕張に対して一定程度の支援をしていくことは、やり方によっては道内他市町村を含めて道民の皆様方のご理解、国民のご理解もいただけるのではないかと思っております。

(日本農業新聞)
 北海道米のことなんですけども、北海道米も品質、食味もかなり良くなって、高い評価
がされるようになって、知事も率先して道内食率の向上という形で取り組んでおられると思うんですけども、昨日の今日の話で、ちょっと具体的にはこれからの検討だと思うのですが、今年の夏をめどに中国への米の輸出が出来るようになりそうだというお話しがあって、今後、北海道米の中国への輸出の促進とか支援という形で、何か取り組んでいきたいというお考えはございますでしょうか。

(知事)
 実際、中国への輸出が再開できるかどうかについての詳細な報告は、まだ受けておりませんが、もしそういうことが実現するとすれば、これは本当に素晴らしいことだなと思っております。
 それは、私が知事になりましてから、中国にも出張させていただき、様々な北海道のおいしい物産、安心安全な物産のトップセールス、PR活動をさせていただいておりまして、極めて良い手応えを感じております。
 これは上海のような万博も行われるという、本当に開発が日々進んでいる地域に加えまして、私ども道と連携、友好提携しております、いわゆる東北三省というのでしょうか。内陸の地域でも、やはり所得水準の向上もあるんでしょうが、経済発展をバックとして、おいしく、安全安心なものを求めたいという中国の消費者の方々の動きを強く実感いたしております。こういった中で、北海道米というものが中国に向けて輸出できることになれば、私もまた改めて、トップセールスも含めて、そのすばらしさをアピールして行きたいと思うところであります。

 

 

 


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