知事定例記者会見(平成19年4月26日)

知事定例記者会見

・日時/平成19年4月26日(木) 14:01~14:27 
・場所/記者会見室
・記者数/34名(テレビカメラ2台)

会見項目

  

知事からの話題

1 (株)デンソーの拠点新設計画について
2 「北海道市場化テスト」の提案募集について
3 産消協働実践行動事例集について
4 行楽期における交通事故防止について

 

記者からの質問

1 産消協働実践行動事例集について
2  (株)デンソーの北海道進出について
3 医師確保対策の進捗状況について
4 北海道市場化テストと職員定数について
5 全国知事会の会長選挙について
6 憲法改正について

知事からの話題

 

(株)デンソーの拠点新設計画について

私から4点お話しいたします。
 まず最初は、株式会社デンソーさんの千歳進出についてであります。
 このことにつきましては、午前中同社の岩月副社長と今回進出する新しい会社の社長になられる杉本さん、私と千歳市長がお会いする場にご同席いただいたマスコミの方も多数おられたかと思います。
 そういった中でごあいさつを受けた後、同社から計画発表があったところでございます。
 今回の概要は、午前中に皆様方もお聞きになられたとおりで重複は避けますが、臨空地域ということで千歳市に対する進出であること、生産は車載用の半導体関係の製品であるということ。そして将来的には製品設計機能を新会社が保有するまで視野に入れていることなど、私どもにとっては、今、自動車を中心としたものづくりをはじめとして、力強い産業構造、バランスのとれた経済産業構造を目指すことを申し上げている中で、ものづくり産業の振興を加速させる意味、また、雇用面でプラスが期待される面でも大いに歓迎をしたい進出でございます。
 副社長等とお会いした時に申し上げたとおりでございますが、私どもとしては、道、千歳市そして経済界を含め、オール北海道で今回の進出がスムーズに行われるように最大限サポートしてまいりたいと考えているところであります。
 加えて、デンソーの今回の進出に伴って、直ちに調達先ということで道内企業との取引が期待出来ないのは、午前中の同社の記者会見の中でも皆様方の質問、やりとり等のメモを私も拝見いたしましてそのように理解をいたしておりますが、ただやはり企業誘致は我々道経済にとって、企業を誘致することだけで自己完結してしまっては、雇用以上の拡がりは期待出来ないわけでありまして、私は、こういった大手の進出を迎えたからこそ、こういったところとしっかりと取引出来る道内企業を育てるため、技術レベルの向上あるいは経営ノウハウの向上といった取り組みにさらに力をいれていかなければならない思いを強く持ったところでございます。

「北海道市場化テスト」の提案募集について

二つ目は、北海道市場化テストの提案募集についてであります。
 この制度につきましては、これまでも様々な検討を進め、今年度はモデル事業として2業務を先行実施しておりますが、加えてこの26日から5月31日までの間、民間開放すべきと考える道の業務について、民間の方々からのご提案を募集させていただくことでございます。
  お手元の配付資料に例のようなものがありますが、これはあくまで例でありますので、これにかかわらず幅広くご提案をいただければと思っているところでございます。

 

産消協働実践行動事例集について

三つ目は産消協働の冊子であります。
 これは、前回17年度に事例集を作ったものの第2弾という位置付けでございまして、時間が過ぎた分事例も増えてきたところであります。後からご覧いただいて、場合によっては取材の対象としていただければと思います。私から二つだけ紹介させていただきますが、7ページを見ていただきますと株式会社アレフさんはびっくりドンキーなどの展開をしているところでありますが、使った後の油、食用油を回収して、それをバイオディーゼル燃料にしておられるわけでありまして、これを地域の家庭から出る廃食油の資源化にもつなげる取り組みをしている事例がございます。
 それから39ページは、砂川スイートロード協議会についてであります。砂川はまちづくりの一つとしてスイートロードということで、私も行ったことがありますが、とってもおいしい、楽しいお菓子屋さんがたくさんあるわけでありますが、こういったことを一生懸命やっておられる動きというものも、ここに取り上げさせていただいているところでございます。たまたま二つだけ取り上げましたが、それ以外もぜひ皆様方自身の目で取材をしていただければと思うものばかりでございます。     

行楽期における交通事故防止について

四つ目は、いよいよこれからゴールデンウイークに入るわけでありますが、行楽期における交通事故防止についてのお願いでございます。
 私ども北海道は2年連続して交通事故死者数のワーストワンを回避しているわけでありまして、今年も引き続き、交通死亡事故の防止に取り組んでいるところでございます。
  今段階で前年同期に比べて、道内の死者の方の数は若干増加となっていまして、私としても、相当厳しい認識を持っているところでございます。
 そういった中でようやっと春めいてまいりました道内でも、このゴールデンウイークにおいて行楽等で車を利用される方々も増えることが想定されまして、交通死亡事故の多発が懸念されます。
 ぜひ、この間における交通事故の防止について、皆様方から道民の方々にお声がけしていただければということのお願いでございます。
 道警察でも、この大型連休の間、速度違反取締り等交通指導取締りを強化することといたしているところでございます。
 皆様方におかれては、まずはスピードダウンによる安全運転、シートベルト、チャイルドシートの正しい着用の徹底、高齢者の交通事故防止、それから当然のことでありますが飲酒運転追放、こういったことを道民の方々に周知をしていただければと思っているところでございます。
 なお、今のところ北海道は、交通事故で亡くなられた方の数において全国8番目という位置付けになっているところでございます。

 

記者からの質問

(北海道新聞)
 産消協働の冊子なんですけれども、今回、何部くらい刷られてどういうところに配付さらるご予定か、教えていただければと思うんですが。

(知事)
 1,000部だったと思います。それから配付先は市町村を中心にでありますが、ご要望の道民の方にも部数の範囲内で当然配付は可能であります。

(NHK)
 デンソーの関係ですけれども、知事が2期目の公約に掲げました道央工業地帯の形成とからめてですね、今回どのようなインパクトがデンソーの誘致にあるかという点がまず第一点。
 先程オール北海道での支援というようなお話がありましたが、先程の企業側の記者会見とか聞いててもですね、今後、自動車関連の集積が進むためには、メーカーにとって北海道がどれだけ魅力的な場所なのか、というところが鍵ではないかという話がありましたが、そのオール北海道での支援、具体的にどのようなものをお考えでしょうか。

(知事)
 まず、デンソーさんの進出のインパクトでありますけれども、この道央圏の工業地帯が、2期目に向けての私のマニフェストの中にも取り上げさせていただいたところであります。
 苫小牧を中心とした新たな企業進出、加えて古くから伝統のある室蘭を中心とした素材系企業の工場集積、これをまず胆振として一つにしようということから、さらに目を広げて道央圏、石狩湾まで抜けるそういった中で、もちろん千歳、恵庭、北広島を経て、札幌そして石狩に抜けるここ全体としての工場地域を想定させていただこうと思ってるところであります。
 物流の面で日本海側そして太平洋側に大きな港もございます。また、今回のデンソーさんの発表の中でもございましたとおり、物流としては、空輸ということも当然付加価値の高い軽量な物や製品であればあり得る訳であります。
 また、研究機関の集積、あるいは優秀な人材提供という意味での、各大学の存在など、いろんな意味でこの道央圏は、ものづくりの一大拠点を形成するについて優位な条件が多々ございますので、今回のデンソーの進出をきっかけに自動車産業分野という加工組立型でさらに集積を高めていきたいのは当然でありますが、加えて大消費地あるいは一次産業の産品も豊富な地域でありますので、そういったことを想定した食料品関係の立地あるいは大消費地の中における、様々なニーズオリエンテッド(需要優先型)といった、あるいはシーズオリエンテッド(技術優先型)な企業の誘致なりその形成について、これからもしっかり位置付けを考えていかなければならないと思っているところでございます。
 それからオール北海道ということを何回も申し上げた一つの経緯はですね、一昨年、私がデンソーに初めてトップセールスでお邪魔をしたときには、確か、高向道商連会頭と共に行かせていただいた経緯がございます。誘致活動自身もですね、北海道の中で一致団結して取り組んできたところでありますので、今後とも地元自治体は当然でありますし、また、人材供給等の面や様々な技術の面では地元の研究機関、あるいは大学を含めての研究機関との連携も想定しつつ、また地場企業も、しっかりとこういった進出企業と取引をしながら自分たち自身の商売にもプラスになると同時に、北海道全体としての産業構造高度化にも資するという形でですね、まさにオール北海道で企業づくり、産業づくりをやっていきたいと、このように思っております。

(北海道新聞)
 公約にも掲げられていた医師確保対策ですが、現在の進捗状況について教えていただければと思います。

(知事)
 組織を立ち上げるのは、6月1日でその概要については、昨日あるいはおととい皆様方にもお知らせしたと思うわけでありますけれども、そこを中心にこれからやっていくわけであります。一応のメニューとしては、私自身の2期目の公約に書かせていただいたところでありまして、直ちにやらなければならないこと。そしてコンセプトを固めた上で中長期的にやらなければならないことを仕分けしながらやっていかなければならないかなと思ったところでございます。
 直ちにというか、この年度あるいは次年度ぐらいまでにやれることとしては、道職員としてお医者様を採用することを申し上げたわけでありますけれども、義務年限を卒業した自治医科大学卒業のお医者様であるとか、あるいはそれ以外の道内外のお医者様を採用して地域に派遣をしていくという取り組み。これはできる限り早く着手したいと思っております。
 また、道内の三医育大学と連携をしながら、医師派遣の充実ということをやっていくわけですが、一部で始めておりますけれども、新たな臨床研修医制度の元で、一般病院でもそんなに余裕があるところはないと思うのですが、短期間でも我々の医師派遣にご協力をいただけるような民間の病院があれば、そういったところとも連携をしながら、道内の医者の足りない公立病院への医者派遣を考えていくこともやってまいりたいと思っているところでございます。
 また、この前の前の(4月12日)記者会見の時に申し上げた道外からの団塊世代を中心とした移住促進政策の一貫として、道外の方で本道の地域医療に関心のある人、あるいは本道の素晴らしい景観等に関心があるお医者様に北海道に来ていただいく取り組みも重点的にやっていただきたいと思っているところでございます。
 また、今後制度を詰めた上でやっていきたいと思っていることの一つとしては、三医育大学の地域枠の設定拡大あるいは奨学金制度であります。
 これは当然一定期間地域医療に従事する条件を付した奨学金の創設であるとか、広域的な中で病院の集約化、拠点化も地域のご意見を十分にお伺いしながら、道がリーダーシップを取りながらやっていかなければならないかなと思っております。
 また、医師会のご協力を得ながらそれぞれの地域の開業医の方々とどういった連携が可能なのか、というようなことを視野にいれて様々な場で議論してまいりたいと思っているところでございます。
 加えて、前から申し上げておりますとおり北海道医療対策協議会の会長に、私自身、知事自身がなることで、この協議会の機能を強くすることで、従来からこの協議会が担っております役割をさらに強力な形で進めることも考えているところであります。

(北海道新聞)
 市場化テストと職員定数のことでお伺いしたいのですが、市場化テストの募集もされていますけれども、今後民間移管すべき事業がたくさん認められた場合、分限処分も含めた劇的な職員削減のようなことまで考えていらっしゃるのか、それとも、その辺の影響は少ないということでとどめるべきなのかを伺いたいと思います。
 
(知事)
 提案の状況にもよります。その後にいろいろと考えるべきことがあると思っております。
 ただ、職員適正化計画ということは、去年の2月に発表いたしました基本的な方向性を示しておりますので、劇的に変えるということは、今の段階では私は想定しておりません。

(読売新聞)
 5月中旬に行われる予定の全国知事会の会長選挙についてお伺いしたいのですけれども、現在、福岡の麻生知事が1期目をお務めなのですが、この2年くらいの麻生会長に対する評価をお聞きしたいのが1点。2点目は麻生知事は再選への意欲がありそうだという見方もあるようですけれども、出馬した場合に支持されるかどうかお聞きしたいのと、意中の知事がいるのであれば教えていただきたいというのが1点。最後に、地方自治を巡る状況が厳しくなっておりまして、全国知事会の会長の重要性も増してますが、理想の会長像、ご自身の立候補の可能性などありましたらお聞かせください。

(知事)
  麻生さんに対する評価については、強烈な個性、強烈なリーダーシップを持っておられた前会長の後を受け継がれて、麻生会長がなられたわけでありますけれども、その手法等が違うというような言い方もございましたけれども、そういう評価が一部出ていたのも承知しておりますが、ただ、難しいこの改革の中で政府側と調整をして分権改革の道筋をつけたという、ここの部分は私は評価をさせていただきたいと思っております。その上で全国知事会の会長さんについてでありますが、麻生さんも正式に立候補されているわけではございませんし、他にどういった動きが出てくるかそういったことを見極めた上で考え方をまとめてまいりたいと思っております。
 それから理想。やっぱり二つじゃないでしょうか。一つは47人、本当に個性の強い強烈な意見を持っている知事ばかりでありますので、そういった47人をいかにまとめていくかという調整能力というか、取りまとめ能力が第一だと思います。
 第二は、取りまとめた結果を実現するために、多くの場合、国との調整だと思うのですが、別にいつもけんか腰である必要は私はないと思うのですけれども、ただ、掲げた我々の結果を実現するために、毅然とした態度で相手方に対して臨むということが知事会のトップとしては必要だと思います。以上二点が私はやはり重要だと思っております。
 それから私自身の立候補。ないでしょうね。新生北海道・第II章が船出したばかりでありまして、来年のサミットのことも含めて、道内諸課題に対処することが、私がまずはやらなければならない重要なことだと思っておりますので、そこまで考えが及んでおりません。

(HTB)
 ちょっと違う質問ですが、日付ものとしてご了承いただきたいのですが、5月3日は憲法記念日ということで、国会でも憲法改正の手続きを定める国民投票法案がにわかに話題となっておりますが、憲法改正のご意見は、お持ちかというのをお伺いしたかったのですが。

(知事)
 道議会でも時々質問が出る案件でありますけれども、現行憲法が規定をしている民主主義、それから国際平和主義など、その基本理念というのは素晴らしい普遍的なものでありまして、このことを日本国民が何よりも重要な理念として共有をしていくとこが重要であると私自身思っております。
 しかしながら、憲法の規定的なところに目を転ずれば、今年で憲法施行60周年ですよね。60年も経ちますと世の中も変わってくるわけでありまして、個々の規定について見直し、あるいは今規定されていない特に地方自治分野について、私はいろんな意見を持っておりますけれども、規定を追加するのは十分にやるべきだし、国民総意の元に方向性が出れば改正をやっていくべきではないかなと思います。
 ただ、その手続きとして、今国会で議論が進んでおります国民投票法案。衆議院を通過して、今参議院ですね。さらに議論されるべき様々なポイントがあろうかと思いますが、そういったそれぞれの点について、国会内あるいは国会の外でも、国民の議論が行われて大いに国民全般が関心を持って、この憲法の問題について取り組みが進んでいくという期待を私はします。 

 

 


 

この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなど整理し、作成しています。

このページに関するお問い合わせ
総合政策部知事室広報広聴課報道グループ
〒060-8588 北海道札幌市中央区北3条西6丁目
 電話番号:011-204-5109
 FAX番号:011-232-3796
メールアドレス:sogo.koho2@pref.hokkaido.lg.jp

カテゴリー

知事室広報広聴課のカテゴリ

cc-by

page top