知事定例記者会見
・日時/平成19年5月25日(金)14:22~14:51
・場所/記者会見室
・記者数/28名 (テレビカメラ3台)
会見項目
知事からの話題
1 天皇皇后両陛下の行幸啓について
2 麻しんの発生について
3 北海道リサイクルブランド認定製品の提供について
4 まちかど対話の実施について
記者からの質問
1 ふるさと納税について
2 BSE対策について
3 地域医療対策について
4 北海道日本ハムファイターズ田中幸雄選手への表彰について
5 麻しんについて
6 るもいタコ箱漁オーナー2007について
7 洞爺湖サミット道民会議について
8 実質公債費率について
知事からの話題
天皇皇后両陛下の行幸啓について
それでは私から、4点お話しをいたします。
一つめは、すでに報道には発表があったと聞いておりますが、来る6月23日から26日までの4日間の日程で、天皇皇后両陛下が北海道に行幸啓をされることになっております。
6月24日に苫小牧市で行われます第58回全国植樹祭に御臨席いただくことが目的でいらっしゃいまして、加えて地方事情の御視察などをしていただくことでございます。
北海道で全国植樹祭が開かれるのは、46年ぶりのことでありまして、今回、天皇皇后両陛下が御臨席いただく全国植樹祭で両陛下がご利用いただくお野立て所、これは建て屋ですけれども、前回の全国植樹祭、昭和36年に植えたアカエゾマツの間伐材を集成材に加工して、柱としたものでございます。
こういった趣向を凝らすことによって、先人から引き継がれる森づくりの意思というものを考えているところでございます。
昨年に引き続きの行幸啓をいただく北海道といたしましては、今回も両陛下がお忙しい中、このように御来道いただき心から歓迎をすると同時に、北海道内の御視察をしていただければと思っているところでございます。
初夏のすがすがしい気候の時期になりますので、本道の豊かな自然、あるいは新鮮な食材などもご堪能いただければと思っているところでございます。これが1点目。
麻しんの発生について
それから、麻しん、はしかの感染者が道内でも増加しているということでございます。
非常に感染力が強いものでありまして、肺炎あるいは脳炎なども合併することもございます。場合によっては、感染すると重篤になるということもございますので、注意を要するものでございます。
今のところ、5月23日現在で、疑いということも含めた発生患者数は、15歳未満の小児麻しんで43名の方、15歳以上の成人麻しんでは100名という報告を受けているところであります。
胆振管内、そして空知管内の学校で臨時休校をしているところが合わせて3校でございます。今回の流行は、予防接種の未接種あるいは、抗体が減少している十代から二十代の方々が発症する傾向にあるようでありまして、任意での予防接種を勧めるよう申し上げるところであります。
まずは、抗体検査等をやることも必要だと思いますので、かかりつけの医療機関にご相談していただくように是非していただければと思います。
こういったこともございますので、就学前に麻しんの予防接種をしていただくことが重要かと思いますので、そういった世代のお子さんをお持ちの親御さんにおかれましては、そういったことに目配りをしていただきたいということも合わせて、道民の方々に周知をしていただきたいと思う次第でございます。
北海道リサイクルブランド認定製品の提供について
それから、三つ目でありますが、北海道リサイクルブランド認定製品の提供ということであります。1階にございますドトールコーヒーショップの前にベンチ2脚の提供が、標茶町にございますカムイエンジニアリングさんからございました。これは、そのプラスチック製品というかペットボトルのふたと木くずを合わせて作ったカムイウッドという製品からなるものでございまして、フェンスやベンチに使用されるものでございます。
私どもは、今回のカムイウッドを含めて北海道リサイクルブランドを昨年7月から実施しているところでありまして、土木資材として利用させるレコサール、これは、石油精製の過程で得られる硫黄に石炭灰や鉄鋼スラグを加え固めたものでありますが、こういったものも道庁1階の道民ホールに展示をいたしておりますので、ぜひご覧いただければと思います。
まちかど対話の実施について
それから四つ目であります。再選後、初のまちかど対話。来週の28日と29日に檜山管内を回ろうと思っております。
奥尻町も参ろうと思っておりますが、前回奥尻に参りました時に、函館から飛行機に乗ったのでありますが、今回は是非という思いの中で、行きは瀬棚からフェリー、帰りは江差の方に戻ると、それぞれ2時間くらいかかってしまうわけでありますが、ゆっくりと檜山の方々と話をさせていただければと思っているところであります。
また加えて、江差町で管内の町長さん方と地域づくり推進会議、双方向の意見交換会、これもやらせていただこうと思っているところでございます。
楽しみにしておりますので、ご関心のある方はご一緒していただければと思っております。私からは以上であります。
記者からの質問
(毎日新聞)
ふるさと納税についてですが、その賛成、反対について理由とともに教えてください。
もう1点、先日、総務省が多選禁止は合憲という見解を示しましたが、それについても賛否と理由について教えてください。
(知事)
ふるさと納税につきましては、先週、東京でございました全国知事会でも議論になったところでございます。
地方税の中で格差を是正するという提案でございますが、知事会でも大都市圏の知事さん方とそうではない知事さん方でいろんな議論があったところでございます。
私自身は単純に賛成とか反対とか言うことはなかなか難しい立場と思いますが、まず現状認識として、大都市圏と我々北海道とでは、代表格になる地域圏では税収について格差があります。これは歴然たる事実であります。
これをやっぱり是正しなければならない。ここまでは、私も全くそのとおりだと思います。その意味では、こういったふるさと納税の議論が起こったことについては歓迎であります。
しかしながら、格差是正のやり方として地方税の中でやるというのが今回の菅大臣のご提案と理解をしているわけですが、その格差是正のやり方につきましては、いろんな他のやり方もあろうかと思うわけでありまして、そういった様々な議論をつくす過程の一つとしてふるさと納税という選択肢もありうるということだと私は思っております。
その意味では、国が議論から逃げている、国自身の関与を善しとしているのかどうか見えにくい中で、ふるさと納税に心から賛成とか反対とか言うことはなかなか難しいかなと思っております。
全国知事会でもふるさと納税という手法もあるけれども、それを含めて全てをそらで申し上げることは難しいのですが、四つくらい主要な是正の方向性の提示があって、そういった中でやっぱり国と地方が対等の立場で議論をしていこうと、議論が集約されたと理解をしているところでありまして、大いに大都市圏と地域間の税収格差の是正について議論が進むことを心から期待しております。
多選禁止についてですが、総務省の研究会のメンバーを拝見いたしますと、やはり専門家の方もたくさんおられますので、多選禁止の方向で報告書をまとめられるということについて、一定の論拠があることはそういうことだと思うわけであります。
前から申し上げているとおり、あまり長く一人の方が行政のトップを続けるということはいろんな弊害もあろうかと想像するわけでありますが、何期だったら多選の弊害が出るかどうかは地域の事情、個人の資質によるところも多いかと思いますので、なかなか一概には言えない部分だと思いますが、今回の総務省の見解を一つのきっかけとして、国民的なレベルで様々な議論が進むことを心から期待をいたします。
私自身はそんなに長く続けるということ、長くとは何期かと言われるとまた辛いところもありますが、まだ2期目が始まったばかりでありますので、そこまで申し上げる用意はありませんが、あまり長く多選をすることはいかがなものかと個人的には思っております。
(北海道新聞)
BSE関連でお尋ねしたいのですが、厚生労働省が今の全頭検査を見直して、生後20ケ月齢以下は検査を打ち切るような方針を出しているのですが、これに関連して、検査が打ち切られた場合、道が全額負担してやらなければならなくなると思うのですが、食の安心、安全の観点から踏まえまして、今後どういう形でBSE対策をやっていこうとお考えでしょうか。
(知事)
国から正式にそういうことかどうかはまだ聞いておりませんので、その意味ではちょっとお答えしにくいかと思いますが、前から全頭検査をやるやらないという議論の時に私がこういった場で申し上げておりましたのは、廃止するという場合には、国の責任において、やっぱり一般の国民の方々が十分にそのことについて理解と納得を得ることが何よりも重要であるというようなことを申し上げてきた経緯があるところでございます。
ですから、まだ国の意向は私ども道、地方には示されていないところでありますが、そこらあたりを国に対してきちっと確認をする必要があろうかなと思う次第であります。
その意味では仮定の話になってしまいますが、国からの助成が廃止という事になった場合、道としてどうするかということは、国民なり道民の理解が本当に進んでいると言えるかどうか確認する必要がございましょうし、道議会を初めとして、道民の方々のご意見を踏まえてどういうふうに判断していくか、今後の話になってこようかと思っております。
(STV)
2点お伺いします。
1点は、昨日協議会がございましたが地域の医療関係。地域医師確保推進室が来週1日付けでスタートしますけれども、昨日も協議会の場で実際の首長さん医療関係者からいろんなお話が出ました。改めて医師不足の早期解消というものにかける知事の思いをお聞かせいただきたいというのが1点。
それから、全然別の話なのですが、北海道日本ハムファイターズの田中幸雄選手が2000本安打を達成いたしましたが、出身県の宮崎、それから札幌市が表彰するという話があるのですが、道として何らかの対応を考えているかどうかお聞かせください。
(知事)
まずは、医療対策ですね。昨日、今年度になって初めて医療対策協議会がございまして、規約を改正して私が会長になるということを決定させていただき、それぞれのお立場の方々から色んな議論がありまして、医療対策についての道民の方々の関心の深さ、そしてそれぞれの立場の方々の思いというものをお聞かせをいただいて、大変勉強になったところでございます。
今回、2期目に入ったばかりでございますけれども、2期目に向けての選挙戦の過程において、駆け足で全道を駆けめぐった中でも、医師不足の問題を初めとした北海道における医療体制の維持、向上と道民の方々の切実なご要望があるということを再確認をさせていただいたところでございまして、この問題に対して、高橋道政の2期目の最重要課題として位置付けてしっかりと仕事をやっていかなければならないという思いを強く持っているところでございます。
そして、そのことを具体的に進めていくために、6月1日の道庁人事異動、大規模になるわけでありますが、こういった中の一貫として保健福祉部の中に専掌の組織を設け、そこを中心に私が公約で掲げた事項、あるいは公約に掲げないまでもこれまでも保健福祉部が検討してきた事項、あるいは道民の方々から様々なご要請のある事項について、課題を整理して緊急に取り組むべきこと、中長期に取り組むべきこと、それぞれを時間感覚で進めていくということをしっかりとやっていかなければならないと思っているところでございます。
それから、田中選手の2000本安打。めでたいことでありますね。5月17日楽天戦においてプロ野球史上35人目の達成ということでございます。札幌市長さん、宮崎県知事さんがめでたいこっちゃということを言っておられるようであります。私も、北海道民の立場から、なにがしかの気持ちを伝えたいということはございまして、知事感謝状を贈らせていただければなと思っているところでございます。日程調整は今球団サイドとやっておりますが、できる限り早いタイミングで私ども道民の気持ちを田中選手、日本ハムファイターズにお知らせしようと思っております。
(北海道新聞)
はしかについて教えてください。東京の方などで既にワクチンの確保に自ら動き出している自治体もあると国から聞いております。来月にはよさこいソーラン祭も開かれて道内にもたくさん人が集まってくるという状況が出てくるわけですけれども、現在、道内にあるワクチンの量について、十分であるかどうかということが大変道民の関心があるところなんですけれども、その辺についてのご見解をお聞かせください。
(知事)
首都圏では大学あげて休校というのもいくつかあるようでありまして、相当深刻のようであります。実は大学に行っている私の息子からも電話がありまして「母さん、僕、はしかの予防接種したの」ということで、久しぶりに母子手帳を探してみたところ、してましたね。
東京の方では、相当大きな問題になっていて、そういった中でワクチンの収集が動いていることも聞いているところであります。私どもの認識としては、この単味ワクチン、すなわち麻しんのみを対象とするワクチンはちょっと減少傾向にあると聞いております。
この麻しんの単味ワクチンの生産には時間を要するそうでありまして、新たな供給は9月頃と予想されるそうであります。しかしながら、うちの子供もそうだったのでありますが、混合ワクチン、就学前にするのがそうでありますが、麻しん・風しんの混合ワクチンということで見ますと、5月下旬段階でも在庫は十分にあると聞いているところでありますので、道内においても安定的な供給は可能であると情報は得ているところでございます。
(HTB)
大変嬉しい話なんですけれども、今朝の道新さんにも掲載されておりましたが、留萌支庁の「るもいタコ箱漁オーナー2007」という企画ご存じですか。
(知事)
はい。知ってます。
(HTB)
全国から2万人ということで、大変北海道ブランドの全国に向けてのメッセージになったと思われるんですが、そのご感想は。
(知事)
そうですね。私も留萌支庁でそのことを企画していることはちらっとは聞いていたんですが、ゴールデンウィーク明けに某全国紙で見て、とても嬉しく思ったところでございます。
この企画は留萌支庁が企画・立案をして、留萌の美味しい食をPRするということでこのタコ箱を100名の枠で募集したら、なんと応募が全国から2万件以上、ホームページのアクセスが12万件以上だったそうでありまして、27日までですけれども、すごい反響だと言うことで、私自身もとても嬉しく思った次第でございます。
留萌というところは細長いんですけれども、私も何回も参りましたが、それぞれがすごくロットは少ないんですけれども、とっても美味しいものが色々あります。
海のものもあるし、お米も美味しいし、畑のものも肉も。今度、天売・焼尻にも参りますけれども、羊も有名ですよね。
などなど、この美味しい留萌を「食ロード構想」で、支庁で頑張っているところでもありますので、そういったことの一環として、このタコ箱が反響を得たということはとても歓迎すべきことでありますので、こういったことを通じて留萌支庁、あるいは留萌支庁を含む北海道の食が全国にアピール出来ればいいなと思います。
(共同通信)
先程、洞爺湖サミット道民会議の設立発起人集会が開かれましたけれども、6月中旬にも道民会議が設立されるということで、改めて道民会議に期待すること、できれば具体的に教えていただければと思います。
(知事)
6月早々で幹部級の異動がありますので、新しい体制の下でと考えておりますが、6月出来る限り早いタイミングで道内の関係団体の方にもご賛同を得て、このサミットを盛り上げるための道民会議を立ち上げようと今、考えているところであります。
これは経済界ばかりではなくて、本当に幅広い環境関係の方々、医療関係などなど、本当にオール北海道の形で組織をしていただければなと思っているところでございます。
そして、こういった組織を通じて、まさに前から私が申し上げているとおり、北海道を挙げてこの北海道サミットというものに対しておもてなしの心で対応する。そして、これを機会に北海道をまるごと世界に売り込んじゃおうという思いで事業を進めていく上の推進母体となるものとして位置付けていこうと思っているところでありまして、改めてこの組織の形が出来た段階で、皆様方にもご報告を申し上げたいと思っております。
(NHK)
今日、一部報道ありましたけれども、北海道財政の中長期的な見通しについて、公債費の比率なども含めて知事の現段階の認識を伺いたいとお思います。
(知事)
実質公債費率ですよね。25%を何年後かに超えるという報道でありましたけれども、あれは元々わかっていたことで、前から申し上げているとおり、1990年代ですか、例の景気対策として、公共事業を相当大規模にやった時に、それに伴って本当に大規模な道債を発行した。その償還の時期というのがいつになるのかについては、計画的にやっておりますので、そのピークが来るが故に、当然、道の歳出全体に占める道費の償還が増えてきて、今の数字で言うと3、4年後くらいですか、2年間にわたり25%を超えることが想定されているところであります。
その後、またピークアウトすれば、ちょっと下がってくるわけでありますが、私どもの財政再建の考え方、基本的な方向、昨年の2月ですか、道民の方々にお示しを申し上げた中ではそれを見込んで計画は立てているところでございますので、今日の報道をもって、それほど道財政、また改めて厳しくなったんだという性格のものではないというふうにご理解を頂きたいと思います。
ただ、いずれにいたしましても金利の今後の動向なり、加えて様々な突発的な歳出増ということもこれからないわけではないと思いますので、やはり我々は道の財政再建に向けての歩みというものは、昨年の2月に計画したものを粛々と進めていく。さらに切り込むところが可能であるとすればそこは積極的にやっていくなど、不断の見直しの中で厳しく実行していくことが重要であると再認識をしているところであります。
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