知事定例記者会見(平成19年6月1日)

知事定例記者会見

・日時/平成19年6月1日(金)14:00~14:51
・場所/記者会見室
・記者数/31名(テレビカメラ3台)

会見項目

  

知事からの話題

 1 新任部長職の紹介
   2 「観光ホスピタリティ運動」について
   3 民間企業とのタイアップ事業などについて
   4 夏季における軽装の励行(道庁のクールビズ)について

記者からの質問

 1 人口推計の結果について
   2  ロシアの活ガニの全面禁輸措置について
   3 地域医療、医師確保対策について
   4 バイオエタノールなどバイオ燃料について

知事からの話題

 

新任部長職の紹介

会見に入ります前に、新任部長の紹介をしたいと思います。
 皆様方の向かって左でありますが、総務部長に就任してもらった宮地毅でございます。それから、企画振興部長の佐藤俊夫でございます。次が、環境生活部長の高井修でございます。保健福祉部長の髙橋教一でございます。経済部長の渡辺健でございます。それからこちらの方に移りまして、水産林務部長の武内良雄でございます。建設部長の猪俣茂樹でございます。それから、総務部の危機管理監、伊東和紀でございます。知事政策部知事室長、江本英晴でございます。それから知事政策部サミット担当で前川克彦でございます。経済部参事監観光担当、成田一憲でございます。最後が農政部の参事監、食の安全安心担当、細越良一でございます。以上が6月1日付けおよび5月1日付けで新任部長になってもらった道庁幹部職員でございますので、皆様方ご取材の際にお手柔らかにお願いいたします。
 それから、司会進行の広報広聴課長、竹谷課長でございます。

「観光ホスピタリティ運動」について

私から、三つ話題を提供いたします。
 その一つ目が、観光ホスピタリティ運動についてでございます。道では道民総ぐるみでおもてなしの心を持って観光客の方をお迎えするということで、昨年から観光ホスピタリティ運動というものを実践させていただいております。
 6月に入りますと6月6日から恒例の夏のイベントになっておりますYOSAKOIソーラン祭りが開催され、観光シーズンが本格的にスタートいたします。そういった中で、6月1日から10日までを重点的な掲示期間ということで、ここにありますし、お手元の資料にもございますが、昨年12月に策定した新キャラクター、キャッチコピーを主要施設に掲示をし、そして、こういったPRを通じて観光客の方を北海道民挙げて笑顔でお迎えするということで、北海道のイメージアップを図っていきたいとこのように思っております。
 来年のサミット成功に向けても、こういった運動をさらに本格的にやってまいりたいと思っております。

民間企業とのタイアップ事業などについて

それから、二つ目でありますが民間企業とのタイアップについてでございますが、おかげさまを持ちまして、これも配付資料がありますけれども、昨年14件、民間企業等とのタイアップ事業を提案いただき、やってきたところでありまして、道民サービスの向上にも役立ってきたところであります。関係の企業の方々に心から感謝申し上げたいと思います。
 今年度はタイアップ事業の内容を充実し、さらに展開をしてまいりたい、充実ということで私どもいくつか考えております。
 一つは、提案をいただいてから事業化までの期間を短縮する。それから、事業のご提案に加えて支援、協力のご提案も募集をさせていただくということでございます。民間の皆様から提案を募集しておりますが、この6月を提案強化月間ということで設定をいたしたいと思っておりますので、民間の皆様方に役所とのタイアップ事業、ご関心の方々にぜひ皆様からもPRをしていただきたいと思います。
 実はこのタイアップ事業のご提案を一つの契機にして、サッポロビールのグループの皆様方とは、民間企業との連携協定というものも締結させていただきました。今年の2月でしたか、当面の事業というものを決定して、これも配付資料がありますが、いろいろ今やっているところでございます。例えば(3)でございます環境の保全等に関する事項。今も申し上げましたけれども来年サミットの開催ということも本道で展開をされます。あるいは、世界自然遺産に登録されております知床などの環境保全運動の実践も含めて、実施を予定しているところでございます。これが二つ目です。

夏季における軽装の励行(道庁のクールビズ)について

三つ目でありますが、6月1日、今日から夏季における軽装の励行ということ、いわゆる道庁のクールビズについてのご理解とご協力でございます。
 今日昼のニュース見ておりましたら、国の方でも今日スタートでありまして、閣議の閣僚の方々皆さん、軽装でということをやっておられたわけでありますけれども、北海道の場合もできる限り執務室では軽装を行うと、ノーネクタイ、ノー上着ということを平成12年度から実行しているところでございます。6月1日から9月30日までの4ヶ月間でございます。国のクールビズの取り組みと連動をするものでありますが、北海道は東京ほどというか本州ほど暑くないので、そこはそれなりにと。2年くらい前でしたか、クールビズをみんな寒い寒いと言いながら、でも、クールビズ期間だからということで上着を脱いでいたという記憶もあります。ケースバイケースの対応になるわけでありますけれども、ぜひ市町村や多くの企業におかれても、夏に向けオフィスなどの冷房温度を28度設定として軽装に取り組んでいただくようご協力をお願いしたいと思っているところでございます。
 なお、今日の部長のご紹介に際しては、今日が初めてということもあって、しっかりとネクタイということで登場させていただきました。

記者からの質問

(北海道新聞)
 人口推計の話なんですが、厚労省が人口推計を出した際に、北海道は少子高齢化が進み、2005年からの減少率が78.4という数値が出ました。
 道内では育児休業制度を規定している割合が全国平均より低く、福井、三重、島根などの先進県では入札の際に子育て支援企業を有利にする制度を導入するなどの対策をとっています。
 前から子育て支援のことは知事もお力を入れていると思いますが、今後、強化策としてどのようなことをお考えになっているかお伺いしたいのですが。

(知事)
 育児休業制度がある企業の割合が道内はまだ低いということは、前からもこういった場でもご指摘がございますし、私自身もそのように認識しているところでございます。
 北海道がこれだけ環境がいい中で子育て環境が必ずしも進んでいない、仕事と育児の両立についての企業の参画が必ずしも十分ではないことは、私自身とても残念に思っているところでありまして、そうは言っても景気が悪い中で、なかなかそこまで気が回らない、手が回らないという企業の本音の部分も理解出来るところであります。
 そういった中で、今のご質問にもございました入札制度のなにがしかの条件にこういったことも加味するということになれば、企業のインセンティブとしては大きなものになることも想定されるわけであります。
 これまでも企業の入札条件として、例えば、通年、雇用対策、これは季節労働者を抱える本道にとっては重要なことだと思っておりますし、新分野進出などの社会的貢献があるということについて、競争入札参加資格の評定に加味するなどの工夫をやってきた実績もありますので、こういったことの一つの項目として、今ご指摘の、仕事と家庭の両立促進のための育児休業制度等の取り組みを積極的にやっているところを評価するかどうかについては、私も個人的には極めて関心がありますし、また、そのことについて、今、道庁内に関係部からなる検討の場を設けて研究しているところでありまして、出来れば、前向きに導入するような方向で議論を推進してまいりたいと考えております。

(NHK)
 カニなんですが、ロシア政府が自国の領海で捕獲したカニを生きたまま輸出することを禁止しました。道内の業者をはじめ、関係業者の間にも波紋が広がっていますが、知事としてご感想があれば伺いたいなというのが一点。また、道としての検討していることがあれば伺いたいと思います。

(知事)
 ロシアの活カニの全面禁輸措置につきましては報道がかなり先行されていて、今、道から国に対して事実確認の要請をしておりまして、それを踏まえて国の方で、外交ルートを通じてロシア政府サイドに確認中であります。
 いつからなのか、あるいは生だけなのか、冷凍の扱いはどうなるか等、まだ詳細事実が明らかではないところがございますので、まずはそれを見極めていく必要があろうと思っているところでございます。
 そうなった場合ということに思いを巡らしますと、国内の生産者の方々にとっては、多分値は上がっていきますので、そんなに悪い話ではないというような部分もあろうかと思いますが、より問題は、やはり観光立国としての北海道、特に北海道に来られる観光客の多くの方々が美味しいものとしてカニを目当てに来られることでもございますので、レストラン関係、ホテル関係、いろんな観光関係の業者の方々に影響が出てくるだろうと懸念をいたすところでございます。
 その意味では、まずは事実を外交ルートで確認をさせていただいた上で、我々道として出来ることはやっていかなければならないと思っております。

(STV)
 知事が2期目に真っ先に取り組みたいとおっしゃっていた地域医療の問題ですが、今日、地域医師確保推進室も立ち上がったと思いますが、具体的に、知事がおっしゃっていた道職員として医師を採用していくということは、どのくらいの期間でどのくらいの医師を採用していこうとお考えでしょうか。もちろん、道議会でまだ予算が通っていない段階ですから難しい部分もあるかもしれませんが、知事としてのお考えがあればお聞かせいただきたいのですが。

(知事)
 医師の確保をはじめとして、道内における医療体制をいかに円滑に維持、向上していくかは、高橋道政2期目の最重要課題の一つであると位置づけているところであります。
 そういった観点から、私も2期目の公約の中でいくつかの具体的な事業の提示をし、そういったことを道民の方々にお約束をしたわけでありまして、そのことを一歩一歩実現していくことが重要だと思っております。
 ご指摘のとおり、本日付で保健福祉部の中に地域医師確保推進室を設置いたしまして、ここが専掌組織として、こういった問題を一元的に扱っていくわけでありますが、まずは、2定議会に向けての予算の最終的な調整を今やっておりますので、その中で明らかになることと位置づけております。6月13日でしたか、医師の部分も含めて2定予算に提案するもののご説明をしたいと思っておりますが、事業名についていくつか申し上げれば、今ご指摘にございました、道職員として道内外のお医者様を採用させていただいて、地域に派遣する取り組み。対象のお医者様としては義務年限を終了した自治医科大学の卒業医師の方。あるいは移住促進とタイアップをして、道内の医療にも関心があり、また、北海道の素晴らしい環境にも関心があるような道外のお医者様にもこちらに来ていただいて、そういった道外医師を北海道に招聘する仕組みなど、そういった分野からのお医者様の確保も含めてということになろうと思いますが、いずれにしろ、道職員として医師を確保して地域に派遣するということ。あるいは、道内を中心とした医育大学、さらには民間の病院の方々、民間病院もお医者様がそんなに潤沢とは思いませんが、出来る限りのご協力を得られる所とは協力をしながら、そういったところと連携をした公立病院への医師派遣制度の拡充などをまずやってまいりたい。
 また、道内医育大学における地域枠の設定、拡大、あるいは一定期間地域で義務的に活動してもらうことを条件にした奨学金制度の創設。それから、これは市町村の皆さんと充分にご相談をしながらでありますが、地域における広域的な観点からの医療拠点の集約化あるいは拠点化。こういったことも推進していかなければならないと思いまして、こういった中で、先ほど申しました2定予算の計上など、まずは緊急的にやれるものあるいはやらなければならないもの、加えて中長期的にやっていくもの、こういったことを道自身としてやると同時に、国の方でも与党、政府の間で様々な議論が進んでいると承知をしておりますので、国に対する要請活動も今まで以上に強化してまいりたいと思っております。
 そういったこととの関係で、私自身が先般開かれました北海道対策医療協議会の会長に、規約を改正して就任いたしたところであります。

(STV)
 いつぐらいからおっしゃられた取り組みを始めようというお気持ちでしょうか。

(知事)
 今年度からやることにつきましては、予算が通れば、あるいは予算が通ることを見越して、その下準備は既に始めているところであります。

(北海道新聞)
  今日、農水省がバイオ燃料地域利用モデル事業としてJAグループとオエノンの道内2事業を選んだというふうに正式決定したのですが、全国3カ所のうち2カ所が道内で選ばれたということと、それによってバイオ燃料技術が北海道でかなり確立されていくことになると思うのですが、これに対する知事の期待など、考えをいただきたいのですが。

(知事)
  地球環境問題が大きく世界的に、あるいは日本国内的にも注目を浴びている中で、北海道は自然環境においては日本一であります。当然のことでありますが。
 そうして、新エネルギーや代替エネルギーの宝庫でもあるというふうに理解をいたしているところでありまして、そういった中で次のエネルギーとして、燃料として期待されておりますバイオエタノールに係る補助事業について、全国3件の採択のなかで2件が北海道内で採択されたということは、とてもうれしく思います。十勝管内のJAあるいはホクレングループによる清水町のプラントにつきましては、十勝に行くたびに話を伺っておりました。まずはてんさい、それから小麦を使ってと聞いておりますし、また、苫小牧のオエノングループはお酒屋さんのグループで、ここのトップの方とも採択前にお会いして、こちらは米を使うのですが、ぜひ北海道の役に立ちたいというお話を道産子の社長からありまして、とてもうれしく思っています。
 それぞれが違う主体、違う形でのバイオ燃料のこれからの研究、思考になってくるわけでありますのでそれぞれが是非、色々なレベルで実用化に向けての動きを加速していただければと思っておりますし、道自身もバイオエタノールの普及が全国的に進むとすればその供給拠点として最も期待を集めるのが北海道だと思っておりますので、今後とも国内拠点としての機能を発揮できるように関係の団体とも連携をしながら、バックアップしてまいりたいと思っております。

(NHK)
  カニの追加質問なのですが、禁輸を見越す形でカニの価格の値上げも始まっているようですが、ロシア産のカニの入荷の状況ですとか、価格の動向などについて、道が独自に調査するお考えとかありますか。

(知事)
 新部長どうですか。
 私自身は、道内観光関係の業者さん等の関係でも、できる限りの情報把握はしていきたいと思っておりますけれども、それ以上に何かコメントがあれば。
 やっていきましょうか。そういったことをね。価格の状況なり在庫の状況なりについて情報収集して、道内の関係業者への影響がなるべく及ばない形で、道としてできる限りのことをやってまいりたいと思います。 

 

 


 

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