知事定例記者会見
・日時/平成19年8月31日(金)14:01~14:33
・場所/記者会見室
・記者数/33名(テレビカメラ2台)
会見項目
知事からの話題
1 社団法人北海道道路標示業協会との防災協定の締結について
2 道東自動車道トマムIC~十勝清水ICの開通について
記者からの質問
1 石屋製菓(株)の問題について
2 生後20ヶ月齢以下の牛のBSE検査に対する国の助成打ち切りについて
3 日本原子力産業協会会長の発言について
4 北海道観光プロモーションについて
5 コンサドーレへの融資について
6 増田総務大臣への期待等について
知事からの話題
社団法人北海道道路標示業協会との防災協定の締結について
それでは、私からは2件お話をいたします。
一つは、社団法人北海道道路標示業協会との防災協定の締結についてであります。今年も秋の台風シーズンの時期に近づいてきたわけでありますけれども、これまで、防災協定ということにつきまして、特に土木施設に係る防災協定ということにつきまして、建設業協会、そして道内にあるコンビニエンスストアとも協定を結び、ここまで来た経緯がございます。こういたった中で3例目の防災協定ということで、この度、北海道道路標示業協会と防災協定を締結するに至ったところでございます。
具体的な中身は、人的支援、各種資機材の速やかな提供などにより、被害状況の把握や災害応急対策を行うこととしておりまして、災害業務への一層迅速な対応が可能となると考えているところでございます。1枚配付資料があろうかと思います。
道東自動車道トマムIC~十勝清水ICの開通について
それから二つ目でありますが、道東自動車道のトマムインターチェンジから十勝清水インターチェンジの間の開通についてということでございます。本日、東日本高速道路株式会社さんからも発表があるかと思うわけでありますけれども、本年の10月21日15時をもって、トマムインターチェンジと十勝清水インターチェンジの21kmが開通することになったわけであります。
この区間の開通によりまして、大変厳しいといわれておりました山岳ルートである国道274号線の日勝峠を通らずに標高が約400mも下がったルートを通過することになりまして、冬季における交通障害等が大きく緩和される。安全な運行が確保されるということが期待されるわけであります。これまで、救急医療の関係でいいましても、例えば占冠、南富良野、これは上川管内にありますけれども、こういったところで重篤患者を搬送するような場合には、一般道路を2時間程度かけて旭川の病院まで搬送せざるを得なかったわけでありますが、今回の開通により、約1時間で帯広市の病院へ搬送が可能になったということで、救命救急措置の選択肢が増えるということも期待されるわけであります。今回の両インターチェンジ間の開通も含めて、着々とこの道東への高速道路は伸びておりまして、平成23年度には帯広-札幌間が結ばれることになっているところでございます。これも配付資料がございます。
記者からの質問
(NHK)
今日、石屋製菓の関係で新旧社長に会われるということなんですが、どのようなことを知事から伝えられる予定なんでしょうか。また、再発防止に向けた取り組みを改めて検討されていることはあるんでしょうか。
(知事)
今日そうですね、夕方この会見が終わった後ぐらいに、石屋製菓の新旧社長さんにお越しいただいて、お会いをすることにしております。経緯はですね、ちょうどこの事件が表に出た直後ぐらい、まだ私どもが立ち入り調査中だった時に、先方からお詫びに参上したいというお話しがございました。
私ども道の判断は、行政庁のトップとしてまだ調査中で、処分も出ていない段階でお会いするのは適当ではないだろうということで、いったんお断りをしたところでありますが、改めて調査を終了し、行政処分も出たところでありますので、新旧社長にお越しいただいて、私から色々なお話をしようということで、今日のアレンジをしたところであります。
まだ、直前まで考えますけれども、申し上げようと思っておりますのは、やはり今回の事件がどうして起こったのかという原因究明。そして、やはり北海道を代表する石屋製菓さん、白い恋人、そして一連の様々なお菓子、あるいはアイスクリーム等でございますので、一日も早く生産ライン等の整備を図り、何としても再生をして復活を果たしていただきたい。食の安全・安心を、まず石屋製菓さんとして取り戻す努力を最大限やっていただきたいと私から申し上げようと思っております。
また、加えてコンサドーレのことも一言触れようかなとも思っておりまして、もちろん本業の方がきちんとした形にしていただくのが、まずは第一義的に重要でありますが、加えてコンサドーレの最大スポンサーでいらっしゃいます。今ちょうどJ1に上がるか上がらないかの重要な時期で頑張っているコンサドーレでもありますので、道民を代表してコンサドーレに対する支援についても考えていただければということについても、言及をしようかなと思っているところであります。
(NHK)
原因究明をということだったんですけれども、道として別途、この間文書を通知されましたけれども、それ以外で知事として考えていらっしゃることは、現在はないでしょうか。
(知事)
そのことについては、先般、食の安全・安心本部員会議で決定したことを、私から皆様方に発表させていただいたことと今も変わってはおりません。
文書を発出したと同時に、この同業他社の方々、大小を含めて約3500社ぐらい道内におられると私ども認識しておりますが、その皆様方全ての方々にご案内を差し上げるということを前提に、研修会、すなわち、この賞味期限について、しっかりと守っているはずでありますので、そのことを改めて確認をする。また、法令の解釈あるいはそれを順守していくということ。あるいは衛生管理などについて、意識を高めていただくための研修会。14支庁全体を通じての研修式の開催など、あの時に当面の措置として決めたことをまずはやる。その上で、国との連携などを踏まえて、さらに追加的なことをやらなければならないのであれば、やると、思っておりますが、今段階では、前回決定をしたことをまずは粛々とやるということを考えております。
(日本農業新聞)
食の安全安心の話の関連になってくると思うんですが、BSEの関係なんですが、厚生労働省が生後20カ月齢以下の牛の、いわゆる都道府県がやっている自主的な検査について、今、補助しているわけなんですが、来年7月末をもってそれを打ち切ることを基本的に決めたということで、先般、札幌消費者協会の方で、もしそういうことになった場合、北海道独自でそのあたりを続けていくことはできないのかということを口頭で申し入れたりとか、昨日も北海道中央会の宮田会長が、定例会見で国の方に補助を国の方で続けて欲しいということをコメントされたりしているんですけれども、まず、道として国が都道府県に対する補助を打ち切ることについてどう思われるのかというのがまず第1点。
第2点は、もしどうしても国が打ち切り方針を変えないという場合、先走った質問ですが、道として、生後20カ月齢以下の自主的な検査を、道の負担の下で続けていくというようなことは考えられるのか、この2点お願いします。
(知事)
全頭検査について、前から議論がありまして、国の事務方のスタンスは科学的根拠等の面で根拠もないので、来年の7月末までに補助金を切るということを言っているようであります。
しかしながら、宮田会長など、多くの方々が言っておられるように、このことを止めるためには、やはり国民の皆様方の十分な理解、納得を得てということが不可欠だと思うわけでありまして、そこが今段階で十分と本当に言えるのかどうか、私は疑問なしとしないと思っているわけであります。
そういった意味からは、私どもからも新しい厚生労働大臣も就任されたことでもございますので、改めて食の安全安心のために、BSE検査、全頭検査に対する国の助成ということを続けていただきたいということを強く申し入れをしていきたいと思っております。
それ以下は、仮定の質問でありますので、まだまだお答えできる段階にはないと思いますが、もし各県それぞれの判断ということになりますと、市場が混乱しますよね。検査したものとしないものとが出てきて、そういった状況が国民経済的に正しいのかどうかということを、やはり国においては大所高所の立場に立って判断していただきたいと思っております。
(日本農業新聞)
国に補助継続を求めていきたいということなんですが、今後具体的にそのあたり国の方に申し入れていくことを、タイミングとかどんな方法でとか考えられておりますでしょうか。
(知事)
様々な機会を捉えてやっていきたいと思っております。
(毎日新聞)
先日、原産協会(日本原子力産業協会)の今井会長がいらっしゃって、泊原発のボヤの通報遅れについて「たいしたことではない」、「いちいち公表するような話か」というような主旨の発言を記者会見でなさったんですが、道庁としては速やかな公表ということを再三要請した経緯もあって、その中で、知事はどのようにその発言をお考えなのか教えてください。
(知事)
御社の報道、見出しが大きく出ているのを拝見いたしました。
私、直接今井会長に確認したわけではないので、報道以上のことはわからないんですね。 前後関係どういう中でご発言されたのかわかりませんので、そこについてはコメントしない方が無難かなと思うのでありますが、私ども道のスタンスは全く変わっておりません。
やはり道民の皆様方の生命と財産を預かる立場から、道民的にも関心の高いこの原発の工事現場ですね。原子力発電所そのものではないのは事実でありまして、1号機2号機の原子力発電所そのものとはしっかりと分かれておりますので、3号機の工事現場であるということは事実でありますが、ただその現場におきまして、様々な異常な事象が起こってきたこれまでの経緯を考えた場合に、やはり私ども道といたしましては、北電に対して、いわゆる安全協定、あるいは公表基準に該当するかどうか不明な事象であってもやはり近隣住民の皆様方の安心を、安定感というものを確保するためには、できる限り情報提供というのはしっかりやっていただくべきものであろうと思っているところであります。
そしてこれからも、そのような立場から、北電に対する申し入れを近隣地元4町村の皆様方とともに対処してまいりたいと思っております。
(NHK)
今日、新旧社長がいらっしゃると同時に石屋製菓でもコンプライアンス(法令遵守)委員会を立ち上げる動きがありますが、こういった動きについて知事はどう評価され、さらにどういったことを望んでいらっしゃいますか。
もう一つ、改ざんが発覚してからもう半月になろうとしてますが、今回の件を受けて北海道の経済や食のブランドに対する影響が、何か出始めていることを確認されているのかどうかをお伺いしたいと思います。具体的にお願いします。
(知事)
まずコンプライアンス委員会への期待ですが、これは第三者的立場から石屋製菓の今回の白い恋人についての不適切な賞味期限の改ざん、混同するような付け方がどうして起こったのか。あるいは、アイスクリームの大腸菌群、バウムクーヘンの黄色ブドウ球菌がどうして発生したのか。それから白い恋人以外の製品も、賞味期限について同様の混乱を招くような表示のやり方がどうして起こったのかということ。そして、それと同じようなことが今後起きないように持っていくために何をしていかなければならないか。こういうことを中立的、客観的立場から厳しくご指摘をいただき、それを踏まえて、石屋製菓として実行していただくということが重要だと思っております。
それから、北海道への影響でありますが、一つは私ども北海道に対するいろんな苦情というものが寄せられているのを見ておりますと、特に道外のお客様から強い批判の声が寄せられているというのが特徴的かと思っております。道内の方々は、石屋製菓がこれまでも北海道観光の牽引役として頑張ってきたんだということで、好意的に見られる方々が多いわけですが、道外の方々は北海道に対する期待あるいは憧れ、そういったものが強いが故にそのことが裏切られたということで強い批判、苦情が出てきたかと私自身思っているところでございます。
それから、具体的に売り上げにどれぐらいマイナスになっているかということは定量的には捉えておりませんが、いくつか地点調査、ヒアリングをやりましたら、売り上げが一定落ちているというような報告を受けていると聞いております。一日も早い北海道の食の安全安心の信頼回復が何よりも重要だと思っております。
(北海道新聞)
明後日の北海道観光プロモーションの関係で台湾へ行かれると聞いております。知事はトップセールスとして台湾へ行かれるのは初めてと聞いておりますが、その意義とねらいについて教えていただきますか。
(知事)
北海道観光を振興しようということでいろんなプロモーションをやっておりますが、海外からのお客様がどんどん増えている。そういった中でその半分ぐらいを占めているのが台湾からのお客様でございます。エバー航空、あるいはチャイナエアラインの定期便もございますし、多くのリピーターという形でのお客様が台湾からお越しいただいている。そういった中で、台湾の観光関係の方々から強いご要望のございました台湾の方々の運転免許が日本国内で使えなかった。そのことの解禁が私どもの要請を踏まえて、法律改正によりこの秋から実行できる状況になった。その機会を捉えて、改めて北海道の観光の良さについて、私自らが台湾の皆様方にPRしたいということで、今回の出張を決定をいたしたところであります。具体的には観光協会や航空会社などを訪問すると同時に観光セミナーも開催しまして、来年7月から北海道洞爺湖サミットも行われますし、今の運転免許の件もございますし、いろんなことを含めてPRをしてまいりたいと思います。それから教育旅行説明会といいまして、修学旅行ですね。若い時代に北海道に来てもらうと、また大人になってから来たいという思いになろうかと思います。そういったところもしっかりやっていきたいと思います。
(HBC)
先程のコンサドーレの件ですが、道も5億円の融資ということで来年3月に返済期限を迎えるということで、これについて現段階での融資の継続を含めてどういうお考えなのかということが1点と、コンサドーレは今、J1昇格をかけて一生懸命やっているところですが、経営面での見通しについて知事はどうご覧になっているか、2点伺いたいと思います。
(知事)
道から5年間のお約束と申し上げておりました5億円が、今年度いっぱいで返済をしていただく期限を迎えるというのは、おっしゃるとおりでございます。
今日の夕方、石屋製菓さんにお話をすることと密接に関わってくるのでありますが、コンサドーレの経営状況を考えた場合に、道庁の立場でどういう支援をすることができるのかということを考えていかなければならないと思うわけであります。
ただ、5億円、私独自の判断で続ける続けないは言えないと思うんです。道民の方々から、私ども道庁がお預かりしている公金でありますので、道民の皆様方がこれを継続的にコンサドーレに支出することを支持していただけるのであるかどうか、それとも、今財政厳しい中でありますので、その5億円を使って別のこと、例えば、農業新聞社さんから聞かれたBSEの検査に回すべきじゃないかというご意見もあるでしょうし、道民の方々の意向というものを見極めながら、コンサドーレに対する貸付金を今後どうするかということを、どこかのタイミングで高度な判断をしていかなければならないのかなと、このように思っております。
(共同通信)
道州制のビジョン懇談会で、新たに総務大臣になられた増田総務大臣とお会いして話されたと思いますが、 道州制に非常に理解のある方だと思うのですが、お会いして話されて期待されることとか、やり取りなどを教えていただければと思います。
(知事)
田大臣とは昨日ビジョン懇でお会いはいたしましたが、他のメンバーもおられましたので、二人でお話しする時間はございませんでした。その意味では、直近で増田さんとお話ししたのは電話でお話しした時かと思いますが、その時は道州制についてどうというお話はいたしませんでしたけれども、これからビジョン懇として今年度いっぱいまでに方向レポートをまとめる。これは前の渡辺大臣時代からの方針でありますし、そのことを継続的にしていくという話は、昨日ビジョン懇で冒頭の増田大臣からのお話でございました。ですから、これから年度の後半に向けて私ども自身としては道州制特区法に基づく第二次提案の取りまとめをできる限り早くして持っていくということがあるわけでありますが、その一方で、そういう形で道州制議論を進めている立場から、このビジョン懇の取りまとめに向けても貢献をしていきたいと思っております。
ただ、ビジョン懇の議事録も全部オープンになっていると思うのですけれども、本当に、参加しておられる方が、それぞれの立場で色々な思いを持ってやっておられますね。マスコミ関係の方、評論家の方、学者の方の立場と、岡山県の石井知事もそうですけれども、現に目の前で行政を進めながら道州制を展望している立場の人間と、それから、あのビジョン懇の場に実際同じように委員として出てこられる道州制推進検討会と言うのでしょうか、要するに各ブロックごとの地域代表の方々がおられるんですね。北海道で言えば道経連の南山会長でありますけれども、そういった方々それぞれが違う事を念頭に置かれながら議論をしておられますので、なかなか収束させていくのは難しいだろうなと思いながら、懇談会に出させていただいております。
(日本農業新聞)
先ほどのBSEの関連で、また重ねての質問で答えきれないということであればそれはそれで良いのですが、仮定の話になりますが、本当に国が20カ月で補助を打ち切った場合、先ほどの(知事の)話だと、各県がそれぞれ対応した場合、市場が混乱して、それが本当に良いのかということを大所高所の立場で判断していきたいという、どっちともとれるようなニュアンスではあるんですが、本当にそういうことになった場合、北海道では1億円近い負担が生じてしまうと思うんですよ。今、国の方で2億円ぐらい。20カ月齢以下の牛の半分近くが北海道の牛なので1億円近く負担が出て、厳しい財政の中で北海道にとっては大変厳しい話になるかと思うのですが、場合によっては道独自で、20カ月齢以下の検査継続を考えなければいけないというニュアンスが入っているのかどうか、その辺ニュアンスの問題なんですが。
(知事)
まだそこまで状況は至ってないと思っております。まずは国に対して強く要請していく段階ではないかと思っております。と申しますのは、先ほどの繰り返しになりますが、JAの会長を含めて多くの方々が全頭検査の必要性について公の場において言及しておられますので、そういった中で、国民の一般的な理解が十分に得られていない中でありますので、やはり私どもの立場からは国に対して全頭検査に対する助成を引き続き続けていくよう、強く要請していくという段階だと思っております。
(NHK)
コンサドーレの関係で、本業の再開というのがまず大事というふうに知事おっしゃられましたけれど、本業の再開の前に道としていろいろ求めていくことがあるのではないかと思うことと、当面の措置として、食の安全・安心本部員会議で決められたことをされるということですが、国との連携を踏まえて追加的なことを検討したいとおっしゃいましたよね。そのことについて、ちょっとお伺いしたいのですけれども。
(知事)
国との連携。それは農水省さんの方から、この所管団体の方に、自主点検についての発注をされたと理解をしております。これを具体的にどのように進めるかということについては、私、ちょっとバタバタしておりまして、まだ事務方の報告は受けておりませんが、こういったものの結果、全国だと相当な数の事業者だと思いますので、そんなに単純に結果が出るのかわかりませんが、こういったことの道内分について情報を共有することによって、その自主点検の結果について十分であれば、それはそれでありますが、必ずしも十分でないと認識を私どもが持たざるを得ないという状況があった場合、次の一手として何をすべきか、そういったことは十分に念頭に置くという意味で、国との連携ということに言及をさせていただきました。
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