知事定例記者会見(平成19年10月5日)

知事定例記者会見

・日時/平成19年10月5日(金)14:35~15:03
・場所/議会記者室
・記者数/25名(テレビカメラ2台)

会見項目

  

知事からの話題

 1 第3回定例会の閉会にあたって
 2 「移住・交流推進機構」の設立について
 3 北海道バイオエタノール株式会社への出資について
 4 まちかど対話の実施について

記者からの質問

 1 北海道洞爺湖サミットへの北方領土問題の提議について
 2 人事委員会勧告について
 3 北海道日本ハムファイターズリーグ優勝について
 4 農政改革の品目横断的経営安定対策の見直しを求める意見書について
 5 サミット跡地の北京オリンピック合宿活用について
 6 がん対策条例について
 7 アイヌ民族について
 8 知事の後援会の政治資金収支報告書提出について

 

知事からの話題

 

第3回定例会の閉会にあたって

9月11日から始まりました第3回定例会が、本日を持って終了いたしました。今回の議会を振り返りますと、支庁制度改革の問題、道の行財政構造改革への今後の取り組み、それから経済の活性化、地域医療の問題など、やはり現在道内で大変大きな課題となっていることが多く議論されたと認識いたしております。今回の議論を経て、様々なご提言等もいただきましたので、そういったことを踏まえて、これからの道政運営に生かしてまいりたいと、このように思っているところでございます。

「移住・交流推進機構」の設立について

それから二つ目は、移住・交流推進組織というのが本日できたということであります。
1枚配付資料がございまして、これは道内の組織ではなくて全国組織でございます。官民連携の形になっておりまして自治体も多く入っております。この組織を通じて移住、交流に係る情報の発信やイベントの実施、地域の受入体制の構築に係る支援、新ビジネスやサービスの研究、こういったことを自治体が協力をしてやっていくと。会長は、私ども道のアドバイザーもお願いしておりました島田晴雄先生、今は千葉商科大学の学長さんでいらっしゃいます。そして、私自身も、富山県の石井知事、あるいはJTBの佐々木社長などとともに、理事に就任しろということでございまして、理事に就任をいたしております。道としても、移住促進、一生懸命やっておりますので、こういった機構も活用しながらさらに取り組んでいきたいと考えております。

北海道バイオエタノール株式会社への出資について

三つ目は、中間的なご報告でありますが、北海道バイオエタノール株式会社、これは国からの助成ももらいながら十勝管内の清水町にテストプラントを立ち上げて、バイオエタノールについての取り組みを進める会社でありますが、そちらの方から道に対する出資要請ということがありまして、私どもとして今それは前向きに検討しているというご報告でございます。
 具体的には、北海道中小企業総合支援センターを経由しての出資ということになろうかと思っているところでございまして、申請をされている額が1,000万円ということで、今後、必要な審査等を経て具体的な動きになってくると思っているところでございます。
 新しいエネルギー、地球温暖化問題への対処ということにおきましても、このJAグループが中心となってやっておられますバイオエタノール株式会社の取組みというのは、私としても評価をするところでございますので、今回出資等という形でさらに支援を強めてまいりたいと考えております。

 

まちかど対話の実施について

来週の9日と10日、まちかど対話を中空知地域、中空知5市5町を訪問する形で実行したいと思っています。次回の私の定例記者会見は、空知支庁、岩見沢の方で行いますので、よろしくお願いいたします。

記者からの質問

(共同通信)
 サミットの関係なんですけれども、政府が北方領土問題について議題にしない方向だということが報じられておりますが、そうした政府の方針についての知事の感想と、北海道として全体的にサミットの準備を進めていく中で、北方領土問題をどのように世界に伝えていこうと考えているか、知事のお考えについてお聞かせください。

(知事)
  今回、鈴木宗男代議士の質問趣意書への答えということで、私も恥ずかしながらまず最初知ったのは報道を通じてであったんですが、若干勉強いたしました。多分ご質問された記者さんもご存じだと思うんですけれども、1992年のミュンヘンサミットまで3回にわたって議長声明等の形で北方領土について言及されています。その当時というのは、ロシアはソ連の崩壊などで厳しい局面の中ではあったんですが、ゴルバチョフさんの登場等の流れの中で、まだ北方領土の存在を認めていなかった段階であって、そういった中でこのG7サミットとしてこういった問題があるということをステイトメント(声明書)の中に記載をしていたという状況でした。そういった中で1993年にエリツィンさんが東京に来られたときのトップ会談があって、東京宣言ということになっておりますが、この中でロシアのトップとしてエリツィンさんが初めて北方領土問題というものの存在を認め、具体的に四島の名前に言及する形で東京宣言というものが出たわけであります。そういったことで、この問題は2国間で解決をすべき問題で、そして一方の当事者であるロシアも北方領土問題の存在を認めて、これから鋭意解決に向けて努力をしていこうということを明確に対外的にされたので、それ以降1994年ナポリサミット以降はサミット宣言の中ではこのことに触れていないという流れの中で、来年の北海道洞爺湖サミットがあるという経緯であります。
  その意味では、私どもとしては北方領土問題というのが日本政府問題あるいは北海道にとって極めて重要であるという認識に何も変わりはないわけでありまして、これからも日本国政府におかれては、引き続き粘り強く日ロ間でこの問題解決に向けてしっかり取り組んでいただきたいという思いは強く持っているところであります。
 そしてそういった中で、これも報道を通じてでありますが、10月の初め頃3日でしたか、高村外務大臣がロシアの外相と電話会談をして、この問題についての相互の解決策を見いだすため努力を続けたいということの確認をしたと聞いておりまして、ラブロフ外相が10月の下旬に訪日をし、外相会談を行うことも確認したとお伺いをしているところでありまして、引き続き日本国政府においてはしっかりこの問題に対処していただきたいと思っているところであります。
 加えて、北海道全体としてのこの問題に対してのアピールにつきましては、やはり来年のサミットの場をしっかりと活用していきたいと思っております。
 1対1ということで日ロ間の首脳会談も当然行われるでしょうし、そういった場での日本国政府としての発信。それから何と言っても世界のマスコミの方々を中心として多くの方々がこの北海道に来られますので、そういった方々に対するこの問題の存在、そしてその解決に向けて、我々の主張は我々日本の固有の領土であるということですが、そういったことについて世界の方々にご理解をいただくように様々な形での情報発信をしてまいりたい。このことは以前から申し上げているとおりであり、そのことを今改めて申し上げたいと思います。

(NHK)
 今日の人事委員会勧告で、給料据え置きなどというようなお話があったと思うのですが、それを受けて今知事が考えていることをお聞かせいただきたいのが1点と、プロ野球のパリーグで日本ハムがリーグ2連覇ということで、それについて知事に表彰などのお考えがあるかどうかを併せてお聞かせください。

(知事)
 今日の午前中に、人事委員会の中沢委員長から今年の報告と勧告をいただきました。
 今年度分については据え置きという話とともに、来年度に向けての勧告をいただいたところであります。今年度については、独自縮減を行っている実行額との比較においては民間を下回っている職員給与であるという認識のもとに、改訂なしというなら妥当であるという勧告でございました。また、来年度の給与等については、例えば少子化対策ということもあって、扶養手当の額はむしろ引き上げたらどうかなど、時代の要請に対応するようなメリハリのある勧告をいただいたということを評価させていただいているところでございます。そして、基本給の独自縮減は2年間と私は明言いたしておりますので、それがなくなった場合に来年度の官民格差が3.37%道職員給与の方が高いということが比較の結果としてのご報告をいただいたところでございまして、この官民格差というのは、昨年の今の段階におきますものが5%弱というご報告をいただいておりましたので、官民格差は縮小しているという現状はあるわけですが、引き続き3.4%くらいの差があるというご報告でございますので、午前中に委員長にもお話をさせていただいたのですが、道財政も極めて厳しいという現状の中で、官民格差が独自縮減がなくなった後にどれだけあるのかというご報告を踏まえて、私どもとして今後どのように対処していくか、そういったことについて議論をしていかなければならないし、我々の検討作業を加速していかなくてはならない、そのような思いを強くしたところであります。
 それからもう一つ、日ハムの優勝についての表彰ですが、まだ具体的にそこまで思いは及んでいませんが、クライマックスシリーズ、そして日本一を決める日本シリーズとありますので、そういったことを見極めながら道民の皆様方の気運の状況も見極めて、なにがしかするべきか検討していきたいと思っております。

(日本農業新聞)
 今日の道議会で意見書がいくつか採択されたのですが、その中で、農政改革の品目横断的経営安定対策の見直しを求めるような意見書が採択されております。この品目横断政策というのは、WTOだとかオーストラリアのEPAなどで自由化が進んでも担い手農家をしっかり支えていこうという政策だと思うのですけれども、それについて本当に担い手育成に役立っているのかという声とか、小麦の単価が十分最近の収量が伸びているのを反映していないのではないかというのがどうも大きな声らしいのですが、そういう声が上がってきていると。それを受けて今回の意見書だと思うのですが、この中で民主党も1兆円の個別所得補償法案を出してきて非常に論戦になっている部分で、今回こういう形で意見書採択されたことについて、知事として所見ございますでしょうか。

(知事)
 道議会としての意見書の中身についてはコメントする立場にはないと思うのですが、やはり新しい今回の品目横断制度、まだ始まったばかりでありますけれども、今ご指摘のとおり小麦についてちょっと実感とずれているのではないかということ、それから拡大に向けてのインセンティブ(誘因策)があんまりこの制度でビルトイン(はめ込む)されていない話等、私自身道内の農業地域を回った時にいろんな方々からお伺いをしているところです。
 その意味では、農業の分野でも国際化ということを長期的な視点に据えた上での品目横断的な対策、正に国際競争力を大規模化に寄せるような形で高めていこうという政策のこの基本的な方向性自体は、これは道内では基本的には賛同を得ているというふうに私自身は思っておりまして、そういった中で初めてスタートした制度であるので、色々と微修正をしなければならない部分があるだろうということについて、日本国政府もそういったところに目を向けるべしというような意味での今回の中身かなと私自身思っておりまして、そこは私自身の思いと相通ずるものがあるかなと思っているところでございます。
 民主党の国会の方での法案についてはご提案のあった後、国会論戦を通じてそういったことの効果、これから国際化の波にさらされるであろう日本国農業の全体にとっていろんな面があろうかと思いますのでどうかという議論であるとか、それから、マスコミ等でよく言われておりますその際の財源というものが本当に確保されるのかどうかなど、いろんなことが国会論戦の中で我々道民を含めて国民にも明らかになってくると思いますので、そういった農政についていろんな立場の議論が高まることによって、最も良い日本国の農政の展開に繋がっていくことを、農業王国北海道の知事としては心から期待をするところであります。

(朝日新聞)
 3点質問があります。
 1点目は、先日、知事もおっしゃったんですが、サミット跡地の再利用というか、北京オリンピックの選手の直前の練習にサミット跡地など活用できたらいいのではないかと橋本聖子議員がご提案されたと聞いたのですが、具体的な誘致活動など何か考えがあれば教えてください。これが1点目です。
 2点目ですが、継続審査となった請願の中にあるがん対策条例ですが、これは議会中に金子明美さんという女性が働き盛りのがん患者への支援ということで知事もお会いされたかと思いますが、具体的に北海道独自として新たに大きな財源を確保するまでもない政策もできると思うのですが、そういったものについて検討する考えはおありかということが2点目です。
 3点目はアイヌについてなんですが、今回意見書も出ているんですが、国としては先住民として認めるかどうかということは今後になるかと思うのですが、来年サミットもありますし、北海道として定義付けしていくというような動き、お考え、また、先住民と定義すると権利問題等出てくるかと思うのですが、アイヌの方々と審議していく考えというのはありますでしょうか。

(知事)
 一つ目のサミットについてですが、これはサミット跡地の活用というよりも時期がサミットが行われて大体1カ月ぐらいの間があって北京オリンピックということでありますので、サミット関連ということもあって、北京オリンピックに向けて世界から集まり、その方々の時差調整や最終合宿ということで北海道を活用していただきたいということでございます。
 橋本聖子参議院議員はご自身も夏も冬も(含めて)5回以上オリンピックに参加しておられる選手でしたので、いろんな世界のネットワークがおありになるんだろうと思います。 また、世界の選手の方々の間では、北京は空気や食のいろんな問題などもあるので、なるべくギリギリに入りたいといった意向があるようにも聞いております。そういった中では、時差の調整、最終的な仕上がりを確認するような意味で近いところで合宿をしたいという潜在的なニーズがある。夏だと北海道以外みんな暑いわけですから、対応したらどうかという橋本先生のご提案でありまして、以前から主として国内の選手の強化合宿でいろんな形でスポーツ合宿は夏の季節受け入れていますので、これは乗りだなと。道内の市町村のニーズなり宿のキャパシティ(容量)などいろんな基礎データを作って、ご提案をいただいた橋本先生を先頭に推進本部のようなものを作っていますので、一緒に各国大使館等に売り込みをしていきたいと思ったところでございます。芦別ではバレーボール、オホーツク紋別ではハンドボールなどそれぞれやっていますので、そういったことの加速化をしていきたいと思っています。
 11月初めに外国特派員協会に行きまして、世界のマスコミの方々に改めてアピールするのですが、その時にはこういう話もしてきたいなと思っております。節目節目のいろんな場を使って売り込みをしていきたいと思っております。
 二つ目は、議会で継続審査になっている伊達の金子さんを代表とするフォーエバーの皆さん方のがん条例に向けての道としての考え方というご質問ですが、議会でも質問に出てお答えしたとおりなんですが、がんという病気に対して、それにかかった皆さん方が、私自身も苦労したんですが、道内でも大変多くてご苦労されている。特に働き盛りの方々の場合には生活費等ご苦労があるという実態は、私自身も金子さんにお会いをし、またいろんな方々から話を伺って、問題の所在については十分に理解をしております。しかしながら、がん以外についてはいいのかと言えば、がん以外にも様々な病気に苦しんでおられる方々が多々いらっしゃるわけでありまして、そういった方々とのバランスをどういうふうに考えるかなど、いろいろ検討しなければ問題があろうかと思います。そういった中で議会でも私答弁させていただきましたが、まずは我々がんを対処するための推進計画を年度内に策定することにしておりますので、そういった中でしっかりと対応を図っていく、また議会の皆様方にもそういった私どもの取り組みをご報告申し上げ、さらに必要であれば何をするかしないか、そういった議論の展開になっていくのではないかと思っています。その意味では、まずは推進計画を策定した上で、それを粛々と進めていくということの準備を、加速化していきたいと思っております。  
 それから、アイヌの方々についてでありますけれども、国連の宣言が採択されたと。あれは、日本国政府は一定の独自の解釈を付した上での採択でありますけれど、いわゆるその先住民族問題を多く抱えているいくつかの主要国は、拒否しているという事実がある中で、例えばオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アメリカもそうでしたかね。いくつかある中で、日本国政府が一歩進んだということは、私は、それはそれで評価できると思っております。議会の意見書でもございましたし、私自身も答弁でも申し上げましたとおり、国に、まずは国連宣言でいうところの先住民族にアイヌの方々が当たるのかということの検討の機関を設けてくれと、そこがない限りは議論はスタートしませんので、そこは強くこれから言っていこうと思っているところでございます。そして、ご質問の道独自としてどうするかということについては、私は民族問題うんぬんというのは、国全体の立場で議論を進めていくべき問題だと思っておりますが、私ども北海道としては、既にこれは前から何回も申しておりますけれども、一昨年だったかな、知床が世界自然遺産に登録決定をいただいたユネスコの南アフリカの会合の際に、議長から時間をいただいて私自身ひとこと言葉を述べた中で、我々の先住民族であるアイヌの方々は、知床を含めて北海道の自然というものをしっかりと守って、それと共生しながら生きていくということを信念としておられたというふうに、事実上私のステイトメント(声明書)の中で、先住民族ということを使っておりますので、そういった事実が私どもとしての基本的な認識であるということでございます。

(NHK)
 例の政治資金収支報告書の知事の後援会が期限までに10団体提出されなかったことについてですけれども、今政治とお金が問題になっている中で、知事として今どのような思いですか。

(知事)
  私の政治活動を支援していただくという意味で、40ぐらいの後援会が道内それぞれの地域で心をお持ちの方が集って作っていただいているわけであります。任意団体を入れるともっとかもしれません。そういった中で、一部10団体の方々が期限までに報告書の提出をされなかったということでございまして、その後順次提出があったようでありまして、今段階では全てが提出されたと聞いているわけでありますが、これからはこういったことは法律上あってはならないことでありますので、私の個人事務所から、これから来年提出の前にそれぞれの地域の登録をしている政治団体を持っている地域の方々にご連絡を申し上げて、今後絶対に提出漏れがないような形で手立てをしてもらいたいと思っております。

 

 


 

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