知事定例記者会見(平成19年10月10日)

知事定例記者会見

・日時/平成19年10月10日(水)16:26~17:05
・場所/空知支庁合同庁舎 支庁長室
・記者数/11名(テレビカメラ2台)

会見項目

  

知事からの話題

 1 まちかど対話について
   2 2008サミットについて

記者からの質問

 1 自治体病院の再編について
 2 空知地域の総合発展基金について
 3 中空知の合併協議について
 4 知事の多選問題について
 5 森林環境税について
 6 農業における後継者不足について

知事からの話題

 

まちかど対話について

昨日、今日と中空知5市5町、かけ足で回らせていただきました。中には、同行して取材をしていただいた方々もおられるかと思いますが、心から御礼を申し上げたいと思います。
 昨日、まず、浦臼の鶴沼ワイナリー。これは、ご承知のとおり小樽にあります北海道ワインで製造するワインのもととなるブドウを作っているところでありますが、日本一でありまして景観がすばらしかったです。日本に唯一しかない自動収穫機も拝見をいたしました。ワインもおいしかったです。ほんのちょっとだけ飲みましたけれども。
 次は砂川市の砂川市立病院を拝見させていただくと同時に、市立病院を中心とした市街地再開発をされている砂川市のご努力というものもお伺いをしました。後からご質問も出るかと思いますが、中空知の一つの医療の広域化、拠点化の中心となるところでありますけれども、施設が相当年季が入っておりまして、今立て替えということが進んでおりました。それでも医師不足、看護師不足というお話が出てきたところでありまして、そういったことをあそこの院長さんにもご協力いただく形で、北海道医療対策協議会で議論しているということであります。
 それから、新十津川の方に参りまして、農業高校にお邪魔をし、生徒の皆様方とソーセージづくり体験をさせていただきました。さすが、農業地帯の農業高校と言うことで、子ども達も熱心にいろんなことに取り組んでいるわけでありますが、ソーセージをみんなで作った後、試食をしたんでありますけれどもタコ型にソーセージを切っていただいて、おいしかったです。それから、学校の活動によっていろんな表彰を受けているという紹介もあって感心をいたしました。
 それから滝川の方に参りまして、花作り農家工藤さんというところにお邪魔して、これは、そこでいただいたデルフィニウムとかすみ草であります。とても手広くやっておられたところでありました。感動をいたしました。
 その後、滝川のホテルで地域づくり推進会議、5市5町の首長の方々と議論をさせていただきました。極めて多様な地域でありますので、農業を中心としてのいろんなご苦労もありましたし、芦別の「星の降る里」は合宿の里ということで頑張っておられますが、そういった取り組みについての話しもございました。また、医療の充実について赤平市長を中心として、そういう話しもございました。企業誘致の話、旧産炭地における財政の厳しさの話、それから権限移譲、規制緩和、全国一律ではなくて北海道らしいアイデアが重要だろうという話もあったところであります。滝川市なんかは、難病と闘う子ども達とのキャンプ実現ということに努力をすると同時に、それをまた地域おこしとしているという話しもあったところであります。
  今日は、まず、雨竜の雨竜沼自然館というところにお邪魔をいたしました。綺麗な写真、それから朝採れたての新鮮野菜、朝摘んだばかりの花などの直売所もございまして、私はワサビ大根を買わせていただきました。ぜひこの雨竜沼、多彩な美しさ、次、お邪魔したいなということも申しました。
 それから赤平に参りまして植松電機株式会社、ロケット実験の燃焼実験というものを拝見をいたしました。私がここで思いましたのは、もちろん、そういうロケットとか、本業は鉄くずの再生のためのマグネットが主たる本業でいらっしゃるわけでありますが、どこもやっていなかったらやってみようということを、一つの会社の方針としておられるということでありまして、これが道内の企業みんな本気になってやっていただいたら、北海道の再生は一発だなというふうに思いました。
 芦別で北日本精機株式会社に参りました。ご案内のとおり、ここはエクセレントカンパニー、全世界をマーケットにする企業でありまして、今は売り上げもどんどん伸びて90億円という話しです。今の時代に合った経営をやっておられるということを、実感をさせていただきました。
 歌志内の方に参りまして、ゆめつむぎ館に参りました。ここでは、旧炭鉱地域らしく子ども達に産業遺産である炭鉱を伝えたいという中で、真っ暗体験室というのに子どもと一緒に入ってまいりました。とても興味深く体験をさせていただきました。
 今日の昼は、歌志内で地域の食の観光に勤めておられる方々と、食を使って地域活性化につなげておられる方々と懇談をいたしました。ガタタンこれは芦別でしたか、おいしい中華風スープ。それからがんがん鍋、これは赤平でした。それから歌志内は、なんこ鍋。がんがん鍋もなんこ鍋もモツ煮込みみたいなもので、炭鉱の方々がパワーをつけようというので、食べていたようであります。漬け物は今流行ですけれども、歌志内のお母さん方がやっていらした。郷土の食文化に加えて、ちょっと異色ですが、上砂川に進出した企業さんが山の真ん中で、水産物の加工をやっておられるんです。イカの塩辛など。こういった取組みのことをお伺いして、北海道の大変多様な食文化についてあらためて感心しました。それから、上砂川に参りまして、株式会社メディカルセフティシステム社さんにお伺いをしました。医療のメディカル。病院から出る廃棄物の処理工場であります。リサイクルをし、結果として技術は特許を取られたと言っておられましたが、出てくるのが油なんですね。その油を使って、今石油製品も高騰しているわけでありますが、その油を使って地元の中空知地域のハウス栽培に燃料として使うというリサイクルの取組みを検討しておられる。こういったことをお伺いいたしたところでございます。
 このメディカルセフティでも、北日本精機でもそうでしたし、旧炭鉱時代の技術を最大限活用してという話を、私は大変うれしく思った次第であります。
 最後に参りましたのが奈井江の町立国保病院。ここは昨日訪れました砂川市立病院と連携をしながら地域医療の充実を図っているというお話がございました。特にありがたがられているのが砂川から小児科のお医者さんの派遣だという話しがございました。そして、地域に3名おられるというお話でしたが、開業医との連携を図っているという話しでした。例えば病院の中の様々な機器を導入する際も、地域の開業医にも使っていただくためにどういった機械がいいかということも、町役場、町長が間に入っていろんな議論をしてこの病院の医療施設を買うというような、きめ細やかな連携をしておられるというお話をお伺いし、大変感銘を受けたところであります。
 そして、今、空知支庁に来て職員訓示をした後、今こうして記者会見に臨んでいるところであります。今、申し上げただけでもおわかりになりますとおり、中空知地域というのは、農業から、旧産炭地域から、企業誘致から、本当に多様でありまして、空知地域の可能性と潜在力ということを改めて認識をしたこの2日間でありました。これが一つ目。
 

2008サミットについて

それから、二つ目は、サミット関連です。配付資料もありますが、サミット関連でいろんなことを道民会議中心にやらせていただいております。今、考えていることについて配付資料でご説明を申し上げます。一つは、首脳あるいは配偶者を歓迎する事業というのを、我々として提案をしていきたい。二つ目は配偶者の方々向けに、北海道の紹介事業をぜひやっていきたいということ。それから三つ目でありまして、首脳あるいは配偶者の方々と道民との交流事業、この三つ目について今道民の方々に広く公募をしようということが主たる今回の発表であります。配付資料の二つ目にあろうかと思いますが、この3つ目の交流事業についてはちょっと期間は短いのですが、10月の10日から31日までの間募集をさせていただこうと思っております。G8それぞれの国といろんな形で地域の姉妹都市提携なり、いろんな連携を持っておられるところもあると思います。そういったことを踏まえての創意工夫あるご提案をお待ちを申し上げているところであります。そして、そういったことを踏まえて、国に対して提案をしていきたいと思っているところでございます。まだまだ各国首脳の日程等も明らかになっていない、配偶者もどこが来てどこが来ないかわからない中でありますので、具体的に提案をしてその実現ということになりますと、さらに国との調整が必要になってくるということはおっしゃるとおりであります。ただこういった中で道内各地域、道民の方々とG8各国とのいろんな連携というものを見直していただだくということもあろうかなと思いますので、場合によってはサミットの機会では駄目だとしても、将来のそれぞれの地域との連携といった方向性を、改めて私ども道民自身が認識するということに役立てばなと、こういうふうにも思っているところでございます。
 

記者からの質問

(朝日新聞)
 空知の記者会を代表して2つほどお聞きします。
 最初は自治体病院の再編についてでございますが、2009年度から病院会計の赤字を含めた連結決算が行われるようになって、自治体財政の健全化の指標になるとなっておりますが、この空知には旧産炭地の流れもあって統合が白紙になった美唄市立病院をはじめとして、人口に見合う適正規模を超えた病院を多くの自治体が赤字を抱えて苦しんでいます。そういう中、道は8月の下旬に自治体病院の共倒れを防ぐ方策として地域医療体制の維持を図る構想案を公表しましたが、それに関連しまして実現に向けた目標年次といったものは、まだ構想段階かもしれませんがあるのかどうか。あるいはまた、実現に向けた場合、国や道から自治体に財政支援などの具体策を考えていられるのかどうかなどといった点についてお聞きしたいと思います。
 二つ目は空知地域の総合発展基金についてです。空知の旧産炭地5市1町の不適切な借入が昨年来発覚しましたけれども、その後この基金の取り崩しが可能となりました。それで5市1町の道に申請している項目の事業内容や額などの詳細、さらには時期や課題点も含めた認定のスケジュールなどについて、分かる範囲で結構ですがお知らせいただければと思います。

(知事)
  1点目は私からお答えをして、2点目の詳細の部分については支庁長からお答えさせていただきます。
 まず、自治体病院の再編についてですが、今ご質問ございましたとおり、この空知地域は旧産炭地域ということもあり、人口が最盛期から減ってきたという事情もあって、現状を見た場合、人口規模以上に大きな病院があって、そのことがそれぞれの自治体の財政が厳しい中、さらに厳しさを増すことの要因になっているということは十分に理解をしているところです。
 そして、この空知に限らず道内の各自治体病院はそれぞれの地域事情がありますが、総じて苦労しておられる。また、一方で医師不足、看護師不足ということでも苦労しておられる。そういった中で、私どもの方から北海道医療対策協議会における検討結果を踏まえる形で広域化連携構想ということを市町村、住民の方々への提案という形で取りまとめているところでございます。提案でございますので強制力はもちろんございません。それぞれの自治体ご自身が最終的にはご判断をされて、この広域連携に乗るか乗らないかということになるわけであります。
 この空知管内は構想の中では四つにグループ化されておりまして、北の方、南の方、そして、昨日、今日と私が回った中空知は二つに分かれ、合計四つということであります。中空知は、昨日お邪魔をした砂川市立病院を中核とした地域の病院の連携構想、広域化構想。もう一つは、滝川の市立病院を中心とした新十津川、雨竜を含む構想。そんなような形になっております。
 そして、ご質問でございましたこれを実現する年次あるいは財政支援ですが、あくまで基本は先ほど申し上げましたとおり、この構想は道から市町村、そして住民の方々への提案ということでありますので、この構想実現のために今段階で私ども道独自としての財政措置、あるいは国に独自の財政措置を求めるということは考えておりません。しかしながら、へき地医療を支援するという既存のいろんな政策助成メニューはございますので、そういったことの優先的な適用に向けての検討、あるいは自治体病院の様々な再編に向けて病院事業債の発行といういうことになる部分も多かろうと思いますが、それについては地方交付税の措置ということも当然議論になってまいりますので、そういったことも含めて、先の助成措置や既存の助成措置の優先的な活用、債権発行に伴う交付税措置などについて、道から国に対して当然要請は強くしてまいります。額はそんなにはございませんが、道独自の地域向けの様々な助成措置もございますので、そんな活用も念頭におきながら、まずは自治体の方々自らお考えいただく。そして、話合いの場づくりは支庁が全面に立ってやっていくということになろうかと思っているところでございます。

(広報広聴課長)
 今の構想についてなんですが、知事のおっしゃったとおりなんですが、今、パブリックコメントを始めたところです。
 ご意見をいただいた後、最終的にはパブリックコメントの結果も含めて成案になりますので今は構想の素案ということで。

(知事)
 年内をめどに成案を得たいと考えております。

(朝日新聞)
 構想案をまとめるということですか。

(知事)
 構想をまとめるということです。
  今構想案の段階で、パブリックコメントいただいておりますのでそれをまとめて、4定の議会議論をいただいた上で年内に成案にしたいということです。

(空知支庁長)
 2点目の発展基金なんですが、19年度の1回目はもう終わってます。2回目追加分ですけど今現在産炭地域振興センターの事業審査委員会を終了した段階でございます。正式にはセンターの理事会総会が11月2日を予定されています。そこでかけて認定が得られれば知事承認は11月中旬、ですから11月2日以降ということを予定しております。それでちなみに額ですが19年度旧基金、基盤整備事業等に係る取り崩し分は11億1,360万。それから新基金、新産業育成等ソフト関係は6億2,260万ということなんですけれども、審査委員会の中で、一部の市町村の事業について採算性等詰める必要があるとの意見が付されております。

(北海道新聞)
 今朝の道新の朝刊にも載ったのですが、昨日の中空知2市3町の協議会ですね、奈井江の北町長が合併構想で3市町で優先して、道からの財政支援があれば歌志内と上砂川も加える方向で協議したいという発言がありましたとなっていますけれども、これについては道からの支援がないと歌志内と上砂川が入れなくなると三つでしか合併しなくなるということなんですけれども、それについて今のところどのように考えていらっしゃるかということをお聞かせください。
 
(知事)
 申しわけありませんが、そういう明確な議論であったと私は理解をしておりません。
 要するに2市3町のうち、1市1町を残して後の1市2町で先行してやるというようなはっきりした話はなかったと思います。まずそれが一つです。
 それはそれとして、2市3町が合併を一生懸命進め検討しておられるということに対し、私は合併推進というのは基本的に当該市町村に考えていただくというのが重要だということを以前からいろんな場で申し上げておりますので、そういう意味では私自身も大変うれしく昨日は思った次第です。
 そういった中で2市3町、特にこれは奈井江の町長だったか、あるいは浦臼の町長だったかと思いますが、物心両面で道に支援をよろしくと何回もおっしゃっていて、「わかりました」と。まず、支庁の職員は徹底的に汗をかきます。今、いろんな議論に支庁の職員も一緒に入って資料作りも含めてやっておりますのでそういったこと。
 それから、石狩管内の江別と新篠津の合併の枠づくりでも、地元からご要請が出てそういうふうにしようと思っておりますことがあるのは、協議会の場に人の派遣も含めてやろうと思いは固めているわけですが、ただ、物心の「物」のところは財政支援をどこまでということは、具体的にはそれぞれの2市3町の状況を踏まえて、我々支庁を通じて具体的な話をしていきたいということで、明確なことは昨日は申し上げませんでした。
 ただ、そういった議論の中で旧産炭地域である歌志内市、上砂川町は特に厳しい財政状況にあるという議論も出ましたので、そこはそれぞれの状況がどういうふうになっているかということも支庁の職員が一緒に検討し、同時に合併を進めるために、あるいは地元の方々が二段階ということであればそれはそれかもしれませんが、私はそういう認識はないのですが、皆さん方が合併を進めたい環境整備ということについて、道としてもしっかり対応していきたいと思っているところでございます。

(北海道新聞)
 推進会議で北町長が発言をしてととらえているんですけれども。

(知事)
  1市1町財政が厳しいお話はありましたが、ただ、二段階というお話は明確にはなかったと私は理解をしています。

(空知支庁長)
 二段階という言葉は出たんですけど、それは時期的な遠近感というか、将来を視野に入れた時は二段階もあるのかなといったニュアンスで私は受けました。
 
(知事)
 1市1町財政が厳しいお話はありましたが、ただ、二段階というお話は明確にはなかったと私は理解をしています。

(北海道新聞)
 二段階という言葉は出たんですけど、それは時期的な遠近感というか、将来を視野に入れた時は二段階もあるのかなといったニュアンスで私は受けました。
 
(知事)
 記者の方々がどう判断されて書いたかということは、それはそれぞれですが、私自身はそういう認識はなかったということです。できれば一挙にいった方がいいんじゃないかと思いますけど。

(北海道新聞)
 最後に先ほどのご発言の中に、地元がお考えになるならそれはそれでというのがありましたが、それはつまりそれはそれでもいいのではないかと、それでやるのであれば支援も考えたいという意味でとらえてよろしいでのしょうか。
 
(知事)
 いつも言っているとおり、我々組合わせ案という構想を出していますが、それを実現するイニシアチブ(主導権)は、それぞれの自治体の方に考えて行動していただくことが第一だと思っておりますので、その意味では構想にこだわることなく別の組み合わせということもあり得るだろうし、いろいろ地元でお考えいただいて、我々にこういう形でというご提案があれば、それはそれで我々としてそれなりの支援をしていくということだと思います。

(北海道新聞)
 それについては財政支援という言葉が北町長から出てるようなんですけれども、そういうことについては。

(知事)
 今申しましたとおりで、具体的にどういうふうにやるかは、支庁を通じてお伺いをして対応していくということかなと思っております。

(読売新聞)
 今日、神奈川県議会の方で総務企画委員会で知事の4選禁止条例ということで可決されて、本会議で可決される見通しということでうちの夕刊にも出ているんですけれども、これまでいろいろ法律的な見解とか憲法とか地方自治法とかいろいろあるんですけれども、まず神奈川県で制定へ向けた動きが始まったことについてどのようにお考えかということと、多選をどの程度、何回当選したから多選というかいろいろ論議があると思いますけれども、多選についてどのように考えられているか、今、橋本大二郎さんが5選ということで一番多いらしいんですが、その2点をお伺いしたいと思います。

(知事)
 神奈川の知事さんは前から言っておられましたね。多選条例をつくりたいと。ただ議会との関係でなかなか実現できなかった中で、条例ですから議会の議決ですから、そういう環境になってきたということなのかなと思います。それぞれの自治体の住民の方々のお考えであることだと思います。次に私自身が多選についてどう思うかということを言えば、多選の定義もなかなか難しいですね。2選だったら少なくて、3選だったら多くて、4選だったらどうなんだという、そこの切りの問題も難しいのでなかなか法律なり条例なりで縛っていくものなのかなと、私個人としてはそのように思います。しかしながら、私自身も今2期目に入ったばかりではありますけれども、あんまり長く一人の人間が組織のトップをつづけるということは、一般論としてみればかつて浅野元知事(宮城県)が言っておられた言葉にもあったし、それから増田(現総務大臣、前岩手県知事)さんも言っておられたかな。耳触りのいい情報しか入ってこない、別の言葉で言えば裸の王様になってしまう。そういったことは私自身もそんな裸の女王様にはなりたくないですし。そういった意味では、自分自身が満足をして地域のために仕事ができる期間というのは、あんまり長くなるとまずいのかなというふうには思います。ただ、それをどこで線を引くのかというのは、やはり慎重な議論も必要なのかなと思います。

(STV)
 森林環境税についてちょっと質問なんですが、先月「森林の保全と活用方策等に関する検討専門委員会」が開催されましたが、知事はこの専門委員会にはどのような役割を期待されますかというのが1点。
 もう1点がこの専門委員会は税の導入の是非を抜きにしてという道側の要請もありまた。この税の話を抜きにしてしまうと非常にうわべだけの議論に終始しかねないのではないかなという懸念もあると思いますがその点はどうお考えですか、この2点お願いします。

(知事)
 そもそもこの森林環境税の議論というのは、昨日中空知でやりました地域づくり推進会議、知事と首長との会合、旭川での上川の皆さんとやったときに出た話であります。それはどういうことかといえば、来年サミットが北海道で行われると。環境問題が中心のテーマになると聞いていると。環境問題ということを言えば、北海道は全国の4分の1の森林面積を有していて、まさに北海道がこの森林整備ということにどういった形で取り組むか、大げさに言えば日本国全体の環境問題の取り組みの中での極めて重要なポイントになってくるだろう。そういった中で、今、必ずしも十分に森林整備が行われていないと言われている中で、やはりその財源措置としての森林環境税についても議論するべきではないかというご提案があって、道でそれを引き取って、私の強い思いもございましたので、今はさっきおっしゃった森林の保全と活用方策等に関する検討専門委員会でご議論をいただいてるという段階にあるわけであります。今申し上げたことにだいたい答えも入っていたかなと思うのですが、まずやはり考えなければならないのは、森林整備ということを通じて環境保全のために私たち人類が、あるいはそこまで大きく言わなくても、道民がどういったことをしていくことができるのかどうかということだと思うのです。北海道の森林の保全、あるいは活用策をどのように考えていくのか。そのことの検討の中で、対策をするためには財源も必要となってまいりますので、その財源措置の一つとして森林環境税ということもあり得るのではないかというようなことを、まず道民の方々にご理解をいただきながら議論をしていただく、こういったプロセスを経て、その答えとして税ということも出てくるのであればそれは検討するべきと、そういうプロセスが重要かというふうに思いまして、このようなことを今、有識者の方々にお願いをしているということであります。

(NHK)
 先ほどの4選禁止に戻るんですけれども、先ほどの知事のお話の中で条例を議会が制定してそういう環境になってきたのかなとありましたが、その意味をもう少し明確に教えていただきたいというのと、夕張で映画祭を開催することになりましたけれども、それについて道の方として何らかの支援なり助成なり考えてらっしゃるのでしょうか。

(知事)
 一つ目の神奈川県の条例は、知事自身は前から思いを持っておられたんですが、議会の過半数の賛同を得ないと条例というのはできないわけでありまして、そういった中で詳細な神奈川県の議会の状況を承知する立場にないのですが、知事の思いというのが議会の過半の方々にも通じたのかなという感想を申し上げただけであります。
 夕張の映画祭は道内外、私はどちらかというと道外の方に知名度が高いのではと思っていますが、アジアを中心に多くの海外の方々も参加していただく映画祭だったわけでありますが、ご案内のような状況の中で、今年は残念ながら実行されなかったということです。
 そういった中で、今これを復活させようという動きを市民の方々を中心にやっておられることを非常にうれしく思う次第であります。
 道からの支援ということでありますが、必要であれば、我々の既存の制度の中でできる限りの助成をさせていただきたいというのは、相当前の記者会見で問われ、お答えした記憶もあるわけです。ただ、道の支援だけで成り立つものではありません。むしろ民間の多くの方々に財政支援をしていただいて、中心となるのは市民の方々だと思いますが、そういった民間の方々のご努力がない限りは復活は不可能だと思いますので、その意味では、道は財政支援は些少のことになり得るかと思いますが、むしろそれ以外のいろんなお声をかけるというようなコーディネーターと言うんでしょうか、そういった意味での支援も含めて我々もやっていきたいと思っております。

(NHK)
 今回いらっしゃった中空知は道内有数の穀倉地帯の一つなんですけれども、例えば道東方面とかで酪農地帯の農家と比べますと、例えば後継者が少ないですとか、1軒当たりの経営規模が小さくて経営が大変だというような声もたくさん聞かれるんですけども、そのへん知事として何らかの手だてをしたいとかそういう考えはありますでしょうか。

(知事)
 後継者不足の問題というのは、空知に限らない全道の酪農地域の方々も必ずおっしゃる農業の抱える大きな問題と思っております。そのための手立てというのは、要するに人をいかに確保するかということに尽きるわけでありますが、その人というのは本来では農業をしておられる方のお子様とかが、営農を進める上では皆さん方のご希望だと思いますけれども、必ずしもそればかりでは対応できないので、道外の例えば都会に住んでおられて自然の中で住みたいという方々に定住をしていただくというような、農業に入っていただくというような、それを我々地域の方々、地域の自治体等と連携しながら対応していくという努力もしております。また、研修ということも重要でありますので、そういった人づくりを地元の方々と一緒に、場合によっては大学も巻き込む形でしていくということも重要でしょうし、また新たに農業を始めるとなりますとお金も要りますので、資金面について農業関係の団体の方々と連携をしながらしっかり助成をしていくということも重要でしょう。そういった色々な後継者不足対策というものも、今までも道はしてまいりましたが、これからもしっかりしていかなくてはならないと思っております。また法人化ということも今の後継者不足のなかの一つの答えになってくるかと思っております。法人方式でする場合には、複数の方々が集っていますので、リスクを分けることもできますし、また一定規模確保することもできるということで、農業法人を含めて法人化ということはこれまでも少しづつ進んできておりますが、これからも更に進んでいくかなと思っているところでございます。
 それから、経営規模の問題も難しいですね。確かに十勝なんか見ますとすごく大規模にやっておられますし、逆に道南の方を見ますと極めて規模が小さいとか、多様な農業の規模の形態というのはあるかと思うところでありまして、重要なのはそれぞれの規模に合うような形で農業を続けていただくための、そしてそれを更に拡大していただくための色々な支援を農業関係の団体の方々、あるいは市町村と連携しながらしていくことかなというふうに思っております。品目横断型の政策というのは、主として北海道における大規模な農業経営をモデルとして念頭に置きながら、農水省が展開を始めたというふうに理解をいたしているわけではありますが、それでもやはり北海道の中での多様な農業の規模を含めて形態があるわけでありまして、北海道からも農業政策のあり方について既に農水省には発信をいたしておりますが、今始まった品目横断型政策についても一定の発言をしていかなければならないかなと、こんなことも思っているところであります。

 

 


 

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