知事定例記者会見(平成19年10月26日)

知事定例記者会見

・日時/平成19年10月26日(金)14:01~14:21  
・場所/記者会見室
・記者数/23名(テレビカメラ2台)

会見項目

  

知事からの話題

 1 北海道高校生環境サミットの開催について
 2 民間企業との協力・連携について

 

記者からの質問

 1 セントラル自動車(株)の車体組立工場の宮城県への移転について
 2 自動車産業を中心とした道央圏でのものづくり産業について
 3 日ロ外相会談について
 4 文部科学省が実施した学力テストの結果と今後の取組みについて
 5 平成19年度北海道原子力防災訓練について

知事からの話題

 

北海道高校生環境サミットの開催について

それでは、私からは2つ話題提供をさせていただきます。
 一つ目は、北海道高校生環境サミットの開催でございます。お手元に資料があるかと思いますが、明日、明後日2日間かけて洞爺湖周辺に、北海道のあらかじめ選ばれた高校生が集まりまして、環境をテーマに様々な観点から議論を行うと、そしてこれからの北海道や地球環境の保全について、宣言をするということになっております。私も二日目の明後日現地に参りまして参加をさせていただき、参加8校の高校生の意見や発想をお伺いしようと思っておりまして、楽しみにいたしているところでございます。
 この高校生サミット、せっかくやりますので、先般千歳で開催が決まりましたJ8サミット、私の気持ちとしては、ぜひJ8サミットの日本側メンバーとして今回の高校生から一人でも二人でも選ばれればなと思うのですが、この審査については、英語の能力など、ちょっと別の観点の審査というものもあるようであります。こういうのはやっぱり帰国子女がとても優位かなと思いますので、北海道の8校の高校生達がJ8のそのままのメンバーに入れるかどうかはなかなかわからない部分があろうかと思いますが、その場合でも、せっかく北海道でJ8が行われますので、そのメンバーとの交流の場をぜひ実現していきたい、そんなふうに思っているところでございます。

民間企業との協力・連携について

二つ目は、今日実はこの会見の後、立て続けに三件ばかり民間の皆様方との協力ということをやらせていただくわけでありまして、一括ご説明ということであります。
 一つは、雪印さんとの包括連携事業ということで、協定の調印式を行います。これは伊藤忠さん、サッポロホールディングスさん並びにサッポロビールさんについで、3番目の提携となるものであります。これの関係で配付資料、タイアップ事業というのを今までいろんな民間企業の方々からご協力をいただいていることをまとめてございますが、一つだけご紹介するとすれば、上から3つ目、環境教育絵本「きっとまたあえる」というのがありまして、これはものを大切にしようという趣旨のとてもかわいい絵本でありますが、これの増刷を住友生命さんからのご寄付を使ってやりまして、道内の保育所に配付をするということになっておりますなど、いろいろと今協力をいただいております。
 それから16時半から、今日、北海道銀行さんからサミットに対する協力支援の申し入れがございまして、その関係で頭取とお会いをすることにいたしております。堰八頭取が来られて、道銀として様々な形でサミットに協力をする趣意書をいただくことになっております。
 それから17時から不法投棄等撲滅協定ということでありまして、不法行為などの通報をいただくことによって、違法行為の未然防止、それから不法投棄などの早期発見、早期対応を図るために農業協同組合中央会、北海道森林組合連合会、そして、北海道漁業協同組合連合会、要するに第一次産業の農林水産業のそれぞれの道内の組合の皆様方と、このことについての協定を締結をすることにいたしているところでございます。

記者からの質問

(北海道新聞)
 先日、トヨタ自動車の関連会社の車両工場が宮城県に造られるということが発表になりました。知事も苫小牧市さんと一緒に誘致活動を展開していらっしゃいましたが、車両工場はそんなに頻繁に造るものではありませんから、これで北海道への誘致は当面遠のいた、場合によっては将来も無理なのではないかという悲観的な見方もございます。
 知事は知事公約以来、一貫生産を目指すということもおっしゃってますので、この実現の可能性について現時点でどのように認識していらっしゃるか。
 それともう一つ、自動車産業を中心に道央圏でものづくり産業の振興を図るということも知事の公約でございましたし、今現在、産業振興条例の整備も進めていると思いますが、この中には自動車産業が一つの核になるという位置づけであったと思います。引き続き自動車産業に重点を置くようなやり方でいいのかどうかということも含めて、この2点伺います。

(知事)
 トヨタ系のセントラル自動車さんが宮城県に進出を決められたということでありまして、私も今ご質問のとおり、苫小牧市長さんなどと連携をしながら誘致活動をやってきた立場から残念であります。
 今回の宮城県への進出というのは、年間十数万(台の生産規模)のセントラル自動車の移転ということが核になるようでありまして、これはこれでこういうことかと思うわけでありますが、思い起こせば、私もトップセールスを今までいろいろとやらせていただいておりますが、もちろん知事が行ったから全てうまくいくわけではなくて、ダメになったものもいくつもあるわけであります。ただ、引き続き、これからもこういった努力はしっかりとやっていこうということは当然のことと思っているところでございます。
 このセントラル自動車の関係でひとこと公表させていただければ、23日の15時半頃だったと思いますが、企業としての発表があるちょっと前にトヨタの社長室から私どもの秘書課に連絡があって、私は外勤でどこかへ行っていて不在だったのですが、本来であれば、トヨタの社長から直接知事にこういう経過で今回は宮城だけれどもと申し上げるべきなんだが、時間がないものでというご連絡があったわけであります。こういった反応があっただけでも、私が何回もセントラル自動車へ働きかけをしたということが無駄ではなかったとうれしく思ったわけであります。自動車産業、特にトヨタグループについては、これからも時間を見つけては誘致活動をしっかりやっていくことによって、将来的に完成車、あるいは部品でももっともっといろんな形での誘致をやっていく可能性は多々あろうかと思いますので、引き続きしっかりやっていきたいと思っております。
 それから、道央圏のものづくり集積についての重点を引き続き自動車(に置く)かというご質問ですが、自動車が今最も元気のあるものづくりの分野であるということは事実でありますので、引き続き自動車関連もしっかりやっていこうと思っているわけであります。 加えて、バイオで創薬に向けての動きが北大北キャンパスで大阪の塩野義製薬さんの動きも出てきておりますし、また、同じ創薬関係で千歳の方で世界初というような、固有名詞は言いませんが、薬の本格生産も期待されていることなど、ものづくりというのはとても深みのある分野でございます。引き続き自動車関連を主たるターゲットに置きながらも、それ以外の幅広い分野での道内のそれぞれの地域の特性にあったものづくり企業の誘致、あるいはそういった誘致企業としっかり取引ができる地場企業の育成を、支庁とも連携しながらしっかりとやっていきたいと思っているところでございます。                

(共同通信)
 23、24日と日ロ外相会談があったと思いますけれども、その後ロシアの新聞社が歯舞、色丹の二島を返還することを条件に日本側が平和条約を結び、その後国後、択捉について交渉を継続するというような非公式の打診をしたという報道があったのですが、その真偽はともかくとして、知事としてはこの歯舞、色丹を先行して返還してもらってその後、国後、択捉について交渉を継続するという段階的な返還論についてはどうお考えでしょうか。

(知事)
 今回の日ロ外相会談で、どのような非公式な動きがあったかというのは知るよしもありませんが、日本国政府が否定しておられるのでそのように理解するしかないと思います。 北方領土の返還につきましては、二島返還論であるとか、あるいは面積的にはだいたい三島でいいということで三島返還論であるとか、いろいろな立場のいろいろな方々から、国内だけ見てもいろいろな議論が出ているというのはこれまでの経緯だと思っているところであります。
 基本的な立場は、本来いかなる外交的な経緯の中においても日本国の領土であるということ以外のことを論拠とすることはないというのが基本認識でありますので、一括返還というのが原則であるという認識は全く変わっていない、微動だにしないわけであります。しかしながら、戦後60年も時間が経っている中で、現実的なこの問題の解決、そしてその先には平和条約の締結ということがあるわけでありますので、そういったことについて様々な立場の方々が、引き続きそれぞれの立場でいろいろな議論を展開していただくということは、私はそれはそれなりに意味はあるのかなと、このように思っているところでございます。
 今日、ニキータちゃんという火傷の男の子のお見舞いに行ってきましたけれども、我々地元としてできることは、こういった交流を少しでも幅広くすることによっての環境整備をすることだと思っておりまして、交渉自身は日本国政府が外交上の課題として高い高いプライオリティー(優先順位)付けをしっかりとやっていただきたい。それで、来年の北海道洞爺湖サミットの際も、以前の記者会見で申しましたとおり、サミット自身の話題にならないというのが最近の方向でありますけれども、バイラテラル(2国間)な日ロ間の首脳会談の中でしっかりと取り上げて、一歩でも前に進むような努力を是非していただきたいと思っております。

(NHK)
 先日、文部科学省の学力テストの結果が公表されまして、北海道はあまりかんばしくない結果が出ているのかなと報道も含めてそういうトーンだったと思うんですが、知事ご自身の率直な感想と、やはり学力は低いよりは高い方がいいはずなので、どういった取組みを今後していく必要があるかその辺の認識をお伺いします。

(知事)
 私も母親でありましたし、かつて子ども達の受験で一生懸命努力をした経験もありますので、最初報道を見たときは大変にショックを受けたわけであります。
 しかしながら、よく考えてみますと別に成績が良ければその人が世の中でより貢献できるということでもないわけでありまして、その意味ではああいった学力テストの結果という全国の都道府県ランキングを北海道の子どもたちの現状としてしっかり受け止めて、これからの北海道の子どもたちの教育の中でどういった部分に工夫をしながら教育をしていけばいいかということの参考にすることが必要かなと思っているところでございます。
 今後、国から詳細なデータが道教育委員会の方に提供されると聞いておりますので、そういったことの分析を踏まえながら、道教育委員会と共に北海道の子ども達の学力の、単に順位が上がればいいということではないと私は思いますが、より充実した豊富な知識と創意工夫に優れた子どもたちを一人でも多くしていくために我々として何ができるか、そういったことを考えていきたいと思っているところでございます。
 後先になりますがいつも言っておりますとおり、北海道の将来の国づくりで一番重要なのは人づくり。我々の次の世代を担っていく子どもたちをいかに健やかに育てていくかということでありますので、そういったトータルとしての人材づくりの中で、今回の学力テストの結果ということもしっかり参考として踏まえてまいりたいと思っております。
 
(NHK)
 来週北海道原子力防災訓練がございますけれども、確か北海道の知事としては初めて現地視察をされるやに聞いておりますけれども、知事は現場でどういったことを視察で確認して、現場をご視察されるということでどういったメッセージを道民、全国の方々に発していきたいと考えていらっしゃるかということをお聞かせください。

(知事)
 私も初めてであるということは、現地に行くということを決めた後知らされたわけでありまして、結果としてそういうことになったのでありますが、今回10月30日に行われます原子力防災訓練で現地入りしようと決めた気持ちの中の背景は、最近泊原発でいろんな形でいろんな問題が起こっているということ。特に私的にショックだったのは1号機で非常用の発電機が2台ともトラブルが起こったというような中で、やはり住民の方々、あるいは地元自治体の方々のご不安は相当大きかったのではないかと推察をし、こういった中で今年の防災訓練で住民の方々に安心をしていただくためにも、私自身が現地に入って現状を拝見させていただく、まだ詳細な日程は把握しておりませんが、場合によっては住民の方々とちょっとお話しをするとか、そういった形で現地で参加させていただこうと決めたところでございます。
 その意味では原発として現に動いている1号機、2号機を中心とした今回の訓練だと思いますが、工事現場である3号機でも例の不審火のトラブルが頻発しているところでもありますので、もし時間が許せば拝見をさせていただければという思いも持っているところでございます。また詳細が明らかになった段階で、報道各社にも情報をご提供申し上げたいと思っております。

 

 


 

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