知事定例記者会見(平成19年11月6日)

知事定例記者会見

・日時/平成19年11月6日(火)16:16~17:03
・場所/記者会見室
・記者数/33名(テレビカメラ6台)

会見項目

  

知事からの話題

 1 新たな行財政改革の取り組みについて
 

記者からの質問

 1 新たな行財政改革の取り組みについて

知事からの話題

 

新たな行財政改革の取り組みについて

今日は定例記者会見ということではございますが、私から行財政構造改革の今後の方向性についてお話をさせていただきたいと思います。
 本日午前11時から道庁内の行財政構造改革推進本部会議を開催いたしまして、新たな行財政改革の取組みの見直しの方向性を決定し、その内容について、先ほど道議会の総務委員会でもご報告を申し上げたところでございます。具体的な中身、詳細につきましては、後ほど総務部長より改めて皆様方にご説明させていただきたいと思っているところでございます。
 これまで道職員の協力ももらいながら、歳出の聖域なき見直しをしてまいりまして、一方で歳入確保の努力など、とにかく一生懸命やってきたところでございます。しかしながら、我々の想定をはるかに超えるような状況になってきておりまして、大変不本意ではございましたが、収支不足額は拡大の見通しとなってしまったということであります。
 こうした中、これから成案を得るべく道議会の議論あるいは職員団体の議論等を重ねなければならないという意味では見直しの方向性の案ということでありますが、これは道財政の置かれている現状を踏まえ、真に持続可能な行財政構造を作っていくことを目指すものであります。ここまでの我々の認識の中で、借金が借金を生んでくるといった状況が続いてまいりまして、平成3年度段階では2兆円にも満たなかった道債残高が今や5.6兆円まで増えてしまった。こういった中で、借金を返すために借金をするという連鎖を断ち切る真の財政構造改革をしていかなければならない、このような思いに至ったところでございます。
 このため私は、平成20年度から26年度の7年間を新たな立て直しのための期間と捉え、目標年度の26年度末の道債残高を現在よりも10%程度圧縮するという明確な目標を立てました。とりわけこの7年間のうち厳しい財政運営が想定されます前半4年間、平成20年度から23年度までにおいて、様々な対策を集中的に実施し、基礎的な財政収支の改善を図り、安定した財政構造を構築していけるよう不退転の決意で取り組んでいく考えであります。
 具体的には、公共事業費につきましては今後4年間、毎年度10%程度の削減を予定します。また、直轄負担金につきましては5%程度削減します。一般施策事業費につきましても、平成20年度は10%、その後3年間は5%程度の削減を予定しています。
 職員の人件費につきまして、平成20年度から23年度までの期間において、改めて一定の縮減を行わざるを得ないと判断しまして、特別職に係る措置として知事給料の25%、副知事の20%の縮減などを考えております。また、一般職の職員に係る措置としましては、給料の9%縮減や管理職手当の20%縮減などの内容を、昨日、職員団体に提示したところであり、これから協議を重ねてまいりたいと考えています。
 他方、このような危機的な状況を乗り越えていくためには、道内部の歳入、歳出の見直しだけではなく、北海道経済の活性化に向けての前向きな、攻めの政策が重要であることは論を待たないわけであります。北海道を元気にするために、例えば道内の社会資本整備に当たっても、本道の活性化、道民生活の安全、安心に資する整備の重点化など、メリハリをつけた形で、攻めの取組みをしっかりとやっていかなければならないと思っているところでございます。また、来年開催が決まっている北海道洞爺湖サミットに伴う様々な波及効果を最大化するための努力を我々道庁はしていかなければなりませんし、引き続き企業誘致の取組やものづくり産業の育成などの努力、さらには地域ならではの食、観光のブランド化の加速など、私たちが力を合わせて、それも予算をあまり使わずにできることはたくさんあると思っているところでございます。
 私は道民の皆様の暮らしを支える本道経済の活性化と自立型の経済構造への転換を目指して、こうしたことをひとつひとつ積み重ねていく考えでございます。また、ここで一つ強調したいと思いますのは、こういう厳しい財政状況にはございますが、道民の皆様方の命に関わる医療や福祉といった暮らしの面については、最優先で対応していきたいと思っているところでございます。
 いずれにいたしましても、道民の皆様方にはこれまでも行財政改革の推進にご理解とご協力をいただいてきたところであります。今回さらなる各種施策の見直しなどによりまして、皆様方の生活あるいは経済活動に様々なご負担や痛みをさらにお願いせざるを得なくなったことにつきまして、道政を担う知事といたしまして大変申し訳なく思っているところでございます。今、私たちがやらなければならないこと、その一つは、私たちの次の世代を担っていく子どもたちに借金という負の遺産をできる限り残さない、このような努力をしていくことだと思っております。また、もう一つは、将来を見据えて、揺るぎない経済と財政の基盤をしっかりと作り上げることではないかと考えております。
 こういったことを実現するために、これから来年度予算の成案を得るまでの間、精力的に働いてまいりたいと思っておりますので、道民の皆様方にはどうかご理解とご協力を心からお願いを申し上げます。

 

記者からの質問

(NHK)
 職員の給与カットの件ですけれども、2年間10%だったんですけれども、今回は4年間9%という案を示されているんですが、10%と9%の違いはどういうところにあるのでしょうか。

(知事)
 違いというか、確か昨日釧路で御社の同僚の方がご質問されたかと思うのですが、2年間、9%、10%ばかりが数字的なことでわかりやすいので、皆様方のご関心の的になっているのかと思いますが、加えて期末勤勉手当のカットなど相当程度重い形での人件費の縮減をやらせていただいたところであります。このことは2年間で終わりだということは、再三申し上げておりましてこのような措置についてはこれで終わりでございます。その上で、20年度以降の予算を考えた場合に、様々な環境変化の中で、予想以上の歳入不足と収支差が認識されまして、それをいかに埋めていくかということであらゆる費目を聖域なき形で見直しをしたと。そして、そういった中でどうしても人件費にも一定の縮減をして対応しなければならないという事態になり、そういった中で今回の提示内容、資料の2にございますけれども今おっしゃったとおり、月給支給額の9%の縮減、そして管理職手当20%の縮減等という中身といたしたところであります。

(北海道新聞)
 重ねてで恐縮ですが、人件費の関係で二つお伺いします。一つは、今回月額給与の9%という数字を出されましたけれども、これに関係して9%の根拠といいますか、例えば民間の例でいけば期末手当というか一時金というかボーナスの方をカットする手法もあると思うのですが、今回の期末勤勉の方はやらないということで月額給与9%ということで、この検討過程の中では、いろんなオプションがあって最後に知事が9%という数字を決断されたかと思うのですが、例えば月給6%、ボーナス6%とかいろんな選択肢があったかと思うのですが、9%にした根拠とボーナスをいじらなかった部分の背景をお聞かせ願いたいのと、もう一点は知事選の時に話しが戻って恐縮なんですが、知事の先程のご説明でいけば、前回の給与縮減措置と今回のは違うということだと思うのですが、知事選の出馬会見当初は給与縮減については、緊急避難措置という言葉をお使いになって二年限りということだったのですけれども、その当時、今日というこういう事態を迎えるかもしれないという予想があったのか、それともこういう事態は知事選の出馬の時に全くご存じなかったのかというどちらかの事実関係と、これについて何らかの責任をお感じになっているようでありましたら、その責任ついてもお聞かせ願えればと思います。

(知事)
 一つめの質問は、今NHKの方にお答えしたことと大体一緒になってしまうんですが、そもそも利益を産むことを究極目標として活動している企業の場合と、我々はあくまでも行政というのは行政サービスを目標とする主体なので、そこはまず判断の基本的なところが違うかなとは思います。しかしながら、いろんな組み合わせがあったのは事実だと思いますので、そういった中でなぜこの選択肢にしたのかというご質問だと思うのですけれども、先程申しましたとおり、いろいろ詰めて見極めをして、やはり歳出をカバーするだけの歳入が見あたらないという中で、どこで歳出カットをするかということをあらゆる費目を聖域なく見直したと。事業費などいろいろやって、やはりどうしても一定の人件費に縮減という対応をせざるを得なかったという中で、いろいろな検討を加えたわけでありますが、そういった中で最終的に今回のような提示を方向性の案を提示をさせていただいたということであります。
 それから、知事選出馬の時の思いですね。知事選出馬を決めたのは最終的に決めたのは去年の11月くらいだと思いますが、その段階では選挙に勝てるかどうかということもわからないわけでありまして、必ずしも詳細なその先の道の財政状況等について、しっかりとした思いを持っていたわけではございません。しかしながら、現職知事として2年間のこのような形での独自縮減というのは廃止をすると。これは私自身が当選をした暁にはそのように実行するということは固く決めていて、そのような発言をさせていただいたということであります。

(HTB)
 それに付随しての質問ですが、こういうニュースが出てからいろいろ取材をしたところ、独自の縮減策2年間廃止というのはそもそもの人件費のカットが今年度終わるという認識を持っている人がほとんどでした。ですから、こういう形でのご提案というのは公約あるいは組合との約束を違反したものではないかと指摘する声があるのですが、いかがでしょうか。

(知事)
 そのことを含めて、組合、職員団体の方々と協議をしていかなければならないと思っておりますが、私自身は公約違反でないと思っております。しかしながら一方で、先程から申し上げておりますように、思い以上に事前の見通し以上にこの収支差というものが出てきてしまったと、事前になぜ見通せなかったんだというご指摘があることは事実でありまして、そのことは重く受け止め、そして申し訳なく思っているところであります。

(読売新聞)
 今回の見通し案の中で、対策後収支不足が26年度まで90億円から50億円という間で生じているんですけれども、見直した上で収支不足が残ることでこの見直しに対する信頼性が担保できるのかという点と、例えば、人件費10%で現行のまま続けるともっと収支不足額のギャップが埋められると思うんですが、そこに踏み込まなかったのはなぜかという点をお願いします。

(知事)
 一つ目の、対策をぎりぎり打っても不足額が残るというのはおっしゃるとおりの見込みを立てました。それはぎりぎりとれるであろう対策を積み重ねてみて、その上でどうしてもそれ以上は無理であろうという考え方の中でこれだけの収支不足額を計上せざるを得なくなったわけでありますが、これくらいの金額であればその時々の状況の中で、例えば予算執行の方法を見直すなどによって対処できる、あるいはしていかなければならない額ではないかという見通しの下で、ぎりぎり歳出の項目への削減を見込んだ数字の結果として出させていただいたところであります。その意味では、二つ目の質問で人件費をもうちょっと切れば簡単に手当てできるだろうというのはある意味ご指摘の通りかも知れませんけれども、やはり人件費というのは職員の方々の生活がかかっている部分でもありますので、先程来いろいろ申し上げておりますとおり、他の費目を一生懸命手を付けて、どうしても対処できない部分についてどのように考えるかということで出した数字でありますので、私どもとしては、こういった数字以上はなかなか難しいのではないかなと思っております。

(毎日新聞)
 先ほど道議会総務委員会の中でも質問にあったんですけれども、平成20年度から平成26年度までの見通しの中で歳入の道税、交付税の費目が年々少しずつ増えていくという見通しになっておりますけれども、これに対して果たしてこのような見通しがとれるのかというような不安の声も出ておりまして、まずこの点お伺いしたいと思います。
 更にもう1点なんですけれども、道税、交付税が年々少しずつ増えていくという見通しの上での現在の職員の縮減4年間という数字だと思うんですけれども、これはもう4年間につきましては今回公約違反ではないというお話しですけれども、2年間と言うことが4年間ということになったわけですが、今後4年間終わった段階で更に延びるということはもうないということになるんでしょうか。

(知事)
 まず一つ目の道税と交付税の内訳について、総務部長、言っていただけますか。

(総務部長)
 その点につきましては先ほど総務委員会でもお答えしてますが、2定補正後の収支試算では税源移譲分を除いて同額と見込んでいたところです。この度収支の試算精査をいたしまして、平成20年度のところを考えますと、今年度、平成19年度普通交付税の決定に伴いまして、100億円程度普通交付税が増額しております。
 そして、今回の増分で新たにいろんな財政需要を見込んだところでありますが、財政需要は全国的な制度的なもので、財政需要を見込む場合は当然交付税に算定されるということも考えないといけませんので、後期高齢者医療制度の導入などの新たな財政需要を見込んだことに伴いまして、所用の一般財源が確保できることが見込まれるのではないかということと、さらに全体的な方向性としてこれがずっと確実なものかどうかというのはありませんが、一つの目安として総務省が概算要求時に示した地方一般財源の伸び率0.3%を参考とすると、毎年度40億円程度の増収を見込むということもございますが、さらに個人道民税とか自動車税とか徴収率の低い部分については、さらに徴収の努力もしていかなければならない、そういうことも勘案した伸びの額を一定程度見込んでいるところでありますが、全体の額からいくとなかなかそれほど高い伸びではないということも言えようかと思います。

(知事)
 道税については徴収努力等で少しは伸ばしていくということ、それから交付税も少し延びることを想定しているわけでありますが、これはフリーハンドで使えるお金が延びるということではなくて、後期高齢者医療費等の基準財政需要、要するに需要がこれだけあるだろうからということで算定が組まれているということでありますので、必ずしもそのことによってゆとりがあることにはならないというのは、そういうことであります。私的には中央政局もなかなか与野党が拮抗していて、そういった中で地域の疲弊に対応しようと与党の方も野党の方も競争しながらやろうとしておられる中で、我々自治体の疲弊という辛さもいろんな形で中央の政治家の方々にも届いていると認識しておりますので、そういった意味では、私どもの堅めの見込み以上に交付税等でゆとりが出てくることを心から期待をしております。
 それからもう一つの方は4年後どうなるのかという話ですが、17年度からずっと粛々と行革を進めてきております。それはこの資料の中でも書いてございますとおり一歩一歩行程表を組みながら一つ一つのことを進めてきております。そういった中で職員数の適正化の効果も後期になってきますと出てまいりますでしょうし、それ以外の行革の様々な費目の効果も出てくることになって、私としましてはこの見通しの表にあるような形で推移させると考えております。

(朝日新聞)
 2年前に出された新たな行財政改革の見通しが甘くて今回修正に至ったという感じで見ているんですが、このことに対する責任というのは、どなたがどういった形でとるのかというのを教えてください。

(知事)
 一昨年度に行革の方向性というものを出し、それに添って新たな行財政改革の取組みを粛々と進めてきたところであります。ここの資料にもございますとおり、2年間で1,800億の予定をしていた対策は予定どおり行われているという現状。更には行政改革の取組みも粛々と進めているという現状にあります。そういった中で先ほどの説明の繰り返しになりますが、我々の想定を超える以上の形で一般歳入の部分の減少が見られた。更には制度改正に伴う後期高齢者医療制度がスタートする。あるいは金利の上昇に伴う負担増などというふうな事象の中で、一昨年、2年前には想定できなかった歳入歳出の差というものが出てまいりまして、道財政自身はもともと平成の最初の頃からの道債発行の道債償還費が大変重く、ゆとりなくやってきた中で、そういった予想を上回る形での歳入歳出の差額に対処しなければならなくなったというのが今の現実でありまして、その意味で一つ一つの事象についてご説明できるわけでありますが、結果といたしまして事前に収支をしっかりと見通すことができなかったという事実があるわけでありまして、そのことのご指摘に対してはそのことを重く受け止め、責任を感じ、申し訳なく思っているところであります。

(毎日新聞)
 職員の給与の関係に戻らせてください。先ほど公約違反ではないとおっしゃいましたが、数字は違えど形の上はカットということには変わりないと思うんですけれども、もう少し公約違反ではないという根拠を、常識的には公約違反だと考えるのが普通なのかなと思うんですが、その公約違反でないという根拠をもう少し教えてください。

(知事)
 この2年間を含めて、その前も独自縮減で職員の方々にはご協力をいただきながら財政運営をやってきたわけであります。そういった中で、この2年間は日本一厳しい職員給与への縮減対応ということをやらせていただいたわけでありまして、それを今回断ち切るということがまずスタートラインであります。その上で20年度の予算編成というものを考えた場合に、先程来申し上げていたような収支差というものが出てきた。私ども何としても避けなければならないのは赤字再建団体に入ってはいけないという、これは道がつぶれてしまうということでありますので、そういった中であらゆる歳出費目をしっかりと聖域なく見直しをし、その上でどうしても人件費にも手を付けざるを得なくなったと、こういうふうにご理解を頂きたいと思います。

(北海道新聞)
 どうしても引っかかるのが公約違反じゃないというところなんですよね。結果的に、いろいろな理由は知事おっしゃったわけですけれども、結局、独自縮減を元に戻すとか、あるいは元に戻すというおっしゃり方も知事されていたと思うんですけれども、結局、目標は達成できなかったということではないでしょうか。職員からすれば給料は元に戻らないわけですから、そこら辺、常識的にすると説明としてはいかがかなという気がいたします。それが1点。もう1点は、北海道の経済に対する影響。これだけ投資的経費を毎年切っていくということですから、4年後になると相当低くなるわけですよね。このことによって特に公共事業に依存する体質のある地方の経済への影響をどのようにお考えになっているかということと、将来的には、別の場所で知事おっしゃっておりましたけれども、新幹線の地元負担に耐えられる、それをのみ込める体質にするんだということもおっしゃっていた。ということになりますと新幹線を引くところとそうではないところとの経済の格差、これを拡大してしまうのではないかというそんな懸念もあると思うんですが、ここら辺は知事どう見てらっしゃいますか。

(知事)
 一つ目の件はさっきと繰り返しになりますけれども、私はこのような措置はとらないというのは何回も申し上げておりまして、そのように認識をいたしております。
 しかしながら、20年度の予算編成ということを考えた場合に収支差が予想以上に延びてしまったということをどういうふうに対処しようかとあらゆる費目を聖域なく見直した後、どうしても一定の人件費での対応もしなければならなくなったと、このようなこととご理解をいただければと思います。
 一方で公共事業カットの道経済への影響ということ、これは今日も道内の経済関係の方々に我々幹部手分けしてご説明している中でも多くの声が寄せられているところでございます。特に地域の方が疲弊している中でどうするんだということはきめ細やかな説明が必要だというご指摘もいただいているところでございます。その意味では私の思いとしては、先程来言っておりますとおり赤字再建団体にはしてはいけない。そのためにはどうするかということで、経済界の方々から見れば人件費の切り方が少ないというご指摘が出るでしょうし、また職員団体の方から見ればもっともっと他費目を手を付けて人件費の切り幅を少なくすべしということもでるでしょうし、いろんなお声がそれぞれあろうかと思いますが、そういった中で私として苦渋の判断として今ご提示をした方向性の案を出させていただいたところであります。
 こういった中で道経済への影響をどうするのだということとの関係で言えば、先ほど申しました例えば企業誘致活動であるとか、あるいは道内企業、技術はあるけれどもなかなか育っていかないような企業をいかに育てていくかということ、あるいは前から比較優位を持っております1次産業の水産、それから林業も方向性が出てまいりましたのでそういったことの振興、それから観光の北海道ブランド化など、あらゆる政策手段を使って北海道の経済の自立的な構造を創っていくという努力はしっかりとやっていかなければならない。そういった中で新幹線だけでなく、例えば道央道も帯広まであと3年くらいとなった段階で、帯広以東はどうなるんだとか、常にいろんなバランス論というのは出てくるわけでありますが、そういったことにも目配りをしながら地域のバランスのある発展を成し遂げていくためにはそれぞれの地域の特性を生かした産業づくり、ものづくり、あるいは観光振興など地域にあった経済政策、地域政策の展開ということが不可欠かなと思っております。

(NHK)
 財政再建策全体を見て、ギリギリのところでなんとかお金を浮かせて財源不足をおぎない、道債を少しでも返済しようという姿勢は感じられますが、これまでなかなか見通せなかった更なる歳出の増加とか収入の減少とかがまた今後も出てくるのではないか。本当に今後これでやっていけるのかどうかという不安なんかも道民の方々も思っていると思うのですが、これが最後のラインでこれ以上は崩さなくて済むんだと言えるような内容の策になっていますか。

(知事)
 先ほどのご質問と同じような雰囲気のところもあろうかと思いますが、私どもこういう形で新たな行財政改革の取組を始めて3年が経過したところであります。相当大胆な工程表を具体的に作りながらやってきておりますので、現に2年間で1,800億収支差を埋めることも達成をしつつございますし、加えて札医大の独法化を始めとして、人員適正化計画の粛々とした実行を含めて全て達成をする見通しを建てつつ今進んでいるところであります。そういった中で、これからの7年間を前半後半と分けて、特に厳しい財政運営が想定される4年間を前半の集中的な対策期間としてご説明を申し上げているような対策を取ることによって、その前に申し上げた17年度からスタートしております様々な行財政構造改革の効果というものが後半には明らかに出てくるであろうという中で、私は26年度までに先ほど申しました道債残高を5兆程度までもってくる。とにかく次の世代の子どもたちに負の遺産、借金はできる限り残さないということの達成をやっていきたいと思っているところであります。

(毎日新聞)
 収支不足の根本原因の一つである国の交付税ですが、先ほどもゆとりあるものになればと望んで期待したいというお話がありましたけれども、例えば知事として知事会とか地方6団体などいろいろあると思いますけれども、国に対しての強い働きかけをこれから行っていくような考えはございますか。

(知事)
 既にやっております。総務大臣、総務事務次官、特に総務事務次官は北海道のご出身でもあるので東京に行くときには時間のある限りはお顔を出したりいたします。そういったときにも、まず申し上げるのは交付税総額の確保ということでありますし、知事会の場などでも、私は発言で必ずと言っていいほど交付税総額の確保ということの発言させていただいております。また私名で様々な要請文書を国に対して、私自身が全て行くわけにはいきませんので、要請活動を文書をもってする場合にも必ずこういったことをトッププライオリティ(最優先)の要請事項として掲げさせていただいてきているところであります。
 最近の政治情勢の中で今までよりも与野党との、あるいは政府もこういった問題に目を向けつつあるのではないかというのは、とてもうれしく思っております。それから、公共事業の議論でも国の負担部分について3パーセント減にするとかしないとか、さらに高めるとかという議論ばかりが先行してますが、実際の公共事業というのは先ほどから申し上げているとおり、国直轄事業といえども我々地方負担というのは必然的にあるわけでありまして、その意味では、例えば公共事業の予算一つをとっても国負担分だけ増やす、増やさないという議論ではなく、地域の分も含めて議論をする必要があるとか、いろいろ深みのある地域への配慮の議論というものをこれから我々も巻き起こしていくつもりでありますし、そういった形で世論も動いていくことを期待いたします。

(HBC)
 今日の見通しの中に、支庁再編による効果がどれくらい見込めるのかというのは全く入ってないような気がするのですが、入っているとすればどこに入っているのですか。入っていないのであればどういう意味なのかを教えていただきたいと思います。

(知事)
 支庁再編の関係は入ってないですよね。

(総務部長)
 職員適正化計画の中で一定程度のものは見込んでおりますけれども具体的に細かな手法は定めておりません。職員の適性化計画では17年から22年の5年間で22%の削減をやって、それから10年全体で30%削減という見込みを立てております。その中で、様々なことをする中でその目標を達成していこうということで考えておりますので、そこで支庁制度の進展なども見ながら対応していくことになろうと思いますので、そこで削減が図れればその部分にカウントされていくことになろうかと思っております。

(知事)
 支庁制度改革の議論の背景に、行財政構造改革への取り組みがあるのは事実でありますが、支庁制度のあり方はいかにあろうが職員適正化計画等の達成は粛々とやってまいります。その我々の考え方の中に支庁制度改革は入っているけれども、こういう形の支庁でなければこの行財政改革の方ができないというようなリンクはないというご理解をいただければと思います。
 支庁制度改革につきましては、昨日釧路でも質問が出たのでありますが、むしろ私どもは、これからの北海道の中における人口減少であるとか高齢化が他県以上に進んでいるという中で、今までのような14に分割するような形での地域単位の政策の実行では、北海道の将来が見通せないのではないか。より広域的な括りの中で地域づくりというものを考えていかなければならないのではないか。そういった視点を実現するものとして、今は鋭意検討しているところでありまして、新しい総合計画が今年度いっぱいでまとまり6圏域ごとの考え方というものを従前から道民の方々にもお示しをいたしておりますが、新しい総合計画の考え方を実現するために必要な地域の括りということを、これから考えていくということでご理解をいただきたいと思います。

 


 

この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなど整理し、作成しています。

このページに関するお問い合わせ
総合政策部知事室広報広聴課報道グループ
〒060-8588 北海道札幌市中央区北3条西6丁目
 電話番号:011-204-5109
 FAX番号:011-232-3796
メールアドレス:sogo.koho2@pref.hokkaido.lg.jp

カテゴリー

知事室広報広聴課のカテゴリ

cc-by

page top