知事定例記者会見(平成19年12月21日)

知事定例記者会見

・日時/平成19年12月21日(金)10:00~10:29
・場所/北海道東京事務所
・記者数/11名(テレビカメラ2台)

会見項目

  

知事からの話題

 1 サミット開催までの歓迎気運の創出に向けた取組について
 2 平成20年度国費予算の財務省原案内示等について

記者からの質問

 1 開発予算について
 2 観光庁の設置について
 3 UFOに関する知事の個人的見解について
 4 北海道新幹線の札幌延伸について

知事からの話題

 

サミット開催までの歓迎気運の創出に向けた取組について

一つ目はサミット開催までの歓迎気運の創出に向けた取組みということであります。配付資料がございますけれども、そのうちの一つがいわゆるガイアナイトの実施ということでございます。ガイアというのは、ギリシア神話の大地の女神という意味だそうでありまして、その意味のガイアナイトと。この命名は倉本聰さんであります。経緯は11月でしたか、東京でサミットの夕べというのをやらせていただきました。在外公館の方、プレスの方、また多くの政府関係の方もお招きをして行ったものでありますが、そこでゲストスピーチをしていただいた倉本聰さんから、本来環境を議論するサミットですのでギンギラギンのライトの下でやるよりも、ロウソクの灯の下で実質的な議論をするべきだというお話しがございまして、私自身大変そのお言葉に感銘を受けまして、いろんなところでそのことをご紹介をしつつ、何かこれが形として、道民挙げてこのサミットに向けての歓迎の気持ち、あるいは気分の醸成につながらないかということをご相談申し上げている中で、改めて倉本聰さんの方からネーミングをガイアナイトとすると、そして、例えば3月30日を、これが開催まで100日を切る日でございますが、道民がいろんな場で一斉にライトを消して、ロウソクの光の下でひとときを過ごして語り合う、北海道の環境の問題、あるいは世界の環境の問題について語り合うということを提唱したいということをお話し合いをして、思いを固めて今日皆様にこういう形でご紹介を申し上げることにしたところであります。もちろん、サミットというのは世界の首脳を初め多くの方々がお集まりになる、ある意味一大イベントであるわけでありますが、しかし、テーマが環境でもございますので、こういった取組みをしてまいりたいということでございます。それからこのことはポータルサイトで皆様方への参加を呼びかけておりますので、ぜひ多くの道民の方々のご参加を心からお願いを申し上げたいと思います。
 それからもう一つは、そうは言っても歓迎装飾というのを広めて、歓迎ムードを盛り上げようということでありまして、サミット開催200日前にあたる昨日からJR北海道、あるいは北海道空港株式会社をはじめとする道内企業のご賛同、市町村のご協力も得ながら、のぼりをなど歓迎の装飾品の設置を道内の主要交通機関等にスタートをさせましたので、PR方よろしくお願いします。

 

平成20年度国費予算の財務省原案内示等について

もう一つは、昨日ございました20年度国費予算の財務省原案の内示等についてであります。今朝、開発委員会もございまして、開発予算等についてご説明をし、議論させていただいたわけでございますが、朝は自民党の方々と、午後は民主党の方々との議論ということになっているわけでありますけれども、開発予算は国費ベースで6209億円、このうち公共事業費である開発事業費は6100億円ということになっております。こちらの方は道局の方でご説明があったと思いますので、私からは省きます。
 道内の厳しい財政状況、あるいは経済の厳しい中、そういったことを両にらみをしながら、私どもの意見も踏まえていただいた形で、道局の方で財務省とも調整をしてこういった形の予算を組んでいただいたということで、本道にとって必要な事業量は確保することができたのではないかなと思っているところでございます。
 また、それ以外の予算でございますが、サミット関連の各省庁から要求があったもの、私どもが知り得る範囲で計上をさせていただいた資料をお配りを申し上げております。しかるべきタイミングで政府全体としてのサミット関連予算の資料はできようと思いますので、それは改めての整理ということになろうかと思いますが、現時点で私どもとして知りうる範囲のものを計上し、資料を作らせていただいたところであります。また、新幹線の整備費、これは国費トータルとしての706億円という数字は前年度同額ということで決まったわけでありますが、各地の内訳というのはこれからでございますので、それはさらなる要望を展開していきたいと思っております。実質的な決着は明日土曜日と聞いております。それから、併せて札幌延伸に向けては一日も早い着工の実現に向けてしっかりと働きかけをしてまいりたいと思っております。
 最後でありますが、道財政は危機的な状況にあり、持続可能な行財政構造の構築に向けて、全庁一丸となって取り組んでいく必要があるわけであります。今日、予算の内示があったわけでありますが、国費全体が決まって、その中で道費がどうなるか、これは地方財政措置を含めてまだ分かっていない部分もございます。公共事業関連でも開発予算以外、すなわち今申しました新幹線予算、あるいは道路特定財源をベースとします道路の臨時交付金、こういったものもこれからでございますので、そういったことを見極めながら、我々としての20年度以降の新たな行財政構造改革の推進に向けて、取組みを新たにして行きたいと思っております。

記者からの質問

(読売新聞)
 開発予算の関係で、主に重点的に置かれているのが観光と環境と食という部分だと思うのですけれども、道の財政制限がある中で今後、道としてはこういう分野でどう力を発揮していくか考えを聞かせてください。

(知事)
 今回の国費の政府案の最終案を見極めた上での我々の20年度予算の展開の中でまた明らかになってくるわけでありますけれども、観光につきましては、来年洞爺湖サミットもあるわけでありまして、こういったことを起爆剤としてさまざまな取り組みをさらに進めていくということかと思います。花いっぱいプロジェクト、100万本って言ったかな、こういったことも展開をし、全道ガーデンアイランド構想ということで来年度は花を一つのキーワードとして展開をしたいという思いもございますし、また来年の4月から新たな道の観光推進機構というものがスタートいたします。民間と我々が力を合わせて新たな観光の事業の展開をしていこうという組織でありますので、そういったことにも期待をしていきたいと思っております。また、国の観光立国戦略会議、牛尾治朗さんが座長として、北海道をモデル地域としてビジットジャパンキャンペーン(「外国人旅行者訪日促進戦力」の一環)を更に展開をしていこうということの決定を先月でしたか、していただいたところでもありますので、国の力も借りながら北海道の観光振興はしっかりやっていきたいと思っております。
 また、環境につきましては、これも北海道洞爺湖サミットを一つの契機といたしまして、私ども北海道、森林面積は全国の4分の1を占める環境が豊かな北海道として地球環境問題全体としていかに貢献ができるかという視点。例えばこれとの関係においては森林環境税をどうするかということにつきましても、今、有識者の委員会の中で最終的な意見の調整が図られているところでありますし、こういった北海道としての貢献の部分、あるいは加えて我々道民というのは、実は灯油に依存する部分、あるいは車社会への依存の部分が多い中で、ガソリンの消費量が多いなど、一人当たりのCO2排出量というのは全国との比較においても高い状況にあるわけであります。こういった中で我々道民一人ひとりが、いかに環境に優しい生活を思考していくかということについても考え方をまとめていかなければならない。また太陽光発電、雪氷エネルギー、風力発電など北海道が誇る新しいエネルギー分野についても、それからバイオエタノールもありますね。そういったことについての取組みもやっていかなければならない。こういったことを合わせて予算を伴うもの、伴わないものいろいろございますが、北海道環境宣言という形でサミットが行われるタイミングまでに、私どもとして来年度発信をしていきたいと思っているところでございます。食につきましては、美味しくて新鮮でそして安全・安心ということが北海道のセールスポイントでありますが、今年度はやはりミートホープの事件、白い恋人の問題、いろいろと全国をお騒がせしたことが多いのも事実であります。こういった経験を踏まえまして、道州制特区法でJAS法の改正という権限移譲の提案もしているところでありますけれども、加えて我々が今年の経験を踏まえてさらに北海道の食の安全・安心をいかにアピールしていくか。そして美味しさを踏まえてさらに道外、あるいは世界に打っていくかということについて、攻めの食の分野の政策も展開してまいりたいと考えているところでございます。そういったこととの関係で、まだこれからいろいろな議論があると思いますが、道単独でもBSEの全頭検査というものは来年度も引き続き行っていかなければならないというふうに思っているところでございます。
 まだ漏れはあるかと思いますが、とりあえずご説明を申し上げました。

(NHK)
 昨日内示のありました予算の関係でありますが、北海道向けの予算トータルとして見た場合、これまでの道の要請にかなって満足いくものになったのかどうか、理由も含めてお伺いしたいのが1点。それから2点目ですが、整備新幹線の関係で、先ほど知事の発言として今後も札幌延伸に向けて取り組んでいくというお話でしたが、その反面、道財政が厳しいという中で、道としての負担を札幌まで延伸になった場合にどう考えていくのかという2点をお伺いします。

(知事)
 道の要請にかなった予算かどうか。開発予算につきましては、先ほど申しましたとおり道内の厳しい経済情勢をにらみつつ、必要なインフラ整備をいかに計画的に進めていくかという視点、さらには道の財政状況が厳しい中で、補助をより多くカットするということを要請していた中で、いろいろなことを配慮していただいた予算であるというふうに評価をさせていただいているところであります。しかしながら、整備新幹線の予算、それから道路特定財源のベースといたします臨時交付金、道路整備の交付金、これがまだこれからでありますので、こういったことをさらに見極めていく必要があるのではないかと、このように思っているところでございます。
 それから、新幹線の札幌延伸、それに伴う道の財政負担をいかに考えていくかということでありますが、確かに道の財政は厳しくて、実質公債費比率というものもこれから7年間の計画期間の前半が特に厳しいということで、前半4年間を前半期間集中対策というふうに位置付けたわけでありますけれども、今の段階で25%を超えることが試算されているわけでありまして、私ども、だからこそ危機感を持って道財政の改革をやっていかなければならないと思っているわけでありますが、それにいたしましても、北海道の全体の財政規模というのは3兆円弱という全国の中でも3番目くらいに位置付けられる規模を持っておりまして、公共事業関連費というものもそれなりに一定の規模があるわけであります。そういった中で、メリハリをつけて、優先順位をつけながらこの新幹線について予算の捻出をしていくということは、道の財政状況を考えても十分に可能であるというふうに考えているところでございます。ちなみに、私ども、道内インフラ整備の優先順位の重点化プランというものをつくってきたわけでありますが、これが最終年度を迎えますので、新たな重点化プランというものを策定準備中でありまして、こういったことの中に道民の皆様方のご意見も十分反映させて、新幹線の位置付けを含めて、メリハリのある形で今後の北海道の中における公共事業をいかに展開していくかということを計画的に進めてまいりたいと思っております。まずは札幌延伸を決めていただくことが重要だと思っております。

(毎日新聞)
 再び開発予算の関係で細かい話になりますが、夏の要望で道と市町村としては補助事業の国費ベースでマイナス7%を要望されたと思います。開発事業費は今回、対前年度で
3%ぐらいの削減ということになりまして、その要望に対して事業費全体としては削減幅は小さいということで、補助事業のメニューですとか幅だとかによって変わってくるとは思うのですが、要望に対しては削減幅が小さいということで、この影響というのは何かありますか。

(知事)
 このことは、結局我々の道財政の道の会計の中における一般財源にどのように影響してくるかというのは、今積み重ね作業をやっておりますがまだ途中でありまして、今の段階でこれくらいということは申し上げることはできません。さらには特別会計が国の方で変更になった影響も出てくるわけでありまして、単純に去年との比較においてどうだということを、今直ちに申し上げられる状況にないのです。もちろん数字を精査した上で、とりあえずは20年度の予算との関係において、20年度の我々の道予算の中で今回の開発予算の結果というものが一般財源ベースでどういう形で影響してくるのか、そのことはしっかり見極めていく必要があると思います。加えて、入りの方ですよね。地方財政措置、地方交付税もいろんなからくりがあるわけですけれども、少なくとも今までの減り続けている状況をストップしてもらった。若干ではありますが、微増ということになっておりますので、この増分がどれくらい北海道に来るのか、これは市町村も厳しい状況です。単に全国が伸びたと同じ割合で北海道に来るかどうか精査が必要でありますので、入りの部分と出の部分としっかり見極めた上で、それから新幹線もありますし、さっきの交付金もありますし、まだまだ今の段階で開発予算の数字が今の状況だということをもって、20年度の我々の財政立て直しの方向性にどういう影響があるかということを、今直ちにお答えすることはできない。精査をしていきたいと思っております。

(北海道新聞)
 今の質問と重なるのでお答えは同じかもしれませんが、念のため伺います。11月に発表した行財政改革の公共事業費とか投資的経費の中で、一般財源から直轄事業を5%、補助事業で10%毎年削減を続けるという項目があって、今回の開発予算の発表でこの計画が守られる見通しができたのかどうか、今までのお話しだとこれから精査していきたいというところだと思うんですが、見込みも含めてご意見をいただければと思います。

(知事)
 すみません、今と同じ答えなのでよろしいですか、省略させていただいて。
 もちろん20年度はそういうことで、21年度以降は国は単年度やっておりますので、今段階で何とも申し上げる立場にございませんが、いずれにいたしましても道としては、財政再建というのは不退転の決意で続けて行かざるを得ないということは私自身固めておりますので、その意味では道のそういう考え方を国に対して粘り強く申し上げていくということではないかと思います。

(uhb)
 2点お伺いさせていただきます。
  まず1点目ですね、先ほど道予算に関連して観光行政の取組みについて語っていただきましたけれども、政府の方で国土交通省に観光庁の設置の方針です。これに関しての受け止めをお願いします。

(知事)
 このことは、冬柴大臣からも前からお伺いしておりましたし、ビジットジャパンキャンペーン、日本国の規模なり観光資源との関係において、他国とは明らかに観光の外国人客の入り込みが劣っているという状況の中で、観光振興ということを国の経済活性化の目玉にするという意図の下に観光庁をつくられる意図かと思います。そして、先ほど申しましたとおり、その観光庁のこれからの仕事をいろいろ検討する場の一つとして牛尾座長の下やっておられる観光立国戦略会議が設置されていると理解しておりますが、そこで、洞爺湖サミットが開催される北海道をモデル地域と位置付けて、ビジットジャパンの外国からの入り込み客1000万人構想のうち、その10分の1である100万を北海道にということについての議論がされているところでありますので、私どもといたしましては予算面、あるいは予算以外のさまざまな面で、この新設されます国土交通省の観光庁のお力もいただきながら、北海道の観光振興にしっかり取り組んでまいりたいと思っております。予算以外と申し上げたのは、観光立国戦略会議の先般の会議でも申し上げたんですが、例えば千歳空港での海外からの定期便を考えた場合に、中国からの便は曜日等の制限があるという問題への対処、あるいはCIQ(税関(Customs),出入国(Immigration),検疫(Quarantine)の頭文字をつなげたもの。人や貨物が海外に出る時や海外から入る時に必ず必要な手続き。)にいかに対応していくかということなど、単に予算だけではなく、国土交通省のお力を借りながら、北海道の観光振興を進めていく分野というのは多々あろうかと思いますので、こういった面で私は観光庁の今回の設置ということが本決まりになれば、そのことを心から歓迎したいと思います。

(uhb)
 2点目なんですが、今回道行政と全く関係なくて、知事の個人的な見解をお伺いするような感じになってしまうんですが、よろしいでしょうか。
 今政府の方でUFO論議がちょっと盛んになっておりまして、内閣の方では質問趣意書の答弁に対して確認していないと。官房長官は個人的にはいると思っている。石破大臣も昨日参戦してまいりました。知事ご自身としてUFOに対する見解みたいなものがありましたらお願いしたいと思います。

(知事)
 私はいると思うんですけども。私自身確認していないという意味では政府答弁と一緒ですけれども。ただ、町村官房長官もおっしゃっていて、マスコミを通じて見た限りだけですけれども、いろんな過去の世界の遺跡とかを考えた場合に、本当にその時代に住んでいる地球人というか我々人類がそういうことができたのかなというまか不思議なものってありますよね。そういったことを説明するのに、宇宙人が来て何かやったんじゃないかというのは十分に説明に足るような気もしますので、自分自身確認はしていないけれども、いるんじゃないかなと思っています。

(uhb)
 いるというようなことですけれども、サミットの時にUFOが飛来するというようなことは。

(知事)
 無いんじゃないでしょうか。ただ、サミットはUFOは来ないですけれども、G8の8カ国の首脳のほかに、これにプラス5カ国は来られることが慣例になっておりますし、加えて世界の多くの首脳が北海道に来ていただくというのは歓迎すべきことだと思います。

(毎日新聞)
 先ほども若干触れておられましたけれども、新幹線の札幌延伸の関係で、せんだって政府与党の検討委員会ができまして、財源確保についてプロジェクトチームで検討するというお話しになりましたけれども、改めまして今年度いっぱいが一つの節目となりまして、ヤマ場になるかと思うんですけれども、そこへ向けた取組みですとか意気込み、あるいは考え方などをお聞かせください。
  
(知事)
 我々道内でも、私が会長をさせていただいております期成会でも、今年度が勝負年だということで、予算も充実して、例えば森本選手(北海道日本ハムファイターズ)にお願いした新幹線キャンペーンであるとか、子ども達に新幹線を体験してもらうツアーであるとか、それから、今まで以上に東京に対する要請活動も集中的にやらせていただいているところでありまして、しっかり札幌延伸に向けての取組みをやっていきたいと思っているところであります。
 ただ一方で、先ほど道の財源のことはご質問にお答えしたんですが、国の方もですね、北陸と北海道と合わせて相当規模の財源が必要となってきます。そのことについて、本当に今年度いっぱいで方向性が出てくるのかどうか。実は政府の方にお伺いした場合と党の方にお伺いする場合とちょっと回答が違うんです。党の方はやるんだとおっしゃるんですが、政府の要人の方々はもうちょっと慎重な、政府全体の財布の中もご存じだからだと思いますけども。ですから本当に年度内に方向性が出るかどうかというのは、私個人の意見としてはやや慎重であります。ただ、ここまで盛り上がってきておりますし、私どもはやはり北陸と共同歩調で一緒に勝ち取っていこうということでやっておりますので、どこかのタイミングで方向性が出ることを心から期待をし、かつそれを実現するために最大限努力をしてまいりたいと思います。

 

 


 

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