知事定例記者会見
・日時/平成20年1月4日(金)16:30 ~ 16:52
・場所/記者会見室
・記者数/21名(テレビカメラ2台)
会見項目
知事からの話題
1 年頭にあたって
2 交通安全運動の取り組みについて
記者からの質問
1 地方分権改革推進委員会の勧告について
2 再選2年目の重点について
知事からの話題
年頭にあたって
それでは、皆さん明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いをいたします。
私から少しお話をいたします。今年は7月に北海道洞爺湖サミットが開かれることになっております。今日午前中に総理官邸で会合がございました。それは、このサミットの正式なロゴマークの表彰式というのがありまして、それに出席をしてきたということであります。最優秀賞が三重県の特別支援学校の子ども達がグループで作った作品でありまして、私も見て、なるほどこれが最優秀作品だなと思うものでありました。そのロゴマークに込められたメッセージというのが、この地球がいつまでも緑があふれる美しい星でありますようにということでありまして、これが今後オフィシャルな場で正式行事の場では使われるロゴマークになるものであります。
これが最優秀賞だったのですが、優秀賞の中には北海道から応募したものも選ばれまして、一つは札幌平岸高校の子ども達のもの、もう一つは虻田中学校のものでありました。いずれもなかなかアイディアがあるものかなと思いました。
午後戻ってまいりましてから、職員に対する挨拶をさせていただきました。新たな総合計画も今年スタートすると、改革も進めなければならない、いろんな意味で重要な年であるということを申し上げたわけであります。
交通安全運動の取り組みについて
さて、そういった報告の中でもう一つ欠かせませんのは、交通事故死ワーストワンの回避ということを3年連続で達成することができました。これは一安心ということでございますが、しかし一方で、7年連続での交通事故死者の減少を果たすことができなかったということでございまして、今年改めて道民の方々と気持ちを一つにして交通事故対策をやっていかなければならないという思いを強く持ったところであります。去年全体としてワーストワン回避ということでありましたが、特に、これから庁議があるんですがその場でも触れようと思っておりますが、檜山管内が交通事故死ゼロであります。これがまさに我々の目指す姿でありまして、過去にさかのぼってみますと52年振りだそうであります。檜山管内は比較的人口も少ないところでありますが、でもやっぱり道も空いていて、ともすればスピードを出したくなるような環境の中で、1年間一人も交通事故で亡くなることがなかったという素晴らしいことを達成した檜山管内、特に支庁の職員に対して、私ひとこと声をかけたいなと思っております。
一方で今年に入ってから、近くでありますが長万部で3人の方が犠牲になられる痛ましい事故が既に発生をしてしまいました。誠に残念であります。今年改めて、交通事故死をゼロにするために、交通事故そのものを無くすために、一生懸命頑張ってまいりたいと思っております。
それから最後でありますが、今年は十二支で言うところの子年。十二支の最初であります。ネズミというのは大黒天の使いであるところから業界では繁栄の年とされるそうであります。それから歴史を当たったところ、「漢書(かんじょ)」律暦志(暦額・暦法について記されている中国の歴史書)というもので見ますと、十二支の各文字というのは草木の成長における各段階を象徴したものとされているそうでありますが、その中で「子」というこの字については、新しい生命が種子の中に萌(きざ)し始めるということを表しているんだそうであります。これはいいと私自身思いまして、高橋道政2期目の2年目に入るわけでありますけれども、新しい命が種子の中に萌し始める、こういったことを実現することができる年であるように、すなわち「新生北海道」の実現を目指して、改めて全力で取り組んでいきたいと思っているところであります。
道政記者クラブの皆様方におかれても、今年一年よろしくお願いいたします。
記者からの質問
(北海道新聞)
地方分権の関係で、特に開発局との関係で質問が一つあります。
国の地方分権改革推進委員会の11月の中間報告で、国道と一級河川の管理を都道府県に移管する案が示され、今後も農業基盤の管理業務や開発局の人員削減など示されるとされていますが、開発局が今担っている業務の移管を道として望ましいというか、歓迎すべきものと考えているのか、もしくはどちらかというと迷惑というか必要ないと考えているのか。ちょっと言葉は悪いかもしれませんが、どちらかというと望ましくないと思っているのか望ましいと思っているのか、現段階でのお考えをお伺いしたいと思います。
仮に、こうした業務の移管が道も望んで実現したとすれば、開発局の担当している職員が何千人もいるわけで、道は今、行革をやっている中で受け入れることはあり得るのか。 また、国道などの管理業務を今と同じだけの水準、レベルで保つ事ができるものなのか、ご意見を伺いたいと思います。
(知事)
まず冒頭に申し上げなければならないのは、国と地方との間の二重行政を解消しなければならない。これは、国民的な立場から考えると当然のことと思っています。
私ども道のいろんな考え方の表明ということのこれまでの流れを申し上げれば、道州制特区法ができる以前から、我々が意図する地方支分部局との統合の提案はすでにいたしておりまして、開発局を含めてさまざまな道内における国の出先機関のうち、道庁と類似した業務を行っているところを国の出先自身としてまず統合していただく。そうすると管理部門や国の出先機関の中でも重複的な業務があるでしょうから、そういうことも見直していただいて、徹底的に国の出先としてスリム化していただく。その上で、我々、当時、二段階統合と申し上げておりましたが、二段階目の統合として、道庁と当該国の出先の統合体と統合するという提案をさせていただいているところでございます。気持ちは、まずは二重行政を解消しようじゃないかと。特に北海道の場合は、一道一出先機関であります。全国の中でも最もやりやすい環境にあるということもございますが、一方で我々道庁自身も徹底的な行財政改革を行っている中で、まずはスリム化を国自身の組織の段階でしっかりとやっていただく。その上での統合であるという提案をさせていただいている経緯があります。この考え方は、今でもこういったことを私どもの正式な提案と位置づけているところであります。このことと道州制特区法に基づく権限移譲との関係で言えば、いろんな権限というものを一つ一つ確実に移譲してもらう先に、当然そういった仕事をやっている組織がいらなくなるわけであって、権限移譲、仕事の移譲の先に組織の統合があるわけでそういった意味でつながっていると私は思いますが、こういった提案を我々自身としてやらせていただいているという経緯が一つあります。
もう一つは、全国知事会でもこのことがさまざま議論されています。直近12月中旬にございました時も、知事会本体での議論と言うよりも地方分権推進特別委員会におけるプロジェクトチーム、それぞれの分野ごと、経済政策や労働政策、インフラ整備もありますが、そういった分野ごとに議論をしているなかの報告ということでありましたが、開発局を含めて国の出先機関について徹底的な業務の見直しをやる。我々の中間的な取りまとめの中でも全地方支分部局職員数9万5,000人のうち合理化後の移譲対象職員数として、半分以上の5万5,000人を抱えておりまして、この中で数字も明記されていますが、北海道開発職員5,700人のうち合理化後の移譲対象職員数3,400人という数字を掲げさせていただいているところでございます。今、申し上げたのは全国知事会における中間的なとりまとめでありますが、こういった議論が全国の自治体の代表である知事会での議論のスタートになろうと考えております。
ただ一方で、知事会の議論の場でも国の業務、人員をそのまま地方が受け入れるということにはならないと言っております。まずは不要な事務を廃止する、組織の徹底的なスリム化をしてもらう、それから民間にやってもらえる事業は民間に徹底的にやってもらう。これは道庁自身でもそうですが、いろんな維持管理業務というのは民間の技術力も進んでおりまして、一定の委託費を払うことによって、むしろ役所の職員が直接やるよりも効率的にできることもあるわけで、民間にできることは民間に任せる。これが民間事業の拡大にもなりますので、そういったことを、まずは地方への移譲を議論する前になすべきであるということも含めて、知事会で今、中間的な提言をしているところでありますので、こういった議論の先に今回の開発局の位置づけということも出てくるわけであります。
知事会の提言は来月中にもまとめて、それを受けて政府の地方分権改革推進委員会で新年度から行う勧告の中に活かしていくということになると思いますが、知事会での議論を踏まえて地方分権改革推進委員会でどういう方向性が出されるかということになってこようかと思っております。
(北海道新聞)
そのスリム化した先に統合するというのはわかったのですが、道の行財政改革というのもこれから7年間という計画を出していて、かなり長い間厳しくやっていかないといけない中で国の権限が来る、例えば国道だとか一級河川の管理という結構お金のかかるような権限が移譲されたとして、現在、国道の除雪だとか管理自体一つとっても、それを今と同じレベルの水準を保っていけるのかどうか。もしくは保っていくにはどんな課題をクリアしていくべきと考えておられるのか。そこをお聞かせください。
(知事)
財源が来るのは当然のことなのです。それから道は今、職員適正化計画、行財政改革を徹底的に進めておりますが、論理的にいえば国が今やっておられるお仕事が追加的に私どもに来るわけでありますので、当然それを行う職員さんが必要になるというのは、その部分は論理的にやるべきであるというのはそういうことだと思っております。しかしながら財源が来るのは当然だと思っております。このことは別に来年とか再来年とか、そんな近々のものではないでしょう。やはり方向性が出てからその仕込み時間に5年、10年のゆっくりとした時間的ゆとりを持ってやらなければならない。これは特区法における河川なり道路の順次の権限移譲のやり方を見てもそうでありますので、その間に私どもが進めなければならないのは、例えば今は道路で言えば国道、道道、市町村道、そういったものが縦割りで管理されている。そういったものを面的なエリアで捉えて共同でやっていくなりなんなり、そういった工夫も除雪も含めてあり得るだろうし、広く道民の方々のご意見もいただきながら行っていくべき事業の進め方、国が今責任を持っている社会資本整備の維持管理の進め方について、しっかりと議論を続けながら受け入れていくということになろうかと思います。繰り返し何回も同じ事を言って恐縮ですが、財源が来るのが大前提でありますので、これがない限りは私どもの今の財政状況で受け入れはできません。
(NHK)
知事が再選されまして今年は2期目の2年目の年ということなんですが、どのような大きなテーマを重点的にやっていくかというあたりを、何点かお話しになっているかもしれませんが、改めてお願いします。
(知事)
去年2選目を果たさせていただいて、初めての年を迎えたところであります。自分自身の中ではずっと継続しているような、あるいは2期目に入って2年目というような、そんな気持ちではありますが、お正月という意味では初めてであります。
やはり、今年に入ってまずこの1月、2月と私たちがしっかりと取り組んでいかなければならないのは、道民の皆様方に素案をお示しを申し上げております行財政構造改革のしっかりとした成案を得るという作業を、まずはこの寒い時期にしっかりやっていかなければならないと思っております。
そして、そうこうしているうちに春が来て、7月のサミットになりますので、こういった行財政構造改革と平行しながら、またしっかりと国と連携しながら夏のサミットの準備をしていく。そして、万全な体制でこのサミットが行われること、無事終了することを見届けることが重要なことかなと思っております。そのためには道警さん、日本国の警察力の限りを尽くしてまずは警備が何よりも重要かなと思っているわけでありますけれども、中身についても環境をはじめとしてさまざまな重要な課題が議論されるサミットでありますので、北海道洞爺湖サミットというのが将来的に世界の歴史に残るようなサミットになって欲しい。そのために開催地北海道として何ができるか、おもてなしの心で準備をしっかりする。今年前半はそういうことで過ぎていくかなと思います。
後半、今年は私はまだまだ皆様方に正式に発表できる段階ではありませんけれども、サミットの直後に北京オリンピックもございます。北京にゆかりのある賈慶林(かけいりん)という中国の要人が去年来られた時にお約束を申し上げました。北京にお邪魔したいと思っております。直行便ができました。
それからもう一つ、北海道としてサハリン州と交流を始めて10年目の節目ということであります。サハリン州サイドの受入体制がどうなっているかという状況もあろうかと思いますが、できればサハリン州、そしてロシアの極東地域の発展の状況を改めて自分自身の目で確認をしたいな、そんなことを今年できればやりたいなと思っているところであります。
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