知事定例記者会見
・日時/平成20年5月8日(木)14:02~14:48
・場所/記者会見室
・記者数/31名(テレビカメラ3台)
会見項目
知事からの話題
1 7月7日におけるガイアナイトの実施について~キャンドルライトの灯りの中で
2 鳥インフルエンザについて
3 後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の実施状況について
4 自動車税の納期内納税について
記者からの質問
1 後期高齢者医療制度について
2 新幹線の札幌延伸について
3 北海道総合開発計画について
4 支庁制度改革・森林環境税について
5 夕張市立診療所について
6 北方領土ビザなし交流について
7 鳥インフルエンザについて
知事からの話題
7月7日におけるガイアナイトの実施について~キャンドルライトの灯りの中で
[配付資料:7月7日におけるガイアナイトの実施について~キャンドルライトの灯りの中で]
今日はアレンジメントをしてありますが、ガイアナイトについてのPRでございます。
ガイアナイトについてはご案内のとおり去年の秋以降、倉本聰さんからのご提案をいただいて、サミットを盛り上げていこうということで、やってきたわけでありますが、今年の3月30日に全道一斉に、それぞれの地域の総意の下に「ガイアナイト」を展開したところであります。事前の登録ということでは個人から1万件、それから企業・団体からは300件の参加表明、全道で最低で見ても1万以上の方々が参加をされる形で展開をしたところであります。
私はこのことを4月5日に総理が来られて、温暖化問題の懇談会がサミットのメイン会場となりますホテルで開催された時にもご紹介を申し上げました。その後、総理、環境大臣、経済産業大臣と私が出席させていただいた洞爺湖畔におきます国民対話の場でも、ここでは環境大臣からこのガイアナイト、北海道の試みが良かったという賞賛を頂き、こういったガイアナイトの地域の取り組みを踏まえて環境省でも、6月21日から7月7日にかけてのライトダウンの呼びかけを行うというようなご紹介もあったところであります。
そして私たち北海道は、北海道洞爺湖サミット道民会議の主催においてこのガイアナイトをサミット開催日でございます7月7日、これはサミット1日目でありますが、この日にも再び実施しようというふうに道民の方々にお声をおかけしているところであります。その時の雰囲気の一つとしてこういうキャンドルによる飾りつけのご提案もさせていただいたところでございます。これは黒田正子さんという旭川のグリーンコーディネーターの方にお世話になりました。いろいろアドバイスを受けながらこういう形にさせて頂いたわけですけども、ご家庭であるいはレストランで、いろいろな場面があるのでしょうけども、ロウソクの光の下でおいしい紅茶を飲んだり、お食事をしたり、こういう雰囲気をご参考にしていただきながら、それぞれの皆様方、道民の方々の創意工夫でガイアナイト、7月7日もお過ごしいただけるかなと思う次第でございます。
それからもう一つ、具体的に日程が決まったらお知らせしますが、このガイアナイトを全国の皆様に発信するために6月の中旬頃を想定しております、まだ日程は確定しておりませんが、東京でガイアナイトをPRするイベントをやろうと思っております。北海道にゆかりのある著名な方、全国区で有名な方に来ていただいてトークショーとかコンサートとか、北海道からスイーツか何かをを持って行ってつまんでいただくとか、そういったようなことをやろうと思っております。詳細が決まり次第、皆様方にもご案内申し上げますので、ぜひ多くの方にお声かけをしていただき、取材もしていただければと思います。
鳥インフルエンザについて
今日はゴールデンウィーク明けの初めての会見でございます。ゴールデンウィークの間に鳥インフルエンザの問題が北海道でも発生しております。経緯から申し上げますと、4月の28日に秋田県で野鳥から高病原性のウイルスが確認されたことの報告を受けまして、同日に「北海道高病原性鳥インフルエンザ連絡会議」を開催し、水鳥の渡来地の調査の実施あるいは死亡野鳥の検査体制の確認などを行い、警戒を強めていたところであります。
こうした中で5月1日に別海の野付半島で回収された死亡したオオハクチョウについて簡易検査を行ったところ陽性反応が出、さらにくわしい検査の結果、5月5日に悪性と判明したわけでありまして、これに伴いさまざまな対策を行っているところであります。具体的にはその節目節目でご報告を申し上げましたので、詳細は省略いたすわけでありますが、この野鳥から鶏、養鶏場への飛び火ということが一番私どもの懸念でもございますので、そういったところへの消毒なり監視体制の継続ということもやっているところでございます。また、ちょうどゴールデンウィーク真っ最中でございましたので、風評被害の防止というようなことも私どもからやらせていただいてきたところであります。
そういった中、サロマ湖畔のオオハクチョウからも簡易キットによる検査で陽性というのが今出てきたところでありまして、この最終的な確認検査の結果というのは5月10日、今週末には出るわけでありまして、その結果によっては引き続き対応をしていきたいと思っているところであります。
いずれにしても、鳥インフルエンザは通常では人には感染しないと考えられているところでありまして、道民の皆様方あるいは、これから観光シーズンになりますので、道内外から北海道に来られます観光客の方々には過度にご心配をかける必要はないと認識しておりますが、道としては不安を払拭する上からも、これからも監視体制の継続と正確な情報の普及啓発に引き続き努めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の実施状況について
三つ目の話題は、長寿医療制度の状況であります。このことはゴールデンウィークの前の段階で、施行から1カ月を経る5月の初旬くらいに施行直後の状況をご報告をしましょうと申し上げましたところでございまして、今日お手元に資料を何種類か配付させていただいているところであります。詳細につきましては、担当部の方から会見終了後にご説明を申し上げさせていただきますので、私からは概略だけにさせていただきますが、前回問題になっておりました被保険者証が本人に届かないで戻ってきた件数というのが、4月10日現在で1,645件あったものが、4月30日現在で、256件と大幅に減ってきたということで、一時の大混乱の状況は、少しずつではありますが収まってきたのではないかと考えております。また、市町村あるいは広域連合に対する相談件数も、ピーク時には広域連合で400件を上回っていたわけでありますが、現在では100件以下と、4分の1以下となったわけでありまして、大幅に減少いたしました。
今後とも、私どもとしては制度の安定的な運営が図られるように、また広域連合・市町村と連携をしながら、保険料算定に誤りのないように、チェック体制の充実について支援をし、また制度の周知に努めてまいりたいと思っているところでございます。
こういった中で、そもそもこの制度自身廃止すべきではないか、あるいは見直すべきではないかということが国政レベルでも、与野党からお話が出てきているところでございます。そんなこともございましたので、よく言われております保険料の負担が増えるのか減るのかということを私どももいろいろと保健福祉部にも指示をしていろいろ調べてみました。しかし、結局のところ、ご案内のとおり今までこの3月いっぱいやっておりました保険制度が市町村単位で実行されておりまして、本当にさまざまな考え方の下に、それぞれの地域の独自の考え方によって、一定のルールの下やられていたわけでありまして、悉皆(しっかい:全数)調査をしなければ本当にそれぞれの個々人の高齢者の方々にとって、負担が増えるのか減るのかというのはあまり軽々に申し上げるべきではないという結論に至ったところであります。そういうわけで、実は一部、試算値というか、人口の多い市部を中心に作ったものもあるんですが、それはお示しはいたしません。やはり、国の動向も踏まえながら、あるいは我々独自でも、道内の状況をしっかりと把握をしていく必要がまずあるだろうという思いに至っているところでございます。
いずれにいたしましても、そういった中で、4月30日に福田総理からは、長寿医療制度について、6月までに自治体で制度の運用に当たりどのような問題が生じているか、厚生労働大臣に対して調査の実施を指示をされた。また、低所得者層の負担軽減策を検討するというお話しもあったと理解しているところでありまして、我々も国と連携を図りながら、さまざまなまずは実態を、今申し上げたような保険料が本当に下がっているのか上がっているのか、そしてそういった方々がどれくらいの数いられるのか、そういったことを詳細な状況を把握した上で、対応を国に対して申し入れをしていくなど、適切な対応をしていかなければならないと思っているところでございます。
そもそも、この長寿医療制度、後期高齢者医療制度という名前が悪いというのは前から申し上げていたんですが、廃止すべきかどうかという議論がございます。これも国民的な議論が必要だと思うわけでありますが、2年以上前から、そもそもなんでこういう議論になったかといえば、平成18年度段階で28.5兆円の医療給付費があった。これがこのままの状況を放置し、現状のまま行くと20年後の平成37年に倍の56兆に増加すると。こういう中で現役人口が減っている動態調査の中でどうやってこの長寿社会の中の医療費を我々が支えていくかという議論の中で、出てきた今回の制度なわけでございます。今段階では、ご案内のとおり、全体の医療制度の中で、長寿医療制度について、現役世代と高齢者の負担を明確にする。そして、世代間で負担能力に応じて公平に負担していくというような考え方の下に、制度の仕組みができているわけであります。高齢者の方々のご負担につきましては、所得が低い方々については一定の配慮をしつつというのは当然あるわけでありますが、それでも今回こういう形で総じて保険料が低くなるはずなのにそうではないという声がこれだけ多く出てきているということは、我々現場の責任も多いと思いますが、やはり制度をしっかりと、2年間あったわけでありますので、十分な事前のいろんな検討をせずにスタートしたということについて、我々地方も国も十分に反省をしなければならない点は多々あろうかと思うわけであります。ただ、ここからがなかなか難しい問題でありますが、詳細を把握した上で、例えば高齢者の方々のご負担をさらに軽減をしていくという場合に、いずれにいたしましても高齢化がさらに進展して、医療費がトータルで増えていくということはこれは想像に難くないわけでありまして、その負担が減る分を誰が負担するのか。現役世代の負担をさらに増やすことができるのかどうか。あるいはよく言われてながらも立ち消えになる増税というのか、税金で負担をする部分を増やすのか。そういった全体としての制度の議論ということ無しに、今の制度を廃止するとかそういった議論というのは私はちょっと乱暴なのではないかなと個人では思っているところであります。
いずれにいたしましても、まずは先ほど申しましたとおり、例えば私ども北海道の場合には、北海道内の後期高齢者医療制度にご加入されている方々のご負担というのが、増えておられる方、そして減っておられる方、そういったものをしっかり調査した上で、どういった点をどのようにいくのかいかないのかという議論をしっかりとやっていかなければならないのではないかと、今段階ではそのように認識をしているところでございます。
自動車税の納期内納税について
それからもう一つ私からの話題提供は、自動車税の納期内納税ということについてのお願いであります。
自動車税の税収は、予算規模で855億円。これが極めて道税収入予算額の大きな基幹税目であるということは前から申し上げているところであります。
今年度の自動車税の納税通知書は、約230万台の自動車について昨日5月7日に発送をいたしました。納期限は6月2日の月曜日であります。毎年、約300億円以上が期限内に納められていない状況にありますことから、私ども道では、昨年度に引き続き管理職員によります企業訪問等を実施をして、納期内納税の推進についての協力をお願いしているところであります。道民の皆様方におかれては納期内納税についてよろしくご協力をいただきたいと思います。そしてそのことについてマスコミの皆様方からのPRについてもお願いを申し上げたいと思います。
記者からの質問
(HBC)
後期高齢者医療制度についてお聞きしたいのですが、65歳から74歳までの一定の障がいのある方、後期高齢者医療制度に移行することができるとなっているのですが、もし、移行しなかった場合、重度心身障害者助成、医療費の助成が受けられなくなると、そういう事実上の強制をしいているというふうに一部批判があるんですが、これについて道として見直されるお考えはありますか。
(知事)
いろいろ後期高齢者医療制度の、さまざまな内包している問題点について申し上げた訳でありますが、そういったことの実態調査の一環として今おっしゃった点についても、詳細を把握した上で必要な対応をしていかなければならないのではないかとこのように思っております。今段階で、方向性まで申し上げることは難しいかなとこのように思っております。
(北海道新聞)
今日のテーマになかったんですけれども、新幹線について伺いたいのですけれども8月の概算要求までに北海道を含めた未着工区間に対する、一定の方向性が出ると言われていて、そんな中、東京ではいまだに北海道の財政は厳しいので、札幌延伸が決まっても、地元負担に耐えられないのではないか、だから北海道はいらないんじゃないかという意見も一部ではあると聞いているんですが、そんな中、札幌延伸が決まった場合の地元負担をどうやって払っていくのかというシミュレーションを道庁として今の段階でやっているのかどうか、これから道債償還のピークが平成24、25と迎える中で、もし札幌延伸が決まった場合、果たして本当に地元負担に道財政が耐えられるのかどうか知事のお考えを伺いたいです。
(知事)
札幌延伸を本当に決められるかどうかというのは、私は大変危機感を持って見ているというのは前から申し上げているとおりであります。
これは道の財政以前の問題としてそもそも国サイドとしての財源が本当に北陸の部分も含めて2兆と言われておりますが、確保できるのかという問題がございますのと、また政治的なパワーなどの面で、あんまり詳しくは申しませんが、北陸に北海道が劣っているのではないかといういろいろな問題点が指摘されておりまして、そういった中で、ねばり強く道民の方々あるいは、道内経済界の方々、そして札幌市の皆さん方と連携をしながら中央要請をしてきているというのはご承知のとおりであります。そういった中で概算要求までに本当に一定の方向を出していただけるものかどうか、これに向けても更に積極的な要請活動を続けていかなければならないとこのように思っております。
そして、その上で、うまく延伸が決まった場合に、次に本当に北海道の財政が耐えることができるのかどうかというのが、今のご質問だと思います。
東京に行きますと、そういう議論をされる方々が一部おられるのは私も承知をいたしております。多くの方々は、そういうふうに言うことによって、北海道の可能性がなくなれば、トータルとしての国の財源も限られている中で、他の地域にとっては有利になりますので、そういう方々の意識の背景に言っておられるんだろうなと思いながら、そういう話しをよくお伺いすることがあるわけでありますけれども、ただ、道財政は大阪との比較においてみてもより厳しい状況にあるというのはご案内のとおりでありますが、ただ北海道の財政規模の2兆9千億円というのは、これは例えば北陸三県それぞれの地域、どれと比較しても大変大きなものであります。そういった中で、大変に公共事業の抑制もせざるを得ない状況にあるわけでありますが、それでも、幅のある額を計上しているのが北海道の現状でありまして、ようはそういった中で、道民の皆様方のご理解を得ながら、新幹線の地元負担に対応する形で、財源が回せるかどうかというそういったことに尽きるんだと思っております。そういう意味では、財政的に北海道が札幌延伸に向けての地元負担に耐えられるかどうかという質問1点にお答えするとすれば、それは、耐えられますということだと私は思っております。
シミュレーションもいろいろ、内々に検討しているところでございますし、それから、これはかつてご説明申し上げたかな、これからの7年後までの財政再建期間の道債残高の目標等についてもご説明を申し上げている中で、総務省の決めております公債費比率が一定の危機的な状況を瞬間風速的に通過する時点があるというのも事実であります。しかしながら、そういった時点も含めて今、粛々と量的なことについては、改革を一歩一歩進めておりますので、その手を緩めないということを大前提に、これは私の目が黒いうちは必ずやり遂げますので、これを大前提とすれば、その範囲内で道民の皆様のご理解を得ながら、新幹線の札幌延伸に向けての地元負担を北海道として実行していくのは十分に可能であるとそのように認識しております。
(毎日新聞)
関連と言えば関連ですが、今日昼過ぎに北海道総合開発計画が答申されたと思うんですが、改めて評価と、計画ができても結局絵に描いた餅みたいな、存在意義がないのではないかという声も出ていると思うのですが、そこら辺の開発計画に対する存在意義に関してどのように考えていらっしゃるか考えをお聞かせください。
(知事)
開発計画について、新幹線のところの表現も含めていろいろもめたわけでありますけれども、方向性が出てきたわけであります。
やはり、インフラ整備を含めて地域の経済社会に対するさまざまな行政的な対応を進めていく上で、中長期的な計画を定め、その方向に沿って粛々と事業をやっていくという考え方は重要でありますので、その意味でわれわれ道自身も長期計画を策定をいたしているところでありますが、一方で、環境というのは時々刻々と変わっていくわけであります。例えば、この開発計画の大前提としては、道路特定財源の一般財源化が来年どういう形で行われるかなどという環境変化というのは盛り込みようもないわけですよね。まだ中身も出てないわけだから。そいういった環境変化があれば、それに応じて長期計画自身も見直しを必要とするわけで、そういった意味で長期計画というのは存在自身の意義はあるけれども、いったん決めたらそれで終わりと言うことではなくて、やはり大きな環境変化があれば、それに沿う形で改めて見直しをしていくという、そういうスタンスも大事ではないかなと思っております。
(朝日新聞)
まず、支庁制度改革なのですが、自民党など各会派でもちょっと反対意見が強い側面があって逆提案ということも出ていて、知事はいつ出すかということを明言はなさってないんですが、今議会での議論をどう見てらっしゃるかというのと、今後の見通しを。それと森林環境税についてなのですが、これは目的としては非常にわかりやすくて素晴らしいものだと思うんですが、一部単なる増税になるのではないかという反発の声が道議からでているようですが、そのあたりどうお考えかと、その2点お聞かせください。
(知事)
支庁制度改革、まずいつも申し上げておりますこの意義ということについて言えば、人口減少が北海道は全国以上のスピードで進んでおります。高齢者の医療制度のことも先ほどございましたが、高齢化比率というものも全国を越える形で進んでおります。こういった中で、100年前に決められた14支庁体制ということを、これからの時代を見据えてより広域的な観点から地域政策を企画、立案、実施をしていくというそういった考え方は私は重要だというふうに考えております。
また、行政改革。これも、先ほどの議論とも関わってまいりますが、やはり不断の努力を国もやっておりますし、市町村もやっておられます。他の広域自治体たる県もやっておられる。我々道もまさに主体的にこのことを進めていかなければならない。こういった観点から私は支庁制度改革というのがこれまでも10年以上にわたって前知事の時代からさまざまな議論を繰り広げてきたわけでありますので、何としてでも成し遂げていかなければならない改革であるとこのように認識をいたしているところでございます。
そして、そういった中で、道議会の皆様方も今、閉会中であるにも関わらず、特に自民党の方々中心だと思いますが、例の検討委員会を中心にいろんな議論していただいているということを、大変うれしく思っているところであります。
もちろん大きな改革でありますので、賛否両論あるのは当然だと思っております。特にこれも前から申し上げておりますが、総合振興局ではなく、振興局になると言われております二つの市と、札幌市はちょっと別ですね。二つの市と、二つの町からは、大きな反対の声が出てきているというのも十分に思っており、そしてそのことを重く受け止めているところでございます。そういった中で、鳥インフルエンザのことをちょっと申しましたけれども、あのような事案、オオハクチョウの死骸が出て、鳥インフルエンザの陽性反応が出て、まさに地域住民の方々に極めて身近な問題の対応、これは今回は根室支庁がしっかり対応したし、これからあの地域が振興局になるとしてもこういった業務について今までどおりであるということは、これまでも言ってますけれども、改めて私は申し上げたいと思うんです。保健所の業務、それから家畜保健衛生所の業務、いろんなことを徹夜態勢でやってくれていたわけです。こういうのは今までどおり。それから留萌でタコ箱が全国区で有名になりました。今度はヒラメのオーナー制度、それから日高の軽種馬、馬産地振興、それから北方領土対策、こういったそれぞれの地域地域で重要な政策については、今までと同様あるいは今までよりもさらに充実する形でやっていくというようなことは、当然の前提とした上で、私は冒頭に申し上げたような広域的な観点からの地域づくり、すなわち例えば留萌と上川で言えば、海のない上川と、海はあるけれども港の活用として上川との連携が必要な留萌。そういった広域的な連携などという地域経済、地域政策を展開していく上での広域的な観点を重視していくということは、やはり重要である。その意味での体制の充実・強化を総合振興局単位でやっていくような、体制の二面性というか詳細なご説明をこれからもきめ細やかに関係諸方面に申し上げていくと同時に、あと2町の皆様方から言われておりますこういった地域に対しての地域振興を何をやるんだというご指摘に対する方向性も、これから自民党さんから提案をいただくようでありますので、そういったことも、それと、他会派の皆様方からもご意見があればそういったことも踏まえて、しっかり方向性を出しながら、私としてはこの改革を粛々と進めていきたい。このように思っているところであります。
それから森林環境税です。確かに税金創設ですから、増税です。ただ、この森林環境税の我々としての今回の提案に至るさまざまな議論というのは、元々、昨年でしたか、地域づくり推進会議における首長さん方との地域での議論の中で、地域からのご提案ということで出てきて、そして、道民の方々に地域説明会などいろいろな形でご意見をお伺いし、北海道の森を守るためにやろうじゃないかと言う中で、今、一歩一歩制度設計をしているわけでありますので、増税というご批判を持っておられる方々に対して、またきめ細やかなご説明をし、ご理解を十分に得られたと判断できれば、その段階でしっかりとした条例案の提案をしていきたいとこのように思っているところであります。
(HTB)
昨日ですね、夕張の医療センターが光熱費の想像以上の負担等々で経営危機に陥っているということで、夕張市に訴えたという経緯があるんですけれども、改めまして、この医療センターの経営危機を踏まえて、道として支援の可能性を含めた現状の夕張の医療体制への見解、今後どうすればいいかという部分、何かありましたらお伺いしたいのですけれども。
(知事)
夕張市の診療所につきましては、夕張希望の杜、大変厳しい状況にあることを報告を受け、またその関係の報道についても、関心を持って拝見させていただいているところであります。この医療の問題というのは、夕張に限らず全道どこもここも大変に厳しい状況でございまして、医師確保あるいは医療体制の整備、維持について市町村の皆様方と連携をとりながら我々道として、どういう役割を果たしていけるかということを必死になって検討し、対応しているというのはご案内のとおりであります。
そういった中で、夕張希望の杜に対しましては、19年度におきましても、道はもろもろ含めまして3400万円ぐらい、もう既にご支援をさせて頂いているところでございます。これは他の地域との比較においては、やっぱり医療に困っておられる市町村から見ると夕張だけあんなに支援しているのか、というふうにおっしゃられるくらいの数字かと思うわけでありますが、それでもなかなか立ちゆかない厳しい状況にあるということだと聞いているところであります。
今、私どもが市当局あるいは、国と内々議論をしているのは、当面、希望の杜の皆様方が、2000万円程度を必要としていて、これが無いとなかなか立ちゆかなくなるのではないか、というふうなお話だと聞いておりまして、これを市からの緊急的な貸し付けという形で何か出来るのか出来ないのか、そして、それをやるとすれば勿論、計画変更ということが、いるわけであります。これは国も含めて調整しなければならないことでありますので、そういったさまざまな可能性ということについて、関係諸方面と議論をいたしておりますので、スピード感をもって対応してまいりたいと、このように思っております。
(朝日新聞)
2点あります。先程、おっしゃっていた後期高齢者医療制度で、保険料が実際に上がったか下がったかという全道調査は、いつ頃までに終えて公表される予定なのかということと、もう1点が、来週から北方領土のビザ無し交流事業が今年もスタートするんですけれども、サミットの年でもありますし、何か今年の期待されるようなことがありましたら教えてください。
(知事)
まず、後期高齢者に関する調査は、我々独自にやり、また国から同じような発注があって二度手間になると、市町村も皆様方にもご負担となってしまいますので、国と連携しながら、用意ドンでやる方が効率的だと思っております。その意味では今段階でいつまでにということを申し上げるめどはたっておりません。ただやはり事柄の性格上、できるかぎり早くやっていかなければならないという意識を持って対応していきたいと、このように思っております。
それから、北方領土交流、行かれる方は船酔いに気をつけてください。私も大変苦労しましたので、酔い止めを飲んで頂くことをおすすめいたしますが、それはさておき、今年はサミットでロシアの大統領メドヴェージェフ新大統領が初めて北海道の地に足を踏み入れられるわけであります。それに先立ち福田総理が、ロシア大統領、当時はプーチン大統領でしたが、プーチン大統領と次期大統領のメドヴェージェフ夫妻に会うために訪ロされる前日に、私、東京にまいりまして、我々道民の思いとして北方領土問題にしっかりとしたメッセージを日ロ首脳会談で発出して、一歩でも具体的な進展というものをぜひやってほしいと要請したところでございます。
その先として7月7日のサミットの開催中も日ロ首脳会談が再び行われるということだと思いますので、領土問題についても交渉をさらにやっていただきたいと思っております。そういった中で我々地元地域としては、その日ロ首脳会談を通じての日ロ間の国対国の交渉を円滑に進めるための環境整備ということをやっていく必要があろうと。それが我々の役割だと思っております。そのためにこのビザなし交流もやっております。私も3年くらい前かな、行きました。国後と択捉に行きまして、大歓迎を受けていろいろな住民との対話し、日本に返還して日本人もやってきてロシアの方々と共生する場合に、どういうふうな方向性があるかとか、いろいろな議論をした訳であります。また行きたいなと思っておりますけれど、そういった中で北方四島と隣接地域にある北海道として、いろいろな交流の新しい方向性の一つとして、医療交流、医療協力かな、私は重要かなと思っております。ニキータちゃん、いたじゃないですか、大やけどして、札医大に入院して。私もお見舞い行きましたけども、ああいった形でのいろいろな緊急の医療協力を求める事案というのは、正に隣接をしているこの地域だからこそ協力をする余地がたくさんあるだろうし、またそのことを、北方領土の方々も私は求めているのではないかと思うわけです。ただこれを緊急に本当にやるとすると船だと時間がかかりますので、空路をどうするかなど、なかなか難しい問題もあるのですが、こういったまさに近隣地域として、実りのあるような協力分野というものを地元として模索していくことを通じて、日ロ間、両国間の領土交渉を一歩一歩進めていくという環境整備に努めていきたいなというふうに思っているところであります。
また、先般、ロシアのモスクワの方も含めてマスコミの方々が青年交流の一環として北海道に来られて、領土をこちらから見ていただいて、また旧島民との方々と意見交換もしてもらって、いろんな認識が、新たになったという話も聞いているところでありまして、こういった若い世代の方々の交流というのも、日ロ間での交流の一環として北海道も協力してやる部分もあるでしょうし、また、北方領土の若い人たちとの交流もあるでしょうし、今までから更に少し進化した形での日ロ、あるいは北海道と北方領土との交流というものを深めていくという努力をこれからもしていきたい、そういうことを通じて領土問題解決に貢献していきたいというふうに思っております。
(NHK)
最初の説明にありました鳥インフルエンザの関係ですが、これまでの道の対応についての知事のご評価をどのようにされているのかということと、今知事が一番この問題について懸念されていること。今サロマ湖に関して北大で今調査されていますけれども、そういった懸念も含めて今後、さらに相次いだ場合どういった対応を考えていらっしゃるのかそういったことも含めてお考えをお聞かせください。
(知事)
道の対応でありますけれども、秋田県の事案が起こった後、可及的速やかに食の安全安心参事監をヘッドとする形で連絡会議を開催し、対応を協議しながら、各部横断的にそれぞれが分担をしながら、連休中でございましたが、徹夜をした職員も多々いるわけでありますけれども、対応してくれたこと本庁職員あるいは支庁職員を含めて、私はよくやってくれたなと思います。昨日もちょっと関係の職員とも話しをしたわけでありますが、ただ、そうは言っても道民の方々あるいは観光客の方々にご不安もあろうかと思いますので、これからも引き続き気を緩めることなく監視を続けると同時に、的確な情報提供を速やかに行っていくということは、続けていきたいというふうに思っているところでございます。
これからの展開ということでございますが、サロマのオオハクチョウの詳細検査結果が土曜日に出ます。これの結果待ちという部分がございます。その後にということになるのですが、今のところ養鶏場等への、要するに鶏への波及というものはないわけでありまして、しっかりと続けていかなければならないと思うわけでありまして、ですから逆に言えば、懸念というふうにおっしゃった、そういったところに飛び火してはいけないなと思っているところでありまして、監視体制をしっかりと関係業者の方々と連携をしながらやっていかなければならないと思っているところでございます。
そして、観光シーズンでもありますので、観光客の方々に無用のご不安を与えたりご心配をいただく必要がないように、的確な情報提供を引き続きやっていきたい、このように思います。
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