知事定例記者会見
・日時/平成20年11月13日(木)12:10~12:38
・場所/議会知事室前
・記者数/19名(テレビカメラ2台)
会見項目
知事からの話題
1 決算特別委員会知事総括(企業会計分)を終えて
記者からの質問
1 道内の妊婦の受け入れ拒否についてと矢臼別演習場における実弾射撃訓練について(NHK)
2 市町村合併について(共同)
3 北海道新幹線について(STV)
4 支庁制度改革について(朝日)
5 定額給付金について(毎日)
6 支庁制度改革について(道新)
7 「八十九」ブランドについて(HTB)
知事からの話題
決算特別委員会知事総括(企業会計分)を終えて
今日は議会の方で、決算特別委員会の企業会計分の知事総括がございました。道立病院の経営の立て直しをどういう方向で考えていくのか。あるいは、工水事業、あるいは電気事業の道営事業をどのようにしていくかなどについて、議論を戦わせたところでございます。
なお、一般会計の部分の決算のご審議につきましては、現在私どもが国交省、農水省所管の19年度分国庫補助事業に対する道の独自調査というものをやっておりますので、それが終わった後、改めて総括質疑が行われるという段取りになろうかと思っているところでございます。我々としては、鋭意年内をめどに、この調査をまとめることといたしているところでございます。
記者からの質問
(NHK)
2点ありまして、1点が東京の墨東病院であった妊婦搬送の件で、厚生労働省から道内でも、どれだけどういった産科医がいなかったりして、受け入れを拒否した件数があるのかということを調べている最中だと思うのですけれども、それについて、その受け入れ拒否した後の、その後最終的にどうなったかという確認調査まではやっていないということなんですけれども、道として、その後どうなったのか、例えば死亡者のケースがあるのか重い障害が残っているのか、最終的にどうなったかという道独自で調査をするお考えがあるのかということと、もうひとつは矢臼別の演習場で米軍が射撃の訓練を行いますけれども、地元説明とか記者会見を一切行わない、完全非公開の状態で行うことを米国側が通告しているのですけれども、それについて知事としての感想というのか、要望というのがあればお伺いしたいのですが。
(知事)
一つ目は東京都でございました妊婦さんの受け入れ拒否の悲劇を踏まえて、国の方から統一的に都道府県においてこういった断ったケースがどうかという調査があったことについてのアフターケアというか追跡調査ということでございます。
道内はこれはオープンになっておりますが、4病院において137件あったということを、11月はじめに国に回答いたしたところでございます。
これを更に今おっしゃられたとおり、単に断ったということだけではなく、その後どうなったのかということをフォローアップしていくことが重要かと思っております。私ども19年度の状況をみますと、いわゆる総合周産期母子医療センター、ここでも残念ながら医師不足などで断ったケースが、あるのですが、これは2件。市立の札幌病院、それから旭川厚生病院で受け入れを断らざるを得なかったということだったわけでありますが、この2件については、すべて大学病院などに搬送されて最終的に受け入れされたということの調査結果が出ております。
あとは、全道に25カ所、地域周産期母子医療センターがございまして、こちらのほうの受け入れを拒否したものは、その後どうなったかということにつきましては、今、鋭意調査を、確認作業を道独自としてやっているところでございまして、確認し次第、公表をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
いずれにいたしましても、こういった妊婦さんの受け入れ拒否というのは、医師不足であるとかあるいは病床のキャパ(収容能力)の問題とか色々あるにしても、やはり避けなければならない事態でございますので、道内で安心して子供を産み育てる環境を整備するためにも、全力をあげて対処していかなければならないと、このように思っております。
それから、矢臼別の件でございますが、今年行われる訓練から、記者会見そして訓練公開いずれもやめるということが、突然当局の方から私どもへ連絡があったところでございます。これについて強く遺憾であるということ、そして見直しをするように担当の山本副知事から札幌の局のほうに申し入れをさせて頂いたところでございます。
さらにいえば、私どもとして懸念しておりますのは、矢臼別演習場におきます訓練というのが、やはり固定化しないということを前提にお引き受けをした経緯がある中で、別に固定化することを明確に聞いているわけではございませんが、ここ1、2年で、矢臼別のみで行われているという実態もあるようでございますので、ここらあたりにつきましても、やはり、強く道民の方々、あるいは地元自治体の方々の思いを踏まえて、私としても動いていかなければならないというふうに思っているところでございます。
早ければ、来週東京に知事会の会合などでまいる機会がございますので、時間がとれれば防衛省のほうへもまいって、道民の気持ち、あるいは地元自治体の意向などを踏まえての申し入れということをやらなければならないかなと、今思っております。
(共同通信)
市町村合併について伺いたいのですが、先日、市町村のかたが知事に会われて要請なされましたけれども、特例法の期限が切れるまで1年半を切る中で、道が出している構想の現状とかなり開きがあるようですけれども、今後分権の部分にもかなり密接にかかわってくる部分だと思いますが、今後道としてどういったスタンスで望むのか戦略的な部分と、もうひとつは、先日の議会の中での勧告について知事が答弁されたことについて、現在、対象となりうる地域があるかどうかという点と、仮に出すとすればどういったタイミングでということをあらためてお聞かせ下さい。
(知事)
市町村合併、なかなか最近進んでいない現状を懸念しております。
ただ、もとより市町村合併というのはそれぞれの自治体が気持ちを固めて合併について住民の方々の意向も含めて進めていくという自主的、主体的な地元の取り組みがあってはじめてなることでありますので、おのずと我々広域自治体である道としての役割というのはそれほど過大に大きく評価することはできないものとは考えてはおります。しかしながら今現状における合併がやはり進んでいないということ、私も非常に懸念をしているところでございまして、7月には私の名前において全市町村に対しまして、あらためて地域において住民の方々と一体となって合併の議論をしていただくように要請をさせていただいたところでございます。
また、そういった中で今ご質問にもございました7つの町と村の首長の方々、お一人副首長でしたけども、来られて、ぜひ合併を進めていくので道の支援をという中で、財政支援、今整備されているわけでありますけども、それの使い勝手が一部悪いというお声もございました。そういった点について、今合併を進められる地域に対する私どもからの財政支援のあり方について検討しているところでもございますし、さまざまな形で仲介を果たす、情報提供をやる、職員を派遣する、そして今あったような財政支援を使い勝手のいい形でするなど、環境整備を精一杯やっていきたいとこのように思っております。
それから、勧告権の発動、これについて一歩進んだ答弁というのを前議会でさせていただいたところでありますが、今時点で、目の前にこの発動をしようとしているわけではございません。
あくまでもこれは、道からひと押しすることによって、客観的に当該地域における合併が円滑に進むことが見受けられるような場合に限って発動するということを、これは前から申し上げているところでございますので、その意味では慎重な発動というのは当然でありますが、あくまで、それぞれ合併を進めようとしておられる地域における、もうひと押しがあればうまくいくのに、というお声がある場合に積極的な発動をしていきたいということでございます。
(STV)
北海道新幹線の札幌の延伸について伺います。昨日、国土交通省が財源として6000億円というようなことを表明しまして、これはJRからの賃貸の分ということもありますが、参加した方々の中にはこれでは北陸の分だけではないかという声も上がってまして、これについて知事はどう思われているかということと、来年度の予算編成まであと1カ月というところで、この新幹線にとってこの1カ月をどう位置付けられているかということについて伺えればと思います。
(知事)
昨日PT(与党整備新幹線建設促進プロジェクトチーム)があったことは承知しておりますし、私自身も経済界の方々と昨日財務大臣に要請をさせていただきました。
やらなければならない北から南を結ぶ高速交通ネットワークであるという位置付けはどなたに聞いてもそうおっしゃるんでありますが、問題は財源ということに尽きるわけであります。そうですか、昨日6000億円だと北陸のみという声だったんですか。北海道のみという声はなかったんですか、残念ですね。
我々常に北陸、そして九州と足並みをそろえて、みんなで勝ち取っていこうというスタンスでやっておりますので、その意味では限られた財源、例えば仮の話で6000億円であれば、その中でどういうふうに配分していくかという議論に持って行かなければならないというふうに思う次第であります。
来年度予算の政府案が常識的な時期に出るのであれば、これから年末にかけてが政府部内での編成作業が行われるタイミングでありますので、この年内ということを一つのタイミングとして新幹線につきましてもさらに地元の声を東京に、政府与党に強く伝えていくということをこれからもしっかりやっていきたいと思っているところであります。
しかしながら、やはり財源については「ない、ない。」という声しか出てこないわけでありまして、そこはやはり大変に心配をいたしながらも、ここにこういうのがあるのではないかとか、ちらちらといろんなお話がいろんなところから出てまいりますので、結局はそういうことを踏まえて政治的な決断を政府与党にしていただけるかどうかという、そのためには我々地元の声をどれだけ強くお伝えをできるかということでございますので、そのことを頑張っていきたいと思っているところであります。
現に札幌の駅前も新しいビルがどんどんできてますよね。あれも皆さんが、新幹線の来ることを期待しての開発でしょうし、札幌市民の方々のお声であるとか、また道民の方々でも新幹線が来ない地域の方々からも必要だというお声も結構出てきておりますので、そういったいろんなお声を集約しつつ、東京のほうに伝えていくということをしっかりやっていきたいと思っております。
(朝日新聞)
支庁制度にからんでですが、今週日曜日、留萌の方にいかれるんですよね。大島国対委員長との会談の中で町村の理解というか、対話を続けますと言うことで、その結果を伝えますよと言うことで、表現されたかと思うのですが、次の法案提出の時期というのは、通常国会になろうかなと思うんですが、いつぐらいまでに回られて、いつぐらいまでに結論。自民党の大島さんなりにいつぐらいまでに伝えるのか。相手があることなんですが、知事としては、結論を出したいというふうに考えていらっしゃいますか。
(知事)
今度の日曜日に留萌にまいりますし、それぞれの地域もそれなりに回らせてはいただいている経緯はございます。それで、個々の市や町の関係もございますけれども、そういった方々とともに町村会の幹部の方々も動いておられますので、いろんな形での対話ということをスピーディにやっていくということかなと思っております。一番の対話というのは、やはり地域振興条例の策定に向けて、市長会、町村会のご推薦もいただいた首長さんなどで、検討懇話会、この前も私、土曜日だったかな、出席し、意見交換をさせていただきましたが、そういったことを軸に進めてまいりたいと考えておりますが、スケジュールがなかなか、今現在何日までに年内までにどこまでやって、この先どうというところまでつまってはおりません。いずれにいたしましても、来年度実施ということを実現するために努力をし、そして、大島国対委員長、鈴木国対委員長、それから総務大臣、総務次官など、いろんな方々に大変ご心配をいただいておりますのでご報告をし、またご相談をしながら対処していきたいとこのように思っております。
(毎日新聞)
定額給付金についてお尋ねしたいんですが、政府が総額2兆円の給付の方針を決めているそうですが、高額所得者については、市町村に自主判断を委ねるという方針が出ておりまして、自治体からは疑問の声も上がっているんですが、そのことについて知事はどのようにお考えになるかということについてお尋ねしたいのと、知事ご自身は高額所得者になるのかちょっとわからないのですが、お受け取りになるおつもりなのかどうか。
(知事)
まず、総理のご発言が、2転3転、この前鳩山幹事長は7転8転くらいとおっしゃっており、そこまで変わったかどうかはわかりませんけれども、確かにおっしゃる発言が変わってきている。我々にとっても、とっても不安だなというふうな、それは私も率直にそのように思っております。
しかしながら、この議論って、まずスタートは公明党さんが言っておられた定額減税ですね。定額減税で広く国民の方々に消費を刺激するような、もちろんそんな一人一人にたくさんは無理だから、広く薄くということで定額減税のご提案があって、減税だと税金を納めていない本当に困っておられる低所得者の方々までいかないよねという議論など、それから後、機動性というのですか、そういうような議論の中で、給付という形に転換して、今回の第2次補正の一つの柱になってきたということかなと思うんですね。その意味では、こういった形の景気刺激策としての位置付けというのは、やっぱり冷静客観的にいろんな議論をしていくべきじゃないかなと思います。
北海道の場合には、特に景気が厳しいというのは、いつもいつも申し上げているところで、そういった中で、今、原油が少し下がってきていて、それが灯油とかガソリンの価格低下にもつながっていて、この前の日銀の札幌支店の調査によると、1世帯あたり6万6千円くらい、7万円くらいが負担軽減になる話が出て、それに今言われている給付金が、いわれている形で出るとすると、各世帯10万円以上、実質的にキャッシュのゆとりができるということになるので、これはもらうかもらわないかどっちがいいと言われたら、それはもらう方がいいに決まっているという答えが出る。これは容易に想像されるんですよね。
それが、個人消費にプラスに行き渡れば、どういう形で景気に影響するのか、今、輸出がダメになり、内需指向というところから出てくる政策ですから、そういうことを客観的冷静に評価、観測するというのがやっぱり必要かなと、そこはそういうふうに思っております
もう一つ、まさに総理の発言も迷走しているポイントが、どういうふうに給付をするんだという、そこの混乱があるだろうということですが、これはある意味、今段階では何も決まっておらず、市町村の窓口で交付するというところは、たぶん決まっているんでしょうけれども、ただ細則は何も決まっていないので、今段階でいろんな不安がでるというのは、当然だと思うのです。まずは、私政府にお願いしたいと思うのは、いつ提案するかすら明確にしていない。これは、あんまりだと思うのです。年度内にスピーディーに個人消費を刺激するためにやるんだとおっしゃったのであれば、当然今の臨時国会に提出して、それこそ会期延長してでも、徹底的に議論をして、年内にも議案をあげてやる、というふうなことにするべきだと思うんですが、私は個人的にはそう思います。いずれにしろスケジュール感もない中で、どうするんだというのがありますよね。スケジュールが見えてきたところで、何月のどこくらいに給付をするのであれば、それに向けて、窓口たる市町村、あるいは中間的に位置する広域自治体、都道府県も含めて、いろんな意見を出してもらって、もちろん総務大臣が中心になるかと思うんですが、給付の細則をつめよと。
今段階では、所得をいつの時点で切るかという議論も一切されていない中で、いろんな意見が出るのは当然でありまして、制度設計をきめ細やかにやっていく期間の工程表をやっぱり作って欲しいんですよね。それを政府にというか、総務省にお願いしたいと。
スケジュールの明記と、出来るだけ早くやるべきだと私は個人的に思うので、出来る限り早く提出してもらって、給付をするんだということを決めて、それまでに詳細な制度を地方の声を入れて、完璧なものにするというような段取りで行かないと、これだけの大きな前例のないことをやろうとしているわけですから、私はいけないのではないかなと思います。
それから、私が受けるかどうか。今申し上げたようなきめ細やかな制度がどうなるかということを踏まえての判断だと思いますが、常識的に言って今の段階での情報の中では、私はたぶん辞退させていただくかなと思っております。
(北海道新聞)
支庁再編についての質問なんですけど、先ほどスケジュール感はまだわからないところもあるというお話だったんですが、その中で知事は来年度に実施ということを何度かおっしゃったんですが、来年度の意味についてなんですが、来年度というのは1年間長い時間があると思うんですけれども、当初、来年度4月ということをおっしゃっていたと思うんですが、来年度4月からの実施なのか、それとも来年度途中からの実施を今の段階で考えてらっしゃるのか。
(知事)
当初予定通りを想定しております。
(HTB)
お米の話なんですけれども、今「おぼろづき」というお米をご存じかと思うんですけれども、おぼろづきで発売されている一方で、ホクレンさんが「八十九」というブランド名で発売されていて、二つの名前でお米が販売されているという状況です。さらには来年から新しく販売予定の「ゆめぴりか」なんですけれども、こちらがホクレンの収穫祭で「八十九」の袋に詰められて発売されていたということがわかったんですが、北海道としては北海道ブランドの向上を目指すというお立場の中で、一つのお米が二つの名前で販売されたり、二つのお米が同じ袋に入って販売されたり、といったこのいびつな販売戦略というのは全国的にも例がないようなんですが、その辺は知事はどう思われますか。
あるいは、もしこういうことをするべきではというお考えがあればよろしくお願いします。
(知事)
ホクレンさんが販売しておられるんですよね。それなりに理屈があるんでしょうね。
普通の八十八手間よりも一手間多く手間をかけたおいしいお米ということで「八十九」だから。「おぼろづき」がそのブランドで一部販売されたということも知っておりますし、「ゆめぴりか」でもやっているというのはそれなりの思いがおありになるのでしょうから、それをお伺いした上で申し上げないとフェアではないかも知れませんが、一消費者として言えばちょっとわかりづらいかもしれませんね。「ゆめぴりか」はまだ試験販売ですよね。ですから来年収穫がきちんとできれば、来年度以降も本格出荷に向けてブランド戦略をどういうふうに考えられるか、むしろ御社のような消費者の代表のところがご意見する方が、私が一言いうよりも影響があると思いますけどね。
ちょっとそれてしまうかもしれませんが、北海道米ブランドについて私がいつも悩んでいることを一つ申し上げれば、他の府県米というのは、新潟米と言えばコシヒカリ、秋田米といえばあきたこまちというふうに府県のお米の名前が一対一になっているんですよね。
でも北海道は広いからということもあるんでしょうが、いろんなブランドがありますよね。ななつぼし、ほしのゆめ、ふっくりんこ、おぼろづき、ゆめぴりか。これを他府県のように単一化してしまうと、実は北海道米というもののイメージが、首都圏とか大阪圏のような大消費者の方々にわかりやすいかなという見方もあると思うんです。
ただ一方で、北海道のそれぞれのブランド米はそれぞれの特徴があるわけで、それを生かしながら複数のブランドを、トータルとしての北海道米としてどうやって売り込むのかというのは、これはやっぱりプロの間で消費者の方々のご意見を踏まえて、かんかんがくがく議論をしていくべき大きなテーマではないかなと前から思っておりまして、ぜひそういったことについても御社のご意見をいただければと思います。
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