知事定例記者会見
・日時/平成21年5月8日(金) 14:01~14:28
・場所/記者会見室
・記者数/29名(テレビカメラ2台)
会見項目
知事からの話題
1 新型インフルエンザ対策について
2 「サミット記念の森」の設置について
3 「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」現地視察について
記者からの質問
1 新型インフルエンザについて
2 新千歳空港24時間運用について
3 北方四島関連について
4 日露知事意見交換会について
知事からの話題
新型インフルエンザ対策について
[配布資料:備えよう!インフルエンザ]
一つ目は、ここにも1枚ポスターがございますが、新型インフルエンザの関連でございます。
今日午前中に保健福祉部のほうから皆様方にもご報告申し上げたところでございますが、先月の4月30日にアメリカから帰国した十勝管内の幼児の男のお子さんについて、道に新型インフルエンザの疑いの届け出がございました。
国との申し合わせによりまして、その段階で公表させていただいたわけでありますが、その後、検体を道立の衛生研究所に搬送してチェックをした結果、陰性と判明したということで、大事に至らなくて安堵したところでございます。
今回、十勝管内のお子さんでございましたので、その検体の札幌までの搬送に道警のパトカーの先導で送っていただき、道警さんのご協力にも心から感謝を申し上げたいわけでありますが、結果として大事に至らなかったことは、大変に良かったと私自身思っているところでございます。
しかしながら、世界全体の動きを見ますと、この新型インフルエンザにつきましては、4月24日にアメリカにおいて、豚由来のインフルエンザの症例が公表されまして、その後、人から人への感染の広がりということも確認されまして、新型のインフルエンザと認定され、現在北米地域での流行が継続すると同時に、ヨーロッパ、アジアの国におきましても感染が拡大し、極めて重大な事態を迎えているというのが一般的な認識でございます。
現時点で国内での患者発生は確認されていないわけでございますが、大型連休で海外からお帰りになられる、とりわけ流行国であるアメリカ、メキシコ、カナダをはじめとした、海外からお帰りになられる日本人の方々の感染の状況が心配されるところでございます。
皆様方ご承知のとおり、水際対策ということを中心に検疫体制を強化して、この新型インフルエンザウィルスの国内への進入の防止ということに向けて強力に取り組んでいるところでございます。
しかしながら、今日午前中もご説明申し上げたと思うのですが、この十勝管内のお子さんが、帰国されたのは4月30日ですが、その検疫の記録というものが私ども地元のほうに参りましたのが昨日ということでございまして、検疫所のほうも多くの情報や、書類の整理に大変に戸惑っておられるということを考えた場合に、やはり、水際でしっかりとやると同時に、私どもそれぞれの地域において、住民の皆様方のご理解ご協力を得ながら、感染拡大を防止するような取組を地道に行っていかなければならないのではないかという思いを強く持っているところでございます。
それで、咳エチケットというのが重要でありまして、ちょっと咳き込むような、今も私もむせちゃったのですが、あるいは微熱があるとか、あれっと思う場合にはマスクをするとか、あるいはマスクがない場合には、ちょっと咳をするときに顔をそむけるとか、そういった咳エチケットということをぜひ、公共の場、オフィスなり学校なり、公共交通機関等の場では、そういったことに気をつけていただく。
あるいはお家に帰られた場合には手洗いをしっかりやっていただくと同時に、うがいをするということなど、これは一般のインフルエンザ対策にもなるわけでありますが、そういった形で対応していただければと思います。
発熱、一般的には38度以上と言われておりますが、こういった症状があるなどご心配の向きの方は、まずは最寄りの保健所に設置をした発熱相談センターにご連絡をいただきたいということは、前から申し上げているとおりであります。
万が一、感染されている方が、直接、一般医療機関に受診されますとその段階で感染が拡大ということも懸念されますので、まずは保健所にご相談ということをお願い申し上げております。
この保健所の相談センターではご相談の内容に応ずる形で現在、設置準備を進めております発熱外来がある医療機関をご紹介申し上げて、その医療の確保をするということを考えておりますので、ぜひそのような冷静な対応をお願いを申し上げたいと思う次第であります。
「サミット記念の森」の設置について
[配布資料:「サミット記念の森」のつどい~ポスト・サミットの森林づくり推進事業~]
それから、二つ目でございますが「サミット記念の森」の設置ということでございます。
昨年行われましたG8サミットを記念いたしまして、「サミット記念の森」の設置をすることとしました。
設置場所は、洞爺湖町の西山火口散策路南口でありまして、3年間かけて約1ヘクタールの面積で植樹を実施したいと考えております。
クリーンラーチ、これは去年のG8の首脳の方々、あるいは奥様方とも一緒に植樹をしたこの品種を使ってやっていきます。今年度は、道民の皆さんに公募を行いまして、約100名のご参加を得て、6月13日土曜日に、講演会と記念植樹を行い、また、7月下旬には同じ場所において、下刈り体験ツアーというものも予定いたしているところでございまして、皆様方のご参加をいただきたいと思っております。
「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」現地視察について
[配布資料:「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」現地視察(道東)行程(予定)]
それから三つ目でありますが、「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」のメンバーの方々による現地視察、道内版の第2弾として、道東にお越しいただくということのご案内でございます。
今日の夕方から10日までの日程で行われます。9日は釧路市阿寒町と白糠町でアイヌの方々、あるいは行政関係の方々との意見交換が予定されております。私も出席する予定にいたしているところでございます。
道内の現地視察は昨年の秋に行われました、札幌市、白老町、平取町などでの開催に続く2回目ということでございまして、多くの皆様方のご取材のお願いを申し上げたいと思います。
今回の貴重なアイヌの方々のご意見等も踏まえながら報告書を取りまとめ、しっかりとその役割を果たしていきたいと思います。
記者からの質問
(道新)
新型インフルエンザに関連してなんですけれども、先ほど知事のほうから、記録が検疫所のほうから届いたのがうんぬんという話がありました。こちらのほうで取材した形では検疫所のほうは別の部署ではありますけれども、ゴールデンウィーク中に道のほうに送っているということで、128人分の名簿を送ったというふうに言っております。
それで、今回のケースは結果的にインフルエンザ感染ではなかったということだったので、大事には至っていないんですけれども、仮にこれが感染だったとすれば、そのタイムラグというのが非常に大きな深刻な問題になってくる。こうしたことに対して再発防止をどのように考えていくのかこのへんについておたずねしたい。
(知事)
まず、再発防止の前に、事実関係。保健福祉部の人いませんか。私の受けた報告とはちょっと違うんですけど。要するに道に届いていたということですか。それが十勝のほうには行ってなかったということかな。
(健康安全室参事)
先ほどお話ありましたように、検疫は、今水際対策で大変な仕事をしていただいているところであります。かなり混乱もしているように私も承知しているところであります。 今、お話ありましたように、検疫は保健福祉部門の所管でございますけれども、検疫所のほうが間違ってゴールデンウィークの最中に違うところに一部メールが行っていたようでございます。
(知事)
違うところというのはどの組織の違うところに行っていたのですか。
(健康安全室参事)
違う部門、支庁のほうに、あとで確認しましたら支庁のほうに、渡島支庁の個人のほうに行っていたと。
(知事)
個人っていうのはどういう意味ですか。
(健康安全室参事)
連絡体制の中で、それぞれ所管の部分、所管の私どもの感染症なら感染症の部の担当職員のほうに連絡先を登録しているんでございますが、それが間違って私どもの来るべきところでないところにこのお休みの間に届いていたと、誤りがあったということだというように承知しております。
(知事)
渡島支庁のこの問題の担当の職員の。
(健康安全室参事)
担当以外の職員ですね。
(知事)
担当以外の職員に。で、それは受領した記録はあるんですか。
(健康安全室参事)
それはそちらのほうに行っているというように、今調べているところであります。行っていることを確認しております。
(知事)
まず事実関係をしっかりご報告をしてあげてくれますか。私にも報告をください。その上じゃないと再発防止ということにはならないと思います。
(NHK)
インフルエンザに関連してなんですが、行動計画改訂版、前倒しで改訂した、改訂する予定のものというか、新型インフルエンザの行動計画というものに基づいて今回もいろいろ対応したと思うんですけれども、一連の対応の流れについて、知事としてはどう評価されていらっしゃいますか。
(知事)
今回のこの十勝管内の事案についてですか。
(NHK)
はい。行動計画を作ってそれに沿って対応してきたと思うんですけれど、そういった点でスムーズにいったとか。
(知事)
思い起こせば4月の二十何日にこの問題がWHOから公表があり、日本国政府としてもアクションが起こり、私どもとしても道としての対策本部をたちあげ、情報の共有と対処の方向性の確認をして、その後24時間体制の相談窓口というものを設け、ここに至っているわけでございます。
そういった中で、今日の午前中発表させていただきましたから、5月7日に私どもとして検疫所から受領したと認識をした事案に基づき当該帰国者の方に確認をとったところ、まず疑いということが明らかになり、その後に陰性とわかったという流れでございます。
このこと自身、今その前にご質問のあったことへの解決ということを横におけば、比較的にスムーズな流れにあったのかなと。国との意思の疎通も真夜中でございましたがきっちりなされたというふうに報告も受けておりますので、そういうことかなと思っております。
しかしながら、私どもはこれに安堵すると同時に、実際に道内で不幸にして陽性という判断が出た場合にどのように対処するのかということについて常に頭を働かせて、頭の体操というか、頭の中でいろいろと考えを巡らせながらひとつひとつの事案に対処していくということが重要でございます。
実は今日も午前中、そういった意味で今回は幸いなことに陰性だったけれども、そうでなかった場合に、どのような対処が想定されたかというような議論も幹部職員とも行ったところでございまして、常に緊張感を持って水際対策をしっかりやっていただくと同時に、それぞれの住民の方々のご協力を得ながら我々行政もしっかり対応していくということに尽きるのではないかなというふうに思っております。
そういった過程で、インフルエンザ自身の発生源の実態であるとか、そういったことを踏まえれば、今、治療法はタミフル等が有効だということがわかっておりますけれども、ワクチンの開発に向けての目処のことであるとか、あるいは行動制限というのでしょうか、患者さんが出た場合の、どこまで集会の自粛等までやっていくのか、やらないのかということについて、政府は弾力的にというようなことも言っておられると思うんであります。
そういったことについての考え方の基本的なところというものも、水際で時間を十分に確保できればできるほど、他国の例なり、我々自身のいろいろな議論なり専門家のご意見なんかを踏まえて準備する時間も増えてくるわけでありますので、国との情報の共有も図りながら、道民の方々の健康というものを守っていく、それを我々はしっかりやっていかなければならないと思っております。
(読売)
ちょっと話は違うのですけれども、千歳空港の関係なのですけれども、来年の秋に、羽田空港の第4滑走路が完成して、相当大規模な空港再編があると思うのですけれども、その新千歳空港、現在、早朝夜間6枠しかないのですが、経済界も、もっと弾力的に運用してほしいというような要望もあるようですが、知事の24時間運用に対するお考えと、今後どのように対応されていくのかということをお聞かせ願えればと思います。
(知事)
来年の10月に予定されております羽田空港の再拡張に向けて、全国の各地域が、地域活性化のためにも、この再拡張に伴う枠の拡大というもののぶんどり合戦をするなど、競争を強めているところであります。私ども北海道としても、今お話のございました夜間6枠の更なる増加などを含めて、24時間の運用についてどのように対処していくかなど、やはり、新千歳空港の活性化に向けて、さまざまな議論を深め、検討を深めていかなければならないということを強く思っているところであります。
そういった中で、滑走路周辺の地域住民の方々のご理解を得るということが何よりも重要でございますので、引き続き、地域の皆様方のご理解を得られるように、地元の苫小牧市さんとも連携をしながら、私ども道自身も、経済界のほうを含めて、いろいろな方からいろいろなアドバイスを頂戴いたしております。
我々自身が頻繁に、やはり地域住民の方々に対してご説明にお伺いをして、ご理解を得る努力をしながら、何とか協議会という場を活性化をさせていただいて、地域住民の方々と議論を深めて、今、ご質問のあった24時間運用についても、一定の方向性を出していきたいというふうに思っております。それもスピード感をもってやっていかなければならないと、このように思っているところでございます。
(STV)
北方領土の関係で2点ほどお伺いしたいのですが、まず1点目が、先日、ロシアとの間の出入国カード問題が解決しまして、知事が予定どおりビザなし訪問を行われるということになりましたけれども、あらためて、解決されたことについて、どう受け止められたかをお聞きしたいのと、先月、道を表敬訪問をしまして、記者会見を開きましたサハリン州の行政府の担当のセルゲイ氏が、記者会見のところで、北方四島はロシアのサハリン州だということを強調して、知事のビザなし訪問につきましては、知事がサハリン州を訪れるというような表現をされていたわけなのですが、こういうロシアの領土だと言わんばかりの表現をした上で知事を迎え入れるという発言をしたということについて、率直に知事の感想を伺えればと思います。
(知事)
まず、出入国カード問題は無事解決して、本当に良かったと思っております。ずっと懸念をしておりまして、4月の中頃でしたかね、私自身も時間をみつけて外務省に行くと申し上げて、外務省のほうに要請にも参りまして、連休明けくらいでしたかね、正式にこういう形で日本・ロシア双方の立場というものを犯さない形で解決するという方向が出たことを大変嬉しく思っているところでございまして、私も予定どおり5月の15日、国後と色丹島を訪問をしようと思っているところでございます。
いろいろな方がいろいろな発言をされますよね。ロシアの方。日本もいろいろな方がいろいろな発言をされて、そのたびに、報道に載ることもあるわけでありますけれども、ロシアにもいろいろなことをおっしゃる方はおられると思います。
ただ、日ロ両国政府が、この領土問題の存在というのを認識した上で、このことを解決をして平和条約を結ぶんだということを、トップレベルでもう確認をし合っていることでありますよね。個人の方が何をおっしゃったかということについて、いちいち、私はコメントするつもりはございません。
私といたしましては、予定どおり、ビザなし交流の枠組みで、5月の中旬に国後と色丹におじゃまをする際に、私どもの主張ということをしっかりとお伝えすると同時に、島民の方々と交流をあらためて行っていく。
あらためてというのは、国後のほうは再度の訪問でございますので、どのように島の中が変わったかということを私自身の目でも確認をしたいと思いますし、また、あらためて島民の方々と意見交換、交流を図りたいと思いますし、色丹は初めてでございますが、意見交換会をしっかり行っていきたいと思っております。
(道新)
今の問題とも、ちょっと関係すると思うのですが、来週の12日に、全国知事会の関係でロシアの知事と意見交換会が東京で開催されると思うのですけれど、知事は、どのようなお考えをお話されるようなご予定で行かれるのかということをお伺いできればと思います。
(知事)
来週、その前にまだいろいろ、釧路に行ったりいろいろありますので、あんまりそこまで頭の整理ができておりませんが、今回、極東のハバロフスク地方の知事さんとかウラジオストクのある沿海地方の知事さんとか、サハリン州の知事さんなんか始め、モスクワの市長も来られるのかな。地方のトップの方々が多くいらっしゃるということで、知事会の十数人の知事との間の意見交換が予定されているようであります。
私自身は、去年の秋、10月でしたかね。ハバロフスク、ウラジオストク、そしてサハリン州のユジノサハリンスクを訪問して参りまして、今回いらっしゃる、沿海地方のダリキン知事、それからイシャエフさんは、訪問した当時はハバロフスク地方知事さんだったのですが、今度は政府の極東代表に、偉くなったのか、横滑りなのかよくわかりませんが、そういうふうになっておられて、その立場でまたいらっしゃるとお伺いしておりますし、ホロシャビンさんもいらっしゃると聞いておりますので、あらためてお会いをし、こういった地域、極東をはじめとする地域と私ども北海道が交流を深めているというような実態のご報告と、さらにそれを深めていきたいというようなお話を、まずは申し上げたいと思います。
そしてその上で、領土問題。これは北海道のエリアでございますので、このことの解決に向けて、それぞれの地方レベルでもさまざまな環境整備をしようというような、そういった意見も私から述べたいと。このように思っております。
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