知事定例記者会見記録(平成22年3月19日)

知事定例記者会見

・日時/平成22年3月19日(金) 14:01~14:14  
・場所/記者会見室
・記者数/24名(テレビカメラ2台)

会見項目

 

知事からの話題

1 バンクーバー2010パラリンピックでの北海道関係選手の活躍について
2 認知症高齢者グループホームの火災について

記者からの質問

1 認知症高齢者グループホーム火災について
2 羅臼漁協所属刺し網漁船の安全操業について(監視体制)
3 羅臼漁協所属刺し網漁船の安全操業について(対策のスケジュール)
           

知事からの話題

 

バンクーバー2010パラリンピックでの北海道関係選手の活躍について

 私からは2件、お話をさせていただきます。
 一つ目は、バンクーバーパラリンピックでの道内関係選手の活躍についてでございます。皆さんご承知のとおりですけれども、今日、アルペンスキー滑降で網走市出身の狩野亮(かのうあきら)選手が、出場2度目で初めての銅メダルを獲得されたというニュースが入ってまいりました。とても喜ばしいことと思います。
 それから、道内から4名の選手が出場しているアイススレッジホッケー日本代表チームも決勝進出が決定しました。これで銀以上は確定したわけでありますので、もちろん金メダルを狙っていただきたいと思っております。パラリンピックはご案内のとおり21日までありますので、本道ゆかりの選手をはじめとした日本選手のさらなる活躍を心から期待しております。
 オリンピックでメダルを取られた道内ゆかりの選手の方々に対する栄誉賞の贈呈の検討等については、先に議会で申し上げたとおりでありますが、パラリンピックでも好成績を上げられた方々にも同様であると思っておりますので、まずは活躍を期待しております。

認知症高齢者グループホームの火災について

 二つ目は、札幌市内におけます認知症高齢者グループホームの火災についてでございます。先週土曜日、13日の未明に札幌市北区の認知症高齢者グル-プホ-ムにおきまして、要介護のお年寄り7名の方々の尊い命が奪われるという、大変痛ましい火災が発生いたしました。亡くなられた入居者の方々、そしてご家族の方々に対しまして、心からお悔やみを申し上げたいと思う次第でございます。また、負傷された方、これは従業員の方もおられるようでありますが、お見舞いを申し上げたいと思っております。
 最近道内でも、特に全国平均以上と言われております高齢化の進行の中で、このグループホームという形がどんどんと浸透し、数も増えてきている現状の中で、今回の火災というのは、私どもとして大変反省をしなければならないし、検証しなければならないところが多々ある問題であると理解しております。
 3月13日付で、今回火災に遭いました認知症高齢者グル-プホ-ムをはじめとして、高齢者あるいは障がいのある方々の施設など、道内の社会福祉施設に対しまして、道から火災事故の発生防止と防火安全対策の徹底ということについて通知をさせていただいたところでございます。
 国のほうでも3省庁(消防庁、厚生労働省及び国土交通省)の緊急プロジェクトによる、緊急調査も行うことになっているのはご案内のとおりであります。
 私ども道におきましては、来週早々にも関係部局による連絡会議を立ち上げまして、そしてこのグループホームの協会をはじめとする関係機関・団体の皆様方との意見交換の機会を設けるなど、今回の事案や全道の状況を踏まえての国に対する提言を緊急にまとめていかなければならないと思っております。
 こういったプロセスを経てということになろうかと思いますが、今、現段階で言われておりますのは、一つは、グループホームの介護従事者の夜間配置については、現行基準1名となっておりますが、やはり認知症で高齢者ご本人が自ら動くということがなかなか難しいような夜間の介護の状況の中、現行基準1名でいいのかどうか、もっと手厚い配置が必要なのではないか、これはあらためて道内の関係の専門の方々のご意見もいただいて、我々としての考え方をまとめなければなりません。
 また、スプリンクラーの設置、これはこのグル-プホ-ムの場合には275平方メートル未満ということで制度的に設置義務はない施設でございますが、今回のような事案を踏まえた場合には、このスプリンクラー設置対象面積の引き下げにより、より小さなところでも設置を義務付ける等の、もちろん義務付けるということは支援も必要だと思いますが、そういった2点をはじめとして、我々としてこの検討協議の場で議論を深めて、国に対して必要な提言を行っていきたいと思っているところでございます。
 また、別途、私ども道から、こういった施設の指導監督権限等を有する市町村に対しまして、この火災などの災害発生時における地域住民の方々との協力体制がつくられているかどうか、そしてそれが機能しているかどうか、例えば今回の北区の案件の場合には、この地域住民代表の方々が参画していただく運営推進会議の定期開催というのが、必ずしも十分ではなかったということも報告を受けているところでございまして、こういった地域ぐるみの協力体制を重点的に確認するために、地元消防機関とも連携して、市町村の方々に立ち入り調査等をやっていただくことや、事業者へ防火安全対策の徹底を指導していただくというようなことを私どもから働きかけることとしております。
 いずれにいたしましても、今回の事案で、まだ現時点で火災原因は特定されておりませんので、この原因究明は当然でありますが、今回の大惨事になったことが、どういったところの不備にあったのかということを踏まえて、国に対しての要望等をしっかり行っていかなければならないと思う次第であります。

 

記者からの質問

(共同通信)
 火災の件ですけれども、お話にありました夜間の体制の拡充でありますとか、スプリンクラーですね、これはおっしゃられたように支援も必要という方向に当然なってくると思うんですけれども、今後具体的に補助金を交付するということについて検討していくということでよろしいのでしょうか。

(知事)
 そこについては、まだそこまで考えは至っておりません。まずはやはり国の制度として行われているということの中で、国に支援も含めて提言していくということが基本だと思っております。
 ただ、道内の指導監督権限のある市町村を通じ、いろいろな調査を行うと先ほど言いましたので、その結果を踏まえて、またあらためて考える必要があろうかと思っておりますが、現時点では道がそういう支援の負担までやるというところまで思いは至っておりません。


(STV)
 安全操業のことで伺いたいと思います。安全操業について、今後いろいろと知事も監視体制強化していくというふうに先週もおっしゃっていられましてね、その一環として、VMS(衛星通信漁船管理システム)を直接見るということの他に、GPS(全地球測位システム)の航跡を求められるかどうかということを一つ伺いたいのと、もしそうであればその理由などを教えていただければというふうに思います。
 
(知事)
 羅臼漁協の件ですね。
 もう一週間以上経ちましたが、外務大臣が来道された際に、私からも明確に申し上げましたが、今回のこの事件を踏まえて、まずは監視体制をしっかりやっていかなければならないということです。そのためには、漁業者の方々、そしてそれをまとめる漁業協同組合に対する指導の徹底ということが第一でありますし、また、私ども道も直接的なモニタリングを通じて監視体制を徹底し、道内はルールをしっかり守る体制を整備するので、ぜひ、国においても安全操業の維持確保について、よろしくお願いしたいということを申し上げたところであります。
 今まだ真実の解明に向けての途上であるというのはご案内のとおりでありますが、いずれにいたしましても、漁業協同組合の方々とも次のシーズンに向けての体制整備という中で、並行していかなる形でこの再発防止をするかという検討を行っているところです。
 そういった中で、今おっしゃられたVMSによるチェックとの、いわばダブルチェックという意味において、GPSの航路記録の提出の義務付けなども一つの手段の選択肢として、監視体制をいかに実効あるものにしていくかという検討をしているところであります。


(北海道新聞)
 関連して、ダブルチェックなんですが、いつ頃から実際にやっていきたいとお思いですか。次の季節というと安全操業であればホッケ。秋、夏の終わり頃からになると思うんですが、いつ頃からをお考えでしょうか。

(知事)
 まだ検討中ですので、その体制整備の考え方がまとまった後にできる限り早くということで、今いつからというめどを申し上げる段階にはございません。


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

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