知事定例記者会見
・日時/平成22年4月9日(金) 14:00~14:26
・場所/記者会見室
・記者数/19名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 春の全国交通安全運動について
2 バンクーバー2010パラリンピック北海道関係選手に対する道の表彰について
記者からの質問
1 駐日ロシア大使との昼食懇談について
2 参院選に向けた知事のスタンスについて
3 新党結成の動きについて
4 道立紋別病院の移管について
5 公共施設でのトルエン検出について
6 厚沢部町における車両火災について
知事からの話題
春の全国交通安全運動について
[資料:交通事故概況等について]
私からは2点お話をいたします。
一つ目は、「春の全国交通安全運動」についてでございます。今週の月曜日、道庁赤れんが前で「交通安全道民の集い」を開催しまして、6日から来週の15日までの10日間、「春の全国交通安全運動」が展開されているところでございます。
ご案内のとおり、北海道はここ数年、交通事故死ワースト1を回避しているわけですが、今年に入ってから、8日木曜日現在、46名という尊い命が交通事故で失われております。昨年の同時期と比べて11人多くなっており、大変厳しい状況にあると認識をいたしております。
リーフレットも配付しておりますが、高齢者あるいは子ども達の事故防止をはじめとして、あらためて我々としてしっかり道民の皆様にお声をかけながら、交通安全運動を展開してまいりたいと考えておりますので、マスコミの皆様方のご理解ご協力も心からお願いを申し上げます。
バンクーバー2010パラリンピック北海道関係選手に対する道の表彰について
二つ目は、バンクーバー2010パラリンピックの道内関係選手の方々に対する道の表彰についてのご報告でございます。
パラリンピックでは、北海道関係選手が8名ご出場されました。そして大いに活躍されたわけでありますが、中でも、網走市ご出身の狩野亮選手は、皆様方ご承知のとおりスキー競技で金と銅の二つのメダルを獲得されました。それからアイススレッジホッケー、これは日本チーム初となる銀メダルを獲得されましたが、このメンバーには北海道関係選手4名が出場をしております。
こうした方々に対して、私どもとして栄誉賞を贈らせていただきたいと考えているところです。今申しましたとおり、狩野選手それからアイススレッジホッケーの3名の選手、永瀬選手、須藤選手、そして伊藤選手には栄誉賞を、そして、三澤選手、この方は、栄誉賞の居住要件である道内在住期間5年以上という規定を満たさないという残念な状況にございますが、ただ私どもの気持ちをお示しするという意味で、この三澤選手には感謝状をお渡しするということを含めて、北海道として表彰の準備を今進めているところです。
記者からの質問
(STV)
昨日知事はロシア大使とお会いになられたということですが、どのようなお話をされたのか、経済交流についてどのようなお話をされたのかがまず1点と、参議院選挙まであと3ヶ月ほどになっておりますけど、政権交代で自民党と民主党の両方を支持するという団体も出てきているようでして、知事としましては、どのようなスタンスで臨まれるか、そろそろお決めになられたかと思いまして、以上2点をお伺いします。
(知事)
昨日は、先方からのご招待をお受けするということで、ロシアのベールィ駐日大使との昼食懇談会に行ってまいりました。
ベールィ大使とは、一昨年の北海道洞爺湖サミットにおいてメドベージェフ大統領がご来道され、去年はプーチンさんが東京に来られ、知事会に出席されて有志と議論をされた際にも随行されていたでしょうし、少なくとも二度はお会いしてお顔を拝見し雑談させていただく機会がありましたが、今回は向こうからのご招待ということで、おいしいロシア料理をいただきました。
お話はいろいろありましたけれども、私なりに思いましたのは、ご案内のとおり5月1日から、私はモスクワとロシア極東エリアを知事会の仲間と訪問させていただくことになっておりまして、そういうことも大使はご存じでございましたので、訪問の前に一般的な意見交換をしておきたいということかと推察をいたしました。
料理を食べながらいろいろと申し上げたのですが、一般的な日ロ間の交流の話、とりわけ北海道は隣接したサハリンとは10年以上の交流があるわけでありまして、そういった一般的な交流の重要性であるとか、それから知床の自然環境の美しさ、それを保全していかなければいけないことなど、いろいろ一般的なお話もしましたが、大使のほうから話題を提供されるという形で、今ご質問にもございました北方四島との経済交流についてのお話がありました。大使自身は、これは公の場でも言っているとおり、経済交流の推進に大変積極的でいらっしゃるという立場のご説明をされた上で、私どもの考え方などについても意見交換させていただきました。それから、これも大使からの問題提起、話題提供になりましたが、羅臼の銃撃事案のその後についてのお話などもあったところでございます。
四島との経済交流については、大使自身おっしゃっていたのは、別にこのことを積極的に進めるということによって、自分として領土問題の解決を先延ばしするなどということを考えているわけでは一切ないと。むしろ、領土問題の解決を進めることにも、経済交流ということが意味があるのではないかということで、法的な環境整備等を双方で議論しながら進めることができるのではないかと。ビザなし交流という、そういった日ロ政府相互間でいろいろな議論の元にやった成功例もあるというお話がございました。
私からは、四島との経済交流について、日本政府は慎重であることはご承知のとおり、道内でもいろいろな立場でいろいろな議論があり、まだそのことが集約されていない状況にあって、道知事としてもこの問題について、まだこうすべきだということを申し上げられる状況にはないというお話を申し上げたところでございました。
羅臼の件については、その後どうしたかということもありましたので、皆さんご承知のとおりの、二隻の漁船と、そしてそれ以外のVMSを意図的に切っていた漁師の方々の調査結果について、その区域を出たということの確認はできないということなどをご説明申し上げ、これからの漁期に向けて、きちっとした枠組みの中で、さらに対応を進めていくことの必要性や重要性を私からもお話を申し上げ、大使からもそういったお話がありました。
ただ、趣旨は、やはり相互に意見交換をしようということでございますので、ここで何かを決めるということではなかったと思いますが、これまで何回もお会いを申し上げておりますベールィ大使と、ゆっくりと1時間半くらいでしたでしょうか、食事をしながら意見交換をできたということは、私なりに有意義であったと思っているところです。
もう一つは参院選ですね。
7月の投票予定日に向けて、参院選の前哨戦が始まっているわけでございますけれども、これまでも立候補予定者と言われる方々が私のところにもご挨拶に来られまして、お会いした経緯はございます。
私自身は、まずそもそも応援要請のようなことがどこからもございませんので、まだ対応するという状況にもないわけでありますが、現時点では、何も決めていないというのが、現状です。
(時事通信社)
このところ、新しい政党を結成する動きが複数ありまして、その中には、自治体のいわゆる首長と首長経験者を中心としたグループもあるようなのですけれども、こうした全体の動きあるいは個別の動きについて、どのようにご覧になっているのか、感想などもしおありであればお願いします。
(知事)
これも結局参院選なり、その後の国政の方向性についてのさまざまな動きだと思うわけでありますけれども、自民党から離党された方々がグループを立ち上げるというお話であるとか、あるいは今おっしゃった首長さん方が新しい党を立ち上げようとする動きなど、いろいろでてきているということを、一人の国民、一人の有権者として大変興味深く報道等を通じて情報を得ているところです。
それで全てなのですけれども、もう少し申し上げるとすれば、政権交代が去年の9月にございまして、そこからまだ1年も経っていないのに、政治あるいは政府の政策の方向性についていろいろな議論がでてきていて、政権与党に対する支持率が急落しているという現状の中で、本来であればその受け皿となるべきとみんなが思っている野党第一党の自民党に対する支持が上がっているのかといえば上がっていないという現状があり、我こそはという思いの方々がいろいろな形で手を挙げ、声を上げてきているという状況なのかなと思うわけであります。
こういった中で、民意がどのように動いていくかというのは日々変わっていますので、7月までにどういう動きになるのか大変興味深く見ているところでありますが、例えばこの首長連合の皆様方から私にお声かけは一切ございませんし、私自身もあまり関心もありません。道政を推進するだけで頭の中、胸はいっぱいでありますので、たとえお声がかかっても必ずしもそういうことに対応できる状況ではないと思っております。
それから、実は昨日、ロシア大使館のほか、あと何人かの方々にお会いした中で、綿貫民輔さんという政治家の方にもお会いをいたしました。この方はまさに何年か前に新党を立ち上げられて大変ご苦労をされた方でございますが、私自身富山生まれで、綿貫先生には本当に小さい時からかわいがっていただいて、時々顔を出しに行くんです。昨日お邪魔した時に先生が言っておられたのは、やっぱり新党を立ち上げるのは大変だと。これはもう自分自身の選挙の当落を賭けるようなものなので、大変にエネルギーのいることだというようなお話をしておられて、そういう見方もあるのかなと思ったわけでありますけれども、こういったいろいろな新党の動きというのが、それを見ている有権者、国民の人達からどういうふうに受け止められて、そして民意がどこに動いていくのかということを、しばらく私自身も見守っていきたいと考えております。
(日本経済新聞)
道立紋別病院について1点お伺いしたいのですけれども、先日地元への移管で大筋合意をされました。ただ地元は、移管まで常勤医師14人の体制を望んでいまして、あと3人の医師確保を道の責任でお願いしますと求めているのですけれども、これが実現しなければ、2次救急の夜間、休日の再開とかですね、あと経営でもいろいろ解決できない問題が出てくると思うのですけれども、道として最大限努力されると表明されているのですけれども、具体的にどういった取組で確保されていくのか、この厳しい状況の中でですね、そのあたり考えをお伺いします。
(知事)
紋別病院に限らず、まず一般論で申し上げれば、3月下旬にありました医療対策協議会でも議論をオープンで行っておりますのでご案内のとおりでありますが、全道各地の病院からのご要請に対する積み残し案件も10件以上あります。また、道議会でも議論になっております道立羽幌病院の医師確保もあります。それから同じ道立で言えば、北見の病院も厳しい状況にありますし、それから羅臼の診療所など、本当にこの道内の医師不足の現状に一つ一つどうやってきめ細やかに対応していくかということは、高橋道政の中で最も大きな政策課題であると認識をし、一つ一つに対して真摯に私どもは対応しているということは、ご承知のとおりです。
そういった中で、今回の道立紋別病院の地域の広域連合の皆様方への移管に向けて、3月の最終週に、地域の市町村長の方々にお越しをいただいて、あの時はまだ口頭ベースでありましたが、基本的にこういう方向で合意をするということを申し上げた中で、今ご質問のございました移管時において14名の医師確保をぜひよろしくというお話が地元からございまして、私どもからも最大限努力をすると申し上げたところです。
その意味では、私どもとしては、道内の三医育大学への働きかけ、北海道地域医療振興財団のドクターバンク事業の活用、あるいは、東京事務所を通じて行っております道外の各医療機関・医師への働きかけなどいろいろ行っております。そういったさまざまな動きを総力を挙げて取り組むことによって、この紋別病院移管時における医師の確保をしっかりと対応していかなければならない、そのための最大限の努力をしていきたいと考えております。
(読売新聞)
札幌市のトルエンの問題なのですけれども、札幌市の児童会館から昨日、国の基準値を上回るトルエンが検出されたということがございました。
道内でもすごく不安に感じていらっしゃる方もいらっしゃると思うのですけれども、道として何らかの対策というのは、お考えでしょうか。
(知事)
このトルエンが健康被害を与えたということは、私は衝撃をもって報道を聞いておりましたし、報告も受けておりました。
道内で申しますと、三年前にオホーツクの紋別市内の小学校で、同じような形のシックハウス症候群というものが発生した経緯がございます。
私ども道では、道庁内の関係部局で健康・快適居住環境連絡会議を設置しまして、各部局間相互の横断的な情報交換や連絡調整を図ってきたところでございます。今回の札幌市の事案の詳細についても、状況を確認しているところでありまして、来週中にも今申しました庁内の会議を開催しようと考えております。
このトルエンの問題を含めてシックハウス症候群対策というのは、やはり一義的には当該施設の管理者である組織、道立の施設であれば当然道でありますし、また市町村立であればそれぞれの自治体が責任を持ってやるべきものでありますが、やはり広域の道内において、市町村立のいろいろな施設においても、今ご質問でもございましたとおり、さまざまなご不安というものが起こっているという現状にあると認識しております。
私どもといたしましては、この庁内会議で、情報の共有、特に札幌市の案件についての詳細な情報の共有や連絡を密にしながら、道内の市町村あるいは関係団体への注意喚起、あるいは学校や社会福祉施設、特に子どもなどが集うような施設における濃度測定の徹底を、道内各施設所有者の管理の方々に注意喚起すると同時に、必要な支援をしてきたいと考えております。
(読売新聞)
先週、厚沢部町で子どもさん4人が亡くなる車両火災がありまして、それで今日で1週間を迎えたのですけれども、その後の調べで、出火原因についてはライターを使ってその子どもさんが、そのいわゆる火遊びのようなものが指摘されているのですけれど、この痛ましい火災について、知事としてどういうふうに受け止めていらっしゃるかと、あと何らかの道として、取組というのでしょうか、道民の方へのメッセージみたいなものがございましたらお願いします。
(知事)
今回の厚沢部町における4人の幼いお子さんが亡くなられたという火災事故、悲しく、そして亡くなられたお子さん方のご両親、あるいはご親族の方々にまずは心からお悔やみを申し上げたいと思う次第であります。
重要なのは、この火災原因がどこにあったのか、そして、再発防止するために何ができるのかということだと思いますが、今おっしゃられたとおり、どうも車の中に放置されていたライターを長女の3歳の女の子と言われておりますが、ちょっと火遊びをしていて、それが引火して大きな火災になったというような中間的な状況を聞いております。使い捨てライターというものは便利ではありますが、子どもが何もわからず使うと、これほど危険なものもないわけであります。こういうことの安全性をいかに高めるか、これは北海道だけで取り組むというよりも、メーカーさんなり国全体として議論が必要なポイントかとは思いますし、また、こういった火災発生に向けて、地域の人達の情報の共有なり声かけなりいろいろな形で、阻止なり、大きな火災になって取り返しがつかなくなる前に何ができるかなどを含めて、詳細な出火原因の確認の後に、我々がしっかり対応していかなければならないと思っているところでございます。
北海道は特に、子どもの出生率も低いので、我々大人世代が、子ども一人一人を大切に育て、そして出生率を高めていくという強い思いを持って政策展開をしていかなければならないという中で、本当に痛ましい事故だったと考えております。
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