知事定例記者会見
・日時/平成22年4月21日(水) 14:00~14:25
・場所/記者会見室
・記者数/34名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 認知症高齢者グループホームの防火安全対策について
2 平成22年度ホッカイドウ競馬の開催について
記者からの質問
1 ホッカイドウ競馬の存廃の判断について
2 羅臼漁協所属刺し網漁船の安全操業について
3 認知症高齢者グループホームの防火安全対策調査結果について
4 宮崎県における口蹄疫疑似患畜の確認の影響について
知事からの話題
認知症高齢者グループホームの防火安全対策について
[資料:認知症高齢者グループホームの防火安全対策に係る緊急調査結果]
私からは2件、ご報告をいたします。
一つ目は、札幌市内で火災がございました認知症高齢者グループホームの案件のその後のフォローアップです。
3月13日に発生した認知症高齢者グループホームの火災事故を踏まえまして、国からの依頼も受け私どもでとりまとめました緊急調査結果のご報告と、この調査結果と関係団体の皆様方のご意見などを踏まえ、これに我々の意見も加えて、国への要望を取りまとめましたので、それらについてご報告をいたします。
調査結果は、この資料1でございます。概要を申し上げますが、道内の認知症高齢者グループホームは801ありますが、その全ての事業所を対象として実地調査を行った結果でございます。
項目1の「消防用設備関係」ですが、スプリンクラーについては、いわゆる小規模の施設も含めて違反事案がございませんでした。しかし、火災報知設備あるいは火災通報装置につきましては、ここにありますとおり、それぞれ3件あるいは4件の違反事案があったと確認されました。
また、項目2の「防火管理関係」につきましても、ここに示したような違反状況等になっているところで、いずれも市町村が、現在改善を図っているという状況でございます。
それから項目3の「職員の夜間勤務体制」につきましては、全ての事業所において基準に沿った夜間の勤務体制がとられていることが確認されたところでございます。
項目4の地域ぐるみで対応するという「運営推進会議の開催状況」は、全体の42%において開催が十分でないという状況で、これまで市町村の皆様方の指導が必ずしも十分でなかった部分もあったようでありまして、今後、改善に向けた働きかけをしていかなければならないと思っております。
また、項目5の「建築基準法令への適合状況」につきましては、手続違反84施設のうち、49か所の緊急点検を行い、そのうち32か所が不適合な施設であり、こういった状況にある施設について、緊急に是正指導を行っているところでございます。残り35か所の施設は、札幌市管内の施設で現在調査中でございます。
次に、資料2でございますが、こういった状況を踏まえまして、国への緊急要望をまとめたところでございます。
1点目は、「総合的な防火安全体制確保への支援」ということで、小規模のグループホームへのスプリンクラー等の整備、あるいは施設改修などを助成対象としていただきたいなどの提案でございます。
それから2点目は、「地域連携への支援」です。何か火災等が発生した場合には、地域住民の皆様と連携強化を図りながら対応するということが重要なわけでありますが、先ほども資料1でご説明を申し上げたとおり、必ずしも十分な対応が地域ごとにできているとは言えず、こういったことを徹底することが重要であります。加えて、国への要請として、各市町村に最低1か所ずつ、札幌市内は17か所ございます地域包括支援センターを核とした「地域ネットワークづくり」などに対する支援策を講じていただきたいということもここに書いております。
3点目は、人員配置についてであります。「夜間の人員体制の強化」ということにつきまして、さまざまな支援、例えば職員配置基準と介護報酬における加算の取扱いの見直し、あるいは介護保険制度全体の見直しの中で保険料や自己負担の軽減等の仕組みといったことを要請の中に入れているところでございます。
そしてこの要望書は、今後できる限り早く、民主党道連の皆様方とご相談の上で、国へ提出すると同時に、知事会とも連携をしながら、地域全体の総意として国に要請を働きかけていかなければならないと考えているところです。
加えて、今後、庁内における連絡会議におきまして、再発防止に向けた改善策等を早急に作成いたしまして、関係諸方面に周知をするなど、道内でこういった火災事故が起こらないような防火管理の徹底に努めてまいりたいと考えております。
平成22年度ホッカイドウ競馬の開催について
[資料:平成22年度ホッカイドウ競馬の開催等の概要]
2点目は、ホッカイドウ競馬です。この人形は、ちなみにコスモバルク号で、ちょっとお尻の大きいかわいいマスコットでありますが、私の後ろのほうにもポスターを掲げさせていただいております。
今年度のホッカイドウ競馬、いよいよ4月28日、門別競馬場で開幕をいたします。今年度は、11月18日までの80日間、そして全日程を「グランシャリオナイター」ということで開催いたします。
今年は、北海道競馬改革ビジョンの最終年という位置づけでもございますので、しっかり地域の皆様方とスクラムを組んで対応していきたいと考えています。
具体的には、ゴールデンウィーク中の開催日には、「春のケイバまつり」といたしまして、プレゼント抽選会やゲーム大会などの楽しいイベントを予定をいたしております。
また、日本中央競馬会とのコラボ企画によりまして、道産食材や競馬グッズをプレゼントいたします「ラッキーセブンキャンペーン」や、サッポロビールの協賛によります「北海道のウマい!」をプレゼントする「星に願いを。スタンプラリー」など、発売拡大に向けた取組を実施いたしますので、多くの皆様方のご参加をお願い申し上げます。
それからこのコスモバルクですが、道営競馬の星ということで頑張ってきたわけでありますが、その引退式を、5月4日、ゴールデンウィーク中でありますが、門別競馬場において執り行うことにしておりまして、ホッカイドウ競馬はもとより、中央競馬でも活躍して、多くの道民に勇気と夢を与えてくれたということで「知事感謝状」を贈呈することにしております。
記者からの質問
(朝日新聞)
2点伺います。1点はホッカイドウ競馬についてです。知事から先ほど地域とスクラムを組んで対応していきたいというお話がありまして、とは言え競馬改革の最終年を迎えて収支均衡しなければ廃止もというふうにビジョンではうたわれています。ただ、これまでの公社などのビジョンの取組を見ていると、道がつくったビジョンに沿って計画どおりに赤字幅というのが縮減してきているのは事実でありまして、今年度、存廃を議論するにあたって、単に数字上赤字が出ただけで廃止というふうに踏み切る可能性があるのか、ただ赤字幅が縮減してきたということを考慮して廃止を先送りするのか、その存廃の判断基準みたいなものを伺いたいと思います。
(知事)
まだこれから始まるところでありますので、年度が終わってからのことはなかなか予想しきれない部分もありますが、まずは何としても数字上はこのビジョンで掲げた目標をクリアしたいと強く思っております。そのために札幌開催の休止をいたしました。このことは賛否両論いろいろありまして、北海道のど真ん中で人口の最も多い札幌市で開催したほうが道営競馬のアピールにもなるという議論も多々あった中で、ここで開催をしないことによるコスト縮減効果というのが1億円になりますので、私どもとしてはやはりこの点を判断したということでございます。また、売り上げ増に向けて札幌開催を休止して全日程を門別競馬場で開催する中で、先ほどグランシャリオナイターと言いましたが、全日程をナイターで開催することで売り上げ増につなげるつもりでありますし、また、大変に人気のある2歳馬のフレッシュ競走を充実させるなど、魅力あるレースの提供を行っていきます。
さらには、インターネット発売であるとか道外発売を、レース情報の充実なども含めて頑張っていくことで売り上げ増を狙うなど、まずは徹底的な経費の縮減と、そして売り上げ増の努力をやって、何としてもまず収支目標を達成したいと考えています。
その上での話ですが、収支目標を達成するのが最低限必要だと思っておりますが、万が一達成されなかった場合に直ちに廃止にするのかどうかというところが今のご質問だと思いますが、私としてはもちろんその段階での判断ではありますが、地域と心を一つにして行っていくことの可能性について、あらためて考えていく必要はあると思います。
まずは、数字上の目標を達成することを地域とともに最大限頑張っていきたいと思っております。
(朝日新聞)
数字上を頑張っていきたいというのはよくわかるのですけれど、例えば23年度以降の道営競馬を存続するとなった場合には、当然夏ぐらいからですね23年度の開催というものについて議論を始めないとと思うんですが、そこにはどうしても数字の結果がついて回ると思うのですが、その時点でとは言わずに、赤字がそれなりに多くなりそうになった場合に、存廃の議論というのは十分あり得ると考えてよろしいですか。
(知事)
それは今の段階では中立的に考えなければならないと思います。そのために作った競馬改革ビジョンですので、おっしゃるとおり年度の途中で天候等の要素は当然あるかと思いますが、主力はネット販売と道外発売の部分でありますので、すう勢を見極める努力は当然必要だと思っております。
(朝日新聞)
漁船の関係を伺います。ほっけ漁についてもVMSのデータの空白が見つかっているんですけれど、船長からの聞き取りが恐らく終わっている中で、現時点で違法操業の実態というのがどれぐらい増えてきているのかということと、それから、9月からまた新たなほっけ漁が始まってきて、来年1月にはすけとうだら漁が始まるんですけれども、新たな仕切り直しの意味でも条例の厳罰化というのを以前、担当課のほうでおっしゃっていたのですが、この厳罰化の改正の時期について、どのくらいのスケジュール感を考えているのかについてお願いします。
(知事)
ほっけ刺し網漁でVMSの不自然な空白期間があったことに対する調査は、13日から15日までの間、まずはワンラウンド目の事情聴取をしました。それを持ち帰りまして精査をし、そして再調査が必要ということで、本日から3日間ぐらいの期間を想定して再度現地に職員を派遣しています。調査結果が出次第、皆様方にもご報告を申し上げたいと思います。
それからその先の再発防止に向けて、次の漁期に向けての我々のスタンスでありますが、もちろん調査結果によるわけですが、すけとうだら刺し網漁においては、やはり同じような状況にあり、また、一部の漁船の二人の船長については区域外操業も認めたということで、これはしっかりと対処しましたが、まずはモニタリングを我々道職員も関与する形で直接やっていくことも含めて再発防止の監視体制の強化ということを、今、一生懸命検討しているところであります。
そして、今ございました罰則の強化ということも、やはり事案の中身、特にこのほっけ刺し網漁の漁船の対処の状況を明らかにした上で、再発防止の観点から判断をしていかなければならないと考えておりまして、スケジュール感としては、今おっしゃられたとおり、ほっけ漁が9月でございますので、それまでには間に合うようなタイミングで道議会ともご相談しながらやっていかなければならないと思っております。
また、このモニタリングについては、まだ最終的なところは国とも調整をしなければならないので決めきっていない部分がございますが、羅臼のほうに私どもの職員自身が出向くやり方、それに加えて根室の振興局における監視を合わせて本庁においても監視をするという重複の形でやっていくことを考えており、どういう組み合わせがあり得るかということを、今さまざまな観点から議論をしているところでありまして、こういったモニタリングの体制についても、先ほどございました罰則の強化の可否と合わせて、次の漁の時期までには、しっかり体制を固めていきたいと考えております。
(uhb)
グループホームの調査結果の数字に関してなんですけども、スプリンクラーが小さい規模でやっぱり設置が進んでないことですとか、2ユニットで一人夜勤の施設があるなど、さまざまな考慮すべき数字が出てる中なんですけども、知事としてこの数字の中で一番実態として重く受け止めている、驚くべき数字といいますか、お感じになったこと、課題として設定しなければならないことはありますでしょうか。
(知事)
この資料1の調査結果の数字一つ一つに重みがあると思いますけれども、やはりおっしゃられたとおり、小規模のところは経過措置の期間内ということも含めて違反はありません。ただ、本当にこれで十分なのかどうかということ。それから、夜間の勤務体制、これも現行基準に沿った形にはなっているのですが、その上で「とんでん」における悲惨な火災に至ってしまったという現実を、どのように見るのか。加えて、これまであまりポイントとして出てこなかったかもしれないのですが、地域ぐるみで対応していこうという運営推進会議の開催状況が数字で出てきており、私どもとしては不十分であると認識いたしましたし、またグループホームの関係の方々もそのような認識でありますので、この資料2でご説明を申し上げましたとおり、1番、3番のポイントは、今のスプリンクラーの設置なり、夜間の職員の体制の充実なりということで、その間に挟まる形で第2番目の項目として、地域ネットワークの構築に向けての国の支援の強化についても、項目に入れさせていただきました。
(読売新聞)
宮崎県でですね、肉牛で今日も二例目の口蹄疫という家畜伝染病が出まして、農林水産省のほうで昨日からですね、日本が一応発生国ということで食肉、牛や豚などのですね、食肉の輸出停止、当面三ヶ月間停止になっているわけなんですが、それで、北海道でどの程度の影響があるのかどうかということと、それについて知事の受け止めを一言お願いします。
(知事)
昨日4月20日の未明に、宮崎県で10年ぶりとなる国内における口蹄疫、疑似患畜の牛が発見されたという発表がございまして、私どもとしては10年前のことを思い出しておりました。あの時は同じ宮崎県と、そして北海道で発見され、大変対応にも苦労いたしましたし、いろんな意味で経済的な影響も出たという記憶が鮮明になってきたところであります。
そういった中で、私ども道内でも、まずは風評被害が心配なんでありますけれども、人への感染はないともう科学的に証明されておりますので、冷静に皆様方にご対応いただきたいということを申し上げると同時に、道内は酪農王国北海道でありますので、昨日直ちに関係の農家の方をはじめとして、皆様方に注意喚起のための文書を発出いたしました。
また、加えまして、牛だけではなくて豚や羊など、「感受性動物」と専門用語で言うようでございますが、「感受性動物」を飼育している全ての道内の農家、約1万2,000戸を対象として家畜の異常があるかどうかという調査を、今実施をしているところであり、とりあえずワンラウンドは、今月中にもその結果をまとめ、国のほうにも報告をしようと考えているところでございます。その上で、今のご質問に対してでございますが、さまざまなことの影響が経済的、金銭的にどのようになるかというところまではまだ考えは及んでおりませんが、このことについても、しっかりと状況の把握に努めながら感染が発生しないよう対策をしっかりと打ちつつ、この全国的な流れの中で、今おっしゃったような輸出の休止等の影響が道内にどのように出てくるかなど、そしてそれにどのような対策を打っていかなければならないかなど、我々として対処をしていかなければならないと思っております。
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