知事定例記者会見
・日時/平成22年5月13日(木) 14:00~14:19
・場所/記者会見室
・記者数/27名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 自動車税の納期内納税について
記者からの質問
1 北方四島交流事業について
2 シップリサイクル事業について
3 米軍普天間飛行場の移設問題について
4 政府が全国知事会を事業仕分けの対象としたことについて
5 北海道新幹線の並行在来線について
知事からの話題
自動車税の納期内納税について
[資料:自動車税の納期内納税について]
私からは1点です。後ろにポスターを貼ってありますけれども、自動車税の納期内納税についてのご協力の要請であります。例年この時期に納期内納税をお願い申し上げているところですが、自動車税の税収というのは予算規模で803億円。平成22年度の道税収入予算額4,807億円の約17%を占める基幹税目でございます。
今年度の自動車税の納税通知書は、自動車約218万台分を5月6日に発送しておりまして、納期限は今月31日、月曜日までとなっております。
昨年度21年度の納期内納税率は、前年度を1.8ポイント上回ります66%でありましたが、依然として全国平均72%を下回っております。
道では、例年のことですが、自動車税の納期内納税率向上のために、管理職員が企業を訪問してご協力をお願いするなど、納期内納税の呼びかけを行っております。
皆様方もぜひPRをよろしくお願いをいたします。私からは以上です。
記者からの質問
(STV)
2点ありまして、1点目が1回目のビザなし訪問についてなんですけれども、外務省のほうから日本の報道機関にですね、ロシア側が北方領土に対する報道のあり方に神経をとがらせているということで、テレビカメラの持ち込みを自粛するなど取材規制を要請してきているのですけれども、これまでそういうこともなく北方領土の実情を報道するにあったっては、テレビカメラを持ち込んで報道するというのも当然必要なことなのですが、そのような取材規制ですね、要請せざるを得なくなってきている状況に関して、知事はどのように受け止めていらっしゃるかということを先にまず1点お願いします。
(知事)
昨年も北方領土に関する報道の関係ではいろいろありました。あの時も私申し上げたと思うのですが、今回ビザなし訪問の第1回目スタート直前になって、こういう申し入れがあったこと自体いかがなものかという思いを持っております。
もともとは、ロシアサイドから取材者に対して記者登録証を求めるというような要請だと。これは報道を通じてしか私は存じておりませんが、それに対応するために日本の外務省でいろいろ検討なり水面下での調整をして、先ほどおっしゃったような、記者の皆様方に対する一定の報道面での配慮といいますか、そういう要請になったと思います。
昨日の外務省からの要請、それから皆様方からの返しの内容もお伺いしておりますが、第一陣が明日出発という中で、皆様方サイドでも一定の配慮をされた上で、5月28日に予定されております第二陣に向けて、再度調整をして欲しいと申し入れをされたわけでして、私は当然のことだと思いますし、我々も必要であればそういったことをバックアップするような要請を外務省サイドにも行っていかなければならないと思います。
ビザなし交流が始まって、ここまでずっと何もなく毎回報道機関が同行し、動画も含めて配信をされて、それはそれでここまできたわけで、外務省さんからのポイントの中で、具体的な事例は言えないけれどトラブル的なことがあったということがございまして、それに対しての皆様方からの問いかけの中では、根拠というのが何なのか具体的にもう少し示してもらわないとよくわからないということもございました。その辺り双方が問題の所在を明らかにすることによって、折り合う余地があるのであれば、もちろん、トラブルを回避できれば回避したほうが良いので、例えば先方の住民の方にご不快な点があったということであれば、これは日本の他の地域でも同じことですので、報道関係の方々は当然配慮されるでしょうし、やはり今回の外務省と皆様方とのやりとりの中でも、私でもやはりその情報が伝わってない部分があるなという思いはあります。いずれにしましても、今回のことは今回のこととして、第二陣に向けてしっかりと議論を煮詰めていく必要があるのではないかという感想を持ったところです。
(STV)
2問目なのですが、これは全く別なことでございまして、船舶の解体プロジェクトについてだったのですが、室蘭工業大学の清水准教授という方が、このプロジェクトを進めていまして、こういった船の解体技術の構築というのを北海道で進めているということを知事としてどういうふうに見ていらっしゃるのか、こうした船の解体技術というある意味新しい分野のこの技術を道として支援するお考えがあるかどうか。今室蘭港を中心にやっているわけなのですけれども、ほかの道内の港でもこうした船の解体というプロジェクトを行えるようにするようなお考えがあるのかどうか伺えればと思います。
(知事)
日本は造船王国でたくさん船を造ってきたわけでありますが、その船が世界に売られて、そして20年から30年と言われている耐用年数が過ぎると解体されるわけです。現状の解体というのは、バングラデシュなど一部の国々において行われており、私も室蘭に参りましてこのシップリサイクルを一生懸命取り組んでおられる室工大の先生方のお話をお伺いし、ビデオも拝見しましたけれども、バングラデシュでは安全性にも配慮されていない大変危険な中で、また環境にも悪い形で解体が行われていて、そういう状況にかんがみ、これからの世界の流れは、当該船の所有国において責任を持って、解体なりリサイクルをしなさいという方向になっていると。そういう中で、日本は多くの船を環境あるいは安全にも配慮しながらリサイクルを図るということを目指していこうという動きの中で、ものづくりのまちであり鉄のまちである室蘭地域で、国の事業も活用しながら、いち早く産学官連携の形でこのシップリサイクルプロジェクトを始めておられるということでありまして、私も先般拝見させていただき、その清水先生はじめ関係者の方々のお話も伺って大変心強く思ったところでございます。
これからの世の中の流れの中で、所有国が責任を持って解体をするということになれば、今先行的に室蘭で行っておりますが、室蘭だけで全部カバーするというのは無理でありますので、その次のご質問としてございました道内のいくつかの港で受け入れを本格的にやっていくという準備も必要になってくるでしょうし、そういったことに向けて、どういったことが道としてできるのか、道内他港がどういう関心を持っているかなどを含めて、道としての一定の役割というものが、今後出てくるかと思っております。
船に使われている鉄などは大変純度が高いそうであります。一定の価格以上に売れるし、いろいろな所で使えるというお話もございましたので、今の先行プロジェクトの成果なども見極めながら、次のステップに向けて、北海道の港で何ができるかということを詰めていく中で、道の役割を果たしていきたいと思っております。
(共同通信)
知事会の関係で2点ほど伺いたいと思うんですけど、先ほどなんですけど、鳩山首相がですね、麻生渡福岡県知事に官邸でお会いして、沖縄の基地負担の軽減に協力していただきたいという趣旨で、知事会の開催を要請したということだったんですけども、先ほどのお話なのですぐにということではないんですけど、北海道は空自千歳基地で沖縄の嘉手納基地の訓練を受け入れたりしておりますけども、今回そういった鹿児島への移設云々という話の中で、おそらく鹿児島以外のところでも受け入れの余地を探してくれというような趣旨かとは思うんですけれど。それに関して知事が今、少ない情報かとは思うんですけど、どういうお考えでいらっしゃるのかというのがまず1点と、同じ知事会がらみで別の話なんですけども、来週の事業仕分けのですね、政府の行う事業仕分けで、任意団体である知事会に対して、事務局に総務省OBの方がいらっしゃるということでですね、仕分けの対象になると枝野行政刷新担当大臣がおっしゃっているという話があるんですけど、それについて知事がどのようにお思いになられているのか、という2点を伺えますでしょうか。
(知事)
一つ目は事務的には報告を受けておりませんので、早速この記者会見が終わったら確認を急がせようと思いますが、鳩山首相からそういうご要請があり、かつ知事会会長としてお受けになったとすれば、その開催の通知があれば、日程の調整がつく限り出席をさせていただきたいと思っております。どういうスタンスで臨むかというのは、出席するまでの間にあらためて庁内議論を固めてまいりますが、私ども道としては、例の矢臼別の実弾射撃訓練の受け入れはもう相当前からやらせていただいておりますし、また千歳でも一定の訓練の受け入れなど、今までも沖縄の皆様方の負担軽減に向けて努力はさせていただいております。たぶん一つの都道府県の中で2カ所受けているのは、北海道だけと思います。しかしながら、鳩山総理のご意向というのがどの辺りにあったのか、そしてそれを麻生会長としてどのように受けられたのかを踏まえて、私のスタンスというものを、これは道民の皆様に当然お伺いをしなければならない問題ではありますが、そういったことでスタンスを固めていきたいと思います。
それから、事業仕分けの対象に知事会が入るということをどう思うかということでありますが、仕分けという作業自体いろいろな議論があるわけですけれども、現に第一弾、第二弾と政府がやっておられる中で、その対象に知事会が含まれるかどうかということについては、私としては何かを言う立場にないと思っております。
仕分けの議論の中で、知事会の位置づけとか、天下りについての議論が行われるのでしょうか。議論を聞いていかないと、にわかにそれが正しいとか正しくないとか言う必要ないかなとは思います。
(朝日新聞)
並行在来線の関係で1点ございます。道南の江差線ではなくて、函館の関係なのですが、函館市側の主張が地元の記者会通じて出されていまして、道への考え方みたいのが少し隔たりがあると言いますか、主張が食い違っているようなのですが、知事としてどのように函館市側の主張を受け止めているのかということと、今後、道として函館駅と新函館駅間の整備についてどのように対処していくおつもりなのかお伺いします。
(知事)
まず、新函館までの着工に際して、並行在来線の扱いとして木古内から五稜郭まで、これを並行在来線として認めるところまでは、これは決着済みです。今回の話というのは、その新函館駅、具体的には北斗市、昔の大野町を経由して長万部を抜けて、後志を抜けて、札幌まで行くルートの議論の中で並行在来線をどう考えるか、その中において新函館と今の函館駅との間をどう考えるかという議論ですよね。
それで、私自身、まずは、担当部局に今指示をしておりますのは、過去の経緯というものをあらためて整理をしようと。横路知事時代の当時の函館市長さんとの文書のやりとりというのがございまして、このあたりの文書は、開示されていると思いますのでご覧になっておられると思うのですが、その後、これは私が知事になってから、函館までの着工が決まった後、あるいはその頃の時期だったと思うのですが、当時の井上市長との間で文書のやりとりをしております。そういったことを含めて、もう30年以上やってきた長い話ですから、どういうやりとりを道と函館市さんとの間で行ってきたのか、その間に函館駅の駅舎の新築というのもあるわけで、あそこで函館市さんとJRさんとどういうふうに資金分担したかも含めて。それから国鉄時代も含めてJRさんと道の関係でもどういうやりとりを行ってきたかなど、過去の経緯をあらためて整理しようと考えております。
その上で、JR北海道さんはもう明確な方針を出しておられますので、JRさん、それから函館市さんも含め関係の自治体の方々と十分に意思の疎通を図りながら、どういう調整の方向があるのか、まずは話し合いを行う必要があるのではないかと思っております。
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