知事定例記者会見
・日時/平成22年9月29日(水) 17:50~18:06
・場所/議会知事室前
・記者数/17名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 平成22年第3回定例会の一般質問を終えて
2 交通事故防止について
記者からの質問
1 北方領土問題(メドヴェージェフ大統領の発言)について
2 メドヴェージェフ大統領発言の道内経済への影響について
3 ダム事業の見直しについて
4 来春の知事選について
5 北方領土問題(メドヴェージェフ大統領の発言)について
知事からの話題
に平成22年第3回定例会の一般質問を終えて
私からは2点であります。
一つは、ご案内のとおり今日一般質問が終わりました。経済・雇用対策、交通行政、道の行財政改革、地域医療問題など、幅広い議論が展開されたところでありまして、これから引き続き委員会での質疑になります。私の出番は予算特別委員会でございますけれども、真摯に議論を深めていきたいと思っております。
交通事故防止について
[資料:交通事故概況(概数)等について]
もう一つは、交通事故防止についてのあらためてのお話であります。
9月21日から30日までの間、「秋の全国交通安全運動」の展開ということは、ご案内申し上げたところですが、今年は、旭川市内において昨晩ワゴン車が転倒し、4名の若い方が亡くなるという大きな事故をはじめとして、運動期間中の28日現在で死亡された方の数が、昨年度比で8名増の9名という状況で大変危機感を持っているところでございます。これまでワースト1回避を続けてきたわけですが、28日時点で全国ワースト1の東京都と4人差というところにまできてしまっております。
これから、本格的な秋の交通繁忙期を迎えまして、夕暮れ時間も早まってきており交通事故の多発が懸念されております。あらためて、車を運転される方はスピードダウン、あるいは交差点での安全確認をしっかり行うなど、安全運転にくれぐれも心掛けていただきたく、また歩行者あるいは自転車利用者も交通マナーをしっかり守っていただいて、悲惨な交通事故の防止に努めていただき、これ以上悲しい事故が起こらないよう、何としてでも6年連続全国ワースト1回避に向けて道民運動を展開したいと思っておりますので、マスコミ各社の皆様方におかれても呼びかけを、よろしくお願いいたします。私からは以上です。
記者からの質問
(毎日新聞)
北方領土問題についてなんですけれども、ロシアのメドヴェージェフ大統領が、29日に北方領土について近いうちに必ず訪れると言明したということで報道がされていますけれども、この発言をどう受け止めていらっしゃるかということと、あとまたタイミングなんですが、日中で尖閣列島の問題が起きている時期での発言ということでもし受け止められることがあればお願いします。
(知事)
メドヴェージェフ大統領の四島訪問の話というのは、報道を通じて私も拝見をいたしましたが、事実関係など詳細については承知をいたしておりません。
ただ、現に訪問は今回はされないようであるというように理解しているところです。これまでロシアサイドの閣僚級の方々が外務大臣を含めて訪問しておられますし、また日本サイドも、外務大臣というのは記憶にないですが、北方対策担当大臣、過去、明確に覚えているのが、当時の小池百合子大臣が訪問されたという記憶がございますけれども、閣僚級で訪問した経緯があるのですが、元首の方が行くか行かないかというのは大きなコミットだと思うわけでありますが、今回はとにかくそういったことはなかったということだなと思っております。
(北方)領土問題と尖閣諸島との関係というご質問かと思うのですが、尖閣諸島と北方領土問題は基本的に全く違う問題だと思っておりまして、尖閣諸島については領土問題ではなく、これは国内の1エリアであるということは日本国政府の一貫した主張でありますし、私自身もそのように認識をいたしております。
一方で、北方領土問題というのは、解決に向けては大変厳しい主張の対立があるものの、両国政府が領土問題であるという認識は持っておりますので、全然性格は違いますし、今おっしゃられたこのタイミングでの大統領の発言というのは何か意味があるのかどうか、それは私は承知しないところであります。いずれにいたしましても、新しい菅政権に代わられたわけでありますけれども、馬淵国交大臣が担当大臣を兼務というふうに聞いておりますが、総理、担当大臣、外務大臣、皆様方が協力していただいて、何としてもこの北方領土問題に対しては毅然たる態度を示していただいて、解決を急いでいただきたいというのが、この北方領土のエリアを抱える知事としての政府に対する強い思いであります。
(日経新聞)
関連してなんですが、極東ロシアへ道内企業の進出ということが増えてきている中で、非常に道内経済とロシアとの関係が親しくなろうとしている中での今回の大統領の発言というのを、ついては道内経済、対ロシアとの関係に与える道内との影響というのは何かあるのかないか、知事の考えをお聞かせください。
(知事)
(影響は)ないと思います。もちろん、領土問題を抱えている両国でありますけれども、と同時にさまざまな人的交流、経済交流を行っているわけでありまして、例えば、私ども北海道はサハリン州と長年のお付き合いがあり、行政同士の行ったり来たりの交流もしておりますし、また、民間ベースでも今おっしゃられたとおり、ユジノサハリンスクには道の事務所もありますし、それから民間ビジネスのサポートをする組織もございまして、一歩一歩ではありますが、さまざまな形での経済交流が進んでおります。
また、5月には私も訪問をさせていただきました極東の沿海地方のウラジオストク、あるいは極東エリアの中心都市であるハバロフスクも、これは今回ではありませんが、一昨年に訪問をさせていただいた経緯もありますし、ロシアといっても広いので、基本的には北海道は近隣の極東エリアとの交流が中心ではありますが、そういったことをこれまでも進めておりますし、これからもそのことについてちゅうちょするということはないと思います。
また、併せて10月か11月かもう少し先に、モスクワでも北海道物産等をPRしようということで、今、準備も進めているところでございますので、そういっことはしっかり積み重ねをしながら、一方で両国の懸案であるこの領土問題には、毅然とした態度でしっかりと取り組んでいただきたいというのが政府に対する思いでありますし、我々地域としては、そういったことに向けての国民の意識を高めていくための啓発活動であるとか、地域の意気の盛り上げであるとか、そういうこともしっかり取り組んでいきたいと思っております。
(NHK)
話題ちょっと変わってしまうのですが、ダムについて、国が27日に全国いわゆる一律の基準というのを出したのですが、道内でも直轄ダムが四つとそれから補助ダムが一つあるのですが、こちらをどのようにこれから道としては検討されていくのでしょうか。
(知事)
直轄ダムのほうは国というか開発局が中心に検証されるのでしょうが、補助ダムという意味では私どもには厚幌ダムがありまして、このダムはご案内のとおり治水対策という意味合いもございますが、利水ですね、灌漑(かんがい)であるとか上水であるとか、そういう複合目的のダムとして今着々と進んでいるものでございまして、それに対する検証ということの方向性が国から示され、この「中間取りまとめ」、国の基準に沿って検証を行うように、私どもに対して昨日要請を受けたということで、北海道の場合には厚幌ダムであります。
これから進めるわけでありますけれども、プロセスがありまして、関係地方公共団体からなる検討の場を設置する。それからパブコメ(パブリックコメント)を行い、意見聴取等々の一連の流れを誠実に行っていきますが、その際の評価軸というものが七つ示されました。安全度であるとかコストであるとか治水の部分についての評価軸は七つでありまして、加えてこのダムは先ほど申しましたとおり利水部分もありますので、そこはそこでまた別途評価をして総合的な評価ということになるわけでありますので、議会中ではありますけれども、10月早々からできる限り早く検討は始めて、できる限り早く終えたいという思いはありますけれども、どれくらいかかりますかね。パブコメというのは特にやはり時間もかけなければならないし、慎重に新たなこの七つの基準に沿ってあらためて検証するということになりますので、来年度予算の政府案の反映には少し無理ではないかと思っております。できる限り早く取り組もうと思っております。
それで、結論においてあまり予見をするべき性格のものではないと思いますが、前から申し上げておりますとおり、私どもはこの補助ダムについては、節目節目で検証を行いながらここまで進めておりますので、こういった七つの軸による治水の評価、加えて利水部分の総合評価などを踏まえた結果としての必要性ということについては、変わらないのではないかというふうに現段階では考えているところです。
(北海道新聞)
来年4月の知事選まで、だいたい半年、まもなく半年ですけれども、あらためて現時点で3選出馬についてのお考えをお聞かせください。
(知事)
もう9月も下旬でありますので、私に与えられた2期目の最終年度もこれで半分終わったということになるんですね。あっという間のようであって、長かったような気もしますし、複雑な思いでありますけれども、今ご質問にも出ました日ロの関係であるとか、あるいは中国との関係であるとか、ダムの問題であるとか、道政をめぐる課題というのは本当に山ほどある現状にございます。そういったことをこれまでもこつこつと一歩一歩進めてきたわけでありますが、これからも一つ一つの諸課題に誠実に対応していくということを考えるのが精一杯でありまして、まだその先どうするかということまでは、なかなか見通せないというのが私の率直な思いであります。
(北海道新聞)
実際に判断される時期ですとか、判断する際の材料についてはどのようにお考えになっていますか。
(知事)
そこも含めてまだ考えは及んでいないというのが現状であります。
(北海道新聞)
メドヴェージェフ大統領の件に戻るのですけれども、今回は北方領土に来なかったということですけれども、今日カムチャツカで、今回は天候が悪くて行けないけれども、近く必ず訪問するというふうに大統領本人がおっしゃっているので、これでもし来た場合に、領土問題にどういう影響を与えるというふうにお考えか、あらためて知事のお考えをお聞かせください。
(知事)
心理的な面の影響というのはあるかと思います。実効支配をしているロシアサイドの強い影響力というものを誇示されるというような形になると思いますので、そういった目に見えない影響というのは出てくるかとは思います。ただこの問題は、やはり両国とも領土問題であるという認識の下に、私もこの5月モスクワに参りました時に、外務省でこのエリアの担当であるボロダフキン外務次官さんともお話をさせていただいて、直接確認いたしましたけれども、領土問題の認識はあるわけでありますので、その意味では、我が方の毅然とした態度を示しつつ、政府にしっかりとした交渉をしていただくことに尽きるということではないかと思っております。
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