知事定例記者会見記録(平成22年10月20日)

知事定例記者会見

・日時/平成22年10月20日(水) 15:00~15:20  
・場所/記者会見室
・記者数/26名(テレビカメラ1台)

会見項目

 

知事からの話題

1 中央ロシア市場への北海道ブランドPR事業について
 2 「北海道カーボン・アクション・フォーラム(仮称)」の設立について   

記者からの質問

1 国土交通省北海道局の存廃議論について
2 新千歳空港の24時間運用に向けた地元との協議について
3 北海道エアシステム(HAC)について
4 北海道日本ハムファイターズ  ダルビッシュ有投手のチーム残留について
5 衆議院議員補欠選挙について 

 

知事からの話題

 

中央ロシア市場への北海道ブランドPR事業について

[資料:中央ロシア市場への北海道ブランドPR事業“北海道プレゼンテーション2010”の実施について]
  私からは2点、お話をいたします。一つは、ロシアのモスクワにおける北海道ブランドのPR事業についてです。
 5月に全国知事会の会合でモスクワを訪問した時に、私自身も実感しましたし、また道議会からも加藤礼一北方領土対策特別委員長をはじめとして、やはり領土問題の解決も含めて、もっと隣国のロシアと仲良くするためには、隣同士のサハリン州あるいは極東との交流も重要だけれども、ど真ん中のモスクワにももっとアピールしたほうが良いというご意見もいただいていたところです。
  このたび、在モスクワ日本国大使館のご協力も得られる形で、この北海道ブランドのPR事業をさせていただくことになりました。配付資料にございますとおり、来週の26日は一般市民あるいは学生等の方々向けにホテルでイベントを開催します。それから27日には日本国大使館を会場としてお借りいたしまして政府省庁・議会関係者、また産業経済団体関係者等の皆様方に対するプレゼンテーションということで、2日間にわたってPR事業を行わせていただくことにしております。
 内容は、「食」であるとか「観光」であるとか、これは中国、韓国、それぞれ私どもも大変に好感触を持ったわけでありますが、やはりロシアのモスクワにも「食」や「観光」の売り込みをする、それから寒冷地対策建築技術、あるいは雪氷エネルギーなどの自然環境技術、これまでのサハリン州と行っている交流等の紹介をさせていただこうと思っておりまして、15企業・団体の皆様方にご協賛をいただき、提供していただいた20品目の商品等の紹介や、北方四島ビザなし交流のパネル、観光等のポスターの展示なども行うことにしております。
 また、貫田シェフにもご同行いただきまして、道産食材を使った料理の実演なども行っていただくことにしております。
 道からは高原副知事、それから道議会からは今申し上げました加藤礼一道議と経済委員長の蝦名道議にも一緒に行っていただくことになっております。

「北海道カーボン・アクション・フォーラム(仮称)」の設立について

[資料:北海道カーボン・アクション・フォーラムについて]
 もう一つは、「北海道カーボン・アクション・フォーラム」の設立についてであります。これも資料を1枚配付させていただいておりますが、カーボンオフセットということについて世の中の関心も高まっている中で、環境省のやっておられるJ-VER制度であるとか、経産省がやっておられる国内クレジット制度であるとか、あるいはグリーン電力・熱証書制度であるとか、それから我々道の水産林務部が行っている取り組みとか、民間であるとか、いろいろな制度があるのですが、そういったものを私どもが交通整理をさせていただいて、このクレジットの創出主体の皆様方とオフセット活動の主体の方々との間の取り持ちをしようというような発想で、こういった役割を担う「北海道カーボン・アクション・フォーラム」を立ち上げることにしたところです。
 この配付資料にあるように、それぞれの制度は単独であるわけでありますが、こういったものを一つの都道府県の中で一つにまとめて、広域自治体が音頭を取って全体を高めていこうという取り組みは、私が報告を受けたところによれば、全国的にも例がない取り組みであるということです。
 先行している下川町とか、あるいは市町村ばかりではなく企業でもいろいろなことに取り組んでおられるところもあるわけですが、それをトータル北海道として、「北海道カーボン・アクション・フォーラム」として持ち上げていきたいというふうに考えております。設立発起人会は今日立ち上げたところでございますが、ここでお声かけをした方々と共に、11月12日、環境展を開催している機会を活用させていただいて、1回目の設立シンポジウムを開催させていただきたいと思っているところでございます。当日は決算特別委員会の知事総括の予定でありますが、ぜひ、ご取材のほうもよろしくお願いいたします。私からは以上でございます。

記者からの質問

(北海道新聞)
  北海道局のことについて伺います。弊社の取材報道によりますと、北海道局の廃止、また、格下げの論議がですね再燃しそうであるというような状況であります。
 知事の北海道局の存続の是非でありますとか、あり方への考え方はどうであるのかというのが1点。また、今後の対応をどうされるおつもりなのかということ、この2点について伺います。

(知事)
 このことは私自身、大変に危機感を持っております。
 もちろん、いつものように報道先行でありまして、私どもから国にお問いかけをしてもそのようなことは何も決まっていないということでありまして、その状況は一切変わっておりませんが、ただ、内々に聞いているところによりますと、やはり内部的な検討は進められているということを教えてくださる方もおられるところでありまして、私自身は、このことは大きな声をあげて、オール北海道で「北海道局廃止は認めず」ということを言っていかなければならないと思っております。
 まだまだインフラ整備、社会資本整備が遅れている北海道においては、我々北海道の開発予算の一括計上であるとか北海道特例であるとか、国が力を入れて直轄的に、あるいは道と協力をしながら社会インフラ整備を行うというこの枠組みの維持が必要であって、そのための体制の整備ということについて言及してきたのですが、これまでは、我々はやや上品過ぎた言い回しだったかなということを思っておりまして、我々の思っております体制整備というのは、まさに、北海道局が存在するということは当然のこととして思っておりましたので、あらためて、明確にわかりやすく、北海道局の存続ということが道自身の強い主張でもあるということを国にもあるいは関係の皆様方にも訴えていかなければならないという思いを強くしているところです。
 それはやはり、今となると10年くらい経ちますか、北海道開発庁という大臣を頂く省庁を国の行政改革の中でスクラップをし、その代わりに国交省の中に北海道局という北海道に対する一元的な国の開発予算、社会資本整備を行う体制の整備とその予算の計上等々が認められて10年経つわけでありますけれども、まだまだ到達点、終着点には来ていないわけでありまして、我々としては、さらに国の予算を導入していただきながら、道内の社会資本整備を充実していただかなければならないという思いの中で、やはり、北海道開発というものを一元的に担当する局があるということ、そしてその局が、各省各局と対等な立場で調整をしていただくということが、北海道開発のこの予算の一括計上、あるいは北海道特例という北海道開発の枠組みを堅持するためには不可欠であるという思いを持っているところでございます。このことはしっかり訴えていかなければならないと思っております。
 今日、北海道商工会議所連合会の高向会頭をはじめとして民間の方々が民主党の道選出国会議員の皆様方とともに、国交省へそういう申し入れもしていただいたということで、大変心強く思っているわけでありますが、私どもも時間を作って、しっかりとこのことを申し上げていかなければならないと思っております。

(北海道新聞)
  具体的な申し入れの時期でありますとか、そういったことのお考えはありますか。

(知事)
  日程等の関係でありますけれども、来週以降できるだけ早くと思っております。


(HBC)
  明日、羽田の第4滑走路がオープンして、便数が増えるという中で、新千歳空港の深夜枠の利用の意向も短期的には減っているという状況があると思います。
 こうした中で、深夜・早朝枠の発着枠拡大を話し合っている地域協議会があると思うんですが、これをそのどのように進めていくのか、具体的な提示が今後見込める状況にあるのか、そういうのをちょっとお聞かせ願えればと思います。

(知事)
 ついに、羽田空港第4滑走路が正式オープンになりまして、さらに拡充をするということで、各地空港、それから世界の空港も狙っているという現状はおっしゃるとおりであります。
 それもにらみながら、さらに中長期的な将来的な新千歳空港の活性化、あるいは新千歳空港は北海道のゲートウェイでありますので、そういったことを通じての北海道の活性化ということの重要性に対する思いは今も強く持っているところであります。すなわち、新千歳空港の24時間運用に向けての深夜便の枠の拡大ということは、やはり地元のご理解を十分にいただきながらということが大前提でありますが、しっかりやっていかなければならない道政上の重要課題の一つであるという認識を持っているところです。
 ただ、ここで重要なのは、そういう中長期的な強い目標の設定と、今、目の前がどうかということは、やはり分けて考えなければならないのかなというふうに思っております。
 目の前は、JALさんは大変な状況になっておられますし、また、それ以外の航空会社さんも、やや少し強気度が収まっている中で、今、地元の皆様方との話し合いの中で決まっております深夜便の6枠というものが実は埋まっていない。そして、(航空会社に)これから当面のご要望というものをお伺いすると、必ずしも十分でないという目の前の現状があるということと、中長期的には、格安航空会社の話もありますし、さらにアジアに打って出ていきたいということ、あるいは羽田との関係なり、そういったことを考えた場合には、やはりこの深夜枠の枠数の大幅な拡充ということは重要だというふうに思っております。
 今、申し上げた中長期の方向性と、今、目の前の状況をどういうふうに整理しながら、地元の千歳市の皆様方、そして苫小牧市の皆様方のご理解、ご協力が得られるかということにつきまして、地域協議会は、昨年から再開していただいてご議論を進めていただいておりますし、(航空機騒音予測)コンター調査の結果もまとまりましたので、来週早々にでも、2市の市長さんと私どもの担当の高井副知事との間で、今後のありようについて打合せをさせていただいて、そこで2市と道との三者の間の意思の疎通が図られれば、その方向でできる限り早く地域協議会を開いていただけるように、地元の皆様方にお話をしてまいりたいと考えているところです。
 また、中長期的な将来の深夜枠大幅拡充ということを考えた場合には、道だけで対応できるのか、それとも国の航空行政との連携というものを視野に入れていかなければならないのではないかという思いも持っているところでございまして、この辺りも含めて、二つの市の市長さんのご意向なども踏まえて、今後の方向性を検討していきたいと考えております。


(uhb)
 HAC(北海道エアシステム)の事業プランの関係で質問させてもらいます。昨日は(空港港湾)局長が函館と釧路市のほうに行かれて、出資に向けた現在の協議の状況を説明されたというふうに伺っているのですけれども、今後のHACの事業プランの策定の今の現状と、あと今後の見通し、札幌市の出資の割合ですとか、どういうふうな形になっていくのかお話しください。

(知事)
 鋭意、札幌市さんとも事務的に検討を進めていると報告を受けておりますし、またそのたびに私自身の思いも伝えながら進めております。また並行して、今ご質問でも触れていただきましたとおり、これまでも随時ご説明はしておりますが、釧路市さんであるとか函館市さんであるとか、それから大空町さん、旭川市さんなど、関係方面にもご説明をしつつあるというのが現状でございます。
 まだまだ調整の途上でありますので、今段階でどの数字がどうなっているとか、どの項目でどうなっているということを申し上げる段階ではないと思っておりますが、鋭意、関係諸方面と議論を詰めている状況にあるということを申し上げたいと思います。

(uhb)
  10月中にまとめたいというお話でしたけれども、これは実現できそうでしょうか。

(知事)
 道議会での答弁で、私自身もできる限り10月中に事業プラン案をまとめるよう最大限努力するということを申し上げた経緯はございますが、以前の記者会見でもお話ししたと思いますが、そうは言っても関係者と納得ずくで進めないと、将来的なHAC、これは道民の足の確保という大変重要な問題でありますので、急ぐことばかりが重要ではない、むしろしっかりと議論を深めて進めていくということも視野に入れながら、事業プラン案をまとめてまいりたいと、このように事務方には指示をしております。

(uhb)
 あともう1点あります。日ハムのダルビッシュ選手の件なのですけれども、今日というかブログの中で、残留を表明したのですけれども、まず知事としての受け止めを一つお話をお聞かせください。

(知事)
 うれしいですね。一言で言って。ご自身のブログで表明されたということで、本当に決まりかなというのは、これはもうまだちょっと不確かな部分はありますが、でもやはりダルビッシュ有投手という、やはり日ハムのエース、まさに日ハムに欠くべからざる選手がそういったことを表明していただいたというのは大変嬉しいです。
 そしてダルビッシュ投手にも頑張ってもらって、(北海道日本ハムファイターズは)来年こそ、まずはパ・リーグ優勝、そして日本一を決めてほしいなというふうに思っております。

(uhb)
  あと最後、ダルビッシュ選手に関してなのですけれども、残留した理由について、子育てが理由で残留するのではないかという話も一部出ているのですけれども、その子育ての北海道ということの見地から考えて、知事はどういうふうに受け止められているか。

(知事)
 それは要するに海を渡って、海というのは津軽海峡ではなくて、メジャーには行かないで北海道に留まるのは、子育てが理由だと。

(uhb)
  という理由も出ているようなのですけれども。

(知事)
 ありがたいですね。ただダルビッシュ選手のお子さん、まだちびちゃんですよね。ちっちゃい子。やはり私は「子育て王国北海道」目指していろいろな事業をやっておりますので、そういう中でダルビッシュ投手が北海道の子育て環境というものをポジティブに評価をしていただいているという今のお話が本当であれば、本当にうれしいことでありまして、(北海道は)自然環境は抜群ですよね、空気もきれいだし、緑もきれいだし、加えて、やはり子育ての制度あるいは保育所とかいろいろな環境も良いということをお認めいただいたのだとすれば、大変にうれしい限りであります。


(STV)
 今週の日曜日、いよいよ5区の投開票ですが、この数日どのような思いで町村さんの応援にあたられるのかお願いいたします。

(知事)
 ご承知だと思いますが、今週の日曜日に一度応援に入らせていただきまして、恩返しだというふうに申し上げたのですが、私はやはり先輩であり北海道知事として立つよう導いていただいた町村先生には何としても当選していただきたいという思いは今も持っております。
 もうあまり日もないわけでありまして、時間が許せば、また応援ということも検討はしたいとは思っております。


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

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