知事定例記者会見
・日時/平成23年2月18日(金) 13:00~13:23
・場所/議会知事室前
・記者数/27名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 平成23年第1回定例会の開会にあたって
2 北海道エアシステム(HAC)関連予算の追加提案について
記者からの質問
1 北海道エアシステム(HAC)の社長人事について
2 雇用対策と観光振興の成果と今後の課題について
3 岩見沢市内の小中学校における急性胃腸炎の集団発生について
4 自衛隊の協力によるエゾシカ捕獲事業について
5 平成22年国勢調査速報結果に対する受け止め等について
6 北海道エアシステム(HAC)の新体制のめどが付いたことへの所見について
知事からの話題
平成23年第1回定例会の開会にあたって
それでは私から2点お話をいたします。一つは、今日、開会いたしました今年の第1回北海道議会定例会についてです。早速、冒頭にご提案申し上げました予算のうち、総額292億円の補正予算案について、先議をいただきまして、全会派一致で採択をしていただきました。私どもといたしましては、直ちにこの措置された予算事業に着手し、1日も早い本道の景気、経済、雇用の回復に取り組んでまいりたいと考えております。
また、このたびの議会では、皆様方にも先週ご説明を申し上げたとおり、平成23年度の当初予算、これは「骨格予算」ですが、この提案もさせていただいたところです。厳しい道内の景気・雇用情勢を踏まえて、切れ目のない対策ということに心配りをしながら、政策を裏付けるための予算のご提案をさせていただきました。本格的な論議は来週水曜日からでございまして、私どもとしても真摯に議論を積み重ねながら道政に反映してまいりたいと考えております。
北海道エアシステム(HAC)関連予算の追加提案について
〔資料:(株)北海道エアシステム(HAC)支援関連予算案の概要について〕
それからもう一つ、私からのご説明は北海道エアシステム(HAC)関連予算の追加提案ということです。ご承知のとおり、HACと共に関係者に対して出資協力のお願いをしてきたところ、このたび、出資予定者が確定をいたしましたので、道としても新しい経営体制において安定的な事業運営を継続させるために、HACから支援要請のございました新体制移行のための経費、あるいは丘珠空港への移転経費に対する支援などを行うこととしまして、今定例会に関連予算を追加提案させていただいたところです。配付資料があると思いますけれども、出資金、それから補助金、そして貸付金ということで、私どもからの支援と考えているところです。私からは以上です。
記者からの質問
(日本経済新聞)
HAC(北海道エアシステム)に関連して、新社長人事なんですけども、いつまでに、例えば関連予算を出すタイミングまでにまとめられるのか、それとも議会中まで議論されるのか、その辺のタイムスケジュールについてお伺いします。
(知事)
今、鋭意さまざまな方々との議論を深めているところでございまして、企業経営や航空事業という観点、そして北海道にゆかりがあるかどうかなどいろいろな好ましい要件を勘案しながら人選を進めているところで、社長をはじめとする取締役等の(経営)体制について、できる限り早く固めてまいりたいと考えております。
(読売新聞)
知事の2期目の公約の中で、雇用対策と観光振興についてお伺いしたいと思います。
公約の中で数値目標をそれぞれ掲げていろいろ取り組んできたかと思われるのですけれども、現状を見ると、まだまだ厳しい、成果が上がっている状況とは言い難い状況だと思います。
雇用も観光も国の景気に非常に大きく左右される面があると思うんですけれども、2期目の雇用と観光について、知事の成果と今後の課題については知事はどのようにお考えになっているかお聞かせ願いますでしょうか。
(知事)
まず雇用につきましては、10万人の雇用創出という数値目標と2万人の若者の就職内定という数値目標を設定させていただきました。
10万人雇用は、まだ数字が実績としてあがってきていない部分がございますが、前半2年間(平成20、21年度)の数字で5万人を超えているということで、たぶん4年間で数値目標の達成は可能であろうと考えているところであり、また、若者の就職内定の数値も目標値をこの1月末現在で5千人くらい超えている現状にあると思っております。
しかしながら、今おっしゃられたとおり、私どもの現状認識としては大変厳しい状況が続いていると。とりわけ、新規学卒者の対策というものが大変重要なことだというふうに私ども認識しておりまして、こういったことにもさらに取組みを進めていかなければならないと思っております。
若者の雇用拡大については「ジョブカフェ北海道」を通じてさまざまな取組みを行ってきて、先ほども申しましたように数値目標はクリアしたわけですけれども、引き続き、このことも重視して重点的に取り組んでいかなければなりませんし、加えて昨年設置をさせていただきました「ジョブサロン北海道」を通じて、中高年の方々の再就職支援ということも行っているところでございまして、これまで230名を超える方々の就職に結びついているところですが、まだまだこれからさらに充実をしていかなければならないと思っているところであり、まさに雇用対策を切れ目なくということの必要性の中で、補正予算、これは冒頭先議で採決をいただきました。また、来年度の当初予算(骨格予算)の中でも、その辺に目配りをさせていただいたところです。
それからもう一つの観光でございますが、こちらの数値目標は22年度の観光入込客を6,500万人、それから外国人観光客数100万人という数値目標を設定しました。
これはいろいろと施策を各種展開し、北海道観光振興機構とも連携をしながら行ってきたわけですが、一番大きかったのはやはり2008年秋のリーマンショックと(世界)全体の景気後退ということの影響も多いとは思いますが、いずれにしても、こちらの目標のクリアというのはなかなか難しい状況にあると思っております。ただし、外国人観光客について見ますと、リーマンショック後に結構盛り上がりが出てきているところでございまして、かなり回復をしてきております。これはサミットなどを通じて北海道のブランドイメージがアジアの国々に高まってきたことなどを背景として、我々自身も積極的に中国・韓国などにトップセールスも含めて売り込みましたし、また、タイやマレーシア、東南アジア地域にも幅を広げてプロモーションを一生懸命やってきた、そんな成果もあると思うのですが、今現在、この海外客については年間100万人の大台が視野に入ってきていると言えるのではないかなと認識しております。
その背景の一つとしては、昨年の3月に新千歳空港の国際線ターミナルが晴れてオープンしました。このことも3、4年以上前から、私どもが国に対する要請活動を行ってきた結果としての昨年3月のオープンだったと思いますが、こういったことも一つの良いほうの環境となって、何とか年間100万人の外国人客というのは視野に入ってきたと思っております。
しかしながら、まだまだ我々は気を引き締めて観光振興をしていかなければならないと思っておりまして、観光入込客数の8割を占めているのが道内客でございますので、観光の地産地消ということをさらに広めていかなければなりませんし、また当然のことですが、一人あたりの単価というのでしょうか、1回の観光における消費額という面では、道外客あるいは海外客のほうが長期滞在されますし多いわけでございます。
そういった意味では、先ほど申しました道民の方々にもっと道内を訪れていただくという地産地消の取組みを進めると同時に、道外に対しては、1月に観光機構の関係者の皆さんと気持ちを一つにしてデスティネーションキャンペーン、これは全国に対するJRのご協力もいただいた大規模なキャンペーンを久方ぶりに23年度、24年度行うことにしておりますし、また海外に向けては、引き続き中国、韓国そして東南アジアなどさらにプロモーションを重点的に広めていくという努力、それは当然私自身のトップセールスを含めて、しっかり取組みを強めてまいりたいと考えております。
(STV)
岩見沢の学校での集団食中毒(様症状)ですね、これについての受け止めと対応と。あと、別件なのですが、シカの捕獲で自衛隊の協力を得た件ですが、最終的に28頭捕獲で、ちょっと目標よりは下回った。これについての受け止めと、また今後も協力を求めるのかどうか。その辺を伺えればと思います。
(知事)
まず、岩見沢の小中学校の子どもたち、教職員の方々の集団食中毒(様症状)の件でありますが、2月17日午後3時現在の累計で市内小中学校9校の児童生徒が1,275名、教職員が70名、合計で1,345名の患者さんとなっており、入院をされた方々もおられるわけでありまして、重篤な状況ではなく、状況はいずれも安定していると。そして退院された方も出てきておられるということではありますが、ただ、一つの市の中で1千名を超える児童生徒が、下痢、腹痛に苦しまれておられるということは大変に衝撃的なことでありまして、心からお見舞いを申し上げるのと同時に、1日も早い皆様方の回復ということを心からお祈りを申し上げたいと思います。
そして、そういった中で私どもの岩見沢の保健所と岩見沢市の教育委員会の連携の下に、さまざまな調査を行っているところですが、何としても発生原因を一刻も早く究明をしなければならない、これがまず何よりも重要だと思っているところでございます。私が今報告を受けているところでは、来週中を一つのめどとして、一定の判断ができるように努力をすると聞いているところでして、1日でも早くということを私から指示をしているところです。そして、その原因究明が明らかになった後ということにはなろうかと思うのですが、1日も早い安全な給食の再開というお声も働くお母さん方をはじめとして出てきているようでありますし、そういったことへの対応、そしてその場合には当然のこととして、事案の再発防止ということも重要でありますので、市教育委員会をはじめ関係の機関と連携をしながらしっかり対応をしてまいりたいと考えております。まずは何と言っても早期の原因究明ではないかとそのように考えております。
それからエゾシカでありますが、3日間、釧路管内白糠町で自衛隊さん、森林管理局さんなど関係機関と連携をしての初の試みということで捕獲作戦をいたしました。そして目標数値というものの達成という意味では課題を残したわけではありますが、全国でも例のない初めてのこういった取組みが、無事にまず終わったということに安堵をしているところでございまして、初めて実施したことでありますので、今回の事業内容の評価、そして分析を進めて、私はまたあらためて自衛隊さんにもご理解、ご協力を得て、さらにエゾシカ捕獲事業というものを充実していきたい、このように考えているところです。総監(北部方面総監)とは、そういうことで電話では少しお話をさせていただきました。
(北海道新聞)
国勢調査のことについてであります。国勢調査の受け止めとあと今後の対策、先日コメントをいただいてますけれども、あらためてのご質問になります。
国勢調査では5年前から12万人の人口が減ったということで、そこの事態をどう受け止め、どう評価されているのかということと、この対策については、多方向あると思うのですけれども、人口減を食い止めるという意味の対策と、あと人口減を前提としてもそれをデメリットとしない、緩和する政策というのがあると思うのですけれども、それについてどのように考えてらっしゃるのかということをお聞きしたいのですが。
(知事)
平成22年の国勢調査の結果によると、北海道の人口が550万7千人、前回5年前との比較において、12万1千人の減少、減少率2.1%。大変多くの人口減少になったということを大変重く受け止めているところです。
全国の数字もこれから各県徐々に明らかになってくると思うわけですが、やはりこの北海道という広大な土地においてこうした人口減少というのが、前回調査ですから前々回と前回との間の減少幅よりもさらに大きくなったということは、本当に重く受け止めているところです。
私といたしましては、次の質問へのお答えにもなるのですが、当然道内の人口減少に歯止めをかけるという観点から、移住あるいは定住政策ということも今まで以上にしっかり取り組んでいかなければならないと思いますし、また、道内における子どもを産み育てることが易しくなるような環境づくりということにも引き続き取り組んでいかなければならないという思いを持っておりますが、一方でそれと同時並行して、この広大な北海道において人口減少、高齢化、過疎化という中で、住民の方々がどこに住んでおられても安全で快適な生活を送っていただくような地域づくりをどのように考えていくかという視点からの政策の検討も、しっかり進めていかなければならないというふうに思っております。
こういった観点から、商店街対策として、商業活性化策ということについても、道の審議会(北海道商工業振興審議会)でもいろいろなご議論がされていますが、商業活性化というと、ともすれば経済政策になるという観点もあるわけでありますが、まさに今ご質問もございましたとおり、地域における買い物弱者という言葉があるのでしょうが、この商業集積というものをしっかりと一定程度は残していくということが、経済政策の域にとどまらず、社会政策的な観点で必要となってくるのではないか。
あるいは少し話が飛ぶかもしれませんが、少し前までは、大型店が出店することによって、近隣の商店街が影響を受けるからという問題点も多かったと思うのですが、最近はそうではなく、大型店の方々が退店する。これも一気にやってしまうんですね。例えば、札幌駅前の西武デパートの話もありますし、また、旭川駅前の丸井今井さんのケースもあります。それぞれ事情はあるのでしょうが、いろいろ今聞いていますと、道内でも他の都市でも近隣に郊外型の大きな店舗が出店したけれども、必ずしも状況が良くないという店舗もあるとすれば、その郊外店の出店によって市内が空洞化していて、さらに郊外店もなくなったらどうなるんだという、むしろ大型店については撤退が地域経済社会に与える影響というものも視野に入れながら、行政として何ができるのか、やらなければならないのか、こういった人口減少、過疎化の時代におけるさまざまな政策の視点というのは、いろいろな道政の分野で変えていかなければならない、幅広くしていかなければならないのかなということも含めて、今回の国勢調査の結果というものを私自身捉えさせていただいたところです。
(NHK)
今日、HAC(北海道エアシステム)の関係なんですけれども、補正予算でまとめられましたけれども、もう拠点空港や路線、あるいは今回出資構成もほぼ固まったということで、長い道のりではありましたけれども新体制のめどが付いたというふうに判断できると思うのですが、これまでの経緯を振り返りながら、ここまでたどり着いたことについての所見をお伺いしたいのですけれども。
(知事)
これまで、何回か所見を申し上げた経緯はあるのですけれども、元々はJALさんという日本を代表する航空会社さんが経営的に立ち行かなくなり、その経営改善のためにさまざまな例外なき見直しの中で、HACに対する出資比率を一定程度引き下げたいというお話が元々でございまして、それに道として、あるいは道内の皆様方と連携してどう対処するのかというところが議論のスタートであったと思うわけです。
私どもとしては、やはり離島路線など、これは居直るわけではありませんがもう誰が運航しても当然赤字になるルートも含めて、広大な北海道における道民の方々の生活の足を確保する、あるいは観光なり物流なりさまざまな物や人の流れのネットワークを維持するという観点から、やはりHACというこの交通ネットワーク、航空ネットワークは残さなければならないという政策判断をさせていただき、そのことのためには所要資金が必要になるわけでありますので、そのことに対するご協力を、まずは関連する自治体の方々にお願いをし、そして道内の経済界の方々、あるいは商工会議所の方々など幅広くご理解ご協力ということをお願いしてきたところです。
その結果として、今ようやく形が出てきたところでございまして、私どもとしては、とにかく経営体制の構築を含めて年度内までにその達成ができるように最大限の最終的な努力を今させていただいているという状況でございまして、あまり個人のことを言うのもなんですけれども、建設部長をはじめ、本当に関係職員が頑張ってくれたこと、私知事としてうれしく思っているところです。
今、最後の詰めの段階でございますので、しっかりと形にしてまいりたいとこのように思っております。
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