知事定例記者会見記録(平成23年3月4日)

知事定例記者会見

・日時/平成23年3月4日(金) 14:00~14:21  
・場所/記者会見室
・記者数/27名(テレビカメラ1台)

会見項目

 

記者からの質問

1 札幌市発注の事業に係る競売入札妨害事件について
2 日ロ関係の悪化と北方領土問題について
3 地方自治法改正案について
4 知事の退職手当について
5 北海道新幹線に係る国の予算執行の見送り等について

 

記者からの質問

(北海道新聞)
 札幌市発注の工事で入札妨害事件がありましたけれども、それに関連して2点お尋ねしたいのですけれども、札幌市は2年間の指名停止の方向で今検討されていますけれども、このことに対して、道庁として指名停止処分のあり方、ないしは今時点でどういうご判断をされていらっしゃるのかということが1点。もう1点は、当該の企業が道内ではトップ企業ということになりますので、仮に官公庁からの指名停止が相次いだ場合、当該の会社だけではなく中小企業に与える影響も非常に大きいと思うのですけれども、今後の影響に対してどうすべきかという知事の認識と対応策みたいなものが、今時点であるのであればお答えいただきたいのですが。

(知事)
 札幌市の発注工事をめぐる競売入札妨害事件。道内のトップ企業である岩田地崎建設の元社員が逮捕されたということでございます。札幌市は2年間の指名停止という措置と聞いておりまして、私ども道としても今回の事案を踏まえて、しっかりとした措置を取らなければならないというふうに考えているところでございます。その対応については、今、検討を加えているところでございまして、できる限り早く発表したいと思っております。
 岩田地崎建設はこの分野での(道内)トップ企業、そして平成20年の北海道開発局の発注に係る、いわゆる官製談合事件に絡んで役員の逮捕ということもあったわけでありまして、それから3年たったのでしょうか、また再びこのような事案が起こったということは、私としても大変遺憾でございます。そういった中で、道としての指名停止の措置の内容について、今、詰めているところです。
 それから関連企業への影響でありますけれども、大手の企業でございますので、下請けなり関連企業への影響というのは当然想定されるところです。そういった中で、私どもとしては、本庁および各振興局に中小企業金融相談窓口を設けておりますので、いろいろとご相談に応じるということが一つあるかと思います。
 また、財団法人北海道中小企業総合支援センターでは「下請かけこみ寺」としてご相談等に応じる体制になっております。こちらのほうも、ぜひご活用いただければと思いますし、またこの他にも建設業サポートセンターを本庁および各振興局に設けておりますので、こういったところなどを通じて、しっかりと関連企業を支えていかなければならないと思っているところでございます。
 こういった相談窓口の存在なども含めて関係の方々には早期に周知も図りながら、できる限り影響が少なくなるように我々としても対処してまいりたいと考えております。


(STV)
 北方領土の関係だったのですけれども、北方領土復帰期成同盟の訪問団のモスクワ訪問予定が、ロシア側が日本側の対応に不満ということで、受け入れを断ったという案件がございまして、最近ロシアとの関係が非常に悪化している中で、今月には北方領土の交流事業の代表者間協議も行われるということで、その辺は懸念される事態が次々と出ているのですけれども、それについての受け止めをお聞かせいただければと思います。

(知事)
 去年の11月のメドベージェフ大統領の国後島訪問というのが一つの大きなきっかけだったと思うのですけれども、ロシアサイドのさまざまな然るべき立場の方々の強硬な発言、軍備の増強なり、それから経済活動における第三国の企業への要請など、一つ一つ大変過激な状況になっていると認識している中で、2月に東京で開催された北方領土の日の大会での菅総理のご発言などがあって、またそれにロシアが反発するなど、日ロ間、政府間の環境というのは大変に厳しい状況にあるというのは、率直に私自身もそのように思っております。そういった中だからこそ、民間レベルの対話というものを重視していかなければならないと思う中で、今回、堀前知事をトップとする、北方領土相互理解促進対話交流使節団の受け入れがなかなか難しくなったということは大変残念でございます。やはりこういう民間ベースの交流というものを進めるということは、どちらにとっても大変意義深いと思いますので、そこをロシア政府にもご理解いただきたいし、またその重要性を、日本政府サイドも発信していただきたいと思う次第であります。
 今おっしゃられたとおり、こういった今の現状が、ビザなし交流の今年分についての内容に悪影響が出てくることを大変懸念しているところでありまして、引き続き状況を見守ると同時に、必要に応じて、政府に対して意見を言っていかなければならない、このように考えております。


(時事通信)
  今朝の新聞に一部出ているのですが、全国知事会が地方自治法の改正案について、ここまでの手続きに問題があると、繰り返し反対姿勢を示しているのですが、内容としては住民投票の制度化ということで、大規模な公共施設の設置について、具体的にはごみの焼却場などが取り上げられる可能性があると見られているようですが、議会の議決について住民投票で覆すことができると。それから、議会の解散などについて直接請求、署名の数の要件緩和といった内容が入っているようなのですけれども、こうした個別の内容あるいは全体について知事はどのようにお考えになっているでしょうか。

(知事)
 私自身、当然、全国知事会の一メンバーでございます。副会長もやらせていただいている立場であります。今回の全国知事会、麻生会長をトップにいろいろと議論を深めながら、総務省が国会提出を予定している今回の地方自治法の改正案について問題ありということを申し上げているというのは、私自身も当然共有の認識を持っていることをまず申し上げなければなりません。
 住民投票の改正については、名古屋市などの動きなどを補完するというか踏まえて、総務省として、あるいは総務大臣としていろいろな思いの中で議論を深めて今回の改正案ということにもなってきたのかもしれませんが、一つは、やはり今の地方自治というのは二元代表制、すなわち住民、都道府県民から直接選ばれる知事と、同じように直接選ばれる議会議員の二元制の代表の下にこの地方自治というものの意思決定がなされている、地方行政が行われている現状にあって、それを補完するような形で住民投票制度があるという今の状況で、今回のような改正案というものは、いわば今の二元代表制の地方自治の根幹を揺るがしかねない問題を有する改正であるということでありますので、まずはやはりそのことについて、もっと腹を割って地方と話し合うということを私ども知事会サイドが求めているのに対して、必ずしも総務省あるいは総務大臣のお立場で十分にそれにお答えいただいていない中で、今回の法案の国会提出ということが俎上に載っているのは大変に残念であり、やはりこの状況は改善していかなければならないと思います。
 それからこれも知事会からの文書で皆様方ご承知のとおりですが、こういった地方行政を検討する場として、法律に基づく政府の機関として地方制度調査会というものがございます。政権交代の後に、この調査会ではなくもっともっと政治主導で物事を進める必要があろうということで、地方行財政検討会議というものが設けられておりまして、そこで議論を進め機動的にいろいろな意思決定をしていくということだと思うのですが、私が伺っている限りは、この地方行財政検討会議においてすら、今回の地方自治法改正案というのは十分に議論が尽くされていない項目もあるというふうにお伺いしているところでございまして、いわばこういった手続き論という面も含めて、やはりここは慎重に対応していただきたいと総務省に申し上げたいと思う次第です。
 当然我々知事会だけではなくて議員側の代表である議長会、これは地方6団体の一角としてメンバーでもございますし、またその地方6団体の一角としてだけではなくて議会サイドの方々からも総務省としてしっかりと意見を聞いていただきたいと思いますし、そういったところのお声もやはりこれから出てくるのではないかというふうに思います。
 今回の一連の動きの中で、何より残念だと思いますのは、長い地方自治の中で常に総務省、総務大臣というのは我々地方の味方でありました。これは地方交付税の問題でもそうですし、地方が政府との間でいろいろな制度改正をすることの中で、何事も国会で決まるというのは一つのルールでありますけれども、なかなか地方サイドの意見というものが場合によっては通りにくいという環境の中で、常に総務省は、我々地方サイドとりわけ知事会の意見などもしっかりと組み入れて共に連携して行動するという同志であり、頼りがいのある省庁だという意識を私どもずっと持っておりまして、今もその気持ちは変わらないのですが、今回のことはそういった関係にある総務省と知事会が少し対立的になっているということが何より一番残念であります。


(共同通信)
 知事の退職金について3点ほど伺いたいと思うのですけれども、まず、2期目の任期が4月に終えられるということで、知事に退職金がでると思うのですけれども、1期目と異なって、特別職職員報酬等懇談会で特段意見が出ていないということで、現状でいくと1期目と同じだけの額が支給されることになるのかなと思うのですけれども、それについて、現状、知事を含めて一般の道庁の職員の方なんかも独自縮減が続いている中なのですけれども、受け取るであろう額を、例えばさらなる縮減であったり削減をされる予定があるのかというところをまず1点伺いたいということと、2点目は、3期目に向けて選挙戦の公約をまもなく発表されると思うのですけれども、そこにおいて3期目の退職金の扱いについて、公約ないし政策課題として取り上げるような予定があるのかという点が2点目。最後の3点目は、総括的なところなのですけれども、そもそもの知事の退職金のあり方についてなのですけれども、要は1期4年、48カ月という制限がある中でということなので、基礎額に掛ける在任期間というものが、知事さんだと在任月数なのですけれども、一般の公務員の方は在任年数であるという違いがあるという中で、どうしても高額になりがちだという指摘があったりします。ただそこに、来年からは首長さんの退職金に対して政府が課税を強化するというような方針も検討されるというような報道もあったのですけれども、そいういったことも踏まえて、知事ご自身が退職金というものに対してどのような所見というかお考えを持っているのかということをお聞きしたいと思います。

(知事)
 この退職金についての議論というのは、4年前の知事選の時にもいろいろな形でご議論をいただいて、私自身もその都度お答えも申し上げてきたところです。
 今の現状というのは、知事給与25パーセント減、それから期末手当が25パーセント減、退職手当10パーセント減という措置を講じてきているところでございまして、これで十分なのかどうかというのは、当然道民の皆様の幅広いご議論を伺った上で判断をしなければならない問題だと思っておりまして、そういった姿勢でこれからも道民意見というものを注意深く見守っていく必要があるかなと、このように思っております。
 今段階で、どういうふうに私自身の選挙公約で扱うかということについては、決めている段階ではございません。
 それから三つ目の退職金のあり方ということについては、一般ルールは決まっているのですね。各都道府県共通だと思います。それ自身を見直すかどうかというのは、また幅広いいろいろな方々のご意見も踏まえてということになろうかと思いますけれども、国あるいは道含めての財政の厳しい中で、国家公務員についても、そもそも独自縮減が今されてない中でそれをすべきではないという国民的な世論も出てきておりますので、そういった大きな流れの中で、この知事を含めての、地方自治体のトップの退職金のありようということについても議論が深まってくるのかなと、それを見守ってまいりたいと思っております。


(NHK)
 整備新幹線なのですけれども、今年度予算に計上されていました90億円、未着工区間に対する調査費ですか、90億円の執行を見送るという方針を国交省が固めたということですけども、知事としてそれに対する受け止めと、来年度も同じ額が計上されていますが、今後の運動というか活動方針に何か変更がこれによって生じるのかということを2点お伺いしたいのですが。

(知事)
 まずは22年度の(新規着工が決定された場合に対応するための予算)執行見送りとなることは大変残念でありますが、ここまでの政府の動きというものを見ている限りにおいては、想定の範囲内というふうに受け止めているところです。
 新幹線についてはいつも議論が出るところでありますが、まずは全国の三つの未着工区間をすべて整備するためには2兆円を超えるお金が要るのですが、この財源をどこから持ってくるのかということで、これも再三言いましたけれども、例の機構(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)の剰余金の活用を私どもは強く強く関係者とともに国に要請をしてまいったわけですが、ご承知のような決着で、その関連法案が今国会に提出されているという現状でございまして、さらにそれ以外のどこから今この2兆円を超える整備新幹線のトータル財源を持ってくるかということについて、残念ながら私は前向きな議論というのはお伺いをしたことはございません。
 ですからやはりこのことについて、しっかりとしたご議論を行っていただくことを政府にまずお願いを申し上げたいと、そして加えて私ども未着工区間を抱える北海道としては、札幌延伸に向けての運動ということを道民運動としてさらに強く行っていくということが何より重要ではないかなというふうに思っているところであり、来年度も続けてまいりたいと、このように考えております。

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

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