知事定例記者会見記録(平成23年4月28日)

知事定例記者会見

・日時/平成23年4月28日(木) 14:00~14:42 
・場所/記者会見室
・記者数/35名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 本道への観光客の誘致について
2 平成23年度ホッカイドウ競馬の開幕について
3 行楽期の交通安全と春の全国交通安全運動について

記者からの質問

1 北電の泊原発に係る「緊急安全対策」について
2 原発事故を踏まえたエネルギー政策についての知事の考え方について
3 後志町村会からの防災計画の見直しなどに関する要望について
4 鈴木新市長となった夕張市への支援について
5 震災の復興に係る財源のあり方と北海道新幹線の札幌延伸への影響について
6 北海道観光の海外へのトップセールス及び補正予算への対応について
 

知事からの話題

 

本道への観光客の誘致について

配付資料
 それでは私からは3点、お話をいたします。
 一つ目は本道への観光客の誘致についてでございまして、資料を1枚配付をさせていただいています。
 3月11日の大震災の発生以降、1カ月半余り経過したわけでありますが、これはもう北海道内に限らないのですが、全国的に観光客が自粛ムードあるいは海外からのお客様が減少しているということで、大変厳しい状況にあるわけであります。そういった中で、これからゴールデンウィーク、夏のハイシーズン、秋、そして冬と、道内での観光客を戻していくために、さまざまな取組を加速的に行っていかなければならないということで、我々もアクションを起こしつつあるということのご報告です。
 この配付資料にありますとおり、国内客向け、国内客といっても道民あるいは道外のお客様と二つあるわけですが、まず道民の方々向けには、道民道内旅行キャンペーン、再発見北海道内の旅のような、観光の地産地消ということをしっかり展開していかなければならないと思っているところです。現に修学旅行の行き先等で道外から道内に行き先を変えるというような動きも、今、多く見られまして、こういった取組をあらためて行っていきたいと思っております。
 また、道民以外の国内のお客様に対しては、涼しい北海道での長期滞在、ロングステイ イン クール北海道というようなコンセプトで、今年の夏に向けて、まずは動きを加速させていきたいということで、昨日も私は東京でJTBへの売り込みなどをさせていただいているところです。先週くらいにJALの新しい社長さんが私のところへ来られた時にも、そういったお話をさせていただきました。そして東京のエージェントの方々も私どもと同じ思いを持っておられるところでありまして、何としてもこういったことが実現するように、我々としては夏のシーズンに向けての強い取組をしっかり行っていきたいと思っております。
 また加えて、東京を中心とした企業の方々が長い社員休暇を取ろうというような動きも出てきているようでございまして、そういった際の行き先としてぜひ北海道を選んでいただきたいというような働きかけも含めて、首都圏、関西圏等に展開をしていこうと思っております。
 それから外国人観光客向け、インバウンド回復に向けた取組については、これはやはり多くが原発の風評被害ということでございますので、まずは地道な努力として、さまざまな道内の放射線量の調査結果の(各国語での)情報提供というものを始めているところでございますが、加えて私自身も5月下旬に中国に参ります。これは観光庁からの強い要請、働きかけもあって行こうというふうに決断したところでございますが、こういったトップセールスの展開も含めて、しっかりと対応していきたいと考えているところです。

平成23年度ホッカイドウ競馬の開幕について

配付資料
 それから二つ目は、久々にコスモバルクがここに座ってくれていますが、本年度のホッカイドウ競馬、明日から開幕というご紹介です。後ろにポスターもございます。
 今年は4月29日から11月17日までの80日間の全日程を、門別競馬場で「グランシャリオナイター」として開催をいたします。
 今年は新たなホッカイドウ競馬のスタート年でもございまして、重賞競走の見直し、2歳馬競走の充実など賞金体系の見直しを含めて、魅力あるレースの提供に努めていきたいとこのように考えております。
 開催当初の4月29日から5月5日までにつきましては、「東日本大震災復興支援シリーズ」といたしまして、収益の中から売り上げの1パーセント相当額を被災地に寄付をすることを含めて、しっかりやっていきたいと思っております。そして、道営競馬のスターでありましたコスモバルクの功績というものを記念いたしまして、5月5日には新たな重賞レースである第1回コスモバルク記念を予定しているところです。
 また、こういった競馬そのものの開催と併せて、門別競馬場では、ご家族の方々も一緒になって楽しめるような「日高うまいもの市」、あるいはポニーへの乗馬体験など各種イベントも予定をしておりますので、ぜひPR方よろしくお願いをいたします。

行楽期の交通安全と春の全国交通安全運動について

配付資料
 それから三つ目は、行楽期の交通安全と春の全国交通安全運動についてでございます。今年の道内の交通死亡事故の発生状況は、27日現在で38名の方が交通事故での死者ということで大変な数でございますが、昨年と比べて15人減となっており、昨年に比べて減少傾向です。
 しかしながら、雪解けから本格的な行楽シーズンを迎えるこれからの時期、道内では例年交通死亡事故が増加する状況にあるところでして、特に4月29日から5月8日まで10日間の大型連休となられる方もおられるわけで、行楽等で車を利用する機会が増え、雪解けからの開放感もあって、スピードの出し過ぎによる事故の多発、こういったことも懸念をしているところです。道民の皆様方におかれては、くれぐれも安全運転に心掛け、悲惨な交通事故のない楽しいゴールデンウィークをお過ごしいただければと思っているところです。
 また、5月11日から20日までの10日間は全国一斉に子どもと高齢者の方々の交通事故防止などを重点とする春の全国交通安全運動が展開されるところです。前日の5月10日には、札幌市内の京王プラザホテルで、安全・安心 道民集会を開催し、道民の皆様方の意識高揚を図ることにもしているところです。マスコミの皆様方におかれても、交通安全の呼びかけにどうかご協力を頂きたいと思います。
 私からは以上であります。

 

記者からの質問

(uhb)
 原発関連で質問させていただきたいと思います。22日に北電が原子力安全・保安院に提出した緊急安全対策についてどのように評価されているかという点が一つ。あと、北電は対策の中で、津波で交流電源を供給する全ての機能が喪失しても、泊発電所は安定な状態で保てるというようなことを会見で話していたのですけれども、実際の対策の中に津波の高さというのが想定の中に入ってなかったというこの点についてどう思われるか、まずお話しください。

(知事)
 3月11日の大震災に伴う福島の原発の事故の状況を踏まえて、3月30日に国から、北電を含む全電力会社に対して緊急安全対策の実施状況を取りまとめて国に提出すべしという経産大臣指示というのが出ておりまして、それに対応するものとして、今回、22日に北電の緊急安全対策が示され、そして同日に訓練も行われたと、そこに道から副知事も参加をさせていただいたところでございます。
 評価ということですけれども、今回の大臣指示というのは、津波により、これは高さは言っていませんけれども、極端な、相当に厳しい、今回の福島等で予想された以上のものも含めてということだと思うのですが、とにかく津波が来ることによって、三つの機能、すなわち、今おっしゃった全交流電源、それから海水冷却機能、それから使用済み燃料ピット冷却機能、こういったことがまさに福島で問題になったわけでありまして、その全てが喪失したとしても、炉心損傷や使用済み燃料の損傷防止をし、放射性物質の放出をできる限り回避しつつ、冷却機能を回復することを目的として、緊急安全対策をどのように実施するかというような内容になっているところです。
 今回の対策の内容は代替の給電としての移動発電機車の配備であるとか、あるいは蒸気発生器への代替給水であるとか、それから使用済みの燃料ピット、これが福島でも大変な状況になったわけでありますが、これへの代替給水であるとか、そういったことも含めて、全6項目に沿っての対策が北電からは提示されたということ。そしてそれに沿っての訓練であり、さらなる安全性向上対策というのも記載があります。
 今段階で直ちに評価するということではなくて、まずは国の立ち入りというのが4月の25、26日に行われたと理解をしているところでございまして、国の判断というのが連休明けに出て、そういったものもしっかり踏まえながら、我々地元として安全協定に基づく立ち入り調査を行って、これは地元の方々と一緒でありますが、泊原発の安全対策について確認をするということを想定しているところです。
 一応、今回の福島で問題になった点というのはカバーされた形での、大臣指示に対する北電の対策の内容の提示でありますので、後は、それが妥当かどうかということですので、我々として、国の判断の後にしっかりと立ち入り調査を行って判断をしていきたいと考えております。
 それからもう一つ、津波の高さの前提を示さなかったことをどう思うかということですが、先ほど申しましたとおり、津波の高さが、例えば100メートルの津波というのは現実的かどうか分かりませんが、どんなに高い津波であっても、別の言い方をすれば、いかなる高さであれ、その津波の発生によって全ての電源が喪失するなどの事態を想定した場合の緊急安全対策という国からの指示でございましたので、それに対応しての今回の北電の報告の内容というふうに私は理解をしておりますので、今回のこの緊急安全対策の中で、津波の高さそのものを何メートルと提示しなかったことが直ちに問題になるという理解はしておりません。
 しかしながら、これから、この緊急安全対策、本格的な安全対策と並行して、国と東電が総力を挙げて福島の事案の収拾というものをやっておられますし、その過程でさまざまなことがまた浮かび上がってくると思いますので、第1弾の緊急安全対策、第2弾、第3弾としっかりとした安全対策のレベルを高めていかなければならないわけでありまして、そういった過程で、当然、想定外のことが起こった今回の福島の事案も踏まえて、北海道の泊原発のエリアの地域状況等を踏まえて、どれだけの津波の高さを想定するのかということは、しかるべきタイミングで、北電としてあるいは我々自身としても想定をしていかなければならない、これは当然のことだと考えております。

(uhb)
 あと、2点ほどすみません。
 あらためて知事に伺いたいのですが、福島第一原発の事故で安全神話が崩壊したという形になっています。原子力発電の設計者や地震学の専門家に至るまで、道内地域では同じような事故が起こる可能性はあると、その可能性は否定できないとしていますけれども、知事は脱原発ということ自体の考えはないのでしょうか。
 あともう一つは、自然エネルギー含めて他のエネルギーに転換していくような意向がないのか、あとその原発を維持しながら安全な対策を講じるという今までの考え方に変わりはないのかどうか確認したいです。

(知事)
 一つ目が、脱原発はないかという点。二つ目は自然エネルギーの活用等をどう考えるかということですね。
 脱原発かどうかというのは、大変に論点として分かりやすい問題設定でありますので、知事選の最中にもそういったことがよく話題になりましたし、私も御社を含めていろいろなところから質問も受けましたし、また、全国的にも今回の福島の事案を踏まえてそういった議論がいろいろなところで行われているということ自体は理解をしております。
 そういった中で、先般、原子力立地県の知事が、非公式な形で、事務方も一切入れずに我々だけでちょっといろいろと意見交換しようということで、東京で小一時間議論させていただいた経緯がありますが、その時も、そこに出席した人達はだいたい同じような認識だったかなと思いますが、私自身は、この原子力エネルギーというのは、過渡的なエネルギーであるという位置付けをさせていただいてるところです。
 このことは北海道の条例にもそのように書いているところですので、道議会でもそのように答弁させていただいておりますし、私自身もそのような認識を持っているという現状であります。
 しかしながら、北海道内においては、電力供給の約4割が現に泊原発に依存する形で供給されているという現状、そして今、この原発事故で議論が今まで以上の深まりはないようには見えますが、地球温暖化問題の対処ということは、これはやはり日本なり世界が避けて通れない重要な問題でありまして、こういったこととの関係でどのように考えていくかという国民的な議論は必要でありますが、国民的な議論は置いておいて先ほどの続きを申しますと、私自身としてはこの原発、原子力エネルギーというもの自体は過渡的エネルギーと認識しつつも、現状の道内における電力供給の4割を依存しているという現状を考えた場合に、今直ちに全てを止めるという脱原発というのは、それは現実論としてあり得ない議論であると考えているところです。
 だからこそ重要なのは、まずはこの泊の原子力発電所の安全対策を最大限やっていくということが何より重要だというふうに考えているところです。
 ただ、これは原発立地県の知事の間でもいろいろ議論したのですが、北海道が4割ですね、関西電力のエリアで5割弱くらい、四国、九州は北海道と同じくらいなどなどで、全国共通の問題だと私自身は理解をしておりますので、国民的な議論、我々の今の生活レベルを維持するということの見直しも含めて考えなければならないことでありますし、地球温暖化問題をどのように考えるのかなどと全体として、パッケージとして、日本国における、あるいは世界における原子力エネルギーの政策のありようというものをしっかり議論しなければならない、今回の大震災に伴う福島の事故というのは、そういう大きなきっかけになったのかなと私は思っているところです。
 それから自然エネルギーでありますが、これも前から言っているとおりですけれども、北海道は自然エネルギーの宝庫であります。風力、太陽光、太陽熱、その他さまざまなエネルギー、雪氷エネルギーももちろんあります。さまざまな自然エネルギーを、北海道の地の利を活かして他の地域以上に発展をさせていくというのは、これは北海道の役割、責務であるとも思っているところですので、このことは、私どもとしてしっかりと今までもやってきたつもりでございますし、また、今回の知事公約の中でも触れさせていただいておりますが、北海道の優位性を活かす一つの活性化の方途として取り組んでいかなければならない課題であると思っております。
 よく道外でアピールをいたしますが、2008年G8サミット、世界の首脳そして世界のメディアが北海道に集まっていただいた2008年の7月に、私どもはIMC、インターナショナルメディアセンターの建屋全体をその前の冬に集めた氷と雪で冷房をいたしました。そしてその仕組みというものを、ご覧になったと思いますが、床の下に(雪が)こうやって入っているんだよというものを見せるような形で北海道のアピールもいたしました。まさに自然エネルギーの宝庫たる北海道としてのこれは重要な役割であると、このように認識をしております。


(STV)
 2点ほどございまして、1点目は原発なんですけれども、関連で先日ですね、後志の町村、19町村が集まったときにですね、やはり原発の問題が出まして、いわゆる防災、要するに4町村以外ですね、防災計画に入っていないのでその見直しですとか、その情報共有をお願いしたいということで、現状の計画をやはり見直しというものを求める声が多かったのですが、知事は、国の指針というのが今後どうなるのか分からないのでというお答えをされていますけれども、地元のそうあがってきているという部分についての、地元町村のですね、そういった声についての受け止めについてが一つ。
 すみません、がらっと変わるんですけれども、先日の24日の選挙でですね、この後お会いになります夕張市新市長のですね鈴木さんですね、お会いになって、鈴木さんが東京都の支援ということを掲げて、石原知事もいらっしゃいましたが、そういうお訴えをされて当選されたのですが、そういう中でやはり夕張市の支援している道としてですね、どういう今後お付き合いされていくのかという抱負と言いましょうか、お伺いさせていただければと思います。すみません、全く違う質問で恐縮です。

(知事)
 まず原発の関係で言いますと、今の防災計画なりさまざまな仕組みの中では、岩宇4町村(泊村、共和町、岩内町、神恵内村)の皆様方と議論を深めるということが原則となっているのはご承知のとおりです。10キロメートル圏ということですね。
 しかしながら、福島では現に20キロメートル、30キロメートル圏、あるいはその地形なり風の向きなり、いろいろな気象条件等もあるのでしょうけども、30キロメートルを越えるところでもさまざまな避難の対象なり、あるいは一定以上の放射能が確認されるという現状にあるということを、本当に近い、この日本国内で現実のものとして見ている中で、後志の皆様方が情報をもっと求めたいと思われるのは、これは当然のことだと私どもは思う次第であります。
 ただし、では20キロメートル圏が良いのか30キロメートル圏が良いのか、あるいは今回福島では30キロメートルを越えるところでも、今申し上げたような事情があるとすると、40キロメートル圏、50キロメートル圏、どこまで良いのかという議論、これは先ほどの津波の高さを今直ちに想定するのが現状の情報の範囲なり分析の状況ではなかなか難しいことと同じように、今直ちに言えるものではないと思うわけで、私どもとしては、後志管内の蘭越町長さんをヘッドとする皆さん方のこの思いに、真摯に道としてお答えしていくということは大変重要なことだと思っているところです。これに小樽市さんが入られるかどうかという。同じ後志管内なので、ご一緒にいろいろな議論というのは、私は地元さえ、そのつもりであれば、そういうことも含めてまずは地元の皆様方がどういった点に特に情報提供等を求めておられるか、そして、どういった点を特に不安に思っておられるかなどを含めて、いろいろな形で情報をやりとりしながら、地元として国の検討を待つことなくできることは何かということを、やっていかなければならないのではないかと思っているところです。
 そのことと合わせて、前の記者会見でも申し上げたと思うのですが、避難経路の問題であるとか、あるいは要介護者への対応であるとか、今の防災計画の中でも地元で検討できる課題というのはたくさんありますので、こういったことを検討するための場として、今、専門の方々と地元首長が入っていただいている委員会があるのですが、そこから首長の方々と、岩内の消防長の方を除く6人の専門家の方々だけの委員会というのを新たにというか、部会、分科会みたいな形で立ち上げて、その場で論点整理というのをできる限り早くやっていかなければならないということを思っております。もちろん、地元の首長さん方も含めて議論をしていくことは重要でありますが、まずは効率的な議論を展開するために専門家の方々の会議というものをやっていこうということを事務方に指示しておりまして、検討を進めているところです。そういったことをしっかりやっていきたいと思っております。
 それからもう一つ、後半戦の統一地方選の夕張市長さん、今日お会いできるのを大変楽しみにしております。 30歳。全国で一番若い市長さんです。
 夕張の財政再生団体入りに向けてのいろいろな経緯であるとか、いろいろなことは語ればきりはないわけですが、ただ今は過去の経緯を踏まえることは十分重要であるけれども、より重要なのは、前向きにこれからの未来志向で前例にとらわれることなく、やはりできる限り市民目線で、もちろん道民の方々の理解が得られる範囲内という制約は付きますけれども、できることをやっていくという姿勢が大変重要だと思っておりますので、そういう意味では、今日夕張の新しい市長さんが、どういう形のお話をされるかということを私自身も大変に楽しみにしているところです。
 東京都との連携というのは、大変頼もしいです。一極集中是正が必要になったのではないかというのは、今回の震災の一つの大きな教訓ではございますが、それにしても、日本一の富が集まっている東京都庁の知事さんも選挙応援に来られたというのも、またすごいことだなと思います。そういった中で東京都との連携は山ほどあるでしょう。夕張の物品をいかに売るか。それから企業誘致については私もツムラの社長さんにお会いしたり、前の藤倉市長も一生懸命やられてきましたが、東京都にはそういう企業もたくさんあるわけですので、都庁自身がまたお声かけなどをしていただくとスムーズにいくところもあるでしょうし、いろいろな可能性があると思いますので、そういったことにつきましても、新しい市長さんとお話ができればというふうに思う次第です。


(共同通信)
 震災の復興の件にちょっと関するのですけれども、2点伺いたいと思うのですが、今、政府のほうで復興財源について消費税の増税、時限的なものであったりとか、あと所得税や法人税のアップとかいろいろ議論はされているのですけれども、当然財源が足りない中でどこからそのお金を工面するのかというところがこれから議論になってくると思うのですけれども、知事ご自身が例えばそこに対してどのようなお考えがあるのかというところを1点伺いたいのと、あと、北海道新幹線との絡みにもなってくるのですけれども、以前から話題に出てきた鉄建機構(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)の2兆円余りの剰余金というのが、どうやら今度の補正のほうに組み込まれるのではないかという話がなってきている中で、それだけではないのですけれども、当然この北海道新幹線の札幌延伸にも財源の面なんかで影響出てくると思うのですが、その辺について、今後も従来どおりあくまで札幌延伸を期限どおりというかそういうのを求めて延伸活動されていくのか、それともやっぱり東北の復興というものを第一に考えたときに、どうしても後回しと言ったら言葉悪いかもしれないのですけれども、若干、期限の先延ばしというものも検討しなければならないのかとか、その辺りのお考えがあるのかどうか伺わせてください。

(知事)
 復興財源の議論については、いろいろな方々がいろいろな立場でいろいろなことを言っておられます。道としての意見の集約というのは、道議会でもいろいろな議論が出てくると思いますけれども、その意味では今段階では私の私見ということしか申し上げられる素材はないのでありますが、私個人としては、確か宮城県の知事が復興会議で言われたというふうに報道を通じて見た記憶があるのですが、これだけの日本国の歴史上も例を見ないほどの大規模な大震災の復旧・復興の財源ということを考えた場合に、瓦礫の量だけでそれぞれの県の十数年分あってその撤去が必要だとか、もう港なども壊滅的で町全体がなくなったような状況など、いろいろ聞くにつけても、その復旧・復興に向けては、従来の発想を相当超えた特別的な枠組みの中でやっていかなければらならないということになるとすれば、期間限定等の制約は付くのでしょうが、一定のあまねく国民を対象とする負担増というような形というのは、もちろん増税というのは反対される方もいっぱいおられますけれども、総じて見た場合には、レベルにもよりますけれども、私は多くの国民の方々のご理解というのは得られるんじゃないかという思いを、今段階では持っているところです。
 ただ、これからまた議論が進んでいくと思いますし、その後に私としてまた別のことを言うかもしれないということは、留保させていただきたいと思います。
 それから、道内の今後のインフラ整備の進み具合が、この東北の復旧・復興の資金との関係でつらくなるのではないかというご質問でございますが、それは確かに国の財政も限られたものでありますので、これは新幹線に限らず、道内のさまざまなインフラ整備の面で一定の影響というのは出てくる可能性はあるという認識は実は持っています。
 しかしながら、これは北海道に限らず、東北以外の地域は皆同じ思いだと思いますが、それぞれの地域の発展のために必要な社会資本整備というものは進めていかなければならないというのは、それぞれの地域のやはり意志としては当然あるものでありまして、わが北海道の場合には、いろいろな課題がある中で、やはり北海道新幹線の札幌延伸というこの大きな課題も引き続き強く国に対して求めていかなければならないものの一つであると私自身は認識をしているところです。
 しかしながら、現実論として考えた場合には、実は4~5年のうちに来ると言われており、これはもう着工済みで着々と工事が進んでいる道南の、仮称ですが新函館駅までの北海道新幹線の完成ということが本当に予定どおり進むのかどうかということも一部懸念をする声も道内に出ているという現実もあるわけでありまして、私どもはこちらのほうも強く予定どおりにということを国に言っていかなければならないと考えているところです。
 そしてその際には、もちろん、日本地図を見た場合に南のほうは鹿児島までもう一気通貫、福岡からもう全部つながってますよね。そういった日本地図全体の中における縦貫交通ネットワークとしての重要性を言うのは当然でありますが、加えて、この北海道新幹線の完成が被災の大きい東北の支援にもつながると。そういった観点からも、東北の皆様方とともに共闘して、国に対して、あるいは国民世論に対して訴えをしていきたいと思う次第であります。
 函館だけであれば30万弱の都市であります。また青森だけでもそれくらいでありますが、青函トンネルを経由して北海道新幹線で、この大きな地域、この二つの地域がつながることによって、ここに擬似的な形で100万に近い人々の集積のエリアができるわけでありまして、ここを一体として振興を図り、これは観光もありますし産業もあります。いろいろな交流の促進を含めてやっていくということが、もちろん北海道の活性化にもつながりますが、東北の活性化にもつながると。こういうようなロジックも十分に踏まえながら、いろいろなことを発信をしていきたいと、このように考えております。


(NHK)
 知事に二つほど。まず、震災の関係のトップセールス、来月中国行かれるということですけれども、あちらでどういったところ、国の政府機関なのかあるいは航空会社などなのか、いわゆる要請先はどのような場所を考えているかということと、韓国、台湾、副知事がもう行かれてますけれども、知事自ら韓国、台湾両方ともシェアがやはり大きいところですので、こういったところもトップセールスに赴く考えがおありなのかというのが1点ですね。もう1点、同じく観光対策ですけれども、先日、観光審議会ですか、かなり、専門家というか関係者の方から厳しい意見が出まして、予算の額が小さいですとか、あるいは対策が遅いという強い批判の声もありましたけれども、こういったことも踏まえて、来月補正予算組まれる予定だと思いますけれども、例年に比べてやはり分厚く予算を配分したりということをお考えなのか、この2点についてお伺いします。

(知事)
 まず、風評被害を受けている、観光のトップセールスでございますが、中国で訪問する都市は北京と上海ということにしておりまして、具体的な働きかけ先は、今、アポイントメントを取りつつあるというふうに理解をしておりますので、まだ詳細なことを申し上げられる段階にはございません。
 もともと私自身が中国に行こうと思ったのは、観光庁長官が先々週に中国の北京を訪問して、日本国全体の風評被害を乗り越えて、ビジットジャパンをよろしくということを言った際に、中国の国家旅遊局トップの方から、北海道は大丈夫ですかというお話があって、それで観光庁から私ども北海道に、一緒に働きかけようというお申し入れもあったということで、そういう意味では、私どもとしては政府の機関である国家旅遊局等にも当然行かなければならないかなと思っておりますが、あと時間の許す限り先方のエージェントの方々であるとか、航空会社であるとか、できる限りの働きかけをしてまいりたいと思っているところでございまして、しかるべきタイミング、そんなに遅くならないときに皆様方にもスケジュールの詳細をお示しをしたいと考えているところです。
 それから韓国、台湾でございますが、まず台湾につきましては、もともと今年の秋をめどにタンチョウを贈ると、これは先方からのご要請もあってもう2~3年前からて温めていたプロジェクトでございまして、このタンチョウのカップリングを今一生懸命やっている。写真もこの前見ましたけれども、人工孵化した「ビッグくん」と「キカちゃん」という雄と雌ですけれども、今釧路におりまして、その2羽のお供をしてというか、その2羽を連れて、私自身も台湾にこの秋には行こうと思っておりまして、そのことは今段階でも予定は変えていないところです。
 また、韓国との間では、釜山と交流の調印をしております。これは、5~6年前(2005年12月)でしたか、釜山でAPECの会合があった直後くらいに結ばせていただいて、それからもう一つは昨年ソウルと友好提携を締結させていただいておりまして、とりわけソウルとは今年が一周年でございますので、ぜひその一周年を記念するイベントを実施したいというふうに先方からも強い働きかけもございますので、そういったことの実現のために、向こうから大挙して来ると言われたらそれもそれなのですが、できれば私のほうから先方にお邪魔をして、北海道観光のPRも含めてしっかりトップセールスをしていきたいと、このように考えております。
 それから北海道観光審議会の厳しいご意見、審議会の有識者委員の皆様方からのご意見というのは常に有意義なものばかりですので、そういったご意見を真摯に受け止めて、我々の政策に反映していくということは当然だと思っております。
 しかし一方で、政策のやり方というのは、予算の額が多ければ多いほどいいかと言えば、必ずしもそういうことではなくて、中身の充実も含めて考えていかなければならないのかなというふうに私は思っていまして、あらためて有識者の方々のご議論を踏まえた我々としての6月定例会に向けての政策予算の中身を詰めてまいりたいと考えております。


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

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