知事定例記者会見記録(平成23年6月14日)

知事定例記者会見

・日時/平成23年6月14日(火) 11:41~12:02  
・場所/議会知事室前
・記者数/25名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 平成23年第2回定例会の開会にあたって

記者からの質問

1 北海道エアシステム(HAC)における重大インシデントについて
2 脱原発に関する知事の考え方について
3 新エネルギー関連企業の誘致について
4 政務調査費について
5 泊原発の営業運転の再開について
6 道議会での意見交換について
7 高速道路の無料化社会実験などの終了について

知事からの話題

 

平成23年第2回定例会の開会にあたって

 それでは、私からは今日から始まりました第2回北海道議会定例会についてでございます。冒頭に道政執行に向けての方針を述べさせていただきました。加えて、補正予算のご提案を申し上げたところであります。今定例会の本格的な質疑は来週からでございますが、代表質問、一般質問等を経て、道政上のいろいろな課題について議論をすることを心から期待しているところです。大震災の復旧・復興ということもございますが、最近道内でいろいろございます、JR北海道あるいはHAC(北海道エアシステム)など交通関係のトラブルをはじめとして、さまざまなテーマについて質疑が交わされるものと、このように考えております。私からは以上です。

記者からの質問

(日本経済新聞)
 HAC(北海道エアシステム)のトラブルに関してなんですけれども、いろいろ問題あるんですが、株主としてですね、経営陣の刷新を求めていくお考えはございますでしょうか。
  
(知事)
 経営体制の見直しということですね。HACの問題については日曜日(6月12日)の夜、一連の国交省運輸安全委員会の調査も終わったタイミングで、社長から私に報告をしたいというお申し入れがありまして、知事公館でお会いをし、その時いろいろお話をして、その後の(報道の)ぶら下がり取材でも同じようなご質問がでて同じようなお答えをしたのでありますが、まず今回の事案では、4日に異常降下があって、その事態の認識がHACの社内で遅れて、そして国なり道への報告が遅れ、またその間、十分に機材の安全が確認されていない中で数日間にわたって運航が続行されたことなど、さまざまな今回の一連の事案について、どうしてこうなったかということについて、国の調査も入るわけでありますが、HAC自身として、まずは原因究明を徹底的にやってほしいということ、加えて、再発防止に向けてのさまざまな中身について早急にまとめてほしいということを西村社長に要請したところです。
 まずは、それをHACにやってもらうことが第一でありまして、今段階で、経営責任等について、筆頭株主として思いが至っているところではありません。


(STV)
 原発の関係だったんですけれども、イタリアの国民投票の話題がニュースとしてありますけれども、脱原発に関してはいろいろ札幌市のほうでも脱原発のエネルギーということで、先だって補正予算でも取組やられている中ですね、今日、知事は執行方針の中では、原発に関しては安全性の確保っていうことを第一ということで、従来もそうですけれども、脱原発までは踏み込んでいらっしゃらないという中でですね、あらためてこの世の中の趨勢の中で、脱原発に対してのお考えをあらためて伺わせていただければと。

(知事)
 イタリアの国民投票、あるいはドイツの政府としての判断などがあるわけですが、また一方で、ヨーロッパ全体で見たらどうかという議論もございます。いろいろな立場の方々が、いろいろなお立場でいろいろなご発言をしておられる、そういったことのきっかけになったのが、やはり福島の事案だったというふうに思うわけです。
 そしてそういった中で、私は常に申し上げているところですが、原子力エネルギーというのは過渡的なエネルギーという位置付けを私もしているわけですが、ただ現実に電力供給の北海道内で約4割、全国の電力会社の中で一番高い関西電力がほぼ5割依存しているという現状にある中で、もちろん原発の安全性あるいは今後の原発、原子力エネルギーを含めての日本としてのエネルギーの今後のあり方ということを大いに議論することは重要だと思いますし、そのことに私どもも参画をしていかなければならないと思います。
 ただ、現状、今の電力供給の日本国内全体、あるいは北海道における現状を考えた場合に、今直ちにこれらすべてを止めろということは非現実的ではないかというのが私の前から申し上げている立場でございます。
 そういった中で何より重要なのは、安全性を確保していくということに尽きるわけでありまして、ご承知のとおり道内の泊原発は、1号機は定期点検中でストップしており、3号機は制度的にはこれも定期点検中ということですが、現実として運転しているという現状の中で、これについて地元としてどう考えるかというのは、これはもう1カ月以上前から同じ状況なのですが、国に対して大変にクリアな質問二つを含めていくつかぶつけているわけでありますが、何ら返答がないと。どうも6月7日の国際原子力機関IAEAへのレポート提出に大変忙しかったという事情を聞いているわけでありますが、国際的なレポート提出も重要だと思いますが、それにしても現に国内の状況について説明を求めている地方に対して国として的確に返答をするというのも責務でありまして、それが遅れているのは大変残念なことで、われわれとしてはその回答を頂かない限り、また、頂いたとしてもそれですべて了解ということではなく、頂いた上でわれわれ自身としてその内容でしっかりと道民の方々にご説明をし、われわれ自身も安全だと判断できるかどうかというのは別でありますが、今はそれ以前の段階にございますので、その意味では今までの繰り返しでありますが、国に対して、しっかりとした私どもの質問に対するお答えをまずは返してほしいということを再三訴えているところです。
 そういう中で、国を待っていられないので、原子力防災計画の見直しということは、5月24日専門委員会(有識者専門委員会)を立ち上げまして、その場でEPZ(エマージェンシー・プランニング・ゾーン)のゾーニングの議論も含めて、地元の立場で技術的な観点からの検討をスタートさせているところでありまして、これはできればスタートの時も申し上げたところでありますが、秋口ぐらいまでにも一定の結論をだしたいと思っております。


(uhb)
 今の脱原発の関連で、今日の道新さん(北海道新聞)の1面に、メガソーラー、大規模太陽光発電の施設等々という報道もありましたが、今、原発問題を受けて自然エネルギーなどが注目されている中で、例えば道としてそういった企業を誘致するなどのお考えがおありであればお伺いできればと思います。

(知事)
 原子力発電、原子力エネルギーについての先程来申し上げている現実的な私の認識と並行して、今日の執行方針でも申し上げましたとおり、北海道は自然エネルギーの宝庫でありますし、いわゆる再生可能エネルギーの道内の潜在力を一生懸命開発していくということは重要な政策課題であるというふうに認識をしております。
 そういう中で、今日ソフトバンクの動きというのが一部報道されたわけでありますけれども、ソフトバンクさんは、道を含めて他の県にも呼びかけて新エネルギー、自然エネルギーの導入促進を熱心にやっておられて、自然エネルギー協議会というものを(これから)設立されて、それに私どもも参画するとお約束を申し上げておりまして、お披露目を7月の(全国)知事会に際して行うという話をお伺いしているところです。
 それはそれで私どもとしても大変ウェルカムでありまして、いろいろな条件が整えば、ぜひソフトバンクさんのこういったプロジェクトもお受けしたいと思っておりますし、またそれ以外の道内外の企業さんに、われわれもしっかりと誘致活動を行っていかなければならないと思っております。
 そういう中で、われわれの関心の一つは、今、国会に提案されて審議中とお伺いしております、再生可能エネルギーの全量を固定価格で電力会社が買い取る制度の根拠となる法案(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案)、これは必ずしも十分に審議されていないまま会期末までに成立するかどうかといわれている法案でありますが、この行く末というのは大いに関心があります。やはり自然・再生可能エネルギーの導入というのはリスクを伴う中で、このような法律がしっかりバックにあるかどうかというのは事業者にとっても大きな判断要素となると思いますので、そういった環境の見極めも含めて、今おっしゃったソフトバンクさんを含めた、企業の誘致ということもしっかり行っていきたいと思っております。


(北海道新聞)
 道議会の政務調査費について伺いたいのですけれども、最近、議員の活動の経費として、政調費(政務調査費)の収支報告書と、議員の後援会なり資金管理団体の政治資金収支報告書との活動の経費を二重計上するという問題が相次いで明らかになっていますけれども、政調費も公金であって、疑惑を招くような不透明な運用というんですかね、そういったものは改めるべきだというふうに考えますけれども、予算の執行権者として知事ご自身、この一連の問題に対してのお考えと受け止めについて、それと今後、政調費の制度の見直し含めて、どのように対処していくべきというふうにお考えになっているかということをお聞かせください。

(知事)
 今回の政務調査費の不適切な使用については、うっかりだったとそれぞれの議員さんが言っておられるようでありますが、私も政治家の端くれとして考えれば、やはりわれわれは結果責任のところもありまして、ルールに合わない形でこういったことが行われ、道民の方々の信頼を損ねる事態となったということは大変残念であり、やはりわれわれ政治家一人一人が襟を正していかなければならない、そのように考える問題であります。
 この政務調査費につきましては、もちろん道費からでているものでありますが、やはり議員の方々の活動を円滑に行っていただくために必要な経費であるということで認められているところですし、またこの政務調査費に関する条例(北海道議会の会派及び議員の政務調査費に関する条例)というのがございまして、この条例によると第10条に議長が政務調査費の適正な運用を期するために必要な調査を行うという規定がございます。ですから、議長におかれては、まずは議長のリーダーシップにおいて、今回の複数明らかになった不適切な使用の事案の現状を踏まえて、道民の信頼回復に向けてどのようにこの10条に基づく調査権が発動されるのか、そこはやはり議長のご判断、アクションを私は待っていきたいなと、このように思う次第であります。
 そしてそういったことの後であっても、やはり道民の方々からの一定の疑念があるような場合にあっては、また次のことも考えていかなければならないこともあるかと思いますが、この条例の規定に基づく議長のリーダーシップにまずは期待を申し上げたい、このように考えております。


(朝日新聞)
 泊原発の先ほどの関連なんですけれども、1号機の再稼働にあたって二つの質問を国にされていらっしゃるということで、福島の事故の原因は本当は津波じゃなくて揺れによるものなんじゃないかということと、浜岡を止めた理由に(地震の)確率の話があったけれども福島も確率低かったじゃないかと、その2点かと思うのですが、どういう回答を想定しておられるのか、つまり福島の事故は今動いていますし、原因が何だったかというのは非常に相当時間を回答を得るまでに要するのかなと思いまして、また確率の話というのもかなり、おそらく国の立場で言うと答えづらい内容なのかなと思うのですけれども、知事が先ほど原発止めるのは非現実的だとおっしゃった意味合いからしますと、国から明確な答えがないと納得しないというお立場なのか、ある程度何というか努力しますみたいなちょっと曖昧な内容の回答であっても一定の回答があれば納得するのか、どの程度の回答を想定していらっしゃるのか。

(知事)
 難しい質問ですね。(国からの)回答の中身が想定されるのだったらそれですり合わせをやればいいのですが、それがないから今困っているわけでありまして、私どもとしては、もちろん専門家ではありませんので、浜岡との違いということについても、地震もいろいろな原因なり対応や、現象によっていろいろなパターンがあると思うのですね。そういったことの詳細なことを専門家の立場から検討をしていただいた上での回答になるのかなという思いはありますけれども、具体的にどういう答えだったら納得して、どういう答えだったら納得しないというのは、そのことについて申し上げることもできませんし、それから津波ではなく地震そのものが福島の事故の原因の一角を占めているのではないかという質問につきましても、われわれとして想定する答えがあるわけではありません。まさに責任を持って東京電力とこのことにあたっている国として、しっかりとした責任のある回答をしていただかない限りは、われわれとしては納得はできない。これは他県の知事も同じ思いだと思います。

(朝日新聞)
 冬に電力のピークが来ますけれども、それに回答が間に合わなくても、間に合わなかったらもう納得はしないということですか。

(知事)
 まだ仮定の議論ですのでね。国も今必死になって、例えば佐賀県への説明、これは議会も含めてというふうに聞いておりますが、やっておられますので、今仮定の議論をする必要は私はないと思います。


(HTB)
 あらためてで恐縮なのですが、答弁調整についてのお考えをお聞かせください。

(知事)
 議会サイドといろいろと調整をさせていただいている途上であります。(調整は)こちらサイドだけではなく議会サイドとお互いにやらないとできないので。そういう状況であります。

(HTB)
 調整中ということですね。

(知事)
 はい。


(十勝毎日新聞)
 高速道路の無料化社会実験が終わって、土日の千円もなくなるということで、観光の地産地消に与える影響というのはどのようにお考えでしょうか。

(知事)
 この無料化実験が一部区間で始まった時にあった議論と同じになると思うのですが、無料化で得をする観光地、そして損をする観光地、それぞれあると思います。無料化実験が終わるわけだから元に戻ると、一言で言えばそういうことだと思うわけでありまして、私はやはり今回の高速道路の無料化の問題について言えば、そのストップがどういう影響うんぬんではなくて、あまりに中途半端だったと。将来的に向けて高速道路の無料化ということをどれくらいの幅でやるかということの実験として、試みとしてトライアルとしてやるということで始まったはずなのに、何かその財源もなくなったので、あるいは震災対応を中心にするということでとりあえずやめますということで、今やめるということについての政策的な意義付けということが、ポジティブな形で積極的に話がでたわけではありませんので、その意味では大変中途半端になったのかなと。
 お答えになったかどうか分かりませんけれども、無料化の前の状況に戻ると。無料化が終わることによって、お客さんが減ると思われる地域もあるだろうし、逆に無料化が始まってお客さんが減っていたなと思うところには戻ってくるし、そういう状況ではないでしょうか。

 


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