知事定例記者会見記録(平成23年8月17日)

知事臨時記者会見

・日時/平成23年8月17日(水) 13:41~14:30  
・場所/記者会見室
・記者数/34名(テレビカメラ10台)

会見項目

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知事からの話題

1 北海道電力(株)泊発電所3号機に関する道の考え方

記者からの質問

 1 泊原発3号機について(1)
 2 泊原発3号機について(2)
 3   泊原発3号機について(3)
 4 泊原発3号機について(4)
 5 泊原発に関する後志管内市町村との連携について(1)
 6 泊原発1、2号機と3号機の考え方の違いについて
 7 泊原発3号機について(5)
 8 泊原発3号機について(6)
 9 泊原発1号機について
10 泊原発3号機について(7)
11 泊原発3号機について(8)
12 脱原発について
13 泊原発3号機について(9)
14 泊原発に関する後志管内市町村との連携について(2)
15 泊原発3号機について(10)
16 電力需給に対する見通しについて
17 泊原発1、2号機について
18 原発に関する道民の合意形成について
19 泊原発3号機に関する道議会議論について

知事からの話題

 

北海道電力(株)泊発電所3号機に関する道の考え方

〔配付資料:北海道電力(株)泊発電所3号機に関する道の考え方
 それでは、私からまずお話をいたします。北海道電力泊発電所3号機に関する道の考え方についてでございます。道といたしましては、このたびこの泊原発3号機の扱いに関する国から頂いた回答につきまして理解できるものと判断をしたところであり、従って国において最終検査の手続きを行われることについて異議はないということでございます。
 私といたしましては、原子力発電所に関しては何よりも安全を優先し、道民の皆様方のご不安の解消に努めながら対応すべきものと、このことはこれまでの議会答弁でも何回にもわたって申し上げてきたところでありますが、このような考えの下に国においては東日本大震災に伴う今回の福島第一原発の事故を踏まえ、今後責任を持って安全対策に万全を期するとともに、私ども道を含め全国の原発立地地域との信頼関係を損なうことのないよう誠実かつ丁寧な対応を強く求めるものであります。
 配付資料をほぼ読み上げたような形になったところですが、特に私が思いますのは、今回この泊原発3号機についてその考え方を取りまとめるのに相当の苦労を伴ったところでございまして、ましてや今後想定されます定期点検中の原子力発電所、道内では具体的には泊原発1号機と(これから定期点検に入る)2号機ということになろうかと思いますが、そういったことにかかる再稼働については、より慎重な判断というものを要すると。これは議会議論でもございましたところですので、一層の安全性の向上とより丁寧な対応を国に強く求めるものであります。国のここまでの対応についても、一言申し上げるとすれば、まずはこれは九州の問題ではございますが、玄海原発の事案に関連して、政府の方針というのが二転三転をしていたと、それを私ども道民もまさにマスコミの方々の報道等を通じて見てきたわけであります。そういった中で、泊原発3号機につきましても、皆様方もご承知のとおりでありますが、私、道知事からのいくつかの簡単な文書照会をし、その回答を頂くのに政府内部の調整に3週間以上を要し、そしてその後、北電にご承知のような経緯の中で指導をするなど、大変慌ただしさがあったということ、こういったことは道民だけではなく、原発立地県をはじめ国民のみんなが見ているわけでございますので、繰り返しになりますが、今後の定期点検中の原発の再稼働問題の取扱いについては国においては丁寧な対応ということをあらためて強く求めるものであります。
 それからご質問で出ようかと思いますが、私どもとして国から頂いた回答について理解できると申し上げたポイントは、大きく分けて二つということになろうかと思います。一つは、私どもはこの泊原発3号機の扱いが再稼働ということであれば地元協議が必要という認識の下、道議会での答弁等でも申し上げてきたところでありますが、そのことについて例のストレステスト導入に当たって、国の見解と私どもの認識が少々違ってきているのかなという中で、質問をし、回答を求めたわけでありますが、国の回答は泊原発3号機は運転継続中であるというものでありました。この点を理解したというのが一つであります。それから二つ目は、その運転継続中の泊原発3号機についても、これまでの最終検査について原子力安全・保安院の検査に加え、原子力安全委員会での確認というダブルチェックを導入するということであったこと、さらには全国の稼働中のほかの原発と同様に運転を行いながら、ストレステストの2次評価を行うというさらなる安全性の確認というものを行うという安全性についての国の考え方についても理解をいたしたところであります。私からは以上です。

記者からの質問

(読売新聞)
 今日から地元との調整を図るというお話だったわけなんですけれども、本日のこれまでの手続きとこれからの手続きについてお伺いできますでしょうか。

(知事)
 昨日の、道議会エネ特(産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会)におけるご審議はご承知のとおり、ほぼ真夜中になったところでございまして、その終わった後のぶら下がりの取材において、日を改めて今日地元の方々との意思の疎通を図るということを申し上げたところです。
 今日午前中をかけまして、岩宇4町村(泊村、共和町、岩内町、神恵内村)の皆様方、そして後志管内の市町村の皆様方にそれぞれ道としての議会議論の経過と道としての考え方のご説明を申し上げたところです。
 エネ特において、こういう点、こういう点が議論になったというようなご説明、そしてそういったことも踏まえて、先ほど冒頭に申し上げました道としての考え方、さらには、やはり今後の泊原発1号機、2号機の定期点検から再稼働に向けての私どもの対応というのは、慎重にやっていかなければならない、そのことを国にも強く求めるというような点などについて丁寧にご説明を申し上げ、4町村等の(意向を)確認(する)など、意思の疎通が図られたところです。
 そしてその後に記者の皆様方にこのようにお声掛けをして、私としての考え方、私どもとしての考え方を道民の方々に初めて今申し上げているところでございまして、この後、まだ先方のスケジュールは確認をいたしておりませんが、経産省に返事をしてまいりたいとこのように考えております。


(HBC)
 国への考え方を伝えるのは、今日午後中にというようなスケジュール感でいいかという確認がまず1点とですね、あと、先ほどおっしゃっていた安全性をどういうふうに確認したかということなのですけれども、泊原発3号機が稼働中であるということとか、あるいは(ストレステストの)2次評価の対象になって、2次評価はただこれは、これからのことだと思うのですよね。そうすると、実質的に安全性が確認されるのは、原子力安全委員会のダブルチェックのみというようなことになろうかとも思いますけれども、あらためてその安全性を確信した根拠として、実質的な意味では原子力安全委員会のダブルチェック、これだったということでよろしいかという確認です。

(知事)
 一つ目のご質問については、これは相手のある話でありますので、スケジュールが調整できるかどうかにかかっておりますが、私どもとしては、今日中にお返事をしたいとこのように考えております。
 それから2点目はそのとおりであります。


(共同通信)
 昨日、委員会が開かれたわけですけれども、地元との意見集約という意味で開かれたと思うのですが、開催が1日だけということと、大臣から地元の判断を待ちたいという連絡があって、1週間というわずかな期間で、知事、判断を出したわけですけれども、どうしてそこまで判断を急ぐ必要があったのかということを一つ伺いたいのと、経産大臣との間で、例えば何日までに返事を返してほしいというような具体的な要請というのがあったのかどうか伺えますでしょうか。

(知事)
 一つ目でありますけれども、これは昨日も複数の議員の方々からのご質問に対してお答えを申し上げたところでありますが、そもそも泊原発3号機のステータスというか、置かれている状況というのは大変不安定な状況にあったわけです。その物理的、技術的な状況ではフル稼働で運転中であるにもかかわらず、最終点検を受けていないという意味において、定期検査中とも言えるという、それを調整運転という表現で常に私どももとらえていたところでありますが、やはりその状況を長く置いておくのは望ましいことではないという認識がまず根底にあったわけであります。
 そういった中で、例の4月からの国とのやりとりの中で、国サイドのその状況を少しでも早く解消すべしという考え方は、私どもとしても、また地元の町村においても同じ認識でありまして、その意味で私は、この状況の1日でも早い解消に向けて意見集約を急がなければならないと、そのように考えたところであります。
 それから具体的日程については何日までというのは、これは当然ありません。


(北海道新聞)
 今後の泊原発1、2号機のことでちょっとお尋ねしたいのですけれども、昨日の委員会での答弁でも多少ありましたけれども、今日も知事がおっしゃられているように、今後、丁寧なやり方を進めていかなきゃいけないということなんですけれども、具体的に4町村以外の地域と、昨日も答弁でありましたように、連絡協定などですね、具体的にどう進めていくのかという点と、もう一つは、3号機を今回、異議はないということで認められるわけですけれども、これはイコール1、2号機の話とは全く別の問題だというふうにとらえて良いのかというか、そこをちょっとお尋ねしたいのですけれども。

(知事)
 泊原発2号機はこれから定期点検に入りますが、今後、定期点検中、あるいは定期点検に入って停止している原発の再稼働問題、これについては、道内ばかりではなくて全国的にまさに議論になっているところでありまして、私どもとしても慎重にも慎重を期して、国とのやりとりあるいは地元の(意向)集約等を丁寧に丁寧にやっていかなければならないと考えているところです。
 その意味では、昨日もエネ特(産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会)でご答弁を申し上げましたとおり、4町村(泊村、共和町、岩内町、神恵内村)とのこの意思の疎通のやり方というのは、これは協定上もう決まっているところでございますが、それ以外の後志管内の市町村の皆様方とどのような形で情報の共有やその共通理解の醸成を図るかということにつきまして、早急に連携体制の構築、その一つの例として、今、言及されました通報連絡協定の締結ということも含めて、この連携体制の構築ということについて、地元の皆様方としっかり議論をしていかなければならないと考えているところです。
 それから、泊原発3号機と1、2号機は別(の判断)かというご質問でありますが、まさに別であるということが国とのやりとりで確認されたからこそ、1、2号機の(再稼働に関する)重い判断とは切り離して、今回、このような形で判断を表明させていただいているところでございまして、そこはそのようにご理解を頂きたいと思います。


 (STV)
 知事、今回の判断、決断で、泊原発3号機が福島第一原発の事故の後、定期検査中の原発が営業運転に移行する初めてのケースになるということで、全国的に注目されているのですが、そういう位置付けになることについての知事の受け止めと、あと、今回の判断が、原発問題、道民も非常に関心を持って、ある意味ナーバスに反応している部分があると思うのですけれども、今回の判断が道民の理解を得られるものと知事としては認識していらっしゃるか、そこの2点をお伺いいたします。

(知事)
 確かに現象としては福島第一原発の事故以来、全国初の営業運転入りということになるようですけれども、私どもとしてはそこを意識したことはございません。あくまでも原発というのは安全性の確保が何よりも重要であるという観点の中で、この泊原発3号機の取扱いというのがどういう状況にあるかというステータスについての確認、そして国と共通認識のステータスにある泊原発3号機についての安全性をどのように確認をし、また判断をしていくのかということについて、国との確認などを経て、今回判断をしたわけですので、結果として今ご指摘のとおり、福島第一原発の事故以降初の営業運転入りの事案になったということかなという感じであります。
 それから、原発の取扱いについて道民の皆様方の理解ということでありますけれども、もちろん道民の方々もさまざまなお立場、さまざまなご意見の方々がおられます。昨日、委員会の傍聴席に来られたほとんどの方々が原発には絶対反対というお立場の方々だったと思います。
 また、各種世論調査を見ても、この原発問題についてはそれぞれの国民、道民の方々がいろいろな考え方を持っておられるわけでありまして、そういった中で道議会での議論、あるいはこれまでの記者会見でも申し上げておりますとおり、私自身はこの北海道という広大な土地、そして自然エネルギーの宝庫であるというこの土地、こういった中で、今話題の再生可能エネルギーの普及促進ということは、まさにしっかりとやっていかなければならないという課題があるという認識はございます。
 ただ一方で原子力発電というものが、道民の皆様方に対する電力供給の4割を現に占めているという現実を直視した場合に、このことを安全性を確保、担保しながら続けていくということも、やはり道民の生活を守り、また産業活動の環境整備をし、さらに言えば、私どもは企業誘致もしっかりやっておりますので、そういったことのためにも重要であろうということなど、いろいろな要請の中で、今回この泊原発3号機について、今申し上げているような判断をさせていただいたところでございますので、昨日の傍聴席におられたような絶対反対の皆様方をはじめとするさまざまなお立場の道民の方々に、機会あるごとに私どもの考え方のご説明を丁寧に行い、一人でも多くの方々のご理解を得られるように努力をしてまいりたいと考えているところです。
 とりわけ、若干重複になりますが、地元の皆様方、岩宇4町村(泊村、共和町、岩内町、神恵内村)とはもう枠組みはあるわけでありますが、後志管内の市町村の皆様方とは、いろいろなお申し入れも頂いておりますし、これから意思の疎通を図るさまざまな体制について議論を深めていかなければならないわけでして、こういったこともしっかりと丁寧にやっていきたいと、このように考えております。


(毎日新聞)
 泊原発1号機に関してなのですけれども、知事が出している質問、浜岡原発との違いであるとか、地震が福島の原発にどういう影響を与えたであるとか、そういったところの質問の回答が今後来なくても、その回答と1号機の判断、その関係をどのようにお考えになっているか、お聞かせください。

(知事)
 これはもう議会で常に言っておりますけれども、国からの回答がない限り、泊原発1号機、2号機(の再稼働)について私どもが判断する以前の状況にあるということは全く何も変わっておりません。そのことは泊原発3号機の扱いとは別でありますが、国に対して常にしっかりと言ってるところでありますので、そのことは再度、あらためて確認をしていかなければならないと考えているところです。
 そしてこういった疑問というのは、北海道ばかりではなくて、原発を抱える立地県はどこも疑問に思っている点だと思うわけでして、国においては、それこそ政府内の意思の疎通を十分に図りながら、統一的な考え方をできる限り早く出していただきたいと、このように考えているところです。
 
(読売新聞)
 2問あるのですが、1問ずつ分けてお伺いしたいと思います。これまでの原発の問題を振り返りますと、当初は九州電力の玄海原発のように、再稼働の是非というのが焦点になっていたのですが、その後、政府のいわゆる統一見解というのが示された後、今度はこの営業運転への移行というのが焦点になって、それは泊原発か大飯原発かと。大飯原発がトラブルで、泊原発が全国、東日本大震災後、初めてという営業運転再開への移行というのが焦点になったわけなのですけれども、この発電状況自体を見ると、フル出力で発電している状況は変わらないわけで、この問題がここまで全国的な注目を集めるようになったことについて、知事として率直にどのような感想をお持ちでしょうか。

(知事) 
 感想ということで言えば、原子力発電の安全性の問題あるいは原子力政策そのものについて、もともとはもちろん福島第一原発の事故でありますけれども、その後の菅総理のご発言なども一つのきっかけとして、この問題に対する国民の皆様方の関心が大変に高まっている中で、泊原発3号機についての議論が進んできたので注目度が高かったというふうに思うわけでありますが、やはり今後、私ども北海道で言えば1号機、2号機と同じように、定期点検から再稼働に当たるものの判断については、国民あるいは県民・道民の関心というものがより高まってくるのではないか、そんなことを今、率直に感じているところです。

(読売新聞)
 もう1問なんですけれども、数日前の話なのですが、今回の問題を振り返りますと、国から回答が示された、それと同時に北電のほうが最終検査の受検を申請したと。ある意味間髪を入れず、この対応を取ったことに対して知事はお怒りになってという話があったわけなのですけれども、こういう対応を取ったですね、国、もしくは北電の理由について、何日か経ったわけなのですけれども、何か思い当たる節はありますでしょうか。

(知事)
 私の推測の中ではいろいろありますけれども、あまり個人の想像ということをこういった公の場で申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。ただ、北電の今回の受検申請のことについては議会でも議論になりましたので、あえてもう1度これまでの経緯を申し上げれば、私は、遺憾表明をした記者会見においては、国が私どもに対して回答をすると同時に、北電に対して受検を指示をしたことは地元軽視だというふうなことを申し上げたわけでありますが、その後、海江田経産大臣から「それは知事の誤解ではないか」と、「私どもは国として北電にしたのは申請状況の確認である」ということをおっしゃられました。ということは、北電の主体的判断における受検申請であったということのご認識を大臣から示されましたので、そういうことなのかということを北電に確認をさせていただきました。北電の認識は、指導あるいは指摘という言葉を使って、指示という言葉を使っておられませんでしたが、2度にわたって国から指摘、指導ということがあって、やはり事業者としての責務として、法令上受検せざるを得ないと判断したという説明だったわけであります。これは昨日の議会答弁でも申しましたけれども、確かに法令順守ということは重要なことであると。しかし福島第一原発事故の事案の後のこの原発問題にかかるそれぞれの地域の県民・道民の意識が高まっているという中で、やはり法令順守と同時に、地元への丁寧な対応ということもあってしかるべきだったのではないかという意味において、北電の今回のやり方についても私は遺憾の意を表明をさせていただいたところでありまして、その気持ちは今も変わっておりません。


(北海道新聞)
 先ほどの脱原発に絡む問題に関連してなのですけれども、確かに知事おっしゃるように現在電力の4割、北海道は原発に頼っているというのが現状ではあります。では、いつまでこういう生活を続ければいいのかという不安を持っている道民は少なからずいるのもまた事実だと思います。それで例えば、具体的な脱原発の道筋を道として思い描いていく、あるいはその代替エネルギーをこういうスケジュール感で増やすなり、あるいはこういう種類のエネルギーをより力を入れるなりと、そして原発に関しては例えば何年までにどうすると、例えばですね、そういうようなことをお考えになったりするようなことはありますか。

(知事)
 大変に難しい問題だと思います。
 まず一つ言えますのは、泊原発というのは、例えば福井、あるいは福島の知事さん方が言っておられるような、特に福井の知事が言っている、古く、長く稼働している原発についての取扱いは特別ではないかということをよく発言しておられますが、そういったこととの比較において言えば、泊原発3号機はご承知のとおりまだ稼働したばかりで、1、2号機も比較的新しいものでございます。
 そういった中で、もちろん脱原発、廃炉を求めるグループの方々もおられるわけでありますが、私はやはり現実論として、その泊原発3号機というできたばかりの原発も含めて、やはり今ある原発について、私どもとしては安全性をしっかり確保しながら、運転継続していくことが重要だという思いはあります。しかしながら、先ほどもどなたかのご質問にもお答えいたしましたとおり、北海道は自然エネルギーの宝庫でございますし、そういった意味では、バイオマス、太陽光、風力、地熱、ありとあらゆる自然エネルギー、それから小水力というのが今注目されていますが、私ども道も(発電所を)持っていますので、しっかりビジネスするようにと公営企業管理者にハッパを掛けております。そういったさまざまな再生可能エネルギーの活用に向けて、道内において、本当は工程表というところまで念頭においたものを考えなければならないという思いはありますが、ただここについては、国の例の法律(再生可能エネルギー法案)の行く末であるとか、あるいは国自身がこれは菅総理の思いもあって、しっかりやると言っておられますので、そういったところの情報も踏まえながら、道としてどういった形でこの促進策をしっかりと計画的にやっていけるかどうか、経済部に指示をして検討していかなければならない。昨日もご質問に立たれましたけれども、それは民主党の星野道議会議員のプロジェクトチームのミッションもあるということでもございます。こうしたもの(さまざまなプラン)との連携というのも重要になってくるかなと思っているところであります。
 脱原発ということだけを志向するのであれば、今直ちにやれるのは、化石燃料関連への回帰ということかなと思うのでありますが、最近あまりいわれなくなりましたけれども、地球温暖化問題への対処、これも私ども21世紀に生きるわれわれ国民、世界の人々の越えていかなければならない大きな課題でありますので、そのこととの調整ということを考えた場合に、脱原発を実現するために、今代替として現実的な火力発電における石炭火力等にすぐ戻るということは、やはり私はどうかなという思いもあります。などなど、いろいろな要素を踏まえながら私どもとしてやはり再生可能エネルギーの宝庫である北海道の優位性というものを活かしつつ、対処をしていくことが重要だと思っているところであります。
 昨日もエネ特(産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会)でお答えしましたとおり、私どもは平成12年にできました省エネ・新エネ条例(北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例)というものを有しておりますので、その精神を踏まえた対応を図っていくのは道としての一つの役割だと考えております。


(NHK)
 泊原発3号機に関する道の考え方に戻ってしまうのですけれども、先ほど国から来た回答については理解できるものと判断されたということで、ダブルチェックのお話をされたかと思うのですが、これについては国の安全性に対する考え方について理解をしたというかなりニュートラルな言い方をされているのですけれども、この受け止めというのは、もうちょっと詳しくお聞かせ願えますか。つまり安全対策として、このダブルチェックをするということ、例えば昨日の道議会でも原子力安全・保安院がチェックしたことを単なる報告を聴取しただけではないかと、原子力安全委員会がですね、それではダブルチェックといえないのではないかという声もありましたけれども、このダブルチェックというものについての知事の評価といいますか。

(知事)
 昨日の委員会でもご答弁申し上げましたが、本来、法律が想定している定期検査からの営業運転への移行に必要なプロセスというのは原子力安全・保安院の最終検査であるとなっているわけで、これまで福島第一原発の事故以前に、定期検査から再稼働に至った原発はすべてこの手続きにより行われております。その後に福島の事案が起こった中で、たぶん菅総理の強い思いによるのだと思うわけですけれども、原子力安全・保安院のみの最終検査では不十分であろうと。今できるさまざまな手だての中で、何かさらに安全性を地域の方々に、安心していただくすべはないかということでこの原子力安全委員会のチェックという法律上は想定されていないものを政府として導入したわけでありまして、私はそのことは率直に評価をさせていただいているところであります。ただ、その後にこれから稼働中のほかの全国の原発と同等の扱いとして、泊原発3号機についても稼働しながらのストレステスト2次評価ということも行われるわけでありまして、そういったことをトータルとして安全性についての国の確認を、さらに丁寧にさらに慎重にやっていただきたいということは先ほど申し添えたとおりです。

(NHK)
 すみません、続いてもう1問だけよろしいですか。この後の展開になるのかもしれないんですけども、後志管内の皆さまと共通理解を図るための体制をつくっていくために議論をしていかなければならないとおっしゃってましたが、今日4町村(泊村、共和町、岩内町、神恵内村)のほかのですね後志管内の市町村というのは、何市町村を対象に意思の疎通っていうのを今日図られたんでしょうか。そしてこれからその体制をつくる枠組みっていうのは、何町村を想定されているんでしょうか。

(知事)
 後志管内のすべての市町村(20市町村)を対象として。これに4町村(泊村、共和町、岩内町、神恵内村)を入れるかどうかによりますけれども、後志管内は市町村数が多いですよね。

(NHK)
 いわゆる30キロ圏内で区切るとかそういうのではなくて。

(知事)
 EPZ(エマージェンシー・プランニング・ゾーン)をどういう形で仕切るかというのは、今まさに道においても国においても議論の途上でありますので、そういったところのアプローチからですね、この問題について回答を得るというのは、現状はなかなか難しいと思います。とすれば、やはり大変ご熱心に町村会挙げて、私どもに申し入れも頂いております後志管内の自治体の方々との連携ということを、その体制の構築をしっかりとやってまいりたいと考えております。


(HBC)
  今回ですね、法律上の枠組みがない中での知事判断が待たれたということになるわけなんですけれども、これ言い方を変えるとですね、再稼働のみならずですね、営業運転の再開に当たってもですね、地元の責任っていうんですかね、安全性への責任ということをですね、ある意味で一端を負うことになるということになってくると思うんですけれども、このことに対するご見解というかですね、伺えればと思うんですけれども。

(知事)
 前回の記者会見でも同じような質問が出たのですけれども、責任の一端を負うというその質問の意味がちょっとよく分からないのですけれども。
 別に泊原発3号機に限らず、道内では1、2号機の扱い、あるいは全国的にもそれぞれの原発立地県が抱えている原発の安全性のありようについて、今、国だけの判断ではなく、地元も理解をし、納得をする形で進めるべきというのが世の中全体の流れでございますので、そういった中で、私ども原発立地の道県においても、責任の一端を担うという言い方もできるでしょうが、これまで国任せだった原子力発電所の安全性の問題について、われわれも共に考え、共に対応していくというのが今の世の中の流れなのではないでしょうか。そこは、法律上どうなっているとか、どうなっていないとかということと、今の状況とは違っているのではないかと私は認識をしております。


(朝日新聞)
 3点ほどお尋ねします。まず1点はですね、今後泊原発1、2号機の再起動の問題が課題になってくると思うんですけども、北海道電力は、3号機が営業運転を続ければ北海道の電力の需要のピークになる冬は何とか越せそうな見通しを持っていると思うんですが、この1、2号機ですね、早く稼働させていかないと道内の電力供給がですね、支障が出るというふうに知事もお考えになっておられるかどうかという点がまず1点です。
 それから第2点はですね、この1、2号機の稼働を認めていくときの条件、クリアしていかなければいけない課題なんですが、国からの回答というお話もあったわけですが、具体的にお聞かせいただくとすると、何と何がクリアできれば、了承できれば地元としてはオーケーだと。例えばその地震対策が万全であるとかですね、そういった具体的なことをお聞かせいただくとすると、何をもってハードル課題とされておられるのかという点が2点目。
 それから、第3点目はですね、地元、道民というか地元の同意と合意という点で言えばですね、これも何をもって、どういう手続きを踏めば地元の同意ということが言えるのかどうかと。昨日の委員会での審議も拝見しましたけども、例えば道議会に諮って賛成多数というようなそういう民主主義的なですね、手順を踏んでオーケーということをやらなければ駄目なのか、それとも議論はした上で、最終的に知事が後志の町村、地元と相談をされて判断をされるということになるのか、そういう手順的なところお考えをお聞かせください。

(知事)
 一つ目の泊原発1、2号機の再稼働がないと道内の電力の安定供給上問題かどうかということですが、これについては北電がさまざまな予想を出しておられます。確かに本州以南の他県と違って北海道の場合には、電力の需要のピークが冬場にまいりますので、その段階におけるわれわれの電力の需給というものはしっかり見極めていく必要があるわけですが、ただそのことと同時に、やはり今までも議論がございました原子力発電の再稼働に向けての安全性というものが、本当に確保されているかどうかという大きな二つの課題もあるわけでありまして、その間を見極めながらやはり考えていくということをやっていかざるを得ないと、このように私自身は考えております。
 若干、他県と事情が違うかなと思いますのは、例えば福井県の場合には、関西電力の原発は複数あるわけでありますけれども、福井県自身の電力は北陸電力が供給しており、関西電力ではないという事情等、それぞれの県の置かれている電力会社と電力需給に関わる状況というのが、まちまちでありますので、それぞれの県、それぞれの状況、それぞれの判断ということはあるかなと思うわけであります。
 北海道の場合には、分かりやすいと言えば分かりやすいのですが、電力会社の供給地域が全道と一体になっているということ、ですから道知事の判断としては、まさに原発の安全性の確保という課題と、そして道内の電力の安定供給の確保という課題を同時に二つクリアしていかなければならないという立場にあるわけでありまして、大変難しい判断だと思うわけでありますが、今後の国の出方等も見極めながら、丁寧に一つ一つのプロセスを経ていかなければならないのではないかと、このように考えております。
 それから、原発の再稼働の条件。そこまでの議論を今、明確に申し上げる準備はございません。まずは、(われわれの質問に対する)国からの回答をもらうというのが大前提だと思うわけでして、それを見た上で、また私どもとしての考え方を整理をしていくということではないかなと考えているところです。
 それから地元の合意、これは地元というのは北海道全体としての合意形成に向けたプロセスについてのご質問でございますが、なかなかこれも難しい問題と言えば難しいのでありますけども、道議会の議決事項ということでも必ずしもないかなという思いもあるわけでして、またそのEPZ(エマージェンシー・プランニング・ゾーン)の議論等との関係において、地元合意ということ、地元との共通の認識ということにつきましても、今段階では、岩宇4町村(泊村、共和町、岩内町、神恵内村)がコアでありますが、それ以外の皆様方との協議ということの扱いをどうするかというのは、これはEPZとの議論の問題になってくると思います。何とも言えない部分が、なかなか多いわけでありますけれども、今言えますことは、今後の推移を見極めつつその段階でできる最大限の地元の意見の集約ということを、私ども道が中心になって道議会との関係も含めて考えていくということぐらいしか、今段階では言えないと思っております。


(毎日新聞)
 もともと知事は道議会の意見であるとか地元の意見を考えて今回の判断を下すということを前からおっしゃったと思うんですけれど、昨日のエネ特(産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会)では、与党自民党でも二つのチェックで安全性が担保されたか疑問であるというような厳しい意見も出たと思うんですが、自民党の賛否というものをどのように受け止めたのかというのがまず1点目、あともう1点目が、同じく自民党なんですけども、外堀を埋められた議論で極めて不自然だと。今回の判断に関してそういうような厳しい意見がでていた中で、もっと慎重な議論が必要であると。今回の泊原発3号機に関してもそのような意見がでてましたが、そういう意見がでた次の日にこういう判断をすることについて、また厳しい意見がでてくる可能性っていうのがあると思うんですけども、その点に関してどのようにお考えになってらっしゃるのか、この2点お願いします。

(知事)
 自民党は与党でもあるので、さまざまな議論を深めてきているところで、昨日の委員会でさまざまなご質問を頂いたことに、真摯にお答えを申し上げたということ、その経緯というものを参考にさせていただいて、今日の判断に至ったところです。
 それから、外堀を埋められての議論、これは私もその認識を共有いたします。そこで、冒頭に、国に対しての一言というか苦言というかそういうことを申し上げたところですので、今後、泊原発1、2号機の再稼働の問題についての扱いに当たっては、決してこのようなことがないように、そのことはあらためて私どもから国にしっかり伝えていかなければならないと考えております。


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

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