知事定例記者会見記録(平成23年9月5日)

知事定例記者会見

・日時/平成23年9月5日(月) 11:30~11:54  
・場所/記者会見室
・記者数/30名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 台風第12号等について
2 「アジア旅番組国際グランプリ」の開催について

記者からの質問

1 政権交代2年目における評価と野田新首相への期待等について
2 東日本大震災から半年を迎えるに当たっての所感について
3 北海道電力が設置する第三者委員会と鉢呂経産大臣への期待について  

 

知事からの話題

 

台風第12号等について

 それでは私からは2点、お話をいたします。一つ目は台風12号などについてであります。私もお休み中、ずっとテレビを見ながら過ごしましたが、ニュース等を通じて、台風12号が全国に大きな被害をもたらしたということでございます。全国で多くの方がお亡くなりになられ、いまだ行方不明の方もおられるわけでありまして、本当に心からお悔やみを申し上げます。また、住家の被害につきましても、全壊、半壊、床上、床下浸水など本当に多くの被害が発生していまして、こういった関係の自治体の方々、本当にご苦労が多いだろうと思うわけであります。心からお見舞いを申し上げます。
 道におきましても、この台風が直接というよりも前線の停滞による被害が少しずつ出てきているわけでありまして、警報・注意報も多々出たわけであります。こういった中、9月2日、金曜日から大雨災害に対応いたしまして、本庁および関係振興局において、ほとんどの振興局にまたがったわけでありますが、24時間の警戒態勢を整えて、情報の収集や提供、それから道路や河川のパトロール、管内の自治体との連携、こういったことに努めてきたところであります。道内では現在のところ、人的被害は発生していないという状況ではございますが、住家については新篠津村で一部破損が1棟、また、(各地で)床下浸水が19棟という状況で被害が出てきているところです。そしてご承知のとおり、台風本体が、これから明日の夕方にかけて北海道にも接近してくることに関係して、雷を伴った非常に激しい雨が降るという予報も出ておりますので、今日から明日にかけて引き続き注意をお願い申し上げます。私ども道といたしましても、先程来申しました本庁と関係振興局はこれからも引き続き厳重な警戒態勢を敷いてまいりますし、市町村、警察など関係機関と連携を密にしながらしっかりと対処していきたいと考えているところです。これが一つであります。

「アジア旅番組国際グランプリ」の開催について

〔配付資料:アジア旅番組国際グランプリの概要
 それから二つ目は、後ろにポスターがございますが、「アジア旅番組国際グランプリ」の開催についてです。配付資料にもありますが、今月の26日から3日間、新千歳空港に新装オープンいたしました「じゃがポックルシアター」を会場といたしまして、「アジア旅番組国際グランプリ」が開催されます。この取組は、「旅」をテーマとするテレビ番組あるいは映画を対象とする映像コンテストを開催するとともに、アジア各地域の映像関係者、旅行関係者に対して、新しい番組制作や旅行商品づくりに向けたビジネスマッチングの場の提供を行うという内容です。
 配付資料にも書かせていただきましたが、こういった旅をテーマとする国際的な映像コンテストというのは世界初の試みでございまして、今回の1回目には、中国、韓国、ベトナム、タイ、香港など九つの国・地域から34作品が参加されます。映像制作者、旅行エージェントなど全体で200名くらいの方々がいらっしゃるということをお伺いしているところです。
 著しい経済成長を背景にアジア大旅行時代が始まっている中でありますので、先の大震災や原発事故の風評被害の払拭も含めて、アジア地域における「旅」のディスティネーション(目的地)として、私ども北海道の魅力を国内外に発信する大きな機会というふうに考えているところです。今回は1回目ですので、それぞれの地域の皆様方がそれぞれに持ち寄った内容でのグランプリとコンペティションということになるわけでありますけれども、来年以降もできれば続けていきたいということを強く思っているところでありまして、例えば、可能であればですけれども、次回も北海道で、かつ、例えば北海道をテーマとした映像コンテストにするとか、ちょっとそこまでまだ言えないわけですけれども、こういった北海道発の国際的な会議ということを継続的に開催をしていきたいと、そして北海道ブランドのより一層の浸透に結びつけていきたいとこのように考えております。今日、実行委員会からプレスリリースが行われると聞いておりますので、ご取材方よろしくお願いいたします。配付資料の中で、グランプリ、これが知事賞でございまして、主催は「放送人の会」、これは全国組織でございますが、道内のメディア関係の方々を中心に大変頑張っていただいて、こういった形で主催グループを組んでいるわけでありますが、私どもも資金面も含めて参加をしておりますし、また今回会場をご提供いただきます北海道空港株式会社におかれても、社長様はじめ全面的なバックアップをしていただけるということで、大変感謝を申し上げたいと思っているところです。ご取材のほど、ぜひお願いいたします。私からは以上2点であります。

 

記者からの質問


 (STV)
 民主党の政権交代からですね、2年経つということで、ちょっとその2年の、いろんなことありましたけれども、評価というのを知事のほうからいただきたいというのと、あと野田新首相、3人目になりましたけれども、この内閣も発足したということで、その期待、注文というのでしょうか、知事のほうからお聞かせいただければと思います。

(知事)
 政権交代から、そうですね、2年でありまして、野田新総理が3人目の総理ということです。
 最初に総理になられたのは、本道初の総理大臣になられた鳩山先生でございまして、私も含めて多くの道民が大変期待をしたわけでありますが、結局やはり普天間の問題、沖縄との関係の問題を直接のきっかけとして、結構早くに退陣をされたということは大変残念でありますが、その後総理になられた菅首相におかれては、参議院選での民主党の敗北ということもあって、ご自身がやろうとされたことが変わったということもあるのでしょうか、パンッとおっしゃるのですが、それがなかなか実現に結びつかないうちに、また次の発信をされるという中で、菅政権の中での一番の思い出は、私どもも振り回されてしまった原子力政策についての政府の不統一であるとか、そのあたりかなというふうに思うわけでありますが、そういった中で野田新政権が始まったところであります。
 国民から見て、これまでのやはり困ったなと思うような点に配慮していただいて、まずは何といっても第一に、東日本大震災からの復旧・復興、これは東北3県を中心とした直接的被害からの復旧・復興も当然でありますが、それに加えて風評被害であるとか、あるいはそこから派生して原子力を含めてのエネルギー政策の抜本的な見直しという、このことは菅政権から引き継がれるというふうにお伺いをしておりますので、そういったことについても、しっかりした対応をしていただきたいというふうに思うわけです。
 また、今日、実は朝一でウェブを使っての全国知事会戦略会議でも議論をしたわけでありますけれども、3県以外の地域においても、風評被害ということに加えて円高ということが今異常な形で進行をしているところでございます。こういった中で、やはり円高というのは2面あって、輸入品が安くなるなど良い面もあるはずですが、そちらのほうが私ども実際に生活をしております国民には、必ずしもうまく見えていない中で、輸出関連の企業が大変苦労しておられる等、マイナスの面が大きく出てきているという現状ではないかと思うわけでありまして、こういった円高対応を含めて、経済対策のしっかりとした方向性も出していただくと、そのことが3次補正なのか、来年度の予算なのかということはありますが、いずれにしろスピード感を持って、しっかりと対処していただきたいと思うわけであります。
 加えて、先週も申しましたけれども、北方領土問題の解決への道筋を含めて、普天間の問題、沖縄の基地の問題、あるいはアジアの隣国との関係等、外交課題も待ったなしでありますので、こういったことにも毅然たる態度でしっかりと対処していただきたいとこのように考えているところです。


(共同通信)
 来週に会見またいでしまうので、今伺うのですけれども、今週末で東日本大震災から丸半年が経とうとしているわけなのですが、復旧・復興についてこの半年を迎えるにあたって、知事は北海道としての復旧・復興、また日本全体としての復旧・復興、現状をどのように見てらっしゃるか伺えますでしょうか。

(知事)
 まず道内でありますが、直接的な被害は太平洋沿岸の、函館から根室まで大変に広いエリアに漁業、漁港、船を中心に大きな被害がございました。残念ながら函館で亡くなられた方もおられまして、私自身、3月11日の直後3日間に分けて、太平洋沿岸を視察させていただき、まず復旧・復興のためにわれわれ単独としてやるべきこと、これを3月下旬に北海道議会臨時会でご議論いただきましたが、その後1次、2次の国の補正予算にもいろいろな要請をし、またそれに対応する形で私どもも手当をしつつ、ここまで復旧・復興を行ってきたところです。
 最近では、8月2日に厚岸へ、30日には根室へ参りまして、その後の復旧・復興の現状を確認してまいりました。また、長万部、八雲、噴火湾へも、8月15日に参りまして、確認をしたところでありまして、一歩一歩進んでいると、しかしながら、まだまだ課題があるところでして、そういった市町村からのご要請にわれわれも真摯に答えていくことは必要でありますし、また国に対して言っていくことも必要であると考えております。
 今申し上げたのが直接的な被害の部分になりますが、加えて間接的な被害、これは今も申しました風評被害、それに円高も加わって、この夏の観光シーズンもほぼ終わりに近づいておりますが、全道各地、修学旅行や国内のお客様は、猛暑で涼しい北海道へということもあるようで、少し戻ってきたということですが、やはり外国からのお客様がいまだに戻ってきていない、あるいは輸出等もまだまだ戻ってきていないなど、こういった部分についての対処も必要であると思いますし、それからやはり何といっても原子力だと思うのですね。これは福島原発事故を早期に収めるということは当然でありますが、いろいろなところでこの事故で放出された放射性物質の影響が出てきているという状況で、これも今朝の全国知事会でも議論になったのですが、福島から人がどんどん流出していると、それはやはり同じように人口減少で苦しんでいるわれわれ各道県も、福島にできる限り残るように、一時的にお越しいただくというのが基本スタンスだというのは各県知事同じ思いなのでありますが、ただ、新潟の知事がおっしゃったのだったかな、そうはいっても、今福島県内で場所によっては大変に高い放射線量のレベルにあると、そういった中でそうしたことに一番気をつけなければならない子どもたちの移住というか、避難ということは、単に短期的に戻るのが原則だと言うわけにはいかない部分もあるだろうということを含めて、やはり放出された放射性物質の全国に対する波及、あるいは福島における波及、そういったことにも、国としての基準の見直しなど含めて、しっかり対処をしていただきたいと思います。
 われわれも風評被害払拭ということで、独自に放射線量や放射性物質の濃度レベルの調査をやっており、そしてその結果を公表しているわけでありますが、これは全国どこもそういう状況でありますので、やはりそういうことに関しても、諸外国に対して日本国政府としての強いメッセージを発信をしていただく必要があるであろうと、政府にお願いをしたいことは山ほどあります。菅総理がお辞めになる時にご発言はありましたが、多くの国民がそうだろうかという疑問符を付けているのが現状だと思いますので、このこともやはり新政権に強く求めていきたいというふうに思うわけです。
 いずれにいたしましても、もう本当に歴史的にも例を見ないほどの大震災でありましたので、新しい発想で政府を挙げて対応を急いでいただきたいと、このように思います。


(uhb)
 先週と少し繰り返しになるかもしれないのですが、土曜日にですね、北電(北海道電力)のほうで第三者委員会設置されました。これに関して、どういうふうにしていただきたい、希望というか、期待ですね、のことについて1点と、それから鉢呂大臣がですね、このやらせ問題に関して、少しでも早く国民に明らかにしていきたいというような発言をされているんですが、これと絡めて鉢呂さんへの期待というのを一言頂きたいのですが。

(知事)
 客観的な立場から何があったのか、国主催あるいは道主催のシンポジウム等、一連のプルサーマルの流れの中で何があったのかを明らかにしたいということで設けられたこの第三者委員会でございますので、しっかりと、徹底的な調査をやっていただきたいと、このようにあらためて思うわけです。
 当初、9月中にと言っておられた結論が10月上旬になるとお伺いしているところでして、もちろん慎重さも重要でありますが、今言及された経産大臣のご発言もあろうかと思いますし、また、道民、国民も大変関心が高いわけでありますので、慎重を期しながらもできる限り早く内容の公表に至ればと、このように見守っていきたいと考えているところでございます。
 それから、鉢呂経産大臣への期待ということでございますが、ご承知のとおり、8年前は(知事)選挙で争った間柄でございますけれども、今回初入閣でいらっしゃって、北海道で農業に長く関係しておられたということで、農政通でいらっしゃる方でございます。そういった、バックグラウンドの中で、今、やはりこの原子力政策を含め、中小企業対策、そして、エネルギー対策、大変に国民的関心の高い分野の組織のトップとなられた鉢呂大臣でございますが、道内の実情もよくご存じですので、ぜひ、私ども北海道の振興にも資するような、あるいは農業の現状にも合うような、そういった政策の方向性を出していただければなというふうに思います。
 原子力を含めてのエネルギー政策につきましても、選挙区内にまさに泊発電所が存在する代議士さんでいらっしゃいますので、今までと同等あるいはそれ以上に、この原子力の安全性ということについて、慎重にしっかりと見極めていただけるのではないかと、その後そういったことの問い掛けが当然、他の原子力発電所立地県と合わせて私ども地元にあると思いますので、私どもとしては期待をさせていただきたいと、このように思っているところです。
 それから、もう一つは、これも今朝、全国知事会でも発言をしたのですけども、再生可能エネルギーの法律が国会で成立いたしましたので、その施行というものについて、われわれが期待しているような形でしっかりと効果が挙がるように、報道等を通じて承知していますが、同じような法律が存在したが故に、ヨーロッパ等でも再生可能エネルギーの導入が進んだということでもありますので、そこもしっかりとやっていただきたいと、思います。


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