知事定例記者会見記録(平成24年1月4日)

知事定例記者会見

・日時/平成24年1月4日(水) 14:30~14:46  
・場所/記者会見室
 ・記者数/23名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 年頭にあたって
2 交通事故死全国ワーストワンの返上について

記者からの質問

1 社会保障・税一体改革について JR北海道の事業範囲の見直しについて
 

知事からの話題

 

年頭にあたって

 皆さん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
 それでは私から2点、ご報告というかお話をさせていただきます。
 一つ目は、毎年の慣例だと思いますが、年頭にあたって一言ということでございます。
 私にとっては、知事に就任してこれで9回目のお正月でございます。昨年が、改選期で3期目のご信任を頂いた年でございましたが、やはり震災対応ということで、大変厳しい1年であったことを踏まえまして、今年1年は去年より良い年になるように北海道を持っていきたいということで、気持ちも新たに1年間道政に取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 辰年について少し調べてみたのですが、「辰巳天井」という言葉、経済関係の方はご存じだと思うのですが、経験則なのですかね、相場が総じて上昇する年といわれているようです。
 例えば、24年前の1988年、これは私も当時のことをよく覚えておりますけれども、いわゆるバブル経済で、どんどん伸びていった時期でありまして、結果的にはその次の年が絶頂期だった、頂上になったわけですが、その前年である1988年、辰年は年間で40パーセント近く株価が上昇した年だそうです。
 また、12年前の2000年、これは1998年からのITバブルの天井をつけた年ということでもございまして、やはり上昇の年という位置付けはあるようです。ちなみに、この1988年という年は、確か竹下内閣が3パーセントの消費税法の成立ということも記録されている年でして、そういうことを野田総理も念頭に置かれたのかなとも思うわけですけれども、いずれにいたしましても、今年の辰年、少なくとも気分的には昨年より良い年になることを心から願うものであります。
 私自身、こういった中で、昨年には公約として掲げさせていただいたいくつかのプロジェクトについては、もうキックオフはさせていただいたところでございますが、「オンリーワンの新生北海道」というキャッチフレーズを付けさせていただいた3期目に向けての公約の実現に向けて、2年目、確かな2歩目になるよう、足場を築いていきたいと考えているので、よろしくお願いいたします。これが一つ目であります。

交通事故死全国ワーストワンの返上について

〔配付資料:平成23年交通事故発生概況〕 
 二つ目は、交通事故死全国ワーストワンの返上となったことについてのご報告です。
 昨年の道内におきます交通事故の発生状況は、発生件数、死者数、負傷者数とも、前年比において減少したところでして、とりわけ死者数については190人と、一昨年に比べ25人の減少ということで、平成20年から4年連続の死者数減少を達成するとともに、2年ぶりの全国ワーストワン返上となったところです。
 これは、道警、それから市町村、関係機関・団体の皆様方、そして多くの道民の方々が一体となって取り組んだ結果であると考えております。このことは、今朝の庁議でも申し上げたところです。
 一方、私どもが目指しております交通事故をゼロにする、そして死者の数をゼロにするという目標からすれば、三桁に及ぶ方々が道内で亡くなられたということは大変に痛ましいことでございまして、私どもはやはり交通事故死ゼロに向けて、さらに気を引き締めて、今年も取り組んでいきたいと考えているところであり、皆様方のご理解、ご協力をお願い申し上げます。私からは以上です。

 

記者からの質問

(NHK)
 先ほどお話のあった消費税絡みでですね、3点お伺いしたいのですけれども、まず1点目、民主党の税制調査会が2014年4月に8パーセント、さらに2015年10月に10パーセントとする案を了承いたしましたけれども、これについて賛否も含めて受け止めをお伺いしたいのが1点目です。あと2点目なのですけれども、先月29日に政府と地方の代表による協議の場で、消費税を段階的に10パーセントまでに引き上げた場合、増税分の5パーセントのうち1.54パーセントを地方に配分するということで合意したということなのですが、これについての評価はどのようにお考えになるかというところが2点目です。3点目なのですが、消費税増税に反発したと見られる道内選出の国会議員の方々が中心となって、新党「大地・真民主党」を立ち上げられましたけれども、この道内の3議員が参加されているということで、道内政治に一定の影響力を持つことになりそうですけれども、知事としてはこの新党についてはどのように見ていらっしゃるのかというところをお伺いできますでしょうか。

(知事)
 一つ目は政府・民主党として、政府税制調査会のレベルということでしょうか、先ほどおっしゃられたような形で将来の消費税の増税について方向性を出されたということであります。民主党内のさまざまな議論があったというふうに報道等を通じて聞いておりますし、また、何人かの道内選出の国会議員の方々からもそういうお話をお伺いしたところでありまして、大変ご苦労をされながら、ここまで成案を得られたということは私は率直に、一国民として、あるいは地方を預かる道知事として評価をさせていただきたいと思います。
 と申しますのは、やはり誰が見ても、社会保障の分野で日本国全体が、とりわけ北海道もそうでありますが、高齢化が進み、社会保障経費というのが自然に大変な勢いで増えてきているという現状の中で、この負担というものをどのような形で国民全体で背負っていくのかという議論というのは、避けられないものです。もちろん無駄を省くことも重要でありますし、また社会保障制度全般の見直しということも当然重要ではありますが、そういった議論の中で避けて通ることのできない消費税の増税ということについて、三つ目の質問とも関係するわけですが、党内のさまざまな議論を超えて、これはやはり野田総理の強い信念ということが一番大きな要因だと思うわけでありますが、ここまで持ってこられたご努力というのは率直に評価をさせていただきたいとこのように思う次第です。もちろん増税ですので、国民の皆様方の間には、それぞれのお立場でさまざまなご意見があるのは、それはそれで理解をするところでありますが、ただ世の中の、日本国の将来を見据えた大きな流れの中で、今回の一定の方向性が出たということは私は評価をしたいと思います。
 それから2番目の国と地方の協議、これはもめにもめました。そもそも厚労省案とわれわれ地方の総意としての案について、大きく言えば2点が争点になっておりました。一つはご承知のとおり、対象となる、カバーする社会保障の分野の範囲をどこまでとするのか。地方は地方独自にさまざまなこともやっているというような主張をしたわけでありますが、厚労省は、私どもから見ればかたくなに一定の提案をされて、それを常に主張してこられたという、そのカバーする範囲の問題がありました。それからそのことと密接不可分なわけでありますが、増税された場合の増税分の国と地方の配分割合、これをどうするのか。これでもめにもめていたわけであります。御用納めの日かその前日くらいに知事会長から、私にも電話でご相談等もあったわけですけれども、御用納めの次の日の29日に、年内最後となる「国と地方の協議の場」がございまして、その場でそこまでかたくなだった厚労省の案というものにわれわれ地方の味方である総務大臣も一定の知恵を出してご配慮をしていただいたというようなこともあるのでしょうか、この対象となる社会保障分野の範囲についてもそれまでの厚労省の案から相当地方に歩み寄った中身になってきたということもあると理解をしております。その結果として、この国と地方の配分案は、当初の国の主張は、地方サイドが1.27パーセントで、これは地方消費税に、地方交付税を含めてだと思います。地方サイドは、1.73パーセントを主張した。国は国対地方で3対1の主張、地方は2対1の主張で結果として合意が1.54パーセントでありますので、微妙ではありますが地方の主張により配慮した形での決着になったということで、私といたしましては、地方の主張に一定の配慮をしてくれたという結果ではないかなと。もちろん満点ではありませんが、やはり交渉ごとでありますので歩み寄りというのは重要だと思っておりまして、そういった結果であるというふうに考えているところです。
 今後につきましては、まず政府・与党としての決定、それから与野党協議等のプロセスに入ってくると思いますが、問題は社会保障分野の要するに負担増というかマイナスの部分というのは総じて先送りしているのかなと、私自身も見ているところでして、やはりこういったことについても、しっかりと議論をして方向性を出していかないと。もちろんこれも、国民のそれぞれのお立場で、それぞれのご意見があるのはよく分かるのでありますが、やはり税の改革と一体としてこちらのほうもやり切るという、やはり総理はそこもリーダーシップをぜひ発揮していただきたいと思いますけれども、これからそういったことも含めて、議論が着実に進むことを見守り、そしてわれわれ地方から発信をしなければならないことがあるのだとすれば、そのことはしっかり言っていかなければならない、このように思っているところです。
 それから、三つ目に、今回の消費増税の方向性の議論の中で、一部国会議員の方々が新しい政党を作られたという動きが出ていることについてのコメントを求められたわけでありますが、そういうことも含めて、今度は野党の方々もこれは民主党の公約、マニフェスト違反であると、解散総選挙だというお話も出ているようであります。一方で、自民党も何年か前には消費増税10パーセントという公約を掲げられた経緯もあるようでして、基本的な方向性については、あまり違いはないのかなという思いもあるわけですが、ただし、選挙の年になるのかなというふうに思っている方々も多くおられるに違いないわけでありまして、そういった中で消費税の増税と社会保障改革ということがどういう位置付けになるのか、解散総選挙をせずに粛々とこの改革が進むのか、それとも解散総選挙の後にこのことが進むのか、あるいは進まないのかいろいろあると思いますが、私はやはり先ほど冒頭に評価をさせていただいたとおり、この税と社会保障の一体改革というのは待ったなしの国民的な課題であるというふうに思っておりますので、選挙が間に入るか入らないかは別として、終わった後は与野党が一致結束してこのことを成し遂げていただきたいと、このように思う次第です。
 ですから、この離党された方々、新しい政党を立ち上げられた方々もそういう選挙を一つ念頭に置いての動きかなとも思うわけですけれども、政治家の方がそれぞれのお立場でそれぞれの政治活動をされるということについて、私としてはコメントを差し控えさせていただきます。    


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