知事定例記者会見
・日時/平成24年5月10日(木)14:00~14:32
・場所/記者会見室
・記者数/31名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 自動車税の納期内納税について
2 ラムサール条約湿地の新規登録候補地について
記者からの質問
1 北海道エアシステム(HAC)について(1)
2 北海道エアシステム(HAC)について(2)
3 電力需給について(1)
4 クールビズについて
5 原発の再稼働問題について
6 北方領土問題について
7 泊原発3号機の停止について
8 電力需給について(2)
知事からの話題
自動車税の納期内納税について
[配付資料:自動車税の納期内納税について]
それでは私からは2点お話をいたします。
一つ目は、後ろのポスターにございますが、自動車税の納期内納税についてのご協力のお願いです。例年、この時期、同じことを申し上げて恐縮ですが、自動車税の税収は、予算規模で785億円、平成24年度の道税収入予算額全体の約16%を占める基幹税目です。
今年度の自動車税の納税通知書は、約215万台の自動車について5月7日に発送し、納期限は5月31日木曜日、今月いっぱいです。平成23年度の(自動車税の)納期内納税率は、その前の年を若干上回りましたが、まだ68.4%にとどまっており、われわれ道としましては、(自動車税の)納期内納税率の向上のために管理職員が企業を訪問して協力をお願いするなど、広く道民の皆様方に納期内納税の呼び掛けをしているところであり、マスコミの皆様方においてもご理解、ご協力を頂ければと、このように考えております。
ラムサール条約湿地の新規登録候補地について
[配付資料:ラムサール条約湿地の新規登録候補地について~大沼~]
二つ目は、ラムサール条約湿地の新規登録候補地についてです。ラムサール条約湿地の(新規)登録候補地として、北海道からこのたび道南エリアとしては初めて大沼が選定され、本日の中央環境審議会野生生物部会に報告する旨、環境省からご連絡を頂いたところです。
今後は日本国における国際的に重要な湿地として指定するために、官報告示の手続きなどを経て、今年の7月にルーマニアにおいて開催される、第11回ラムサール条約締約国会議において最終的に登録の運びになる予定です。道内では、平成17年の雨竜沼湿原などの登録以来の新規登録ということでして、自然が多い北海道のさらなるレベルアップのために大変喜ばしいことであると、このように考えています。私からは以上2点です。
記者からの質問
(北海道新聞)
HAC(北海道エアシステム)についてお伺いしたいのですが、明日ですね、HACの事業性について監査法人の最終報告、評価の最終報告が出ます。それであらためてですね、知事にですね、その最終報告を受けてどのように臨まれるかというその知事のお考えをですね、伺いたいのですが。
(知事)
ご承知のとおり、競争入札を実施してHACの事業計画の検討を委託している監査法人から明日最終報告を頂くということになっています。前から申し上げておりますとおり、こういったことの報告内容を踏まえて、経営検討委員会を開催し、そしてそこでさまざまな議論を経て、6月下旬からスタート予定の第2回北海道議会定例会における議論に向けて、私ども道庁としての考え方の整理をしていきます。
その意味では、明日ご提出いただく監査法人からの報告というものは、相当厳しいことも想定されるわけですが、それが検討の第一歩となるわけでして、その内容を真摯に受け止めながら、しっかりと(HACの)経営について検討をしていきたいと考えております。
(読売新聞)
そのHAC(北海道エアシステム)についての関連なのですが、報告書を受けた道庁内の議論で、先ほど知事からお話ありました経営検討委員会の会議のあり方なのですが、今回、設置要項でですね、会議が原則非公開の扱いになりまして、それで透明性が高い議論が求められる道の関与団体ということなのですけれども、そのディスクローズをどういうふうにするのかということについてどのようにお考えなのかという点と、年度末、資金繰りの問題があった際にですね、会社の経営状態の公開だとかというものが不十分だったのではなかったかという議論があったと思うのですけれども、その点との兼ね合いも含めてどのようにお考えなのかという、道庁内の会議の公開だとかのあり方についてどのようにお考えなのかをお聞かせください。
(知事)
このHACの今後の経営のあり方などについては、道民の皆様方、あるいは道民の代表である道議会の皆様方のご関心も大変高い問題でもありますので、今、ご指摘のとおり去年のさまざまな経緯や反省も踏まえて、私どもとしてはできる限り公開ということを旨として考えていかなければならないと認識しているところです。
その意味では、まず明日ご提出いただくこととしております報告書については、もちろん中身はまだ見ていないのですけれども、いろいろと利害関係者等との関係で、やはり非開示にせざるを得ないところというのはあると思うのですが、そういったところを除いては必要であれば、まずは公開をしていかなければならないというふうに考えておりますし、また、その報告書を踏まえて、それをスタートラインとして行います経営検討委員会につきましても、その議事概要であるとか、あるいは委員の人たちに検討してもらう資料であるとか、そういったことにつきましても、今申しましたHACと取引先との関係などの利害が侵害される恐れのある一定の情報を除き公開ということを実施してまいりたいと思っているところです。
会議そのものは、今おっしゃられたとおり非公開ということで実施するわけですが、私が出席をするもの、しないものも含めて道関連の会議というのは、当然いろいろとたくさんあって、すべてをフルでオープンにする会議もありますし、冒頭だけ(報道機関に)入っていただいて、あとは非開示にする、あるいは非公開にするものの、事後的に担当幹部からレクチャーをするなど、いろいろな形があるわけですが、このHACの経営検討委員会については、会議を原則非公開で開催するわけですけれども、事後的に事務局から皆様方にレクチャーを行いたいと考えております。
(共同通信)
電力需給の関係でお尋ねします。今日も政府での検討がなされているところですけれども、その数字、具体的な目標はどうあれ、北海道も相当足りないという、一定程度足りないという状況になろうかと思います。そういったことが予測されていると思います。それで、道としてどういうところに影響が出かねないか、どういう懸念を現時点で持たれているのか、それについて今後どういうふうに対処していこうというふうに考えていらっしゃるのか、その点についてお考えをお聞かせください。
(知事)
今日、国の需給検証委員会が開かれていて、事務ベースでの報告書案が提出されたわけですけれども、なかなか結論には至らず、まだ会議はクローズになっていないと昼段階で(道の環境・エネルギー)室長から報告を受けておりまして、その意味では、まだまだ国の需給検証委員会における議論が進むわけですので、途中段階であまり軽々なことは言わないほうが良いというふうに思いますが、ただ、これまで示された報告書案の中で、道内につきましても、1.9パーセントのマイナスという素案が出ているようでして、これが最終的にどうなるかは別として、やはりある程度のマイナスということを想定せざるを得ないということに(議論が)収まるということが十分考えられます。
担当部局(環境・エネルギー室)に取材をされたのであれば聞いておられると思うのですが、国のこの需給検証委員会を踏まえて「エネルギー・環境会議」というのが開かれる。たぶん来週以降になるでしょうか。そこでまた国全体の方針というものも示されると思うので、そういったこともにらみながら、道内においては、これも前から申し上げております、北海道地域電力需給連絡会という場を北海道経済産業局とわれわれ道と共催という形で設置しまして、メンバーは道内の需要関係機関等、それから事業者たる北電(北海道電力)等からなる会議ですので、その場において、まずは国から一律に出された電力需給について、道内はどうなんだということをあらためてこのメンバーにおいて共通認識をまず持つということが重要なことだと思いますが、その上で、夏場に向けての節電ということについても議論を深め、一定の方向性を出していかなければならないと思っています。
そういった議論を踏まえて、夏、まだ暑くなる前、今は5月の中旬でありますので、国の検討がちょっと遅れているのが気になりますけれども、やはり6月1日からの節電等の道内における具体的なアクションのスタートに向けて、この需給連絡会における検討結果を踏まえたわれわれとしての考え方を、例えば知事メッセージという形で道民の方々に対して節電のお願いであるとか、それを実施するに際しての私ども道としての率先行動のありようなどについて、道民の方々に発信をしていかなければならない、このような段取りを考えているところです。
今、この需給連絡会のメンバーの団体に、私どもの幹部が手分けをしていろいろとお話をお伺いをしているところですが、これはそういう団体にマスコミの皆様方が個別に取材されても同じ回答だと思いますが、やはり一定の電力の安定的な供給ということを求める声が多いようですし、また福祉施設とか、あるいは比較的自家発電施設を持っておられるところも多いとお伺いしている病院なども、やはり電力の安定供給ということがない場合に、その影響というのは社会的に弱い立場におられる方々にしわ寄せする形で出てくるという傾向があるというふうに推察するわけでして、そういった声もまたこの需給連絡会のメンバーから出てきた場合に、それに対してどのような形でしっかりと対応していくのか、議論を深めていかなければならないと考えております。
(TVh)
今の電力需給の話に絡んでなのですが、札幌市さんのほうで今日から、昨年と比べて10日早くですね、クールビズのほうスタートということで。
(知事)
クールビズ。結構寒いですよね。
(TVh)
だいぶ寒い日に当たってしまったなという感じはあると思うのですけれども、クールビズ、10日早めてスタートということで、電力厳しい状況の中で率先してやっていこうということでの取組だと思うのですが、10日早めているということに対して、どのようにまず知事としてとらえてらっしゃるかという点とですね、道庁さんも通常だと6月1日だと思うのですけれども、今年の状況を踏まえて前倒しにするであったり、昨年やられたナチュラルクールビズですか、その取組についてどのように今年は取り組んでいかれるのか、この2点についてお聞かせいただけますでしょうか。
(知事)
北海道は広いので、それぞれのエリアごとの気象というのは結構違いがありますよね。今日の天気予報を見ていましたら、北のほうは最高気温で一ケタというところもありますので、風邪をひいては元も子もないので、道庁全体としてのクールビズというのは、例年どおりということを想定をして、今準備は進めているところです。ただ、自治体により、それぞれの環境を踏まえてご判断され、積極的な省エネにご貢献をされようという動き、それは評価をするところです。
それで私どもとしては、先ほど申しましたクールビズということだけではなくて、さまざまな節電に向けての率先行動。実は冬場も、われわれ一生懸命やるということを去年の秋口、皆様方に宣言したのですが、結果は、昨日の道議会の委員会(産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会)でご報告申し上げたとおり、本庁舎は2.79パーセントと3パーセントという当初の目標をおおむね達成しましたが、一番異常値、異常値と言ったら胆振の方に怒られるかもしれませんが、胆振が前の年との比較において23.85パーセントの増というあり得ない数字でして、私から胆振総合振興局長に(精査や、省エネ診断を受けることなどの)指示もいたしました。ロードヒーティングの問題とか、いろいろ他の局内で大変に苦労している中で、胆振は比較的温暖ですからそういうこともないと思います。胆振は、振興局の中で唯一民間ビルにテナントとして入っています。そういう事情はあるにしても、この異常ともいえる数字について、とにかく省エネ診断をしないと、これは省エネ以前の問題だというふうに思っていまして、そういった点で地道に努力を積み重ねながら夏場に備えていきたいと考えております。
(読売新聞)
原発の再稼働問題に関連してなのですが、仮に原発再稼働という話になった場合にですね、有識者を交えた検討会などといったような、検討会をやりたいというお考えがあるかどうかということと、それと、もしされるということであれば、どのような形というのを想定されているかということについて、お伺いをしたいと思います。
(知事)
昨日、道議会(の産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会)で担当部がご答弁を申し上げたとおりですけれども、前回の平成24年北海道議会第1回定例会で、附帯意見ということで、「専門的な意見を聞いた上で、道としての考え方を整理すべき」というご意見を頂戴しているところですので、そのご指摘を真摯に受け止めて、われわれも専門家の皆様方にご意見をお伺いするということを考えているところです。
私どもとして、こういった分野に向けての専門的な方々のルートというのはありますので、そういったことをこれから考えていきたいというふうに思っておりますが、ただ、これはいつも記者会見で申し上げていますけれども、泊原発における再稼働うんぬんということにつきましては、全く何も進んでおりませんので、その意味ではそういうことを議論する段階には一切ないという私の基本的なスタンスは全く変わっておりません。
(STV)
(ロシアの)プーチン氏が大統領に就任しましたけれども、北方領土問題に対する今のお考えをあらためてお聞かせください。それと北方領土訪問についでですね、併せてお聞かせください。
(知事)
プーチン大統領、再登場ということでありまして、大統領になられる前の記者会見の中でも、極東重視という戦略の中の一環として、日本との間の領土問題についても解決をしなければならないという、そういう意識を強く持っておられるというのは、報道を通じてあるいは事務方からの報告の中で私自身も認識しているところです。しかしながら、意向は評価するところですが、その前提認識のところは、お伺いする範囲内ではやはり少しわれわれ日本サイドとは違っているということですので、ここはやはり野田総理とプーチン大統領という首脳同士のしっかりとした話し合いの中で、解決の糸口をしっかり見いだしていただきたいとこのように思うわけであります。その意味で(私自身の返還に向けた)スタンスは一切変わっておりません。
それから北方領土への訪問につきましては、前から申し上げて、今年のはじめ(1月27日記者会見)にも申し上げましたが、過去に(平成21年5月)一度決めていたのですけれども、直前に船が出なくなったという経緯などもありますので、今年は何としても私自身、新しいビザなし交流船に乗っていきたいとこのように考えておりまして、今、日程調整をしているところです。
(NHK)
原発の関係なのですけれども、先ほどお話が出たように、電力需給上、おそらく節電を呼び掛けなければならない状況になりそうだということと、それから一方で止まってしまった原発の再稼働を議論する段階にはないと。その中で今月5日に泊の3号機が稼働停止したのですけれども、あらためまして稼働が停止したということについては、さまざまな状況を考えるとどのように、今、受け止めていらっしゃいますか、あらためてなのですが。
(知事)
5月5日の泊原発3号機停止についてどう考えるかということですね。全国的にも稼働をしている最後の原子力発電の炉が止まったということで大きく報道されていたということは承知しております。しかしながら、原子力発電所というのは技術的にもそれから制度的にも一定の期間が来れば必ず定期点検に入るというのは、これは分かりきっていることでして、5月5日という日の設定自体はそんなに以前にされたわけではなく、この時期に泊原発3号機の原子炉がストップするというのは想定していたことですので、その意味では私自身の思いとしては、予定どおりにこれがストップしたということ、それ以上でもそれ以下でもございません。
私どもとしては、これは繰り返しになりますが、国によるわが国全体としての電力需給の状況の見極め、そして「エネルギー・環境会議」における議論の方向性などもしっかり見極めながら、道内における関係諸方面と需給についての見極めをしっかり行いながら、その前提となる認識を共有して節電対策ということを、まずはこの夏に向けてしっかりやっていかなければならない。そのことが、政策的に私どもがしっかり対処していかなければならない重要なポイントであると考えております。
(日本経済新聞)
電力需給の話で、先ほど夏場の影響としてですね、福祉施設関連、社会的に弱い立場のほうにしわ寄せがあるかもしれないと。一方、経済界のほうで、企業でですね、例えば製造業であれば生産計画の変更だとか、ラインの変更、外食産業、小売りでも、いろいろ対策に追われている現状があってですね、道内経済に与える影響という点はどのように考えられているのか。あと、知事がマニフェストなんかで掲げている企業誘致、あとはバックアップの話ですね、そのあたりにどう影響するのかというところをお願いします。
(知事)
大変悩み深い問題です。あえて申し上げれば、福井県内への電力供給というのは主に北陸電力であり、福井県の(電力需給に関する)ご心配は(原発の)安全性のチェックが中心でして、福島県では原発事故がありましたが、福島県への電力供給は東北電力でありますので、東京電力の施設がどうなるということは、電力需給という観点についてのみ言えば、知事が悩まれるところではないのかと思いつつも、北海道では知事の立場として、道庁として、広域のエリアの中で、電力の需給ということのバランスへの配慮と、泊原子力発電所の安全性に対する配慮と、これを両にらみしながら、どちらが優越するということではなく、同時解決という道を目指していかなければならないという、大変辛いというか厳しい政策課題への対処だというふうに常々認識しているところです。
そういった中で今おっしゃられた、道内の経済界といってもさまざまありますね、ものづくりの現場もありますし、サービス業のウエイトが高い北海道でありますので、商業サービス施設、これは観光業が基幹でありますのでホテルや旅館などもありますし、レストランであるとかお土産物屋等という、ありとあらゆるいろいろな場での電力の供給のストップであるとか、供給が細るということに対する懸念が出ていることは十分に承知しているところですし、またそのことが雇用なり、経済のマイナスという意味でも影響力が出るだろうと、これは当然そのようなことも考えざるを得ないというふうに思っているところです。
しかしながら、先ほどの繰り返しになりますが、泊原発の再稼働うんぬんということにつきましては、われわれが国に対して、大変に根本的な、基礎的な問い合わせをしていること、それも約1年も前にしていることへの回答も含めて、何もありませんので、安全性うんぬんということを道内で議論する段階にすらないというのは、そのような現状として認識しているところです。
(日本経済新聞)
知事の、企業誘致とかですね、バックアップ(拠点構想)など、いわゆる道の優位性を訴えてきたわけですよね。それが今回の電力不足でどう影響するかそのあたりを。
(知事)
そこも大変厳しいものがあるというふうに考えております。とりわけ震災後の平成23年度は企業の進出、あるいは増設等もいろいろな意味で進んできております。それはやはり震災が去年、3.11にあったということばかりではなくて、西日本、あるいは東京におけるさまざまなこれからの大地震の予測に対する蓋然性が高まっているという認識の中で、やはり企業が自己防衛としてさまざまな動きをしている、その進出先として、われわれ北海道というものを見ていただいているということ、あるいはオール北海道で進めております北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区の推進の動きに呼応して、北海道に進出を決めていただいた食関連企業が結構あり、また増設の動きもありますので、こういった皆様方に、やはり一定の安定的な電力供給ということをお約束申し上げていかなければならないということは、やはりこれも知事の責務として認識を深くしなければならないと思っております。
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