知事定例記者会見
・日時/平成24年5月25日(木)13:30~13:58
・場所/記者会見室
・記者数/29名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 花観光について
2 がん対策推進シンポジウムの開催について
記者からの質問
1 高い放射線量の中古車について
2 北海道エアシステム(HAC)について(1)
3 北海道エアシステム(HAC)について(2)
4 北海道エアシステム(HAC)について(3)
5 電力需給と節電について(1)
6 電力需給と節電について(2)
知事からの話題
花観光について
[配付資料:赤れんが庁舎前庭「花壇」設置の概要]
それでは2点、ご報告をいたします。
一つ目は花観光についてでして、(道では)従来から北海道の魅力の一つである花をテーマとした観光振興を進めているところです。今、5月の下旬でして、桜は終わったわけですけれども、芝桜、これは満開の状況ですし、これから道南の恵山のツツジであるとか、あるいは札幌のライラックであるとか、それからその先にはラベンダーであるとか、いろいろな北海道自慢の花というのはたくさんありますし、また花にちなんだ多くの地域イベントというものも開催が予定されているところです。
私自身も来週の5月31日(木)、6月1日(金)に十勝のほうに参る予定をしておりますが、6月1日(金)に開催されます北海道ガーデンショーの名誉会長を仰せつかっておりますので、その立場でオープニングイベントに参加をさせていただきたいと思っているところです。北海道ガーデンショーにおきましては、十勝・上川地域の有名なガーデン、北海道ガーデンというふうに銘打っているところが多いわけですけれども、花の競演を繰り広げますほか、国内外の招待作家による個性あふれる庭が展示されるということでして、北海道の美しさをこういったことを通じて道内外にPR展開できるのではないかと、このようにうれしく思っているところです。
それから明日、26日(土)には道庁赤れんが庁舎の前庭におきまして、雪印メグミルクグループとの協働によって、ベゴニアなど5種類の花、950株を植栽した花壇を設置することにしているところです。こういったさまざまな取組を通じて、色とりどりの花で北海道のイメージアップに努めてまいりたいと考えているところです。ぜひマスコミの皆様方におかれても、これらのPRをよろしくお願いいたします。
がん対策推進シンポジウムの開催について
[配付資料1:がんを巡る道内の状況]
[配付資料2:がん対策推進シンポジウム開催要領]
二つ目は、がん対策推進シンポジウムの開催などについてです。
今年の4月1日から、北海道がん対策推進条例を施行しております。これを契機といたしまして、いろいろな動きを進めているところですが、その一環として、6月17日、配付資料にもございますが、がん対策に取り組む機運の醸成と、道民の方々の意識を高めていただくことを目的とするシンポジウムの開催を札幌市内で予定しているところです。テーマは、「がん対策推進条例が目指す社会を考える」ということでございます。それから今後、札幌のシンポジウムの後、室蘭(でもシンポジウムを開催するほか)、また市民参加型のタウンミーティングというような形で、十勝管内や渡島管内でもがんをめぐるさまざまな問題についてのイベントも予定しているところでして、積極的な啓発に取り組んでまいりたいと考えております。
それからもう一つ、がん対策につきましては、条例に基づく付属機関でございます「北海道がん対策推進委員会」の設置をしたところでして、先日、第1回目を開催いたしました。委員の方々を一部公募させていただくなどの工夫をしております。今後、この委員会の場で新たな「北海道がん対策推進計画」の策定や、がん患者、そしてその家族の方々への財政的な支援の面の工夫などを含めた施策などについて、調査、審議をしていただく予定としております。
配付資料にもありますが、今年度の新たな道としてのがん施策の方向性を三つほど書いております。一つ目は、今、在宅医療ということが大変関心を集めているところですが、がんの分野におきましても、道内は全国平均との比較において、がんにより在宅で亡くなるという方々の割合が低い現状にありまして、今道内は3.8%という現状ですが、これを何とか5%くらい、在宅を希望される患者さんのご希望に添えるような形にするべく、医療や福祉関係者のネットワークを広げていくということの取組をしていきたいと思っているところですし、また、二つ目でピアサポート等推進事業と書いていますが、がんの患者の方々の精神的な苦痛の軽減、相談窓口の拠点というものを道内に、現状よりもさらに広げていきたいということを考えているところです。それから三つ目は、がん検診受診率向上促進事業ということを考えているところでして、ぜひ皆様方のご理解も進めながらこうした取組を含めて、総合的ながん対策をしっかり推進していかなければならない、このように考えているところです。私からは以上です。
記者からの質問
(HTB)
全く別の話で恐縮なんですが、今各地で放射能濃度の高い中古車が見つかって問題になっているかと思います。そこで知事にもお聞きしたいんですが、道内でも去年8月から今年4月までですか、毎時0.3マイクロシーベルト以上の車ということで、国が定める0.23マイクロシーベルト、年間1ミリシーベルト以上の車が少なからず、実は100台以上見つかっているということですね。取材した中にはですね、実際に計測されて転売したと話す業者もいるということで、ちょっと看過できない状況なのかなというふうには感じております。このことについて、知事に二つご質問をいたします。一つ目は、道としてこの事態どう受け止めてどのような認識をされているのか、二つ目は、今後の対策、特に道として独自の対策をする予定、もしくはそういったおつもりはあるのでしょうかと、この2点についてお願いいたします。
(知事)
放射線量の高い中古車の問題ということについては、私もその認識は持っているところですが、中古車の流通ということになると、これはやはりわれわれ道庁だけでカバー、対処できるものであるのかどうか、国の協力なり市町村との連携なりも重要になってくるかと思いますので、その意味では、道内の現状がどうなっているのかなどについて、まずは実態の状況というものを事務的に報告を受けた後に、あらためて道としてどのように受け止め、そして今後どのような対策を展開していくかということについてお話をしたいと、このように思います。
今は、そういった問題の深刻さの中で、やはりなにがしかの方向性を出していかなければならないのではないかというコメントにとどめさせていただきたいと思います。
(共同通信)
HAC(北海道エアシステム)についてなんですけれども、検討委員会の結論が5月めどとしてたのが、月をまたいでしまうという状況になっています。議論を深めるという意味では時間も必要なんだとは思うのですけれども、こういうふうに会社そのものの経営状況もかなり悪い中で、急がなければいけないという中で、遅れが出てきてしまっていることについて、知事として今どう受け止めてらっしゃるのか。それに付随してなんですけれども、いろいろな抜本的な経営改革ってもっと考えるタイミングってこれまでもあったと思うんですけれども、事ここに至ってようやく考え出したという状況になっていると思うんですけれども、なぜここまで遅れてしまったのか、その点についての受け止めをお聞かせください。
(知事)
HACの状況につきましては、昨年の4定議会(平成23年第4回北海道議会定例会)、それから今年の1定議会(平成24年第1回北海道議会定例会)などにおいてさまざまな議論がある中で、昨年度新生HACスタートの第1年度における重大インシデントの問題なども踏まえて、1定議会において道議会のご理解も得て、なにがしか一定の道としてのサポートなどの方向性を出したわけでして、その1定議会における道議会の皆様方との議論の中で2定議会(平成24年第2回北海道議会定例会)がスタートするまでにHACの現状の事業計画の妥当性などを含めて、これからの短期的、そして中長期的にどのような形態に持っていくかということを道として検討し、その成案を得て道議会にご報告をして、またご議論いただくというお約束をしていたところでして、そのスケジュールに沿って今、議論を進めているということと理解をしております。
当初、事務局をやっております総合政策部から、5月末までに成案をというようなお話も皆様方に申し上げていたというふうに理解しておりますが、やはりさまざまな議論を深めなければならない点というのが、多々出てきたということで、6月をまたがざるを得ないのではないかというふうに考えているところではございますが、いずれにいたしましても私どもは、道民の代表である道議会の皆様方に対して、6月スタートの2定議会までには私どもとしての考え方を整理し、ご提案を申し上げるということをお約束申し上げておりますので、それにはしっかり間に合うような形で私どもの考え方の整理を外部の有識者の方にも検討にご参加いただいておりますので、しっかりやっていくという予定を考えているところです。
外部の有識者の方々には、交通工学等のご専門のお立場の方々にご参画いただいているところですので、前から申し上げておりますHACの今後の私どもの支援の視点である公共性の観点、あるいは事業性の観点、そういう両面のいわばその究極の姿、トレードオフ(両立しえない経済的関係)の部分もありますが、その兼ね合いのような部分について大所高所の立場からご議論いただくと。事業性のところは徹底的に監査法人が議論を深めていただいておりますので、そういった形での議論を、今しばらく続けるということで成案を得てまいりたいと考えております。
(日本経済新聞)
今のHAC(北海道エアシステム)の関連で、経営検討委員会のほう、なかなかその議論が進んでいないと。それでちょっと、かつてのエア・ドゥ(北海道国際航空)の件についての絡みをお伺いしたいんですけれども、事業の形態とかですね、狙いはその当時は今のHACとは違う部分もあったかもしれないんですが、道が資金支援をすると、航空会社に対して資金支援をするという構図では同じだと、その会社が経営難に陥るというのは同じ構図なのかなと思うんですが、このような事態を経てもまた同じ事態が繰り返されていること、あと、その当時の反省をですね、今どう活かすべきなのか、ちょっとその辺の絡みを少し、ちょっとお伺いしたいと思います。
(知事)
エア・ドゥの一連の経緯については、前知事の時代のことですので、残っている資料なり、それから当時の経済界で経験をされた方々のお話をお伺いするなど、私なりに頭の整理をしているところですが、企業としての規模において、あるいはそのインパクトにおいて、エア・ドゥの一連の経緯というのは、今のHACをめぐる問題よりも大きなインパクトが、道庁だけではなくて、経済界も含めて、北海道にあったのではないかなとこのように考えているところです。
そして、(エア・ドゥは)われわれも債権放棄等もしましたし、これは札幌市もそうですし、経済界もご承知のとおり大きなご負担(債権放棄や減資など)をお願いをした経緯もありますけれども、今、そういったこともすべて経て、大変順調に運航事業を続けておられるということがあります。
一方で、HACについて私どもは議論を深めていますけれども、当時のことを踏まえて反省すべき点は反省しながら、エア・ドゥの場合には道外との関係というのが主としたネットワークのエリアでしたけれども、こちら(HAC)の場合には道内における住民の方々の離島路線を含めた交通ネットワークの維持という理念を実現するための事業として、最小限の事業性ということを確保しつつ、公益性に着目した支援というものをどのように考えていくのか、そのことの議論を深めていかなければならないと思っているところです。
ですから、エア・ドゥの出資者であり、HACにも出資いただいております民間の方々は、当然このエア・ドゥの時のご経験も踏まえた上でお付き合いいただいているところですので、もちろん道議会のご理解はいるのですが、私ども道庁として、行政としてしっかりとHACを位置付けして、支援していくという基本的なスタンスを明示しながら、あらためて道内の経済界の方々のご理解を頂いていかなければならないと思っております。
(北海道新聞)
HAC(北海道エアシステム)の質問なんですが、知事、先ほどの質問でですね、中長期的にどうしていくべきか議論を進める必要があると。現段階では3年間ですね、本年度を含めて3年間の報告書が出てきたわけです。知事が言う、その中長期的というのはですね、例えば何年くらいというお考えがもしあるのかと。その背景には、機材繰りの話もあると思うんです。機材繰りというのは、現在のサーブがですね、使える年数が限られていると。だいたい20年くらいなんて言われるんですが、そう考えるともう古いものになってきつつあるんですね。機種を変えるということになると、また新たな財政支援も必要かと。そこら辺のことも含めてですね、お考えちょっと伺いたいと思います。
(知事)
今、まさにご指摘のとおり、機材の更新というものをどのタイミングに据えて、どのように考えていくかということをはじめとして、課題はたくさんありますので、この経営検討委員会での議論の中で中長期的なことには当然触れていただくことになるかとは思うわけですけれども、そのようなことを踏まえて道としての考え方も整理してまいりたいと考えております。
今時点で、この記者会見の場で、私としてどうということを申し上げるのは、やはり道議会との議論の深まりということなども考えますと、今私自身の思いというものをお伝えするのは控えさせていただいたほうが良いと思っております。
(毎日新聞)
今夏の節電の件でお伺いいたします。先日、第1回の地域電力需給連絡会が開催されまして、関係機関のご意見もかなり出てきたかと思いますけれども、あらためてその意見を受けて、道としての節電の考え方、方針についてお聞かせください。また、知事からの道民に対してのメッセージというのは、いつごろをめどにそういった呼び掛けをされるか、そのめどについてもお知らせください。
(知事)
今週の月曜日、地域電力需給連絡会を、事前に申し上げていたとおり開催をさせていただきました。需要家団体の方々からいろいろなご意見が出たわけですし、また、その場も取材をされたかと思うのですが、大きな影響のある計画停電は何としても回避してもらいたい、あるいは医療機器を使用する方々など弱者への配慮が必要、さらには国において電力の安定供給と電気料金値上げ抑制に努めてほしいなど、さまざまなご意見が出たというふうに報告を受けているところです。ご承知のとおりこれは1回で閉じるわけではなくて、さらに会合を続けていかなければならないので、具体的な節電の方向性ということは次回のそれぞれの需要家団体の皆様方のご意見も踏まえて、最終的に私どもとして判断をして方向性を出していくということになろうかと思うわけですので、今段階で方向性を申し上げることはできませんが、やはり前回の記者会見で申し上げたと思うわけですが、何としてもこの停電ということは避けなければならない。さらに言えば、セーフティネットとして、計画停電ということも今から準備をしろと国からも言われておりますが、何としても回避しなければならない。そしてそのことを実現するためには、やはり道民、各界各層の皆様方のご理解を頂きながら、しっかりとした節電ということをやっていかなければならないということを考えているところでして、そのために先般、私のところをご訪問いただいた北電(北海道電力)の社長にも申し上げたわけですが、事業者としてもできる限りの情報開示、それから今後の夏場に向けての供給計画について、北本連系(北海道・本州間連系設備)を通じての他社からの電力の手配の可能性の状況を含めて、できる限りきめ細やかな情報提供を、それも季節で1回とかではなくて、今も「でんき予報」というのは出しておられますが、今以上のきめ細やかな情報提供を、道民の方々にしていただくことによって、やはり気温との関係あるいはいろいろな、例えば、あってはならないことですが、大型の火発(火力発電所)がトラブルになるとか、そういった情報が出る場合には、より道民、各界各層の人たちに節電の気持ちを引き締めていただかなければならない。いろいろな事情があろうかと思いますので、やはり情報提供をきめ細やかにやっていただくということを含めて、われわれ北海道全体として、この夏場の電力需給の状況を何としても乗り切っていかなければならない、今はそのように考えているところでして、6月中旬くらいにも想定をしております次回の地域電力需給連絡会における皆様方のご意見も踏まえて、意見の集約ということに結びつけていきたいと思っております。
そして、知事メッセージということにつきましては、まだ何月何日ということは決めておりませんが、国の全国統一の要請の中では、7月の下旬からの私ども道内における対策実施ということですので、その直前ということではなくて、十分な準備のゆとりを持つ形で、道議会のご意向も踏まえて実施をしてまいりたいとそのようなことをこの知事メッセージの発出等についても考えているところです。
(日本経済新聞)
今の節電の関連で、札幌市が先般、今夏、10%以上の削減という目標を市長が表明されてですね、まずこの受け止めと、あとLED照明を購入した家庭に地下鉄乗車券をプレゼントするみたいなインセンティブを与えるような施策も取られているのですが、道としてこういうようなインセンティブを持たせる施策を今のところ考えているのか、新しいものですね、お願いします。
(知事)
札幌市として、10%を目指して節電をやりたいというご意向を示しておられるのは大変高く評価いたします。ぜひ実現をしていただければというふうに思う次第です。それ以外の市町村につきましても、先ほどのご質問に対して言い忘れてしまったのですが、札幌での需要家との方々の連絡会に加えて、14総合振興局・振興局ごとにブロックごとの地域の連絡会というものを開催し、これは石狩管内も含めてですけれども、それぞれの地域ごとの市町村の方々と認識を共有し、そしてそれぞれの市町村に対する節電についても行っていくわけでして、そういった中で、他の市町村からももっと意欲的な目標が出てくることを心から期待をするところです。
それから、直接的なインセンティブということについて、これは道が行うということになると大変な規模になりますし、道と179市町村と連携して、例えば2分の1補助などそういう仕組みを作るとすると、その調整にまた大変なところもあるだろうし、いろいろあると思いますので、なかなか道としての直接的なインセンティブ措置というのは今段階ではあまり思い至らないところですけれども、今後の地域における連絡会あるいは地域の組織を統合した形での全道の電力需給の連絡会における議論も踏まえながら、場合によってはそういうことも含めて検討していかなければならないかもしれないと思っております。
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