知事定例記者会見記録(平成24年9月19日)

知事定例記者会見

・日時/平成24年9月19日(水)16:45~17:07  
・場所/議会知事室前
 ・記者数/28名(テレビカメラ3台)

会見項目 

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知事からの話題

1 平成24年第3回定例会代表質問を終えて

記者からの質問

1 原子力規制委員会について
2 町村衆議院議員について 
3 北海道における特定放射性廃棄物に関する条例について
4 革新的エネルギー・環境戦略について(1)
5 北海道新幹線について
6 武部衆議院議員について
7 大間原発に関する道の対応について
8 革新的エネルギー・環境戦略について(2)
9 日中間情勢による本道への影響について

知事からの話題

 

平成24年第3回定例会代表質問を終えて

    今日、第3回北海道議会定例会の代表質問、2日間の日程を終えました。代表質問の枠を持っておられる各4会派から、さまざまなご質問をお受けしてお答えをしたところでありますが、食の安全・安心の問題、それから原子力の安全対策、エネルギー問題、防災対策、地域医療などの議論があったところです。
  1日置いてあさってから、一般質問の展開になりますので、また質問に真摯に対応していきたいと、このように考えております。
  私からは、以上です。  

記者からの質問

(NHK)
 原子力規制委員会のほうがですね、ようやく立ち上がって第1回目の委員会が開かれました。この時期になったということについて、どういうふうに受け止められているのかということと、今後の委員会への期待というかですね、要望についてお伺いしたいと思います。

(知事)
 やっとという感じがいたしますね。当初、年度当初からもというふうに思われておりました原子力規制委員会、そしてその事務組織である原子力規制庁を含めて今日、その姿が見えてきたということかと思うわけです。 
 やはり何といっても、原子力のこれまでの行政というのは、振興を図る組織と規制を図る組織が同じ経産省の中にあるという問題点、世界の中でもそのような組織形態はあまり例はないのではないかという指摘の中で、今回、国の判断によりこういった形になったということは、一つの方向性だというふうにまずは受け止めているところです。
 そして、私ども原子力発電所を抱えております、いわゆる原子力立地県のトップといたしましては、新たなる組織において、去年の3.11の福島第一原発事故の後のさまざまな知見を踏まえた新たな安全対策、そして防災対策、そういったことの確立、実行に向けて万全な体制で、万全を期して、スピード感を持って対応していただきたいと、このように思う次第です。


(北海道新聞)
 今日ですね、午前中に町村代議士が体調不良とのことで検査入院されたということになっております。知事、どこまで情報をお知りかは分からないんですが、町村先生のですね、病状、その他含めてですね、どのような受け止めをされているか、お話しいただけますか。

(知事)
 私も、今日朝、ある筋からそういうことをお伺いをして、大変びっくりすると同時に、心配を申し上げているところです。
 その後はずっと議会対応中でしたので、それ以上の情報は持っていませんが、ここにあります情報によると、今日の午前中ですか、細田博之先生(自民党元幹事長)、同じ経産省の先輩ですけれども、のほうから町村先生が今日の関連行事は欠席すると、うんぬんの記者会見があったという報告も受けているところです。
 町村先生は、ご自身でもいつも言っておられるのですけれども、生まれた時から町村農場の牛乳を飲み、ヨーグルトを食べ、そしてバターを食べていたので健康だけは自信があるということを常日ごろ言っておられましたので、今回の検査入院というものも、ちょっと疲労がたまられたのかなというふうに思うわけでして、1日も早いご回復ということを心から祈るところです。
 総裁選はどうされるかというのは、ご本人と周りのみなさまのご判断だと思いますが、私としては、まずは何としても治っていただきたいと、体を万全にしていただきたいと、そのことが何より私の強い思いです。


(日本経済新聞)
 ちょっと話が飛ぶんですけれども、堀知事時代に制定したですね、「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例」についてちょっとお伺いをしたいんですが、今回の政府の核燃料サイクルの政策見直しで青森県がですね、使用済み核燃料のたまっているプールの燃料を各都道府県に返すということを言っていて、北電(北海道電力)も一部六ヶ所村に送っているものもあると思います。万一、返却された場合、この条例では放射性廃棄物を持ち込ませないということを書いてあるわけですが、この条例に抵触をしないのかどうかということを今の見解をちょっとお願いします。

(知事)
 突然のご質問で、まだあまり準備はできていませんけれども、まず今段階では、青森県さんは国の、ややマスコミさん的にはあいまいな方針だと言っておられますけれども、国の今の方針を多として返還をしないということを宣言されたと理解をいたしておりますので、その意味では安堵はしていますが、今おっしゃった問題というのは、そもそも私ども道は、新エネルギーの条例(北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例)の前文で、「脱原発の視点に立って」ということを書いている唯一の都道府県であるということとの整合性で、核の廃棄物をどうするのか、最終的にどうするのかということについて、われわれ自身の考え方を、当時その新エネ条例を作った時というのは、この今ご指摘の特定放射性廃棄物に関する条例とほぼ時期が一緒になるのですかね。
 当時の状況をあらためて一度勉強し、当時の皆様方がどういう思いで、この二つの条例を作られたかということを解きほぐしていかなければならないと思うのですが、ただおっしゃるとおり原発ゼロを目指すということと、今、現に原発が3基道内にあって、また3号機についてはとりわけ、これは政府に一度確認しなければと思っているのですが、2009年臨界でありますので、40年ルールでも2049年で(廃炉に)なります。これを前倒しでやめろとおっしゃるのかと。そうすると相当の経済的ないろいろな損失等を国が補填してくれるのかとか、それからそれに代わるエネルギーをどうするのか。ちょっとすみません、派生しましたが、いろいろな問題がありますけれども、いずれにいたしましても現に原発3基を持っているわが道として、原発ゼロ、脱原発ということを目指す中で、廃棄物をどう考えていくのかということは、道民的な議論というものをやっていかなければならない大きな課題かなという思いはいたしますが、明確に今の段階でご質問にお答えすることは、ちょっと難しいかな。頭の中の整理をする時間を頂ければと思います。 


(時事通信)
 原発に関する政府方針でですね、今後、原発の新設はしないとする一方でですね、着工済みのものについては、建設を容認すると経済産業大臣が表明しました。着工済みの三つの原発、うち二つが青森県に立地しまして、中でも北海道に非常に近いJ-POWER(電源開発株式会社)の大間原発もあるわけですが、この政府方針について、また原発政策についてぶれていると、ぐらぐらしているともいわれるわけですけれども、知事はどのようにご覧になっているでしょうか。

(知事)
 今日の夕刊の見出しを見ても、なかなか厳しい評価を皆様方しておられるところですけれども、ちょっと私、今日は議会対応をずっとやっていましたので、必ずしも頭の中が整理できておりませんが、ただ政府としては、今回閣議決定すると同時に、その細則について年内に向けてもあらためて閣議決定をされるということもお伺いをいたしていますので、そういったこともしっかり見極めていかないと、ちょっとマスコミチックに、今日の閣議決定でしたか、それだけを見て今何か批判を「する・しない」ということではないと思いますが、ただ議会答弁でも申し上げたかと思いますけれども、やはり目標を設定するのであれば、そこに向けての具体的な道筋というのか、工程表というか、再生可能エネルギーの開発等についても、それは予算も相当多額にいることですので、そういったことについての具体的な道筋について、やはり早期に示していただきたいということは強く思うわけです。
 それから大間原発についても言及がございました。大間原発については、ご承知のとおり、私も何回もこの問題について議会でもご答弁申し上げておりますし、また、何回かにわたって経産省へ要請活動に行っている時にも、同じ事を申し上げて要請しておりますし、さらに言えば道議会でも、今年の3月23日に、大間原発建設に関する全会派一致の意見書というものもまとまっているところでして、その中においても、「道民の理解が得られるまでの間は建設再開を行わないよう強く要望する」ということを述べていただいておりますので、そういう中で何回か要請をさせていただいた経産大臣自身は、もう方向性をある意味、青森へ行かれた時に容認するということはおっしゃったようですので、私としてはさっき担当の柴田危機管理監とも話をしたのですが、事業者たるJ-POWERですか、電源開発株式会社にやはりちょっと来てもらって、どういう所存なのかという状況の説明を求めることはまずは必要かなと、そんなふうに思っているところでして、その状況によっては、また私どもとして、しっかりと申し入れをしなければならないのではないか、このように思っております。


(北海道新聞)
 先ほどのご答弁でもありましたけれども、北海道新幹線の札幌延伸について、先ほどご答弁で工期短縮に向けて財源の新しい枠組みだったりとか、国に対して財源確保の前倒しなどをオール北海道で要請されるとおっしゃっていました。その上でお聞きするのですが、知事の中で、現実的な線として24年という工期をどれくらいまでなら短縮が可能じゃないかというふうに感じていらっしゃいますか。具体的な数字があれば。

(知事)
 具体的な数字を申し上げるだけの知恵はありませんが、ただいろいろ担当部局に調べさせているところによると、いろいろじっくりと見れば別途の財布がないこともなさそうだなというふうには思い描きつつございますので、今、民主党も代表選で忙しいし、自民党も総裁選というバタバタな中で、また近いうちに何があるか分からないので、そういったことが落ち着いた後になるのか、あるいはそれが「近いうちに」が「遠いうちに」になるのだったら今すぐか、そこは分かりませんけれども、われわれがどうもあそこにああいうことになれば、あそこにこれくらいお金ができそうだなといういろいろなめどを一つ一つやはり関係のその方面の知見のある方々と議論を始めるということはやっていきたいな、そんなふうに思っております。すごく、すいません、思わせぶりな言い方で中身が明確に申し上げられなくて恐縮なのですが、いずれにせよ少しずつ勉強を進めて、われわれとしてやはり1年でも早く工期を短縮していきたいという思いは強くございますので、それを実現するために汗をかいていきたい、そんなふうに思っております。

(北海道新聞)
 別途の財布というのは例えばどういうイメージをすればよろしいでしょうか。

(知事)
 担当部(総合政策部)に聞いてください。


(HTB)
 武部代議士の引退に関して何か。

(知事)
 そうですね、武部先生が引退ということを表明された。突然で大変驚いておりまして、表明をされたちょっと前に稚内市で青年会議所の会合があった時にご一緒していて、大変お元気で、これ以上元気だったら困るくらい元気な方だったので、その直後の表明ということで大変びっくりしていたところです。ただ、次期衆議院選挙には出ないとはおっしゃったけれども、政界引退とは明確には言っておられないようですので、引き続き、やはり道議を経験されて、また国会で代議士生活を長くやられたという、本当にわれわれ道政のことを一番よく分かっておられる国会議員のお一人だと思っておりますので、これからもさまざまな形でご指導頂ければというふうに強く思っておりまして、ちょっとその後、武部先生とお話する機会はないのですが、お会いする機会があったらそのようなことを直接申し上げたいと、そんなふうに思っております。


(共同通信)
 ちょっとまた原発の質問に戻ってしまうのですが、もう一度確認の意味で大間について言及された時に、J-POWERの社長さんを呼んで話を聞きたいというお話をされましたが、前提として。

(知事)
 社長が来るかどうかは分かりませんよ。

(共同通信)
 J-POWERの担当者から話を聞きたいというお話でしたけれども、前提として道議会が採択した意見書の中身ですとか、建設継続にあたっては道民の理解が必須であるというそういう前提の認識は知事としても変わりはない。

(知事)
 はい、もちろんであります。

(共同通信)
 その上で話を聞いて何を確認したいということなるのですか。

(知事) 
 話をお伺いをして、私どもが納得できるものかどうかということを確認したいということであります。


(共同通信)
 あとですね、もう1点。先ほど原発ゼロという政府の方針について、閣議決定がないとか、その後のゴタゴタについての言及があったのですけれども、そもそもの原発ゼロという政府の方針というのか戦略というのが、ああいう形で明文化されたことについてはどういうふうに受け止めていらっしゃるのでしょうか。

(知事)
 このことは前から申し上げていますが、私どもとしては、さっきのご質問との関係もちょっとございますが、全国の都道府県の中で唯一、「脱原発の視点に立って」という前文を持つ条例(北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例)を有している北海道ですので、その方向性には一定の理解をするところです。しかしながら、その後さまざまなところからいろいろな議論が出ている。それをどれくらいの時間軸で考えていくかということについては、やはり十分な議論がいるでしょうし、それを実現するための道筋、予算投入など課題はいっぱいあるかなと思いつつも、でもやはり国の年内にも想定される次の閣議決定というものを注視をしていきたいと、そのように思っております。


(共同通信)
 別件なのですが、尖閣諸島の問題に端を発して日中間の摩擦が激しさを増している状況ですが、観光客、特に海外からの観光客でようやく北海道が持ち直してきたところだと思うのですが、ここでまたブレーキが掛るのではという懸念も出ていると思います。現状どういうふうに受け止めておられるのか、それと自治体のレベルの交流もいろいろあると思うのですけれども、自治体としてはどういうふうに今後、交流などを進めていくのか、プロモーション進めるのかというところを。

(知事)
 今回の国と国との間のやり取り、そして主として中国国民の、人民の方々の動きというのは報道を通じて承知をしておりますが大変残念です。国と国との間のこの尖閣諸島をめぐる問題については、私ども北海道の観光などにも大きな影響が出てきておりますし、また人的交流などにもいろいろな形で大きく影響が出てきていると。とりわけ今年は日中国交正常化40周年ということで、私ども道としては中国からの観光客増大に向けて、いろいろなイベントを年間通して予定をしているところでしたので大変残念です。国の外交をどうというつもりは一切ございません。しかしながら、何としても今の状況が1日でも早く収束するように、日本政府、中国政府両方が知恵を出し合ってそういった方向になればいいなと。そのために地方としてできることというのはあまりないかもしれませんが、少なくとも私どもとして今、10月下旬に私自身上海を訪問しようといろいろと計画を立てているところですが、そのことについて担当部局に言っておりますのは、直前までできる限りこれを実現できるような形で準備をしようと。どうしても駄目だったらそのときの判断はあるけれども、やはりわれわれ北海道のこれからの活性化のために中国との交流拡大というのは不可欠であるという基本認識の下に、われわれの事業を考えていこうという指示はしているところです。
 いずれにいたしましても、どこかのタイミングで影響度調査というのを道としてもやらないと駄目ですね。宿泊あるいはお土産物屋さんなどいろいろな形で影響が出ていて、やはりマクロでちょっとまずはとらえるということも重要かなと思っておりますので、それはゆくゆく担当部局に指示をしようと思っております。

 


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