知事定例記者会見記録(平成24年10月5日)

知事定例記者会見

・日時/平成24年10月5日(金)14:50~15:09  
・場所/議会記者室
 ・記者数/27名(テレビカメラ2台)

会見項目 

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知事からの話題

1 平成24年第3回定例会の閉会にあたって

記者からの質問

1 今回の定例会について
2 冬場の電力需給について
3 大間原発について
4 原子力防災計画について
5 当別ダムについて

知事からの話題

 

平成24年第3回定例会の閉会にあたって

  それでは、私から。今日、平成24年第3回北海道議会定例会が閉会になりました。
 9月11日からの定例会でございましたが、今回は補正予算のご提案も申し上げまして、その可決も頂いたところでございますけれども、議論といたしましては、食の安全・安心、原発政策、エネルギー問題、とりわけこの冬に向けての電力需給対策など、いろいろな議論があったと思うわけです。これからの道政上の施策に反映をしていきたいと、このように考えています。 

記者からの質問

(北海道新聞)
 議会の関係なのですけれども、今回の定例会についてはですね、知事おっしゃったように、冬の節電・需給の関係の話もありましたけれども、全般的に論戦が低調だったのではないかとかですね、あるいは静かな議会だったのではないかというような声が、議会のほうからもあるいは道庁の中でもそういった声があります。HAC(北海道エアシステム)の問題が前回定例会で一段落したことですとか、あるいは原発再稼働の問題が国の動向との絡みで小休止になっているというようなこともあると思うのですけれども、一方で議論となるような道としての政策を打ち出し切れていないのではないかという、そういった指摘もあります。その論戦低調だったのではないかというような指摘に対して、理由として知事はどんなふうにお考えになりますでしょうか。

(知事)
 ちょっと質問の趣旨がよく分からないのですが、道議会というのはその時々、まさに道民の方々が大変関心の高い道政上の課題、あるいは私ども自身が方向性をしっかりと議会でご議論いただかなければならない問題について、ご議論を頂くというような位置付けだと理解をしているところでして、今定例会におきましても、今現下の一大重要事になっておりますこの冬に向けての電力の需給というものをどのように見極めていくのか、そしてその厳しさの中でいかに道民の方々にもご理解、ご協力を頂きながらその節電対策をやっていくかなどについて、いろいろなご指摘もあったわけでして、また今日、最終の議会の本会議の始まる前に2会派(民主党・道民連合議員会と公明党議員団)からは申し入れもちょうだいいたしたところでして、道としてはそういったことを踏まえて真摯に対応していかなければならないと思っているところです。
 また、この定例会で私的には大変うれしいと思っておりますのは、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区の指定書を、本年の1月に総理官邸で野田総理から頂きまして、その一つの目玉ということで私どもも大変に重視しておりました、いわゆる機能性食品についての表示問題につきまして、10月1日でありましたが、議会の合間を縫って私自身上京いたしまして、消費者庁、それから内閣府、関係諸方面から方向性を引き出して、それを踏まえた道議会の予算特別委員会各部審査および予算特別委員会の知事総括質疑を踏まえて、今後、年度内に検討を深めて、来年度からはしっかりとした形でこの表示問題に対処できるような、そういった議論もさせていただいたところでして、政府の動きにも感謝をしたいし、また道議会でそういうご議論をさせていただいた(議員の)皆様方にも心から感謝をしたいとこのように思っております。


(NHK)
 今、知事のご発言でもありましたように、今回の議会というのは冬の電力対策というのをどうするかというのが一番の道政のテーマになったと思います。議員からはさまざまな面で対策が必要ではないかという指摘もあったと思いますけれども、あらためてそういう指摘、さまざまな指摘を受けた中で、知事が、もう冬も間もなく来ますから、この節電問題に対してどういう認識でおられるかという話をまず伺いたいのと、この前対策本部を立ち上げて、五つの分野に分かれてということでしたけれども、あの中で今、話し合いはこれからだと思いますけれども、今の段階で知事の中でこういうことをやっていけば効果的じゃないかという、何か案をお持ちになっていたら教えていただきたいのですが。

(知事)
 私個人がそこまで能力があれば、別に検討のそういう場を作る必要は全くないわけでして、まさに関係者のそれぞれの分野のプロの方々に集ってもらって議論をしていただいて、それぞれの方向性を出していくという意味で、この(北海道地域)電力需給連絡会の議論というのは大変重要だというふうに思っているところです。冬場の議論の大変さというのは実は、今年の夏は暑かったですけれども、その夏に入る前からわれわれとしても認識をし、また心ある方々からはそのように言われていた問題でして、やはり一番大きいのはキロワットとしてのピークカットをすれば良いという全国の多くのところの節電のやり方とは違って、キロワットアワーというか、1日中電力需要が高い状況なので全体としての電力節電というか削減をしていかなければならない。だから、例えば製造業の操業現場で言えば、ピークの時間をずらして土日に操業するということでは駄目で、その土日も含めて、とにかく全体としての生産量を減らさなければならないかもしれないというような意味において、質的に大変厳しい節電であると、節電大作戦であるというのがこの冬場の北海道の電力需給対策の一番の知恵の出しどころではないかというふうに思うわけです。
 そこで議会での議論の繰り返しになりますが、そうはいってもあまりにも分野も広いので、われわれといたしましては、農林水産業の一次産業分野、それから製造業の分野、それから観光・商業の分野、それからこれは道民生活に直結しています道路・交通分野、そして社会的弱者といわれております医療関係、あるいは福祉関係の分野、この5分野に分けてそれぞれの専門の方々にさまざまな議論の展開をしていただく、そういったことを考えているところです。
 とりわけ心配なのは、やはり前から申し上げております、道路・交通、それから医療・福祉の分野でして、ロードヒーティングというのは、これはやはり道外から来られた方々にはなかなか理解しづらい分野かもしれませんが、国道、道道、市町村道という公道にも多くございますし、また民間の駐車場であるとか、民間の施設の道路に面した前の部分であるとか、いろいろなところに(電熱線等地中埋設されており、)まさに(普段は)目に見えないのですけれども、ロードヒーティングというのがあって、それをどれくらいまで節電していかなければならないのかということが、転倒事故であるとか、もちろん生命にまで影響が出るようなことはあってはならないと思いますが、さまざまなことを考えていかなければならないのかなというふうに思っているところです。
 そして、そういったそれぞれの分野ごとに議論を深める際に重要なのは、やはりこの冬場に向けて、どれくらい供給力の積み増しを電力事業者が大口需要家との協力関係も含めてできるのかという点、それから夏場の節電効果というのもどれくらいに見込むのか、それからもう一つ、リスクの部分をどれくらいに考えるのかなど、やはりきちんとした形の確度の高い需給見通しというものを、一義的には事業者たる北電(北海道電力)なのでしょうけれども、それを含めて、今日も民主党からもお申し出があったのですけれども、北本連系(北海道・本州間連系設備)を通じて道外の事業者との連携ということも含めますと、やはり国からトータルとしての需給もお示しを頂く必要があろうかと思いますので、そういったことの作業をしっかり早くやってくれということをまずは週明け、できる限り早く、私自身国へ要請に行かなければならないのかなとこのようにも思っているところです。そういう作業と今のこの5分野の作業などを並行して、私どもとして冬場の本格的な、冬場というとやはり12月初めくらいからだと思いますが、そこからしっかりとした節電対策を道民の方々のご理解の下にやっていただくために、一定の周知期間を置く形でいろいろな政策のプログラム、メニューを「冬の安全プログラム」と議会で申しましたが、これを策定し、公表していかなければならないと思っているところです。今申しました道路・交通分野というのは一つのポイントでございますし、またこれは9月27日に行われました前回の電力需給連絡会の場でも議論になっておりましたが、夏場以上に冬場においては戸別家庭が電力需要に占めるウェイトというものが高くなるところでございますので、家庭の皆様方がきめ細やかに節電に取り組んでいただけるような、きめ細やかな情報というものをしっかり出していくこと、このことも一つのポイントになってくるのではないかなと私自身はそのように思っているところです。
 加えて27日に、例えばスキー場、スケート場の消費電力の規模の議論であるとか、これは皆様方(報道機関)とも関係するかと思うのですが、深夜放送に伴う電力の問題、これは出し手の放送局と受け手の家庭、どちらもあろうかと思いますけれども、それから夜のコンビニの営業の問題など、一つ一つ例外なく、いろいろなことを議論の対象にしていかなければならないのかなと、このようなことも考えているところです。


(北海道新聞)
 大間原発について、函館の工藤市長が電源開発に無期限凍結を求めているのと、あと工事差止の法的措置を検討しているということなんですが、無期限凍結と法的措置について、道としてはどういうふうにお考えでしょうか。

(知事)
 昨日、函館市長をはじめとして、市議会議長、経済界代表の商工会議所の会頭、北斗市長らが一緒にいらっしゃった時にも私から申し上げたのですけれども、今回、電源開発株式会社が私どもから建設再開をしないように申し入れたにもかかわらず工事再開を決定したということは、大変遺憾であるというふうに思っているところです。
 私どもとしては、エネルギー政策、とりわけ核燃料サイクルの位置付けというもの自体、今の民主党政権、議論が行きつ戻りつしてよく分からない部分もあるわけですが、そういったエネルギー政策の中におけるこの大間原発の位置付けということも明らかではありませんし、また立ち上がったばかりの原子力規制委員会の安全性の審査ということについてもこれからだと思いますので、こういった点について、今日全会一致で道議会で決議されたこの決議書(大間原発の建設再開に抗議し説明責任を果たすよう求める決議)の趣旨にも沿う形で、道として行動してまいりたいと、このように考えております。


(毎日新聞)
 原発の防災対策についてお伺いしたいんですけれども、先日、原子力規制委員会が災害対策指針のたたき台を公表されまして、その中で50キロ圏内の安定ヨウ素剤の配置というのも検討の対象に入っていますけれども、50キロ圏といいますと、泊、大間を含めると道内かなりの自治体、人口になるかと思うんですけれども、道として今後どのように検討されていくお考えでしょうか。

(知事)
 そういう議論がなされたというのは、報告を受けているところです。しかしながら詳細については、今後、さらに専門家の方々のさまざまな議論が展開されると思いますので、それに沿う形で私どもとしてもしっかり対応していきたい、このように考えております。


(北海道新聞)
 (10月)7日、日曜日に完成式を迎える当別ダムのことで2点ほどお聞かせください。知事も出席されるというふうに伺っていますので。あらためて当別ダムが完成したということについての受け止めをお聞かせいただきたいのが一つ、加えて、当別ダム、多目的ダムということですが、一つ水道の供給というのが役割としてあります。ただ、将来の推計人口、今後減る中でですね、水道利用の需要も減っていくと予想されるのですが、現状、当別町であったり、石狩市は水道料金の値上げを余儀なくされているんですけれども、知事として当別ダムの役割、意義、あらためてどのようにお考えかお聞かせください。

(知事)
 政権交代の後に、ダムの不要論というのでしょうか、八ッ場ダムでしたか、をストップするというところからスタートいたしまして、道内でも国直轄ダム、例えばサンルダムであるとか、平取ダムもそうでしょうかね、一度立ち止まって議論をするというような事案が多々あった中で、また今、元に戻りつつあるわけですけれども、当別ダムは道が中心となって整備をするダムということで粛々と工事が進み、この度、完成という状況になったところです。
 もちろんダムをはじめとして、長い期間を要する大規模公共工事ですので、さまざまな課題というものが途中でまた出てくるということもありうることだと思いますが、またそういう一環として当別ダムにつきましても、道議会でもいろいろなご議論もあったということは、私も記憶をしているところです。
 今回、そういった中で完成に至ったということは、一つの節目ですので、このことを地元の皆様方と共に喜ぶと同時に、このダム(による水)の供給に伴うまたさまざまな課題も今後出てくるでしょうから、そういったことについても関係諸方面の知恵を出しながら対処をしていくと、このようなことではないかと思っているところです。

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

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