知事定例記者会見
・日時/平成24年10月12日(金)14:30~14:56
・場所/記者会見室
・記者数/24名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 「北海道森づくりフェスタ2012」について
記者からの質問
1 今冬の電力需給について(1)
2 東日本大震災の復興予算について
3 今冬の電力需給について(2)
4 東郷ダムについて
5 今冬の電力需給について(3)
6 電力需給と原発の再稼働について
7 原発の再稼働について
知事からの話題
「北海道森づくりフェスタ2012」について
[配付資料1:「北海道森づくりフェスタ2012」全体概要]
[配付資料2:北海道森づくりフェスタ2012]
後ろのポスターにもありますが、「北海道森づくりフェスタ2012」についてです。来週の土日、20日、21日の2日間、道庁の赤れんがなどにおいてこのフェスタ2012を開催いたします。
この催しは、これまで別々に開催をしてまいりました「北海道植樹祭」、「育樹祭」、「道民森づくりネットワークの集い」という三つを一体的に開催するものです。昨年、北海道植樹祭が道内六つの圏域を一巡したことから、市町村や関係団体のご意見も踏まえまして、開催方法を見直して、これまでの植樹に加えて、育樹、地域材利用、木育などさまざまな取組を一体的に実施をして、「木を植えて、育てて、切って木材として利用し、また木を植える」という、「森林資源の循環利用」の普及啓発をすることを目的としてリニューアルをしたところです。内容は、配付資料のとおりですので、ぜひ取材方、よろしくお願いいたします。私も、20日の午前中、(赤れんが前庭で行う「開会式」に)参加をする予定としております。
私からは、以上です。
記者からの質問
(北海道新聞)
今日、北電(北海道電力)のほうで、この冬の供給予備率が5.8%程度になるという発表が、2時からですね、行われたようなのですが、まずそれに対しての受け止めと、受け止めというかこれから道がその数字を受けてどう対応していくかということと、あともう一つ、この冬を原発なしで乗り切った場合に、道民のほうから、もう原発必要ないんじゃないかというそういう雰囲気も出てくるのではないかなと思うのですが、それに対してどうお考えかお聞かせください。
(知事)
一つ目は、(本日の午後)2時の発表らしいので詳細報告は受けておりません。しかしながら、昨日私が枝野経産大臣に要請をしたこととも関連するのですが、全国の事業者からまず経産省として報告を受けて、それを国家戦略担当大臣の下に設けられている有識者らによる需給検証委員会で精査をして、そしてその後に政府としてこういう数字というのが出るプロセスの一つの位置付けかなと。ですから、たぶん北電が国に対してこういう形で事業者として報告をするよ、あるいはしたよということの記者会見を今日されたのかなと思うのですが、それは中途段階ですので、それを踏まえて総括的に国としてどう判断、北海道電力管内についてどのような判断をするかと、それを早くやってくれというのを昨日要請に行きましたので、それに尽きるかなというふうに思っております。
それから冬場の電力需給については、昨日も東京でもいろいろなマスコミの方々からのご質問にもお答えをしたのですが、とにかくわれわれとしては何としても乗り切っていかなければならない、そのことに尽きるというふうに考えております。
(時事通信)
テレビの報道が大きなきっかけで、東日本大震災の復興予算について、被災地や復興の理念とはかけ離れた内容の事業に大きな予算が使われているのではないかという疑念が噴き出しているようでして、政府や国会で内容を検証すると。ものによっては執行停止もあり得ると、そのようなことになっているようなのですが、知事はこれについて何事かと、どうご覧になっているでしょうか。
(知事)
程度問題かなというふうに思うわけでして、報道の中身なり精査の中身ということを、しっかり詳細を把握しているわけではないのですが、例えばこの復興予算を活用して国の機関の庁舎の修繕とか改修とかに使われていたという事例もあるようでして、これはやはり明らかに行き過ぎなのではないかなというふうに思います。
しかしながら一方で、確かに今回の大震災の中心は東北3県であるのは論をまたないわけですが、例えば北海道内におきましても、去年の3.11の直後を思い出してみていただければお分かりのとおり、太平洋沿岸は多かれ少なかれ津波の被害というものを受けたわけでして、それを復旧し、また復興するというようなことに使われている予算を無駄というか、本来の目的とかけ離れたというふうに評価されているとすれば、それは私ども、現に被害を受けた立場の圏域を抱える知事としては本来の目的ではないかというふうに思いますので、復興予算をこれは離れているのか離れていないのかというそういう何か空中戦としての議論ではなくて、一つ一つの実態について、まさに国会の場なり中立的な場でしっかり議論を深めていただくと。それで本来の復旧・復興予算に必要な分野にこれから使われていくことを期していくと、そういうことに尽きるのではないかというふうに思います。
(日本経済新聞)
最初の質問にあったこの冬の節電の関連ですね、今日北電が数字を出して、今後政府が国の対応を検討すると。供給力を上積みしているということだとは思うのですが、やはり大型電源のトラブルの可能性、一日中高いピークがあるという特殊性もあると。その中で節電を要請するときに、数値目標があるかないかというのが今後一つ焦点になるのかなと思うのですが、目標がなければなかなか節電が、効果がないのではないかという意見も一部では挙がっているのですけれども、知事としては今後政府が1カ月くらいかけてやるのでしょうが、その中でどういう姿勢で北海道に対して節電を求めるべきだというふうにお考えでしょうか。
(知事)
すごく難しい質問ですけれども、まずは供給の不安定性ということについては、それは不安を煽る議論だということをおっしゃる方々もおられるし、いやいや北海道の現状を考えた場合に、昨日も枝野経産大臣に問題提起しましたけれども、大体供給規模が北陸3県をカバーしている北陸電力よりちょっと大きいぐらい、同等ぐらいの中で、要するに1道1(電力)事業者ですよね。それでそういう中で、例えば苫東厚真(火発)4号機を私は例に出したような気がするのですが、70万キロワットですよね、ご承知のとおり。それ1機全部丸ごとダウンしたら、もう一気にそれで12%がなくなってしまうという、それくらいやはり、東電(東京電力)管内とか関電(関西電力)管内において70万キロワット(規模の発電機)というのは山ほどあると思いますので(供給全体からみて)ウェイトはそんなにもちろん大きくはないし、他電力からの融通等もあり得ると思うのですけれども、北海道はそうではないという供給面の弱さというか脆さというか、やはりそこは冷静に見ても認識は必要だよなというふうに思います。
昨日、実は東京の要請活動の後、釧路市で法人会全国大会北海道大会に行ったのですが、その前後で地元の経済界の方々とちょっとお話をする機会があったのですけれども、あの近くだと例えば音別に、旧音別町で、今でいうと釧路市音別町になるのですか、あそこにもあるのですよね、火力発電所がね。ディーゼルのガスタービン発電方式と聞きましたけれども、(1基が)10万キロワットまでいかないそんなに大きな発電所ではないと思うのですが、それなども今、北電が一生懸命燃料を、冬場のしけるときでもきっちり供給できるように対応するというので努力しているという報告を受けているのですけれども、地元の経済界の人たちの日々入ってくる情報としては、あそこは結構よくトラブっているというような話もあって、やはり何というか地元感覚、これはもう全道いろいろなところでやはり供給設備を抱えている地域の人たちの生の感覚というのはあると思うのですけれども、それを東京のような温暖なところの人たちに、あまり軽々に判断はしてほしくないなというのは昨日やはり釧路に行ってしみじみ、寒いしね、あそこは、思ったところでございます。
そういう中で目標数値をどうするかというのは、御社を含めてローカル版じゃなくて、各社それぞれ全国紙で数字はどれくらいだとか、いや数字は入らないとか、それぞれいろいろなところから情報を、取材をされて書いておられるので、われわれはわれわれなりに直接的ないろいろな情報を得ているわけですけれども、数字ありきとか、ないとかそういうことではなくて、まさに昨日私が大臣にお願いしたとおり、北電はこうやって努力をしているという、それは報告は報告として分かるのだけれども、事業者任せにするだけではなくて、やはり有識者の立場からその数字を精査して、国として責任を持って冬場のいろいろな客観的な厳しさの中を見ても、節電の定着性なども勘案して、こういうことだったら道内はいけると思うよと、あるいはこれくらいはしてもらわざるを得ないよという、何というか変な話で政治的配慮とかそういうのが全くなく、中立的・客観的・科学的な数字を出していただくと、それが何より重要かなというふうに思うのですね。
私も昨日、大臣とお話する前に、実はいろいろ悶々と悩んだ部分があって、冬場というのは観光立国北海道にとって、夏場と比べるとやはりお客さんが減る時期でもあるので、全国に対して、冬の北海道は電力がなくて危ないかもしれないと言うということは大変ちゅうちょがありました。それは事実です。しかしながら、先月の27日でしたか、北海道地域電力需給連絡会を拡大版で開かせていただいた時に、医師会の会長がおっしゃった、冬場の節電というのは北海道にとって命の問題であるというあの言葉というのはやはり私、相当重く受け止めて、昨日も大臣の前でその言葉も使わせていただいたのですが、何としても緊急避難的でも、何をどう頑張っても、頑張って頑張って道民の方々のご理解ご協力を得て、この冬場は乗り切らざるを得ないというふうに心に決めて、昨日大臣にそういった観点から要請をさせていただきましたので、できる限り早く、とにかく正確な数字を出していただく、そのことを国に対してあらためて求めたいと思いますし、またわれわれはわれわれで、北海道地域電力需給連絡会の場で5分野にわたってそれぞれプロの方々にいろいろ議論をしてもらうということをお約束しておりますので、国の動きなども見極めながら並行してわれわれの動きも加速していくと。それでも12月のスタートというのも遅いかもしれませんけれども、遅くともそこまでにはすべてのことが周知期間も含めてスタートできるような形で準備をしていかなければならない、そういうスケジュール感で国に対してもお願いをしていかなければならない、そんなふうに思っております。
(北海道新聞)
富良野市の国営農業用ダム、東郷ダムのことでお尋ねいたします。前回も9月にお尋ねしましたけれども、(北海道)開発局が示しましたこの大幅な縮小案について、前回知事、本当に水が必要なのかどうか精査していくところから始めなければいけないというご発言がありましたけれども、1カ月経ったということもありまして、現在の進捗状況ですとか、道の対応について、あらためてお聞かせいただきと思います。
(知事)
申し訳ないのですが、この前記者会見で御社からご質問を頂いた以降、農政部から一切報告を受けておりませんので、その意味では何も変わっておりません。もう構想段階から40年、50年を経たこの東郷ダムの事案ですので、あらためて立ち止まって、開発局からのご提案はあるようですが、私どもとして、私ども道自身も地元でございますし、また地元の富良野エリアの皆様方ともしっかり議論をして、今おっしゃったとおり必要性が本当にあるのかどうか、それから建設工事における地元負担のありようというのがこれで本当に妥当なのかどうか、さらには完成した後の維持管理のありようについて、今の国のご提示で良いのかどうかということを包括的に議論をしっかり見極めた上で、慎重に対処をしてまいりたいと、このように考えております。
(北海道新聞)
今の関連で、精査する時間といいますか、期間というとどのくらいを考えてらっしゃいますでしょうか。
(知事)
それについて、農政部、誰かいますか。私的には全然ないのですけれども何かありますか。
(農村振興局長)
それぞれ大きな課題ですので、慎重に検討する必要があると考えております。
(知事)
せっかく政権交代があった後、ダムについて、やはり既成概念にとらわれることなくさまざまな議論をしようという機運になっていますので、もとより八ッ場ダムをはじめとして、元に戻りつつあるものもありますが、東郷ダムについては、今一度、議論をしっかりやるべきかなというのが私の思いです。
(共同通信)
もう一度、冬場の電力需給の関係で質問があります。先ほどの日経新聞さんの質問に対するお答えの中で、東京の温暖な地域の方に軽々に判断してもらいたくないという、ちょっとそういう発言があってですね、今、昨日も東京に行かれて訴えをする中で、北海道の持つ危機感と東京での温度差というのを、冬場の備えに対する温度差みたいなものを感じられたりしたのでしょうか。
(知事)
昨日、東京は温かかったですね、25度以上あったのかな。釧路に行ってぐっと冷えてまさに文字どおりの温度差があったなというふうには思いますが、ただ枝野経産大臣も、菅内閣の時には官房長官を務めておられて、まさにエネルギー政策を含めて官房長官として全体の調整をやっておられたというご経験も持っておられますし、また今の政権になって経産大臣になられてからも結構時間も経っておられますし、全国も回っておられて当然北海道にも来ておられますので、もちろん大臣もご自身の埼玉の選挙区ではロードヒーティングはないなとも言っておられましたけれども、ただお立場としての経産大臣として北海道の冬というものに思いを致すというところについては、私はご理解は頂けたかなというふうに感じました。
(共同通信)
それとですね、これも先ほどのご発言の中で、ともかく冬場は乗り切らざるを得ないというおっしゃり方で、昨日も東京で質問も受けられたと思うんですけれども、あらためて経済界はこの冬も原発の再稼働が必要だというふうにおっしゃっている。道としては、知事の考えとしては、この乗り切らなければいけないという前提に、「原発はなしで乗り切らなければいけない」という今、お考えで進めておられるという、そういう理解でよろしいでしょうか。
(知事)
今日もこの後、全道の商工会議所の皆様方と意見交換の場がありますので、そこでもいろいろな課題の一つとして、この電力の問題も出るかなと。商工会議所が会員アンケートをされた中間的な結果というのを(札幌商工会議所の)高向会頭、それから先般来られた函館(商工会議所)の松本会頭からもお伺いしているところによると、札幌市内、それから函館市内の商工業者の方々の7割以上は、現時点でやはり再稼働をすべしという意見だというようなことは、お伺いをいたしているところでして、産業界・経済界の方々がそういった思いを多く持っておられると、そのように理解をいたしております。
ただ、われわれ行政というのは、やはり常に一番厳しめのことを想定しつつ、それにも対処できるような準備をするということが重要だということで、私自身、社会に出てからずっと(行政の)仕事をやらせていただいている立場からすれば、今の原子力規制委員会委員長のご発言などを客観的に勘案した場合に、やはりこの冬場の電力の安定供給の確保ということは、泊原発というものを念頭に置くことを入れて考えても良いのかということについては、なかなか難しい問題があるかなということで、その一番厳しい状況を想定して、先程来申し上げているような形での対策というものを国にも要請をしましたし、また私ども道内でもそのように議論を進めているところです。
(共同通信)
重ねての質問で一点だけ。そういう状況であれば、道として経済界はそういう声であるけれども、道としてはこの冬の再稼働を道としても求めてくれと経済界は言っていたと思うんですけれども、そういうことはなさらないという理解でよろしいんでしょうか。
(知事)
このことは、議会でも私、何回も同じことをご答弁申し上げておりますが、原子力発電所は何よりやはり安全性が重要ですので、せっかく政府から独立をする形で原子力規制委員会が立ち上がったわけですので、そこがまさに中立的・客観的・科学的に安全性というものをしっかりチェックをしていただく、その上で議論が始まるわけでして、昨日枝野経産大臣に対して再稼働についての国の判断は、政府なのか委員会なのかということをお伺いをして、大臣からは大変きめ細やかにご説明を頂いたわけですけれども、やはりもう一度精査しないと、今どこがどう足りないかというそこの頭の整理すらできてはいないのですけれども、説明はやるっておっしゃったんですね、政府がね。それから原子力規制委員会ができる前の段階で、エネルギー政策全体を政府として決定した時に、「現時点において原子力発電というのは重要な電源であるということを包括的にもう宣言しているのだ」みたいなことも言われたので、その場では分かったような気もしたのですけれども、そこも含めてまずはやはり政府の責任において安全性というものをご確認いただくというのが議論のスタートでありまして、そこにすらこの泊原発については至っていないという現状認識は何ら変わっておりません。
(北海道新聞)
先ほどの質問にちょっと関連するんですけれども、再稼働の議論を始めるまでにいろんなまだ始めるに至っていないということなのですが、始めるためのハードルの中に、ちょっと古い話ですけれども国に対して二つの質問というのを求めていたことがあったと思うのですが、その回答というのも一つの始めるための、その回答がなければその議論というのは始まらないというような認識なんでしょうか。
(知事)
当然ですが、ただ、新たな原子力規制委員会はそういったことも含めて、きちっとした安全基準を作ると言っておられるので、論理的必然的にすべてを包含するのではないかと、このように考えております。
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