知事定例記者会見
・日時/平成25年1月10日(木)14:00~14:26
・場所/記者会見室
・記者数/27名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 平成25年度国の施策等に関する中央要請について
2 雪害対策について
記者からの質問
1 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について
2 北方領土問題について
3 地方公務員の給与削減について
4 原子力防災計画について
5 国の今年度補正予算と来年度予算について
6 石油価格の高騰について
知事からの話題
平成24年度の「北方領土の日」特別啓発期間の取組について
配付資料:平成24年度の「北方領土の日」特別啓発期間の取組について]
それでは私から2点、お話をいたします。
1点目は、後ろにポスターがございますが、平成24年度の「北方領土の日」特別啓発期間の取組についてであります。2月7日は北方領土の日でございまして、本道におきましては、毎年この日を中心とする1月21日から2月20日までの1カ月間を「北方領土の日」特別啓発期間と位置付けまして、道や市町村、関係団体等が連携をして啓発活動を実施することといたしております。
具体的な取組としては、毎年恒例ではありますが、「さっぽろ雪まつり」期間に「返還要求署名コーナー」を設置をいたしまして、道内外のお客様に署名をお願いいたします。また、2月7日の当日には、啓発活動を「(2013)北方領土フェスティバル」というような形で実施をすることといたしております。ぜひ皆様方の積極的なご取材をお願いいたします。
雪による事故等の被害状況について
[配付資料:除雪などによる被害防止について]
それから二つ目は、雪による事故等の被害状況についてであります。前回もちょっとお話をさせていただきましたが、今年の冬、道内の多くの地域で大雪となっております。去年も大雪でしたが、それを超えているところもあるということです。先週、担当部局のほうから、皆様方にもあらためてリリースをさせていただいたところでありますが、この冬における雪による事故等の発生は、速報値によりますと前年同期の1.5倍にあたる187件となっているところでありまして、このうち除雪時の屋根からの転落などにより、何と14名もの方が亡くなっておられる現状にございます。
道におきましては、ホームページや広報紙で屋根の雪下ろし、あるいは除雪機の使用の際における事故の防止について、道民の皆様方に注意喚起を行っているところでありまして、報道機関の皆様方におかれてもこの点についてご理解ご協力を頂ければと思っております。また昨年を振り返りますと、空知を中心にビニールハウス等の産業・経済被害も多発したところでして、そういったところにも注視をしっかりするように各振興局にも指示をいたしているところであります。
私からは以上です。
記者からの質問
(北海道新聞)
TPPについて伺います。自民党の高市政調会長がですね、先日の民放番組で交渉参加容認するような発言をされましたけれども、具体的に言うと、交渉に参加し、守るべき国益は守ると。条件が合わなければ脱退する選択肢もゼロではないというような発言だったというふうに聞いていますけれども、その発言についての知事の受け止めとですね、それと今、先ほどありましたけれども、8日の日に高市さんにお会いになられたと思うのですけれども、その際にどのようなやりとりがあったのかということを伺えればと思います。
(知事)
政調会長のテレビにおけるご発言というのは報道を通じて聞いております。ちょっとそれ自体は私は直接お伺いしたわけではないので、あまりコメントはしないほうが良いかと思いますが、私自身が一昨日、政調会長にお時間を頂戴いたしましたので、平成25年度予算要望等と合わせて、われわれ北海道にとって大変重要な課題でございますこのTPPについても要請をさせていただいたところであります。それに対しまして政調会長は、例外なき関税撤廃には反対と、これが党の公約であり方針であるということを明確に私の目の前でおっしゃいましたので、テレビでのご発言はちょっとよく分かりませんが、私自身の認識としては政調会長が私に対してお答えになられたのがすべてではないかなと、このように理解をいたしているところであります。
いずれにいたしましても、私どもとしてはこれは農業の分野だけの問題ではなく、とにかく国民合意、道民合意がない限りということを言っている前提としては、議論がなされないと合意のプロセスも当然見えてこないので、その議論をするための素材の提供というのが政府から何らなされていない。そのことは前からこの場でも申し上げているところです。全国知事会を通じて、農業分野を含めて、さまざまな分野について質問状を出しておりますので、まずはそれに誠実にお答えをしていただいて、論点を整理して「あなたたちはこんなことを心配しているけれども、そこはこういうことだから心配ないんだよ」ということを一つ一つがそういうふうに解決されれば、また議論も、あるいは合意ということもするかもしれません。ただ、そういう状況にすらなっていないということで私どもとしては、現段階ではやはりオール北海道で反対ということを言わざるを得ない、このように考えているところです。その旨、新年交礼会の場で農業団体の皆様方とも意思の疎通なども図ったところであります。以上です。
(北海道新聞)
北方領土問題についてお尋ねします。2月にロシアを訪問する予定の森元首相が、昨日、プーチン大統領が昨年、領土問題の解決策として言及していた引き分けの意味について、択捉島と国後島の間に国境線を引く3島返還との認識を示して、4島返還にこだわらない姿勢を示したのですが、これまで外務省は4島返還掲げてきたのですけれども、この森元首相の発言について、知事どのように受け止めて、お考えですか。
(知事)
これも、先ほどの高市政調会長のお話と一緒で、報道を通じてそういうことを言われたらしいということの認識があるのみであります。私ども地元あるいは政府の方針も全く変わっていないと思うのでありますが、北方領土問題については、まず帰属問題ということを解決をすると。その上で具体的な返還の時期については柔軟に考えようというのが基本的なスタンス、これは1ミリたりとも変わっておりませんので私ども地元としてもそのように認識をし、問われればそのことをさまざまな場で発信をしていくと。これは当然のことだと考えております。
(時事通信)
冒頭の知事のお話とも関わってくるんですが、財務大臣、副総理がですね、地方公務員の給与削減、これを求める方針をですね、発言しています。そもそも自民党ですね、先の選挙での政権公約でですね、公務員の総人件費の抑制、国と地方合わせて2兆円の削減と。これを明確にうたっていまして、また財務大臣の発言はですね、国家公務員の2年間の臨時措置、震災の復興財源確保という理由からですけれども、地方もこれに倣えと、そういう理屈のようです。これについて知事はどのようにお考えになるか、また財務大臣とお会いになってそうした気になるやりとりなどあったかどうか教えてください。
(知事)
麻生財務大臣にもこの点について、私どもがこれまで長年にわたって独自縮減を継続をしてきたという事実のご説明(をし)、またそれはわれわれが自助努力として歳入歳出の不足前(不足分)を職員団体の協力を得てここまでやってきたということであって、それを国が7.8(パーセント)、国家公務員が給与縮減をやるからそれと同じ額を地方公務員についてやれと、その部分は交付税を減らすというのは私どもとしてのこれまでの努力を無にするようなお話なので、何とぞ思いとどまっていただきたいということを申し上げたところでございます。
財務大臣は私どもが用意した資料を興味深くご覧になりまして、麻生先生は福岡県のご選出でございまして、福岡県は最近は給与縮減を一切やっておられないのですね。やっているところもあるし、やってないところもあるんだなというお話もございまして、ラスパイレス指数はどれくらいかというご質問など、やりとりはいくつかさせていただきましたが、交付税について北海道の主張は分かったというご発言は最後までなかったというのは事実です。私どもの主張はご承知のとおりでありまして、地方それぞれ独自縮減をやっているところ、やっていないところ、いろいろあるわけでありますが、やはりそれはやっているところは地方の自助努力としてやっているものですので、その分を国の公務員並に合わせて交付税を減らすということ、そういった削減はないようにということはこれからも引き続き政府に対して、あるいは関係政党に対して反復継続的にお話をしていかなければならない、そんなふうに思っております。
(NHK)
今日この後ですけれども、(北海道)防災会議があると思いますけれども、そこでは泊原発の防災体制のあり方も含めた防災計画、修正した防災計画が正式に決まることになると思います。それを元に原発周辺自治体も計画を作っていくことになると思うんですけれども、あらためて修正した防災計画ができることによる意義というかですね、(これ)についてどう考えているかということと、あと原発の防災体制、今後の課題について現段階の知事の考えを聞かせてください。
(知事)
3.11の事案(福島第一原発事故)を踏まえての国を挙げてのさまざまな原子力防災対策の見直しの議論の中で、私ども道としての原子力防災計画の見直しの素案というものは、ご承知のとおり昨年の暮れにこの北海道防災会議の原子力防災対策部会でご提示を申し上げ、そして今おっしゃったとおり、今日正式に最終的に北海道防災会議の場にお諮りをし、ご議論いただいて議了いただけるかどうかという状況に今あるところです。
もとより、あれだけ大きな災害があり、それに伴っての原子力発電所の事故、あるいはその影響の広がりというのがあったわけでありまして、それを踏まえて国のほうもちょっと地方から見ると遅れているかなとは思うのでありますが、防災指針等についても出すところから徐々に出していただいているところでありまして、私ども原子力発電所を抱える地方としてもその国の動きに呼応するように一歩一歩、この原子力防災計画というものの見直し、全部まとめて完璧なものを修正するというのが理想ではありますが、そういう形になっておりませんので、できるところから見直しをやって修正に反映していくということの作業を鋭意、今やらせていただいているところです。その意味では道としての原子力防災計画につきましても今回(案を)出しますけれども、国のほうの基準の中で例えば例のヨウ素剤の扱いなんかを含めて、被ばく医療活動についてどうするかということについてまだ基本的な方向性が国から出ていない。それが出たらそれに対応することを私どもとしてしっかり盛り込んでいくことも必要でしょうし、また住民避難のための判断基準なども国待ちの部分が若干ありまして、そういうことでこれからも、順次道民の目線、住民の目線に立った原子力防災計画の見直しということをしっかりやっていかなければならないと思っております。
また、合わせて今回の道の防災計画の中でも正式には明らかになるわけでありますが、今までよりも範囲の広い30キロ圏の13町村の皆様方が、それぞれの防災計画を策定するということの位置付けになるわけでありまして、それを年度内にもしっかりとお作りいただく、そのためのサポートも私どもはしっかりやっていかなければならないし、またその計画を充実するための財政支出がある中で、国にその要請もしっかりやっていかなければならない、そういったいろいろな意味で近隣の自治体の方々との連携も必要になってくるであろうと、このように思う次第であります。
また、原子力の防災というのはこれにとどまらないわけでありまして、今稼働はしておりませんが、ただそれでもやはり原子力発電所というものは存在するわけでありまして、常に防災ということについてわれわれは一歩一歩、3.11の経験を踏まえて歩みを進めていかなければならないという思いの中で、後志全体の皆様方との協定ということについても来週、協定締結ということも予定されておりますし、また後志の皆様方とのさまざまな議論の中で、やっぱり避難先は後志を出る場合もあるということで、石狩なり、胆振なり、そういったさらにちょっと広がるわけでありますが、近隣の自治体の方々との連携のありようなり、さまざまなことを、これからもしっかりやっていかなければならない、このような思いでこの原子力関係の安全対策を進めているところであります。
(日本経済新聞)
最初の冒頭の中央要請の関係にもなるんですが、まず今年度の補正予算の元になる経済対策ですかね、政府のほうで明日おそらく閣議決定されると。その中で公共事業を中心とした大型のものになるということで北海道にとってはやはり建設業が潤えばですね、景気への波及効果も大きいと思います。補正予算と来年度の本予算、合わせて予算が大幅に付くことでですね、これが長らく本格回復と言わなかった道内経済へのきっかけ、回復する転換点になるんじゃないかというような経済界の声も一部であるんですが、そういう観点からいうと政府の補正予算、本予算、知事として今どう見ているか、そのあたりお願いします。
(知事)
私どもも昨日、一昨日と要請をいたしましたが、道内で必要なインフラ整備についてはしっかり予算を頂きたいということは申し上げたわけでありますが、一方でその事業を実施するための地元負担ということについては、私どもの財政状況は大変厳しく、また1990年代、これは麻生財務大臣も言っておられましたけれども、小渕政権の時を中心に度重なる大型の公共事業があって道内にも多くの事業が投入されて、それに私ども道が、当時はわれわれが今回お願いをしているような交付金の地元負担軽減の措置はなく、われわれとしてしっかりお付き合いをしたと。それだけの財政力が当時はあったということだと思うわけでありますが、その結果の道債発行による道債残高の積み上がりが、今年、私知事11年目に入るわけですけれども、道債(残高)のなかなか減らない、借り換え、借り換えで利子支払も含めて大変な状況という、今の財政の厳しさの一つの大きな主因という位置付けでもありますので、その意味ではこの交付金を手当していただけそうというのは大変ありがたいわけでありますが、そういった中で道内の必要な公共事業はぜひやっていただきたいと。ただ、それだけでは不十分であって、このことは要請活動の中でも申しましたけれども、例えば北海道の地域の可能性という意味で言えば、再生可能エネルギーのさらなる導入・拡大であるとか、あるいは環境産業であるとか、あるいは食産業であるとか、民間産業界、企業が自立的な発展を期することができるような分野への財政投入ということも、これは税制もあるだろうし、試験開発への支援もあるだろうし、そもそもの導入促進のための助成もあるだろうし、いろいろなことがあると思うのですが、そういった分野への財政支出、経済対策もぜひやっていただきたいということを申し上げているところですのでそういったトータルの形で経済対策が近々決まることを大いに期待をし、それと加えて安倍政権は15カ月予算と言っておられますが当然今からの補正ですから、まだ(これからの)閣議決定だと国会成立はもうちょっと先ですので当然年度内にすべて執行は不可能であります。その繰り越しのさまざまなツールも使いながら来年度に多くがその効果も波及するだろうと。加えて来年度予算と合わせて、やはりここから切れ目ない形でさまざまな経済政策を道内においても展開をする。それは国の予算も活用しながら、われわれは、われわれの地域に合うような形で政策を展開することによって、何とか良い形で経済が活性化するようにわれわれ最大限の努力をしていかなければならない、そのように思っているところです。
(HTB)
灯油価格についてちょっとお伺いしたいんですけれども、昨日付けでですね、道の生活協同組合連合会から知事あてにですね、灯油の適正価格についての要請という文書が出されているんですけれども(平成25年1月10日時点で道には未達)、この中でですね、灯油の適正価格を維持するように道として指導してほしいといった旨の内容が記されているんですけれども、この文書の中にもあるんですが、道としては消費生活条例でですね、価格安定を図るべき物資として灯油というのが指定されているんですけれども、生協側にしてみればですね、原油価格というのがさほど上昇していないのに、それに対して灯油の卸値というのが異常に上がっているといった問題意識というのを持ってまして、灯油価格というのは非常に道民生活に大きく影響する部分もあると思うんですが、この灯油価格についてですね、道として何かできることというのがあるのかどうか、このあたりをちょっとお伺いしたいんですけれども。
(知事)
冬場はとりわけそうでありますが、道民生活の中で暖房を中心として灯油の位置付けの重要性というのは、他の本州の都府県の例に比較にならないくらい重要であるという認識があるわけであります。その意味では、私が知事をやっていたこの10年に限らず、20年、30年、40年、長いスパンの中で第1次オイルショックもありました。2次、3次オイルショックもありました。いろいろな要因で価格は上がったり下がったりしておりまして、下がるのは良いんですけどね。(下がると)業者さん困るかも。上がったときには、やはり私どもは国ともしっかり連携をしながらできる限りの情報開示、できる限りの指導等ということをこれまでもやってきておりますので、今回もそういったことで対処をしていかなければならない、このように思っているところです。
価格上昇の要因についての分析も必要でありますが、一部為替がね、円安に振れたじゃないですか、政権交代でぐっと。そういったことが、これは輸出にとっては有利になるわけでありますが輸入にとっては不利になる要素でありますので、そういったことの寄与度がどれくらいあるかというチェックは必要になってくるかと思いますが、いずれにいたしましても道民生活における灯油などガソリンもそうだと思います。石油製品の位置付けの重要度にかんがみ、必要な指導等をしっかりやっていかなければならない、このように考えております。
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