知事定例記者会見
・日時/平成25年2月1日(金)14:30~14:57
・場所/記者会見室
・記者数/25名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 タイとの観光交流促進に向けた趣意書調印式について
2 北海道米の道内食率について
記者からの質問
1 道職員の給与削減について
2 平成25年度予算政府案について(1)
3 BSE(牛海綿状脳症)対策について
4 消費増税に係る軽減税率導入について
5 退職手当の削減について
6 平成25年度予算政府案について(2)
知事からの話題
タイとの観光交流促進に向けた趣意書調印式について
[配付資料:タイとの観光交流促進に向けた趣意書調印式について]
それでは、私から2点ご説明をいたします。一つ目は、タイとの観光交流促進に向けた趣意書の調印式についてです。来週いよいよさっぽろ雪まつりが始まりますが、5日、火曜日、HBC広場のタイのワット・ベンチャマボピット寺院、大理石の寺院でありますが、その雪像の前で、私ども道庁とタイ国政府観光庁との間で、観光交流促進に向けた趣意書の調印式を執り行うこととなっております。前から申し上げていたと思いますが、去年の秋、私が(新千歳からバンコクへの)直行便就航の直後にタイに参りました時に先方とお話をし、その締結の合意をしたものです。さらにその後札幌市におかれましても、この同じ政府観光庁との間で互いの観光発展に資する映像制作等について協力することを確認する趣意書に調印をされることになりましたので、札幌市と私どもと一緒にこの大理石の寺院の雪像の前で、趣意書の調印式を行おうというふうに考えているところです。
道と札幌市と緊密に連携をしながら、タイからの観光客誘客促進に向けて取り組んでまいりたいと考えているところです。
(卓上にある)このハッピーちゃんというのは、タイ国政府観光庁のキャラクターです。私が去年の秋、(タイに)参りました時に(北海道観光PRキャラクターの)キュンちゃんと交換をさせていただいたものであります。
北海道米の道内食率について
[配付資料:平成24米穀年度における北海道米の道内食率(暫定値)について]
それから二つ目は、北海道米の道内食率の現状についてであります。平成24米穀年度、これは23年の11月から24年の10月を指す米穀年度という概念でありますが、この間における北海道米の道内食率は、前年度より8ポイント上昇して90%となったところでありまして、このことのご報告を申し上げます。
前年の23年米穀年度の道内食率は82%でありましたので、その次として85%を目標としてやっておりましたが、北海道米に対する需給情勢が引き締まったということもあって、一気に90%となったところです。もとよりベースとなる理由として「ゆめぴりか」や「ななつぼし」などが、皆様方に浸透してきたということもありますけれども、今回一気に90%まで上がった。私どもといたしましては今後についても、北海道米をとりまく需給情勢の変化ということは毎年毎年のことであり得るわけでありますけれども、何としても道内食率85%、これを着実に維持確保できるように今後とも関係団体等と一体となって道内における北海道米のPR活動をしっかりやっていきたいとこのように思っておりますし、また道外の主たる需要先の皆様方にも、しっかりと売り込みを引き続きやっていきたいと、このように考えております。
私からは、以上です。
記者からの質問
(日本経済新聞)
地方公務員の給与削減の関係なのですけれども、7.8%減らすということが政府のほうではそれを前提とした地財対策(地方財政対策)が作られて、昨日、都道府県向けに総務省が説明会をやって道の担当者も行かれていたと思います。今後一つ、道庁の対応がどういうふうになるのかというのが焦点になると思うのですが、前回の会見の時はまだそこまで至っていないと。ただ、7月実施に向けて労使交渉なんかも考えるとそんなに時間に余裕もないのかなというふうには思えるのですが、あらためてお聞きしますが、道庁としては国の水準に合わせる削減をするおつもりなのかどうか、そのあたりをお願いします。
(知事)
実は退職金をめぐる職員団体との交渉が、今週の月曜日(から交渉が続き29日(火)の早朝)に最終決着を見たばかりという状況でして、その際には退職金について議論を深める中で、道職員の5.6%の独自縮減について緩和してほしいという要望が職員団体のほうからも相当強くあって、そういういろいろな流れの中で今回の決着になったという(今はまさに)その直後です。
私どもとしては、今までずっと長年にわたって独自縮減を含めた行革(行政改革)をやってきたということを(全国)知事会全体としても、われわれ道としても、総務大臣、財務大臣はじめ政府に詳しく何回も、主張しているところでありまして、そういった中で、もう本当に2年間というこの国家公務員のもの(給与削減)に付き合うかどうかというのは大変な議論があろうかと思うわけでありますが、まだ今の段階で、一昨日くらいから(道の来年度予算の)知事査定をやっておりまして、そういった中で大変厳しい環境の中ではありますが、来年度予算をどういうふうに組むことができるかなど見極めていかなければならない、道庁の歳入歳出全体、財政全体のフレームの議論もありますので、そういったことを見極めながら検討していくということかなと思います。今段階でどうするということを申し上げられる段階にはありません。
(北海道新聞)
国の予算に絡んで伺いますけれども、安倍政権が経済対策ということで補正予算ですとか、来年度の新年度予算で公共事業というのを手厚く盛っていますけれども、これは地域にとっても経済活性化という効果が期待される一方で、地方の負担というのもかなり増えてくることも予想されるわけですけれども、一方で今の話にも絡んで、交付税も削減ということも予想されますけれども、そういう財政的にも厳しいんじゃないかという中で、どんなふうに受け止めていらっしゃるか、伺えればと思います。
(知事)
一言で言えば厳しいです。でもそれでは味気ないのでもうちょっとお話をさせていただきますが、確かに政府予算の今年度の補正予算、それから平成25年度の当初予算、通年で、合わせて15カ月の予算でこの厳しい国内の経済再生に向けて頑張るんだという安倍政権の強いメッセージが伝わってくるわけであります。公共事業予算、開発予算も前年度比で11%増えたというふうな評価もできるわけでありますが、一方で見方にもよるのでありますが、いわゆる一括交付金的なものも含めたのがこの前年度の予算。だから24年度(の公共事業の)予算(総額)というものの積算は、一括交付金ですから全国の枠があって、その中から要するに北海道への配分額というものを、いろいろな費目がありましたので24年度の開発予算にオンをした形で北海道の今年度の公共事業予算というのが積算できるわけですよね。それ(と平成25年度予算)との比較においては実はあまり違わないということもあるので、見方にもよると思います。ただ、いずれにいたしましてもやはり地方負担というものが出てくるということは事実でありまして、それについては私どもも去年の暮れからも再三再四、道内選出の与野党の国会議員の方々、あるいは政府に対しても地元負担を以前と同じようにすることはわれわれの財力では無理であるということの要請の中で、「地域の元気臨時交付金(地域経済活性化・雇用創出臨時交付金)」というのが今年度の補正予算の中に計上されております。私どもの理解によれば、地方負担の8割方をカバーをするというふうにいわれているものでありまして、これは補正での計上でありますが、私の理解は25年度の予算執行についてもスキームをしっかりやれば使えるものというふうな理解をいたしておりますので、こういったものをしっかり活用させていただくというのは当然だと思っております。そのことによって私どもの地元負担というものに一定の軽減がなされることは大変ありがたいと思うわけでありますが、ただ、今段階で「地域の元気臨時交付金」というのはトータル(の予算計上額)は分かっているのですが、配分とか、使い方の詳細とかそういうことについてはまだ明示されておりません。そもそも国会で議決も得ていないものですけれども、そういったところをやはり精査をしていかなければならない、こんなふうに思っているところです。いずれにいたしましても、いろいろな意味で25年度、私どもの道の予算の組み方というのは大変厳しい環境の中でやっていかなければならない、このような認識を持っているところです。
(日本農業新聞)
BSE対策についてお伺いします。今日ですね、米国産の輸入規制が緩和されまして、今後国内の対策についても検査対象の月齢が緩和される見通しです。これについて知事の受け止めと、これまでの国の議論が十分だったかどうか、また、説明が国民に対して十分だったかどうかお伺いします。
(知事)
前回の記者会見でも同じような質問が出たのですが、まず、輸入牛肉の規制緩和については、国民世論、道民世論も二分されているかなと思います。やはり牛肉生産者をはじめとする生産農家の立場からすると、国内でもいろいろなブランド牛があって、値段層が全然競合しないような高級牛肉を供給する生産者の方々は別として、北海道の場合には、どちらかというとやはり輸入牛肉と競合するような分野の牛肉の供給をしている生産者がいっぱいおられますので、そういった意味では私ども、生産者サイドとしては大変危機感を持っております。ただ一方で消費者の方々には選択の幅も広がるし、安いものが手に入るのは歓迎という声も出ているのも事実かなというふうに考えるところであります。
私どもはやはり農業立国北海道の立場からしますと、やはりこういった輸入牛肉の条件の緩和の中で、道内牛のPR、ブランド牛もいくつもありますので、そういったことも含めて、しっかりと北海道の牛肉の良さというものを生産者、あるいは生産者団体や農業団体の方々とも連携をしながら、しっかり国民、道民にアピールをしていくというふうな地道な努力がまずは必要かなというふうに思う次第であります。
国の説明が十分かどうかというのは、なかなかこれは評価は難しいところでありますが、国は国の責任においてさまざまな形で科学的な検証をし、国内世論というものも把握をした上での今回の決定だというふうな認識を持っておられるのは事実だと思います。それを多くの国民が評価するかどうかというのはこれからまた(次の)状況の中で出てくるのかなというふうにも思うわけであります。
それから4月1日以降の話でありますが、私どもとしてどうするかということにつきましては、(北海道)食の安全・安心委員会の専門家グループ(BSE専門部会)の中で議論を頂いております。そういった中で、まずは道としての方向性のアドバイスを頂いて、そして道議会議論なども踏まえて、しっかりと方向性を見極めていきたいとこのように考えております。
(時事通信)
与党と政府の税制改正大綱の中で、先ほど決まりました、中で今後の消費税増税に合わせた中低所得者対策ということで、再来年10月の消費税10%引き上げに合わせて、軽減税率の導入を目指すという内容が盛り込まれました。対象品目でありますとか、税率などの制度設計は次の改正案、改正大綱に委ねられたのですが、食料品が中心になると思いますが、北海道、食料生産基地ということもありますし、知事、これについてどうお考えになりますかお聞きしたいと思います。
(知事)
まずは今回、消費増税ということの方向性を前政権時代に、今の野党でいらっしゃる民主党が政権の中心におられて、自民党、公明党とも消費増税ということに向けて合意をしたということは、やはり社会保障の分野における、この高齢化社会の中における費用の増加というものをどのように国民的に負担をしていくかという議論の中で出てきたことでして、その意味では消費増税そのものについてもこういった(記者会見の)場で私もコメントを何回も求められたことはございますけれども、もとより増税を好む国民はいないわけでありますけれども、しかし当時の政府あるいは与野党のやむを得ない合意だったのではないかというふうにコメントをさせていただいたところであります。
今はその消費増税の中、それに伴う軽減措置というものをどのように考えるかということのご質問ですが、確かに消費税を含めていわゆる間接税、直接税という表現、今でも古くないですよね、間接税というのは直接税との比較において、逆進性が高いと、みんなあまねく課税されるのだから、当たり前といえば当たり前ですが、といわれている税目でございます。その意味では、税を導入することによって、今ご質問の中でも触れられましたとおり低所得者の方々に、より税の負担感が重くなってしまうという欠点を有しているものでありますので、そこになにがしかの形で対応策を取っていくこれは当然の行政、政府としての責務であるとこのように思う次第であります。そのことを私の理解では自民党、公明党という与党2党の間で消費税率10%導入の際に軽減をするということで今後中身を詰めましょうということで合意をされたということだと思うわけでありますが、今後、国会の場、民主党も含めて、いろいろな議論も出てくるでしょうし、また維新の会をはじめとしてさまざまな方々がさまざまな立場からいろいろなご議論が出てくると思いますので、そういった中で、方向性が決まってくるのかなというふうに思うわけであります。ですから、消費増税の中で軽減措置というのは不可欠であると。そしてそのやり方については、透明性の高い形の中で議論が進められ、そして国民にも分かりやすい形で導入されるということを注視をしてまいりたいとこのように思います。他国の前例もあるだろうから、そういうことも十分勉強していく必要があると思います。
(NHK)
一番最初の日経さんからの質問で、もうちょっと補足でお伺いしたいんですけれども、まず退職金めぐって職員団体との交渉最終決着、合意をしましたけれども、それに対する受け止めをあらためてお伺いしたいのと、昨日特別職についてもですね、削減すべきだというような意見がまとまったと思うんですけれども、これについて知事のお考え方を聞かせてください。その上で、先ほど今後のですね、交付税をめぐる部分について見極めながら検討していくとおっしゃいましたけれども、その選択肢としてやはり給与削減についてもですね、十分検討しなければいけない課題に入っているのかどうか、北海道の場合ですね、のところも含めてそのあたりはどういうふうに知事は考えているのかなというところをお伺いしたいです。
(知事)
去年ご提案申し上げてからずっと断続的に職員団体と退職手当の扱いについて議論を深めて今週の1月28日月曜日(から交渉が続き29日の早朝)に妥結を見たところであります。国並びということではございますけれども、やはりそれぞれのお立場でいろいろなご意見がありますので、そういった中での交渉の中で、今回ご承知のような形で3カ年間で実施をするということで決着を見たところです。そういった流れの中で昨日、有識者懇談会(北海道特別職職員報酬等懇談会)の中で、特別職、あるいは行政委員会というのですか、教育委員会なり公安委員会なり、そういう道の委員会の委員の方々の給与というか対価(報酬)、そういったことをご議論いただく場で、特別職の退職手当についての方向性も頂いたということです。
退職手当の職員団体との交渉については、粘り強くそれぞれが主張を出し合った中で、一つの方向性が出たなというふうに受け止めているところですし、またそういったことも踏まえて、昨日の有識者懇談会でご意見を頂きましたので、そのご意見を重く受け止めて、もとよりそれを踏まえての検討ということではございますが、重く受け止めた上で検討し、要すれば関連の条例を次期道議会に提案をしてまいりたいと、このように考えているところです。
それからもう一つ、冒頭に質問があったのと同じような趣旨のご質問だと思うわけでありますけれども、今、来年度予算の個別の費目の精査と、そして全体としてのフレームをどのように考えていくかということの議論を並行して進めているところです。今のご質問は、後者の話と関わってくるかなというふうに思うわけでありまして、もとよりすべての算出費目について、もちろんメリハリというか重視しなければならない分野というのを知事査定の冒頭で私から申し上げて、御社でも報道していただいたような気がするのですが、重視をしなければならないところもあるけれども、でも例外なくすべての費目をもう一度洗い出して精査をすることは重要でありまして、そういったことの中で人件費も含めて、あるいは公共事業とか他の政策費目も含めて精査を掛けた上でどのような判断を私どもとしてするのか、まだその結論には至っていない、そういう現状にあります。
(日本経済新聞)
財政の関係の話ばかりの後で恐縮なんですけれども、来年度の国の予算で、道北でですね、風力(発電)の送電網を築くという。一応250億(円)というそれなりのお金がですね、付いて北海道としてもですね、新エネの促進かなり加速するのかなというふうには思うんですが、あのスキームはたぶん国が作ってそこに民間が参加する、民間事業者が特別会社作るというスキームだと思うんですけれども、道庁として何か後押しするような施策というのは、何か考えているのか、作れるのか、できることがあるのかどうかも含めてちょっとお願いします。
(知事)
まず250億円という金額が計上された、そしてそのターゲットのエリアとして北海道を想定しているというふうに経産省からご説明を受けておりまして、民間事業者が送電網を整備することを目的として設立される特別の会社に対して2分の1助成するというようなところまでは私どもとしても理解をしているところですが、その参加する民間事業者をどういう形でフォーメーションをしていくのか。当然電気事業者は入られるのでしょうけれども、北電(北海道電力)も今大変なる赤字を抱えておられる中で、北電だけでは無理でしょうし、それ以外、いろいろ非公式には関心のあるという民間事業者のお名前も聞いているところですけれども、そういった形を作っていかなければならないというふうに思っておりまして、このことはまだ私どもも詳細な制度設計についてまで情報収集を急がせてはおりますが、この事業は国というか資源エネルギー庁が主管だと思いますが、そしてその意を受けているこちらの北海道経産局とも連携をしながら、北海道の事案でありますので、私どももしっかりと連携をさせていただきながら、われわれは、(本道を再生可能エネルギーの)宝の島と言っておりますけれども、風力発電をはじめとするこの再生可能エネルギーのさらなる活性化に結び付くような、振興に結び付くような、そういった送電網整備という事業に持っていかなければならない、そんなふうに思っているところです。
ですからご質問に対しては、あの予算の執行、執行と言ってもまだ国会も通っていませんけどね、執行についてしっかりとわれわれとしても役割を果たしていくと、このことを申し上げると同時に、これはエネ庁にも申し上げておりますが、また加えてこういった送電網の整備ということができるのであれば、それと連動する形で、われわれとしても財政投入を自らがどれくらいできるかというのは、さっきご説明したような議論の中ではなかなか難しいところもありますが、いろいろな形で発電そのものも支援していくような、そんなやり方がないかどうかということをしっかり見極めていきたいと考えております。
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