知事定例記者会見
・日時/平成26年3月20日(木)15:35~16:15
・場所/記者会見室
・記者数/23名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 平成26年第1回定例会の閉会にあたって
2 ソチパラリンピックの閉幕について
3 最近の企業立地状況について
4 「地域経済の好循環につなげるための推進方針」について
記者からの質問
1 原子力発電所について(1)
2 原子力発電所について(2)
3 日豪EPA交渉について
4 企業立地件数について
5 ウクライナ情勢について
6 北海道商工会連合会の不適切な事業執行について
知事からの話題
平成26年第1回定例会の閉会にあたって
私からは4件お話をいたします。一つ目は、今日、平成26年第1回(北海道議会)定例会が閉会いたしました。第1回定例会というのは、(当初)予算の審議がございますので、大体1カ月くらいという長丁場でございますが、さまざまな議論が展開されたわけでありまして、そういった議員の皆様方のご提言、ご提案、いろいろなことをしっかりと踏まえて、私どもとして新年度からの予算執行、そして行政運営に取り組んでまいりたい、このように考えております。
ソチパラリンピックの閉幕について
それから二つ目は、ソチパラリンピックの閉幕に関してであります。3月16日に閉幕したソチパラリンピックにおきまして、北海道関係の2名の選手の方が、期待どおりの素晴らしい活躍をされたところであります。ご承知のとおり、狩野(亮)選手が金メダル二つ、久保(恒造)選手が銅メダル一つを見事に獲得されました。連日の競技で活躍されたお二人には、心からお疲れさまと申し上げたいと思います。
お二人とも、人一倍の練習と日々のたゆまぬ努力を積み重ねた結果として、今回のメダル獲得に結び付いたものと考えるところでありまして、こうしたご活躍というのは、私たち道民に大きな夢と感動を与えていただいたものというふうに思うわけでありまして、道民の皆様方とともに心から感謝申し上げたいと、このように思います。
そして、この両選手の業績に対しまして道民の喜びと感謝の気持ちを表すために、久保選手には栄誉賞をお渡ししたいと思っております。また、狩野選手におかれては、バンクーバーパラリンピックで大活躍されたその業績に対して、既に栄誉賞を贈呈したという経緯もございますので、今回、栄誉賞特別賞というものを新設いたしまして、その第一号として、狩野選手には栄誉賞特別賞を贈呈させていただきたいと、このように考えているところでございます。日程調整をできる限り早くした上で、私から直接、それぞれの選手にこの感謝の気持ちをお伝えする贈呈を行いたいと、このように思っています。
最近の企業立地状況について
〔配付資料:最近の本道への企業立地について〕
三つ目は、最近の企業立地状況について、これは配付資料があると思います。
一昨日、ご承知のとおり、苫小牧市のほうで、JFEエンジニアリングが手掛けられます植物工場の起工式があったところであります。私はちょっと出席はできなかったわけでありますが、これから工事がスタートしますので、完成した暁には、私もぜひお邪魔をしたいというふうに思っております。
また、これと並行して、もう一つ植物工場がこの春、苫小牧市で計画されておりまして、それも近々、形になってくることを大いに期待し、見守って、われわれとしてもできる限りのサポートをしているところでありますが、こうした、われわれが一生懸命やってきております企業誘致に新しい動きが出てきているというふうに認識をしておりますので、最近の立地状況等について、話題としてご説明いたします。
まず、資料の1ページにございますとおり、立地件数そのものが、今年度は2月末で81件となっておりまして、昨年度を上回り、ほぼリーマンショック前の水準に並ぶ状況になってきたと、このように考えているところでございます。また、この件数のレベルが、もちろん調整中の案件もあるのでありますが、こうやって公表できたものの件数が一定程度になったということに加えて、質的にも特徴的な変化が見られるということで、ご報告を申し上げたいと思います。
第一の特徴は、企業のリスク分散による立地の動きというのが目立ってきたなということであります。これは、東日本大震災、あるいは、西日本におけるさまざまな大規模な地震、津波の可能性、危険性の高さ、あるいは、首都直下地震等の危険性の高さなどがいろいろいわれている中で、やはりビジネスに携わっている企業の方々がリスク分散ということに大変に強い関心を、特に高めておられると。BCP(事業継続計画)というのが一つのキーワードになる、そういう状況になっている中で、今申しました81件のうち、約4分の1を占めます21件、これが、こういったリスク分散による立地というふうに位置付けてもいいと、そういう中身になっているところであります。自動車関連産業は、これは、実はリスク分散(の動き)より前からも、苫小牧市とか、あるいは室蘭市とかに来ているわけでありますが、こういった自動車関連産業で、やはりリスク分散というものも、最近の動きの中にもあるわけでありますが、それに加えまして、例えば、麻酔針製造のユニシス、これは北広島市に進出であります。私も社長と、この表明をされる前にじっくりお話をさせていただきましたが、やはりリスク分散という思いを強く持っておられました。また、今年の秋にオープンされるアクサ生命保険のように、本社機能の移転などが進んでいるということも、最近の新しい動きではないかと思う次第であります。
さらには、これはたぶん初めて申し上げるのですが、静岡県に本社のございます、電子部品関連のベンチャー企業のFJコンポジット、こちらも社長と私、じっくりお話をさせていただきましたが、この会社が、千歳市に生産拠点と本社を一括して引っ越して来られるというような移転をされるといったことも動きとして出てきているところでございまして、こうした動きというのは、今後とも進んでいくのではないかなというふうに思っているところでございます。
また、こういった企業誘致ということばかりではなくてですね、東海地方、静岡県をはじめ、やはりこの地震等の影響が強いということを認識されておられる地域、例えば静岡県庁のご紹介ということで、同県内の企業である西光(せいこう)エンジニアリングと旭川市のエフ・イーが、バックアップ生産に関する連携協定を締結するなど、産業活動のリスク分散の観点からのバックアップに関する取組というものも多様化してきているかなというようなことも思っているところでございます。この西光エンジニアリングというのは、食品加工機械製造ということでございます。
今申し上げたリスク分散が一つ目の特徴なのでありますが、二つ目の特徴はですね、これは私ども自身も一生懸命プロモーションのキーワードとしております、北海道ブランドに対して注目が集まっているという観点からの企業立地の展開ということかなというふうに思っております。とりわけ、食関連産業ではこの方向が目立ってきているというふうに思っております。最近の動向といたしましては、例えば、旭川市に展開されておりますヤマザキ、これは総菜を作っている、これも静岡の企業で、私もこの前、旭川でお会いしてまいりました。それから、千歳市のフジッコ、ここはもともと北海道の素材をずっと使って生産を、道外のいろいろなところでやっておられて、いつかは北海道に進出したいという、創業者の方が強い思いを持っておられて、この度そういう形でご進出いただいた一つの例でありますが、フジッコにおかれては、道独自の食品機能性表示制度、ヘルシーDo(ドゥ)も活用していただいているところでございまして、北海道工場は増産体制にもなってきているというふうに報告を受けており、大変うれしく思っております。
また、それ以外に食関連分野において、特に植物工場、これはいくつかの企業からご相談もいただいておりまして、新エネルギーの利活用の観点も含めて、新たに植物工場を助成対象に加える北海道産業振興条例(北海道経済構造の転換を図るための企業立地の促進及び中小企業の競争力の強化に関する条例)も活用しながらしっかりと対応をしていきたいと、このように思っております。
それから、データセンターの立地は、これまでも進んできているのでありますが、またあらためて来週に、道内におきましてデータセンター視察会を開催させていただくところでございまして、私自身も日程調整をしてこのセミナーに出席したいと思っておりますが、過去最大規模の参加者の方々が来道され、こういった視察会、セミナーの場で、バックアップ拠点としての北海道の優位性、あるいは、本道の冷涼な気候を生かした省エネ化の提案など、いろいろな形での北海道のアピールをしていきたいと、このように考えているところでございます。
ともすれば、こういった立地の動きというのは、道央圏に集中しがちなところもあるわけでありますが、私ども道庁といたしましては、来年度はこうした企業立地の動きが道内のできる限り広い地域に広がるように、各地の市町村の皆様方にも呼び掛けをして、エネルギーや農林水産資源など、さまざまな地域の特徴を生かした提案型の誘致の推進ということにも取り組んでまいりたいと、このように考えているところでございます。
私自身も、大変多くの企業のトップの方々に対するセールスというものを、いわゆるトップセールスとして行ってきたところであります。もとより、アプローチしたけれど駄目になったというのもいっぱいありますけれども、今、ここでは申し上げられないけれども、着々と進んでいるものもございまして、いくつかについては、前向きな感触も得ているところでございます。今後とも、こうした道外企業の方々の企業立地に向けての意識というものをしっかり踏まえながら、より積極的な企業誘致を推進してまいりたいと、このように考えているところでございます。
「地域経済の好循環につなげるための推進方針」について
〔配付資料:地域経済の好循環につなげるための推進方針(案)〕
もう一つは、今回の議会でも議論になっておりました、地域経済の好循環につなげるための推進方針についてでございます。配付資料が1枚あります。2月の中旬の平成26年度予算案のご説明の際にも申し上げたとおりでありますが、この4月1日からの消費税率の引き上げ、これは実に17年ぶりでありまして、17年前に3パーセントから5パーセント、今回は5パーセントから8パーセントに上がると、この景気に対する負の影響というのは、もちろん道内だけではなく全国的な影響も出るところでありますが、私ども道内においてこの影響というものを最小限にとどめるために、今日議了いただきました予算を最大限活用し、予算をできる限り前倒ししながらしっかりと対応していかなければならないと、このように思っているところであります。本来であれば、この記者会見の後に開催を予定しております経済・雇用対策推進本部員会議で決定し、その後のご説明というのが筋だと思うわけでありますが、案という段階のものでご説明を申し上げたいと思います。推進方針は3つの柱で構成しております。資料の真ん中にございますとおり、生産・経営、雇用、需要この3つをしっかりとつないでいくという、一言で言えばそういうことであります。
まずは、地域の担い手である中小企業、とりわけ小規模企業に対する対策、また、地域経済を牽引するものづくりや環境が厳しい食料品製造業、商業、建設業などの皆様方の経営、生産基盤の強化による新たな生産活動の誘発ということがあるわけであります。食品関連のものづくりというのは北海道のお家芸でありますが、例えば古平町のたらこ製造業関係の方々の話でもお分かりのとおり、さまざまな厳しい環境がございます。また、商業の皆様方はやはりこの消費税率アップの影響というものを直接受ける。こういった方々に対するサポートも重要であります。また、建設業の方々は仕事量は少しずつ増えているという傾向にあるわけでありますが、そういった中で人手不足に大変苦しんでおられる。こういったところをどのようにサポートしていくかということであります。
2番目の雇用につきましては、全員参加型社会の実現、全員参加型というのはなかなか難しい表現でありますが、もちろん大学、高校など教育の場から社会に出られる若者の方々、それから女性、高齢者、障がい者の方々、みんなで支え合う雇用というものを創出していく、そういったことを考えております。
そして三つ目、さらなる需要の創出ということでは、国内外への情報発信、「クール・HOKKAIDO」の活用なども想定しているところでございます。お配りした資料をご覧いただければと思うわけでありますが、私どもとしては、平成25年度の国の補正予算なども最大限活用しながら、通常は当初予算というのは議了を3月末に頂いて、それから立ち上げの調整をしていろいろやって実際のアクションに結び付くのが6月とか7月くらいというのは相場観でありますが、それでは全く間に合いませんので、私は4月から直ちにできる態勢ということで、この基本的視点の三つ目の丸にございますとおり、4月からの半年間、集中的な取組期間ということを考えているところでございます。そのためにですね、右下のほうに集中的な取組期間のアクションとして書かせていただいているのですが、まずは、地域それぞれ大変苦労される商業者をはじめとする中小企業の方々に対する経営の安定に向けたきめ細やかな相談体制など、そういうことをやっていくと。これはもうスタートしておりますが、それを例えば土日の対応も含めて充実をするということを4月早々から始めたいと、このように思っております。それから、その下に国との合同プロモーションうんぬんと書いておりますが、例えば、先ほど申しましたとおり商業の現場の方々は、特にこの消費税のアップは影響を直接受けられるということでありますので、例えば商店街における売り上げアップのためのイベントの支援など、できる限り早く着手していくということをやっていきたいと思っております。
それから、その下にございます観光プロモーション、これは為替の影響もあって、今、海外からのお客様はどんどん増えてきておりますので、これをさらに加速しようということで、もうすでにやっておりますが、例えばタイからエージェントの方々に道内の、大変にきめ細やかなおもてなしとか、地域の特性を生かした観光の盛り上げをやっているようなところに来ていただくと。タイの方々はやはり暑い地域の方なので、寒いところ、雪とか氷とかがお好きなようであります。そういうところを今、きめ細やかに、今の季節に回っていただいております。それから、残念ながら1月に、私自身のタイ訪問を延期せざるを得なかったわけでありますが、これをできる限り早く、新年度に入って、4月はちょっと中国、韓国への出張がございますので、その次くらいのタイミングで、ぜひ私自身のタイ訪問、トップセールスということもやっていかなければならないというふうに思っているところでございます。
また、それぞれの地域において、やはり公共事業の位置付けというのは大変大きなものがございますので、早期発注ということにも目配りしていかなければならないなどですね、地域の経済が、今、少し持ち直しているといわれているものを、消費税率アップということのマイナスの影響を最小限にして、その持ち直しの動きをさらに広げていくということのために努力をしていかなければならないと、われわれは思っているところでございまして、このことについて、このあとの本部員会議で決定してまいりたいというふうに思っているところでございます。私どもは、こういった事業を実施するにあたって、機動的なサポート体制の発動や追加の取組を、今後必要に応じさらにやっていくということは当然でありますが、庁内にワーキングチームを設置し、全庁を挙げて、当然、振興局も含めてでありますが、緊張感を持って、きめ細やかに対応していきたいと、このように考えているところであります。
私からは以上です。
記者からの質問
(HBC)
今日ですね、大間原発に関するですね、(道議会の)決議がありましたけれども、この中で、道においては、国や事業者に対して、函館市をはじめ道民へ誠意を持って説明責任を果たすよう強く求めるべきである、というふうな決議がありますが、先週もですね、コメントいただいて大変恐縮なんですが、あらためてですね、今日というタイミング、この決議を受けてですね、知事としてどうされていくのかということをですね、あと原子力防災計画、まだできてもいないのにまだ気が早いかもしれないんですけれども、函館市はですね、原子力防災計画の策定を拒否するというようなことを言っているんですけれども、道としてですね、この問題、現段階でどういうふうにお考えになっているのか、お伺いします。
(知事)
分かりました。今日(道議会において)、共産党を除く各会派のご賛同の中でこの「大間原発建設に関し慎重かつ厳正な審査と説明責任を果たすよう求める決議」というものが採択されたところでございます。私といたしましては、道議会の決議というものの趣旨に沿う形で行動していくというのは当然でございますが、函館市の議会においてまだ(審議が)終わっていないわけですね。ですから、まずは函館市の議会の状況を注視し、どういう形で議決をされるのかということを今段階で見守っていかなければならないというふうに思っております。そして、そういった中で、函館市の思い、それから道南の方々の思いというものを私どもとしてしっかり踏まえた上で、私どもとしては道民の安全を担う責任があるわけでございますので、大間原発に係る動向を常に把握するなど、適切に対応するとともに、国や事業者に対して函館市をはじめ道民への誠実な説明責任を果たすよう求めていくという、こういった(決議の)ご趣旨に沿うような形の行動をしっかりやっていかなければならないと、このように思っているところでございます。
その防災計画策定のことについては、まだ函館市の中において、このことについての審議が行われている段階でございますので、まだコメントするタイミングではないかなと、このように思っております。
(朝日新聞)
ちょっと遅いんですけれども、3.11に合わせて朝日新聞がですね、泊原発の周辺自治体とか30キロ圏の自治体にアンケートをいたしました。それで30キロ圏の自治体はですね、やはり再稼働にあたっては同意が必要であるというご意見が半分近くを占めたという結果が出たんですが、知事は30キロ圏の自治体が再稼働にあたって同意を求めるということについてどう考えているのでしょうか。
(知事)
この御社のアンケート結果というものは拝見しております。また全国それぞれの原発の周辺地域でも同様のアンケート調査が行われていて、いろいろなご意見が出てきているというのも合わせて承知しているところでございます。私どもとして、この手続き面をどのようにやっていくのかというのは、やはり道議会でもご答弁申しましたとおり北海道だけの問題でもありませんし、原子力を含めてエネルギー政策というのはこれまでも国が責任を持って推進をしてこられたという経緯からすれば、どういった手続きで物事を進めていくかということについて、これは原子力立地の各道県の総意としてですね、あらかじめ具体的な手続きを国において示してほしいということを強く言っておりますので、今の段階でうんぬんする段階にはないかなというふうに思います。ただし、これも道議会でも申し上げたところでありますが、30キロ圏内の防災計画の策定、そして策定しただけではもちろん不十分なので、それを反復継続的に訓練を行っていく、そして訓練をしてここが不備だなということがあったらそれをまた計画にフィードバックしていくというこの不断の努力はですね、これはもちろん一定の方針というのは国から今も出ているわけでありますけれども、地域それぞれの状況に沿ってやっていくというのは、われわれ道と市町村の責務だと思っておりますので、そちらの努力はしっかりとやらせていただきながら、今ご質問にございました手続きのところについては、国に一定の統一的な明確なものを求めているというふうな段階でございます。
(TVh)
来月オーストラリアのアボット首相が来日する際に、日豪EPAの締結の合意があるのではないかという見方も出ているんですけれども、オーストラリアの牛肉などの関税の引き下げとなると道内経済にもですね、当然そういう形になれば影響もあるかなというふうなこともあるのですが、そこらへんちょっと知事どのように見てらっしゃるのかということと、北海道経済への影響、日豪EPAの、どのように注視されているか、お話いただけますか。
(知事)
TPPがご承知のような形で実質合意がちょっと先送りされているという状況の中で、日豪の枠組みが今先行しつつあるのではないかと、そういう状況だと認識しております。確かにこの牛肉の関税引き下げというのは、道内の牛肉生産の状況というのは他府県とはちょっと違って、いわゆる肉牛専門の牛というよりも乳用牛と合わせてという形ですからマーケット的なセンス(感覚)で言えば、価格帯が中位、あるいはちょっと安めの肉というようなところが北海道の牛肉生産の主たるマーケットでありますので、その意味では今ご質問にございましたオーストラリア産の肉の関税が下がるというのは、私どもの牛肉関連の農業者の方々への支障ということを考えますと、道知事としては大変懸念をしているところでございます。そういった中で2006年12月に、このことについての国会決議(日豪EPAの交渉開始に関する決議)がございます。そういったことをしっかり踏まえて、本道農業に支障が生じることがないよう、国におかれては万全の対応をしていただきたいと、このようなことを思っているところであります。
(日本経済新聞)
今日、企業立地についての実績の発表がありましたけれども、立地件数が今回の数字を見ると81件でリーマンショック前の水準にとうとう戻ったということで、東海圏を中心にですね、企業がどんどん来ているということで、今回のこの動きに対するですね、手応えといいますか、受け止めを伺いたいんですけれども。2点目の質問として、今後の動きについてなんですが、九州や沖縄でもですね、リスク分散の動きを取り込む動きが活発化していますと。北海道は順調に伸びていますけれども電気料金のですね、再値上げを北海道電力が表明するなど、逆風となりそうな動きもある中でですね、どのように他地域との差別化を図っていくのか、そのあたりの考えを伺えますでしょうか。
(知事)
まずですね、一つ目の立地件数が伸びているその状況についての手応えというか受け止めということでありますけれども、増えている要因の分析は先ほどちょっと申しましたとおり、ビジネスサイドで、全国のビジネス関係者の方々の間で、やはりリスク分散というのですか、特に自然災害リスクに対する意識というものが大変高まって、ビジネスを継続的に行うための中長期的な発想というものをやっていかなければならないという、そういう意識の高まりというのはあると思うのですが、とりわけこのことが先程来申しております愛知県とか、静岡県とか、そういう東海地域の方々が特に意識が強いのかなということを思っているところでございまして、もとより私どもは別に、そういった地域から引きはがして(企業を)北海道に持ってくるというような、そんなことをやるつもりはなくて、ビジネスでありますので、いろいろな条件提示をして、お話し合いをして、それにご納得いただければ来ていただくというのが企業誘致の趣旨でありますので、そういった意味で、今確かに手応えも感じておりますし、それから静岡県庁にご仲介いただくいろいろなリスク分散協定という話も冒頭いたしましたが、そういったことも視野に入れながら、しっかりと取組を続けていきたい、あるいは深化していきたいというふうに思っております。
それからもう一つの理由は、やはり食ばかりではなくて森林資源のようなことも含めて、北海道が誇る自然、あるいは食、一次資源などの北海道ブランドというものが浸透してきたのかなということを思っているところでありまして、これはまさに北海道の活性化に大変重要な分野でありますので、引き続きしっかりと取組を加速していかなければならないなというふうに思っているところでございます。去年の秋にもメッセナゴヤ(名古屋市で開催される異業種交流展示会)に、2年続けて行きまして、北海道として出展もしているんですね。去年は、特に道内のすべての市町村ではありませんけれども、いくつかの市町村が参加していただいて、それが増加してきています。苫小牧市、北広島市、千歳市、石狩市、旭川市に去年は参加していただいていまして、それぞれユニークな売り込みを、北広島市は市内で採れる農産物を一生懸命配られたそうです。それに大変関心を示された向こうの企業もおられたらしくて、そういう中で、愛知というと自動車関連の企業誘致というイメージなのですが、実はすごく広がっているんですね。医薬品関係の企業がメッセナゴヤで北海道進出に関心を持ったり、食品関係ももちろんありますし、そういう自動車分野から他分野への広がりというのも、私も名古屋というか大きくいえば東海地方のようなところで出てきているのかなという思いもあるわけでありまして、ですから先ほど、もっともっと道内の他の地域までこの動きを広げていきたいということも申しましたけれども、道内のそれぞれのブロックの賛同される市町村の方々と連携をしながら、企業誘致というものをもっともっとやっていきたいなというふうに思っているところでございます。
それから、他地域との差別化ですね。とりわけ電気料金値上げということについて、2月の初めに北電(北海道電力)の社長が検討するということを記者会見(で表明)されたという報告を事務的にも受けているところでありまして、大変そのことの影響というものを懸念するところであります。確かに企業誘致というものも地域間競争でありますので、九州の川内原発の優先というのもあります。沖縄はもともとそういうのはありませんけれども、独特のいろいろな特区制度などの優遇策を活用しての誘致活動もやっておられるわけで、北海道も負けていることはできないというのはおっしゃるとおりであります。電気料金の問題は、これはこれで北電に対してはあらゆる分野での合理化ということをしっかりやってほしいということを申し上げているところでありますが、北海道の持つ他の優位性、例えば積雪寒冷ということの裏返しとして、夏場は涼しいと。こういったことは例えばデータセンターなり、あるいは冷房コストに多くの費用をかけるような業種の企業、あるいは工場の進出にはプラスでありますので、そういった他の地域との比較において、比較優位を有する私ども北海道のポイントというものをアピールしながら、しっかりと地域間競争に勝って、立地件数のさらなる上積みということをやっていきたいと、このように考えております。
(北海道新聞)
ウクライナ情勢の緊張の高まりに伴いまして、サハリン州との経済交流や北方領土交渉への影響が懸念されております。知事の受け止めと今後の方針をお聞かせください。
(知事)
分かりました。昨日、東京で政府主催の日露投資フォーラムでプレゼンをさせていただけるという話だったので行ってきたところでございます。確かに今、クリミアというか、ウクライナがこういう状況でありますので、もともとロシアサイドから来る予定になっていた経済発展省の大臣が来られないとか、日本サイドも担当大臣の茂木(経済産業)大臣が出席されないなど、ちょっと通常のこういったフォーラムではないような雰囲気の中で会合があったわけでありますが、ただやはりこういった経済面、あるいは人的な交流などというのは、こういう時だからこそ私はしっかり進めていかなければならないという思いを、昨日のフォーラムに出席させていただいて、いろいろな方々といろいろな雑談を含めて懇談をした中で、あらためて強く思ったところでございます。その意味では、実は昨日、サハリン州のホロシャビン知事も来ると言っておられたんですが、ちょうど大統領の演説をモスクワで聞かなくちゃならないということで、それから沿海地方の知事も当初、昨日来ると言っていたのが来なくなって、たぶん代わりにモスクワに行かれたんだと思うんですけれども。そういう状況ではございますが、引き続き、サハリン州、あるいは沿海地方、それからハバロフスク地方、こういった極東3地域との交流が、やはり北海道の場合には地理的にそこが中心になると思いますが、そういったことはしっかりやっていきたいし、いかなければならないというふうに思っているところでございます。ちょうど沿海地方の中心都市のウラジオストクに道銀(北海道銀行)の事務所が立ち上がり、そこに道銀のご理解を得て私ども道の職員の派遣ということを、これは常駐という形で考えているところでございまして、こういったロシアとの交流をやはりわれわれはしっかり進めていくという、そういったことに私は疑いはないというふうに思っているところでございます。ただ、国際的な政治情勢はこういう状況でありますので、北方領土問題、これは国と国との交渉ということでありますので、これはやはり外交面で一定の影響は避けられないだろうなという思いは、この地域を含むところを見ております道知事の立場で大変懸念をいたしているところでございますが、しばらくたちますとまた状況も落ち着いてきて、またいろいろなことも見えてくると思いますので、私どもとして必要であればまた政府に対してさまざまな動きをしていかなければならない、そのようにも思っているところであります。
(十勝毎日新聞)
昨日の(道議会経済)常任委員会で、北海道商工会連合会が国や道の助成を受けた一部の事業について、不適切な取扱をしていたと。また、その返還が必要とされる額も明らかになったと思うんですけれども、道商工連を監督・指導する立場の知事の受け止め、また今後の対応について、あらためて伺いたいのですけれども。
(知事)
道からの補助金を受けて事業を行っている団体の不適切な事業の執行ということが明らかになったということは、大変残念であり遺憾であります。もとより、明らかになった不適切な部分について、返還を含めて行政的な対応もやっていかなければならないわけでありますし、また、それ以上に重要なのは、再発防止に向けて(連合会の)職員の人たちの意識を高めてもらう、そして、必要であれば私どもの職員が指導をするというようなこともやっていかなければならない、このように思っております。
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